前回に続いてタロットカードの話。
22枚あるので、かなり記事を使いそう。
今回は4枚。
2LAPAPESSE2女教皇。
このカードのデザインはBesancon版以外では大きな違いはありません。
トリレグヌム(三重宝冠)の頂点に三日月を配したのは、ウェイト版タロットの女教皇に三日月が描かれていたところから取り入れてみたものです。
持っている書物はトーラとされています。
女教皇のカードは閉鎖的で非生産的と解釈され、2という数字にも生産性がないとされているのですが、モチーフになったと言われる女教皇ヨハンナはしばしば出産や赤ん坊と共に描かれています。
処女であるべき聖職者の出産は忌むべきことであり、生産性には繋がらない表現なのでしょうが、どのような身分の女が出産したかで出産の意味が変わるというのは、個人的には不思議な話です。
ともかく意味するのは、受動・相対・無意識・潜在的・非行動・閉鎖的・非生産的などです。
全ての過去の記録であるアカシックレコードを手に自己の内面へと目を向ける姿は、次の行動を模索して思案しているのか、過去の呪縛に捕らわれて動き出せずにいるのか。
あるいは変化や可能性、未来の到来を待っているのか。
正位置で出れば受身の姿勢で吉、逆位置ならば受身であることへの警告、という具合でしょうか。

3L'IMPERATRICE3女帝。
服装がどうなっているのかわからず悩んだ一枚です。
タロットカードの人物は派手なコルレット(扇形の飾り襟)をつけていないので1500年代中盤よりも昔の服装をしていると考えられるのですが、それにしても腰部分に締めがないのはちょっとおかしい気がします。
3は生産性を示す数字とされていて、女帝には多産などの意味があるので、ひょっとして妊婦なのかもしれません。
最終的にはボッティチェリ作『剛毅』を参考に、なんとなくで描きましたw
冠は12の星を冠しているというのが魅力的だったのでウェイト版に倣いました。
右脇の3枚の花びら状のものは正直なんだかよくわからないのですが、Vieville版以外「ある」のでなんらかの意味のあるアイテムだと思われます。
先述しましたが女帝の意味するところは、生産性・豊かさ・創造・変化・能動的・活動的・休みない・落ち着かない・過剰・試行錯誤などです。
女教皇とは打って変わって積極的で発展性を持つカードです。

4L'EMPEREVR4皇帝。
脚を交差させているのは数字の4を暗示しているとかで、Besancon版以外に共通の姿勢です。
4は四角であり、安定を示し支配的であるとされます。
興味深かったのは勺と盾のカード内の配置が女帝と逆になっていること、勺を持っている手も逆であることです。
皇帝は攻撃性や権威を示す勺を女帝とは逆の右手に持っていますが、右手は自己主張を示すらしいです(不確かですが左手は変化やチャンスの意味があるらしく、女帝のカードの意味と一致します。
また皇帝は右に寄りかかっており、盾も右下にありますが、右は外、つまり社会的なものに支えられている人ということです。
私はこのカードにブランドの暗示を感じます。
オリジナリティ(自己主張)から始まったにもかかわらず、皆が価値を認め信頼を置くようになったことで個性を失い、自由や創造性がなくなり硬直していく感じ。
とはいえ左下に若草(Besancon版では花)があることから新しいものが全くないわけではなく、ただそれは個人の内(カードの左下は個人の能力や知性を表すらしいです)に芽生えているということでしょうか。
また女帝で右脇に謎の花びらがあると書きましたが、これも皇帝と反対側に植物があるという対比かもしれません。
総合すると、安定・維持・信頼・権威・伝統、ともすれば自由がない・無個性・非創造的・平均化、あるいは支配や強要を意味するのが皇帝のカードとなります。

5LEPAPE5教皇。
Besancon版以外では構図に大きな違いはありませんが、下の二人の人物がVieville版では二人とも帽子のようなものを背中につけているのに対し、他の版では左のみになっています。
この帽子は枢機卿の帽子ではないかと私は推測するのですが、二人の持ち物に違いが出た意味は不明です。
二人は二面性の象徴としての双子という解釈があるので、どこかでコピーに失敗しただけかもしれません。
また教皇が左手に持つ杖ですが、パストラーレ(羊飼いの杖を模した司教杖)の場合と三重の十字架の笏杖の場合があり、これも異なる理由はわかりませんでした。
古い版はだいたいパストラーレのように見えたのでそんな感じのデザインにしました。
教皇は足元の信者に興味がなさそうに右(外)を見ています。
数字の5は頭・右手・左手・右足・左足で人間を示すとされ、そこに生殖器がないため自己主張の強い無邪気で自由な子供であるとされるようです。
また5といえば五芒星、外からの影響をはねのけ、逆に外へエネルギーを放出する魔よけの意味があります。
これらから教皇が示すのは、権威や父性と共に自己主張・個の肯定・自由・遊び・子供っぽさ・わがまま・自分勝手・未熟・無謀・独りよがりなどとなるようです。

長くなりましたが女教皇・女帝・皇帝・教皇の4つは、あらゆる組み合わせで対比や対称となるので、まとめて記載しました。
左を向く閉鎖的で非行動的な女性の教皇・右を見る積極的で生産的な女性の皇帝・左を向く安定した非創造的な男性の皇帝・右を見る行動的で自由な男性の教皇という感じですね。