お盆休みを控えた2016年8月初旬に、スラグ報道がありましたので、速報でお届けします。


2016年08月05日上毛新聞

**********201685日 上毛新聞

鉄鋼スラグ問題の業者

県が許可取り消し

 

 鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」の渋川工場(渋川市)からでた鉄鋼スラグが県内の公共工事で使われ、一部で環境基準値を超すフッ素や六価クロムが検出された問題で、県は4日、廃棄物処理法に違反したとして、佐藤建設工業(同市小野子)の産業廃棄物収集運搬業などの許可を取り消す行政処分をしたと発表した。処分は3日付。

 処分理由は、スラグを含む鉱さいを収集運搬する許可を得ていないのに、20097月から141月までスラグを運搬した。産業廃棄物の処理業はがれき類の破砕しか許可されていなかったが、126月スラグと天然砕石を混合して処分した。

 佐藤建設工業は「スラグは産業廃棄物とする県の見解を受け入れていない。異議申し立ても含めて対応を検討したい」とコメントした。

 県の調査によると、同工場から出た鉄鋼スラグは公共工事などに使われ、3月末時点で県内では373カ所で使用が確認されている。環境基準値を超えるフッ素などが検出された場所があるが、地下水への影響は確認されていない。国土交通省や県、渋川市などがスラグの撤去や、アスファルトで舗装するなどの対策を講じている。

 この問題をめぐっては、県が14年に関係先を立ち入り調査し、159月に大同特殊鋼などを刑事告発した。県警は426日、産業廃棄物処理法違反の疑いで、同社と子会社の大同エコメット(愛知県)、佐藤建設工業の3社と役員ら5人を前橋地検に書類送検した。


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2016年08月05日毎日新聞

**********201685日 毎日新聞 群馬版

有害スラグ問題 

許可を取り消し 県が廃棄物で

 

 大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」の渋川工場(渋川市)から出た鉄鋼スラグに環境基準値を超える有害物質が含まれていた問題で、県は4日、廃棄物のスラグを許可なく運搬・処分していたとして、建設会社「佐藤建設工業」(渋川市)=廃棄物処理法違反容疑で書類送検=に対する廃棄物の収集運搬業許可などを全て取り消したと発表した。処分は3日付け。

 県廃棄物リサイクル課によると、佐藤建設工業は20097月~141月、大同の渋川工場からスラグを運搬していた。097月~126月には、道路整備に使う材料を作るため、スラグと天然砕石と混合していたという。廃棄物であるスラグの取り扱いが佐藤建設工業に対する許可の範囲を逸脱していたとしている。

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このスラグ報道に先立ち、群馬県もホームページに行政処分について発表をしているようです。

http://www.pref.gunma.jp/houdou/e1700091.html

 

84日】産業廃棄物処理業者に対する行政処分について(廃棄物・リサイクル課)

産業廃棄物処理業者に対する行政処分について

 

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「法」という。)第14条の3の2及び第15条の3の規定に基づき、産業廃棄物処理業及び産業廃棄物処理施設設置の許可を下記のとおり取り消しました。


事業者の氏名又は名称

群馬県渋川市小野子1579番地
株式会社佐藤建設工業 代表取締役 佐藤本位田

許可の番号産業廃棄物収集運搬業許可 第01000-042372号
産業廃棄物処分業許可 第01020-042372号
産業廃棄物処理施設設置許可(がれき類の破砕施設) 群馬県第326-0号
処分の年月日平成28年8月3日 
処分の内容産業廃棄物収集運搬業、産業廃棄物処分業及び産業廃棄物処理施設設置の許可の取消し
処分理由 株式会社佐藤建設工業は、平成21年7月から平成24年6月までの間、大同特殊鋼株式会社から委託を受け、産業廃棄物たるスラグ(種類:鉱さい)を運搬し、天然砕石と混合する行為を行った。
 また、平成24年7月から平成26年1月までの間についても産業廃棄物たるスラグの運搬を行った。
 株式会社佐藤建設工業が許可を受けている産業廃棄物収集運搬業の事業範囲に鉱さいは含まれていないほか、同社が許可を受けている産業廃棄物処分業は、がれき類の破砕のみであり、許可なく事業の範囲を変更した。
 当該行為は、法第14条の3の2第1項第5号(平成22年改正法施行前においては、法第14条の3の2第1項第2号)及び第15条の3第1項第2号に該当する。

  

