大アルカナは1~22を愚者で繋ぎ、22枚で一連とする円環の物語になっていると私は考えているのですが、だとすると6のカードは魔術師で始めたことが最初の転機を迎えるポイントのように見えます。
とはいえいわゆる起承転結ではなく、まず前半9までで起(1)→承(2~5)→転(6)→承(7・8)→結?(9)という感じです。
個人的に9で一旦終了する感があるのですが、結果が現れる的な意味があるのは10のカードです。
9までだと原作紹介アニメみたいなノリになっちゃうので、10を現在の状態みたいな感じで紹介しつつ、11を再スタートポイントとして展開する続編二期が期待される感じ。
というわけで続きです。
6L'AMOVREVX6恋人。
このカードで気になった点は主に2つ、1つは天使の目隠しの有無で、もう1つは中央の男の下半身が裸ではないか?ということでした。
Vieville版以外の天使は目隠しをしています。
目隠しは、恋は盲目だからとか公平さを示すなどの解釈がありますが、必然の選択を暗示しているのかなあと私は思います。
中央の男に関しては、確実に着衣なのはBesancon版のみです。
性的な面を強調したかったのでしょうか?
よくわかりません。
天使の矢は男、あるいは右の女を狙っているように見えるものが多く、また男は左を向きながらも身体は右を向いていることからも、行動の選択では右の女を選ぶことはすでに決まっているものと考えられます。
6は偶数で受容的な数字とされていることからも、この選択は能動的に自分から決めたものではなく、状況や運命によって決まったものであるとされています。
正位置で出れば、もう決まってしまっているその選択を後押しするカードとなり、逆位置であれば迷いや優柔不断さを炙り出すものとなるのでしょうか。
あるいは行き違いや齟齬の存在を指摘しているのかもしれません。
カードの意味は、反応する・結びつく・絆・適応・選択・配慮、または決断不足・噛み合わない・振り回される・アンバランスなどです。

7LECHARIOR7戦車。
細かい部分の描写で色々悩みました。
まずこの鎧はどういう作りなのかと。
女帝でも書きましたが、この人物もハウトピースがなく左右対称の鎧を着ていることから、やはりタロットカードは1500年代より以前の設定でデザインされているようです。
またWikiや占いの解釈を参考にしたサイトでは「精神性をあらわす青の馬(右)と、物質性を表す赤の馬(左)」となっていたのですが(おそらくグリモー(B. P. Grimaud)社製イタリア式タロットの元となったLequart版(1890年)の説明)、Noblet版では反対の着色になっており、そもそも同色で塗られているパターンも多く、どうしたものか悩みました。
個人的には、タロットカードの着色は単純に少ない色で華美になるようデザインされているだけのような印象があるのですが、ともかく二頭の馬は相反する2性質を象徴し、競いながら猪突猛進する存在らしいです。
馬がどちらも左を向き、人物が肘を突き出していることから我欲に没頭し排他的な側面を持つようです。
ちなみに車輪が進行方向と直角になっていたり馬が馬車から生えているように見えるあたりは、Wikiでは馬車が現実の乗り物ではないとか解釈されていましたが、やはり単純に絵が下手なだけに思えてならなかったですが、そのまま描きました。
ともかくカードが意味するところは、行動力・決断力・戦う・勝ち続ける・突進・暴走・自分勝手・一方通行などです。
私からすると、ヤル気はすごいが視野が狭く空回りの危険が否めない感じのカードです。

8LAJVSTICE8正義。
冠のデザインが謎でだいぶ悩みました。
色々ググって、日本の最高裁判所にある正義の女神像(圓鍔勝三作)がそっくりの冠なのを見つけた時は驚きましたw
どことなく観音様のようなブロンズ像です。
冠以外の部分は女帝に似せました。
天秤についてWikiに「均衡を保っているにもかかわらず左右の受け皿の大きさを変えて描かれている」とあって、下手なだけだろ・・・と思ったのですがちょっと面白い解釈だなとも思ったので、あえて左右非対称に描いてみました。
それ以外はまあ普通というか、正義の女神は使い古されたモチーフですが、タロットカードのそれはビアジオ・ダントーニオというルネッサンス画家による1470年頃の絵画が元になっているのではないか?という考察があったのでリンクしておきます(9 – WHEN JUSTICE RENDERS HER VERDICT
8には集中や圧縮の意味があり、天秤は公平性、剣は理性や知性による判断を象徴します。
それは戦車で競い合っていた2頭の馬を比べる時、どちらかに軍配をあげるわけではなく、2つを凝縮してより優れたバランス感覚のある判断をするという意味のようです。
本来的には理性的で公正な判断を示し、逆位置であれば不公平や贔屓、あるいは曖昧さや決断力のなさを表すのが正義のカードです。

9L'HERMITE9隠者。
版による違いで気になったのは、杖の持ち手がT字なのかL字なのかI型のステッキなのかと、占いのサイトに杖の先が地についていないと書かれていたものの、どうもそう見える絵がなくてですね・・・しかし『処女性の男根』という解釈は興味深かったので採用しました。
物質的には機能していないが、持っている、ということらしいです。
左を向きランタンを掲げる様子は、自己の内面と向き合う姿に見えます。
しかし9は奇数で能動的な数字とされるそうで、例えば女教皇や皇帝のようには内向的・非行動的なカードではないそうです。
意味するのは精神性・本質的・哲学的・旅をする・孤独・孤立・曖昧さ・非現実的などです。
6で決めた方向へ7で猪突猛進し、8という答えあるいは姿勢にたどり着いた時、一旦すべて手離し、今一度さすらいながら過去を見つめる姿勢に私には思えます。
精神性や哲学を意味するところから具体性や現実性に欠ける面があるというのは、研究者気質も想起させます。
逆位置であれば、思想の旅が具体性に捕らわれて偏屈になっているという指摘の場合も、あるかもしれません。