社会

2022年09月12日

AgedJapan60


日本は老いた。団塊の世代が現役を退き、人口のボリュームゾーンはもはや高齢者だ。冒頭のVizは日本全国の220,360の町丁目レベルに分割されたエリアにおいて、平均年齢が60歳を超えるエリアを赤く塗りつぶしたものだ。日本の国土の多くが赤く塗りつぶされていることに気づくだろう。

このVizは以下でインタラクティブに操作可能だ。右にあるスライダを操作して赤く塗りつぶす閾値となる年齢を変化させることができる。


念のために言及しておくと、面積の広い過疎地の田舎が赤く塗られることで、実態よりも強調されて表示されている。それでもこの国の現状を識る一つの見方を提供していると言えるだろう。

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lunarmodule7 at 21:47|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 老人の国

2021年05月25日

1990年初頭より始まる30年にわたる経済低迷は失われた30年と呼ばれている。

この30年の間に日本国民が失ったものは多いが、中でも最も重要なものの一つは賃金だ。30年もの長きに渡り賃金上昇は無きに等しく、かつて経済大国と呼ばれ世界有数の豊かさを誇った日本はこの30年で完全に過去のものとなった。

本エントリでは賃金に注目して、失われた30年を振り返ってみたい。


まずは平均賃金を見てみよう。

OECDWages01

図上は1990年から2019年までのOECD諸国の平均賃金の推移を示している。1990年からの30年で日本の平均賃金は2,205ドル、わずか6%の上昇に留まった。日本を示す青いラインがほとんど横ばいであることが分かるだろう。

図下のOECD内の平均賃金の順位の推移を見ると、日本は1990年では12位であったが、30年で順位を12位落とし現在では24位だ。2015年には隣国である韓国にも抜かされ、OECDでも下位層に落ちてしまった。日本は「貧しい国」となったのだ。続きを読む

lunarmodule7 at 07:00|PermalinkComments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 失われた30年、ささやかな経済成長に見合った賃金上昇すらなかった

2020年01月29日

この稼業だ、色々と汚いものも見てきたが…見たけりゃみてもいいよ。
普段眠ってる「正義の心」ってやつがムクムクと頭をもたげてくるぞ。

これは、ゆうきまさみ著機動警察パトレイバー17において、パレットの人身売買カタログに興味を示す遊馬に対し後藤隊長が投げかけたセリフだ。本エントリはそういう類いだ。

UNDOC-TIP


不正薬物とグローバル組織犯罪と闘う国連薬物犯罪事務所(UNODC)は人身売買に関する包括的な報告となる、TRAFFICKING IN PERSONSを定期的に公開している。このレポートを読めば普段触れることの少ない人類の闇の部分を覗くことができる。

GLOTiP_2018_002


上図はUNDOCに報告された人身売買犠牲者の人数推移だ。人数は年々増加しており2016年ではおよそ25,000人が報告されている。2007年比では67%の増加だ。UNDOCに人身売買を報告した国は97カ国に上り、一国あたりの平均犠牲者は年々増加を続け、2016年には254人となっている。あくまでこの数字は顕在化したものであり、実数はこの何十何百倍にも上ることは想像に難くない。続きを読む

lunarmodule7 at 20:00|PermalinkComments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 性的搾取や強制労働を目的とする人身売買が横行する現実

2019年02月04日

なぜ使いもしない数学を勉強しなくてはならないのか、数学を苦手とする生徒の怨嗟の声は途切れることがない。つい先日も橋下氏の次の発言が多くの反発を招いた。


「最低限、学ばなきゃいけないことは見えてきていると思うので、それ意外のことは選択制でいいと思う。だって元素記号やサイン・コサイン・タンジェント、どこで使うの?使ったためしがない。勉強のできる人たちは"そういうのも教養だ"というが、今はインターネットで色々なことは調べられる」



確かに彼は三角関数を使わないのかも知れない。しかし、世の中には三角関数や数学を使わないと成り立たない仕事は山のようにあり、それらを習得できなければ、そうした仕事に就く可能性を閉ざすことになる。

Hal Saundersは著書When Are We Ever Gonna Have to Use This?において、100の職業において利用されている数学の項目をまとめている。これを見れば実際の仕事においてどのような数学が使われているのか、逆に数学のある単元を投げ出せばどのような仕事の可能性が閉ざされるのかを知ることができる。

それをTableauでまとめたのが次の表である。数学の単元は米国における学習レベルに従って60にまとめられている。さらに100の仕事においてそれらが利用されているかどうかを示している。100の仕事は要求される単元数の降順に物理学者からDJまで並べられている。



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lunarmodule7 at 22:31|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 100の職業で利用される数学から見る、数学を勉強する理由

2019年01月06日

The Puddingは、New York Timesの741,682本の見出しを分析し、1900年から2018年にかけて毎月最も言及されている国を抽出し、The World through the Eyes of the USにおいて可視化した。20世紀以降、米国が世界をどのように見ていたかがよく分かる可視化になっており、大変興味深い。

縦軸が年、横軸が月になっていて、その月に最も言及された国の国旗が表示されている。ただ、惜しむらくは国旗は一覧時の判読性が低く、全体を俯瞰するのも難しい。そこでTableauで作り直したのが次のVizである。ただし、複数国が挙げられている月については、Viz作成の都合上、1国のみの表示となっている。



右部にある凡例をクリックするとその国だけハイライトされるので、その国がいつ米国に注目されていたかを簡単に知ることができる。凡例は登場数の降順に並んでおり、上位国については別色を割り当てている。参考までに日本語版Wikipedia(たとえば1900年 - Wikipedia)より各年月の出来事を引用し、マウスポイント時に表示するようにしてある。あくまで参考なので、米国が最も注目していた国に関する記述があるとは限らない。知りたい場合には、元記事を参照いただきたい。


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lunarmodule7 at 22:00|PermalinkComments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 米国の目を通して見える世界、見えない世界