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今回も報道のポイントを整理してみましょう

1.          群馬県が廃棄物処理法違反で、佐藤建設工業の許可を取り消す行政処分を行ったこと

2.          処分の理由は、許可外の廃棄物を運搬したこと、および許可外の処分業を行ったこと

3.          佐藤建設工業は群馬県の見解に異を唱えていること

 

が挙げられます。

ポイント①群馬県が廃棄物処理法違反で、佐藤建設工業の許可を取り消す行政処分を行ったこと

 

群馬県は20159月に大同特殊鋼と共に佐藤建設工業を刑事告発している事が報道されています。刑事告発から10カ月経って、やっと行政処分が下されました。あまりにも遅い行政処分と言わざるを得ません。また今回の事件は天然砕石の販売を促進するための詐欺まがいな不法投棄事件でもあるので、天然砕石製造の許可にまで行政処分が及ぶべきですが、不十分な内容であると言えるでしょう。

 

ポイント② 処分の理由は、許可外の廃棄物を運搬したこと、および許可外の処分業を行ったこと

 

佐藤建設工業は、「鉱さい」に分類される有害スラグを運搬する許可およびこれを処分する許可を得ていません。大同・佐藤ブラック連合は、有害スラグ=特別管理産業廃棄物を不法投棄することを目的として、有害スラグを細かく砕き、天然石と混合しているので、許可など取れるはずはありません。

この点群馬県は、行政処分の理由で

 

「株式会社佐藤建設工業は、平成21年7月から平成24年6月までの間、大同特殊鋼株式会社から委託を受け、産業廃棄物たるスラグ(種類:鉱さい)を運搬し、天然砕石と混合する行為を行った。

  また、平成24年7月から平成26年1月までの間についても産業廃棄物たるスラグの運搬を行った。

株式会社佐藤建設工業が許可を受けている産業廃棄物収集運搬業の事業範囲に鉱さいは含まれていないほか、同社が許可を受けている産業廃棄物処分業は、がれき類の破砕のみであり、許可なく事業の範囲を変更した。」

 

と述べています。有害スラグは特別管理産業廃棄物ですので遮断型最終処分場に最終処分するのが、産業廃棄物処理法が定めたルールです。このルールを破り、みだりに天然砕石と混ぜ、道路や公園などに投棄したのですから、産業廃棄物処理法第16条の不法投棄違反しているので、佐藤建設工業の許可の取り消しは当然の処分です。

しかし、佐藤建設工業は不法投棄を目的として、上層路盤材・下層路盤材・盛り土材という販売する全ての建設資材に有害スラグを混合して販売してしまっているので、何か釈然としません。行政処分が下されても、今日もスラグ運搬車が我が物顔で走り回っています。天然石販売の許可に対する行政処分は下されないのでしょうか?

 

この理由のなかで、着目すべきは「天然砕石と混合する行為」が「同社が許可を受けている産業廃棄物処分業」について、「がれき類の破砕のみであり、許可なく事業の範囲を変更した。」と述べている点です。どうやら「天然砕石と混合する行為」が産業廃棄物の処分にあたるようです。有害スラグは遮断型最終処分場に処分しなければならないので、天然砕石と混合して道路等に埋設する行為は、やはりみだりに廃棄物を不法投棄する行為であると群馬県は認めているとしか思えません。

 

ポイント③ 佐藤建設工業は群馬県の見解に異を唱えていること

上毛新聞では『佐藤建設工業は「スラグは産業廃棄物とする県の見解を受け入れていない。異議申し立ても含めて対応を検討したい」とコメントした。』と報道しています。


なんと謝罪を口にするどころか、異議を申し立てるという自分勝手なコメントであることでしょう。
異議申し立ての理由も、驚くべきことに「スラグは産業廃棄物とする県の見解を受け入れていない」と一方的に宣言をする始末です。自分に都合の悪いことは、たとえ法律違反でも“受け入れない”極悪人ぶりを発揮していますが、この発言は、悪質な行為の決め手となり、情状酌量の余地はないことに繋がることでしょう。

徘徊老人集団は思うのですが、産業廃棄物の監督官庁の群馬県環境部局の見解は、

”受け入れない”ものではなく、

”従うもの”ではないでしょうか?

法治国家である日本国が、法に基づき群馬県環境部局に権限を与えているのです、群馬県の見解を受け入れないことは、法治国家への反逆でもあります。大同特殊鋼と日本国を独立し、ブラック大同・佐藤スラグ連合国でも樹立するつもりなのでしょうか?



