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Tango!! Marcelo Nisinman

去る4月22日の水曜日、トロッシンゲン音大が毎学期開催している「現代室内楽週間」企画に、
卒業生ですが、特別に出演させて頂きました。

今回の企画はなんと「タンゴ」

Marcelo Nisinman氏という、ピアソラのお弟子さんであり、
バンドネオン奏者として、そして作曲家として活躍している方をゲストとして学校が招待。
(バーゼルの音大では作曲を専攻していたそう)
ゲイリー・バートンやギドン・クレーメルのツアーでも演奏している方です。

彼の室内楽作品を2曲と、バンドネオン&クラリネットソロ+室内アンサンブルという作品、
そして、今やタンゴの定番?リベルタンゴぐらい有名?な、
ピアソラ作曲の「ブエノスアイレスの四季」を夏ー秋ー冬ー春、4曲全て。
(ギドン・クレーメルも録音やタンゴのライブで「冬」をよく演奏してるはず。)
彼のソロもプログラムの最初と、拍手なり止まず最後のアンコールでも即興で。

物静かで、内向的で照れ屋な素敵な人でした。
でも、演奏は・・・・熱い。
熱いといってもメラメラと燃え盛る炎のような熱さではなく、
体内をドクドクと流れる血の熱さのような、
山奥の澄み切った泉(見たことは無いですが)のように静かながら、
そういう熱さが中にある熱さと言うか。
熱くて静かで深くて。
宇宙から見たら静かな海を湛えた地球だけれど、中にはマグマがドクドク。
うん。そういう感じかもしれない。

ソロは本当に会場中がシーンって水を打ったように、
彼の世界に引き込まれてしまった感じで・・・客席で聞いてみたかった!!!
(舞台裏で聞いていました)
アンコールが即興だったと後で聞いて、顎ががくっと。(はずれかけ)
彼の作品たちも面白かったし、これからどんな活動をしていくんだろうか。。。
まだ40前だそうですから、今後聞ける機会がいっぱいあるでしょう。楽しみ〜。
ほんっとーーーーーーーに、また、客席で聞いてみたい!

あーーーなんと言葉で表現したら良いのやら。
ダメですね。こういうものは、というか、音楽はほんと、実際に聞かないと。



そして、わたくし、「四季」で、ヴァイオリンを弾かせていただいたのです。
編成はピアソラバンドと同じ、この作品が書かれたオリジナル編成である、
バンドネオン、ヴァイオリン、ギター、コントラバス、そしてピアノというクィンテットで。

この作品、いつか、いつの日か、機会があれば是非!演奏したい!
と思っていたのですが、まさか、ここ、ドイツの片田舎で、
しかもこんな超一流のバンドネオン奏者と演奏できることになるなんて、
思っても居ませんでしたし、今でもなんだか、幸せな時間過ぎて、現実味がありません。

クィンテットのメンバーも皆良かったのですが、
何より、ほんっとに、Nisinman氏が、素晴らしくて。

バンドネオンとヴァイオリンがメロディーラインを受け継いでいくことが多く、
彼が素晴らしいソロをやったあとに入っていって、
途中からヴァイオリンにソロが移って行くのとか、
彼が毎回ビミョーに違うインプロ(即興)を入れるので、
リハーサルでは私も色々反応して、新しいこと試してみたりして、
上手く行くとNisinman氏が「ふふふ」って「あ、それいいね」感じで笑うのが嬉しくて。

一緒に弾くところでも、交互に弾くところでも、
一瞬一瞬、彼の音全てに反応して弾いてやるぜぃ!と思ってやっていました。


ほんっとに、、、、、、、、、、ほんっとに、幸せな時間でした。
本番前にギターのAude(フランス人。名前がちゃんと発音できない。汗)が、
「これで終わっちゃうのが寂しい。演奏する前からナンだけど、もう寂しくてしょうがない。」
と言っていたけれど、まったくの同感でした。



タンゴって、演奏する人の今まで経験してきた事とか、
知っている感情とか、景色とか、そのまんま音になる気がする。
クラシック音楽だってもちろんそうなのだけれど、
タンゴだと、クラシック音楽ほど作曲家のフィルターがあまりかからないというか。
そこで演奏している人、そのものが音になって聞こえてくるというか。
そういう感じがしました。

だから、私も、自分の全部をそのまま込めて演奏した。してしまったなっていう。

でも、一緒にやってみて思ったのですが、
熱そうで、演奏は熱く聞こえるんだけど、でも、すっごく冷静なんだなあ。
↓にのせたYou Tubeのピアソラ氏を見ていても思う。
本人が物凄い熱くなって演奏するっていうのとは違う。
即興で伴奏を入れながら16小節数えてバンドネオンのソロを聞いて、
その後すぐヴァイオリンがメロディー弾くようなところは、数えている間、
ちょっと違う意味で、強制的?に死ぬほど冷静でしたけど・・・
馴れないから落ちそう(分からなくなりそう)で。



