今日は、違うんだ同じ白でも、ちと違う

2007年06月12日

しきり直して

<お遍路日記 第五回区切り打ち 3>

しきり直しの旅立ち。
家を7時前に出て、羽田へ。
いつもと同じように、お杖とはさみ(テーピングを切る用)を預けて、
朝いちばんの高知行きの飛行機に乗り込んだ。

前回、区切り終えた30番善楽寺の最寄り駅、土佐一宮までは電車での旅。
まだ白衣は身につけていないけれど、お杖と笠を手にしたわたしに、
向かいの座席に腰かけた女性が軽く会釈をしてくださる。
そんな小さな一瞬に、「お四国に戻ってきたんだ」と思いをあらたにする。

駅のそばにある食堂のおじさんに道をたずね、30番へと向かう。
進路的には、お寺に戻るかたちになるので、
すれちがうお遍路さんに「逆打ちですか」と問われる。
いやいや、まさかまさか。

植物園にて


「また、お四国に戻ってきました。これから、旅が始まります」と、
お大師さんにごあいさつをしたあと、ベンチで簡単な食事をとる。
となりに座ったおへんろおじさんと、おしゃべり。
区切り打ちで歩いているというその方は、
はつらつとしていて、それでいて、おだやかで、
お話ししていて、気持ちがいい方だった。
また、お会いできるかな。
おへんろをしていると、おのずと年上の方とお話することが多いのだけれど、
白衣を着ているときは、おたがい一人のおへんろさんとして向き合える。
これまで歩いてきた道のりを知っている者どうしのあいだに流れる、独特の空気。
「じゃあお先に」「お気をつけて」と交わされる、いたわりのことばは、
社交辞令とは、ちょっと違う。

さあ、わたしも出発しようかな。
目指すは、31番竹林寺。


m-02_16951 at 23:21│Comments(0)TrackBack(0) お遍路日記 その5 

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