2015911日群馬県廃棄物リサイクル課が「大同特殊鋼()渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について」を公表しています。

http://www.pref.gunma.jp/houdou/e1700084.html

その中で、大同特殊鋼由来の有害スラグを廃棄物と認定しています。


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(7)ふっ素の土壌環境基準等が設定されて以降、大同特殊鋼()渋川工場から製鋼過程の副産物として排出された鉄鋼スラグは、土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり、また、平成14年4月から平成26年1月までの間、関係者の間で逆有償取引等が行われていたことなどから、当該スラグは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案し、廃棄物と認定される。

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群馬県内の産業廃棄物の監督官庁は群馬県環境部局ですので、この廃棄物認定は最終決定というべきものです。この監督官庁の廃棄物判断を佐藤建設工業は、上毛新聞の取材で「県の見解を受け入れていない」と一方的に宣言しているのです。この廃棄物認定は「ふっ素による土壌汚染の可能性があり」と遮断型最終処分場に処分すべき特別管理産業廃棄物であると認定しているのですから、佐藤建設工業の見解受け入れ拒否宣言は、特定有害物質の被害に苦しむ地域住民に対する宣戦布告宣言でもあるのです。


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↑上武道路・上武小神明信号に不法投棄された有害スラグの様子。天然であるべき盛り土材に情け容赦なく、有害スラグが不法に投棄されています。佐藤建設工業は天然石を納入すると品質規格証明書を提出しているはずですので、人をあざむく詐欺を働き、有害スラグを道路に不法投棄したのです。国土交通省は被害届を出すどころか、極悪人・佐藤建設工業を逆にかばい、未だにスラグ運搬車に仕事をさせています。この現場では風が吹くと有害スラグの砂ホコリが舞飛び、雨水が土壌を汚染しています。地域住民は苦しんでいます。群馬県は許可を取り消すだけでなく、不法投棄された有害物を撤去して、住民の生活環境を守らなければなりません↑




 

 


群馬県の廃棄物リサイクル課の行政処分がやっと下されました。しかし許可の範囲を超えて群馬県中に投棄されたスラグはどうなるのでしょうか?
環境省が「行政処分の指針」という地方自治体に対する技術的な指導をまとめています。
http://www.env.go.jp/hourei/add/k040.pdf
ちょっと引用して見ましょう

*****引用はじめ*****

第2 産業廃棄物処理業の事業の停止及び許可の取消し(法第 14 条の3及び第 14 条の 3の2) 1 趣旨   産業廃棄物処理業の許可制度は、産業廃棄物の処理を業として行うことを一般的に 禁止した上で、事業の用に供する施設及び事業を行う者の能力が事業を的確かつ継続 的に行うに足りるものとして一定の基準に適合すると認められるときに限って許可す ることにより、産業廃棄物の適正な処理を確保するものである。したがって、その基 準に適合しないおそれがあると判断されるに至った場合には、直ちに事業の停止を命 ずるとともに(法第 14 条の3)、その基準に適合しないと判断されるなど、法が許可 を取り消すべき場合として定める要件に該当するに至った場合には、速やかに許可を 取り消す等の措置を講ずること(法第 14 条の3の2)。   なお、産業廃棄物処理業者が不法投棄等の重大かつ明白な違反行為を行っているに もかかわらず、原状回復責任を全うさせること等を理由に許可の取消処分を行わず、 事業停止処分等にとどめる事例が見受けられるが、当該運用は、不法投棄等の違反行 為を事実上追認するものであり、適正処理を確保するという許可制度の目的及び意義 を損ない、産業廃棄物処理に対する国民の不信を増大させるものであるばかりか、違反行為による被害を拡大させかねないものであることから、著しく適正を欠き、かつ、 公益を害するものである。したがって、こうした場合には、躊躇ちゅうちょすることなく取消処分を行った上で原状回復については措置命令により対応すること

*****引用おわり*****

環境省の考えでは、廃棄物処理許可の取り消し処分を行った場合に措置命令で原状回復を行うよう求めています。(株)佐藤建設工業が群馬県中の道路や畑、公園にばらまいた有害スラグは、放置しておくと土壌を汚染し、やがては地下水を汚染します。このことは、群馬県廃棄物リサイクル課がスラグを廃棄物と認定した時に指摘されています。
 例えば群馬県北群馬郡榛東村にあるソフトバンクソーラー発電所には大量の有害スラグが雨ざらしにされたままとなっています。この施設の土地造成工事は(株)佐藤建設工業が自ら行っています(株)佐藤建設工業はスラグを承知の上で不法に投棄したのです。一刻も早く(株)佐藤建設工業に原状回復措置命令を発出しなければなりません。