縁って面白いな。と思います。
この企画のことを友人から聞いて(わざわざメールをくれた)プログラムを見た瞬間から、
ピアソラのヴァイオリンパートをやらせてもらえたら、と思っていたのですが、
元々学校としては私の教授であったラーデマッヒャー氏か、
もう一人のヴァイオリンの教授に演奏にやって欲しいと考えていて依頼したのの、
2人とも既に予定が入っていてダメで、
「やりたい!!!!!!!やらせて!!!!!!!!!」
と言い続けていた、私の願いが叶って、この機会がもらえました。

ああああぁ、教授のお二人!断ってくれてありがとう。。。
更にそこに私をプッシュしてくれた数人の方々に、縁に、感謝です。



他の作品(Nisinman氏の作品)でヴァイオリン入りの2曲は、編成が大きく、
(バンドネオン+弦カル+コンバス+オーボエ+クラリネット+トロンボーン+ピアノ
というのが1曲と、
バンドネオン+クラリネットソロ+ストリングス+フルート+オーボエ+トロンボーン+ピアノ)
バンドネオン以外はそれぞれの楽器がうま〜く部品として効果的に使われ、
全体の楽器の音が組み合わさった響きとリズム形、テンポ運びから立体的に楽しめる、
という感じの書き方の作品たちで、
「四季」のようにソロパートがガガンと組み合っている感じではなかったので、
ヴァイオリンという楽器にとっての美味しいところをごっそり持っていってしまって、
他のヴァイオリンの子達には本当に申し訳なかったですが、
演奏会後、自分は疲れてほへ〜っとなりながら、
いろいろな人に肩をつかまれて気持ちを伝えようとする人々の手でゆさゆさされたり、
抱きしめられたり、キスされたりしたので(笑)、納得してくれたと取れるか?な?

試行錯誤は、色々しました。
まっさらな気持ちで出来る事、出来るだけやるぞーっと色々チャレンジ。
日本でも何度かタンゴバンドで弾かせて頂いた事があるのですが、
ドイツに来てからはさっぱりで、本当に久しぶりにタンゴを弾いたし、
他の室内楽(NOA)のリハーサルも平行してやっていたので、
音の出し方やテクニックの違い、音程のとり方。。。
バンドネオンって音程が、一定じゃないのですね。
何より基本的なリズムの取り方の違いの切り替えが大切で、
でも、最終的にはあまり頭で考えず、体ごと感じるのが一番早い!となったり。
頭を真っ白にして全身を耳にして感覚を研ぎ澄まして、カラダごと音楽を感じて弾く。
「弾くのじゃなくて聴く。」はここでもやっぱり有効でした。
あとは作品の魅力に助けてもらった感じです。
こういう音でこういうタイミングにしか音、出せないよね!となる、作品力。

やっぱり↓の動画のピアソラクィンテットは!
音入れるタイミング、ほんっとに、ここっ!っていう。
極めようと思ったら何もかも・・・っくぅっ。(><

でも、新しい事に飛び込む、関わるのはやっぱり好きだなあ。
発見、再発見があって、新しく学ぶことがあって、
ずっとやってきたことも見直すことになったりして、
馴れないところ、新しいところに向かうと学びがたっくさん。
(同じことに向き合い続け、考え続けるというのも絶対に必要な事ですが。)



演奏会から数日経ってもまだ
「ああああぁ、あのコンサートは聴けて、ほんっと良かったなあ。(溜息)」
と人が言ってくれているのが嬉しい。
もちろんピアソラだけじゃなくって、とにかくNisinman氏の演奏全部を言っている、
のは、分かっています。(笑


最後にYou Tubeから四季の映像。こんな曲たちです。
冬はピアソラクィンテットの演奏がなかったのでクレーメルバンド?の演奏。
それにしてもOtono〜秋〜の演奏はピアソラバンドの脂が乗りに乗って、
なんていうか、キレが、すごい!!!
ピアソラバンドのヴァイオリン奏者、フェルナンドさんの音、大好きです。
あ、ちなみに、Nisinman氏の楽器、Verano〜夏の映像で、
ピアソラ氏が演奏している楽器でした。
コントラバス奏者が「本当は博物館とかにあるべき楽器なんでしょ?」と訊ねると、
「博物館に置いておくより弾いてあげた方がいいから。。。」って。
そうですよね。楽器は音を出すもの。見るものじゃない。

Verano Porteno (夏)- Astor Piazzolla

 
Otono Porteno(秋) - Astor Piazzolla

 
Invierno Porteno(冬) - Gidon Kremer


Primavera Portena(春)- Astor Piazzolla (音のみ)


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