またしてもライティングを晒そうと思う。

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 というわけで、前回のフィギュア撮影のライティングに関する記事から約半年、数がたまってきたのでまた晒してみます。今回はフィギュアの色味を比較的(重要)そのままで撮ることを心がけているレビュー写真と、僕のフィギュアへのイメージをそのまま写したイメージカットについて、わけて書いてみます。
 ちょうどグッドスマイルカンパニーの WF2013[夏]の企画のひとつとしてスケールフィギュアフォトコンテストが開催されているので、写真を応募してみたい! という方にとって、なにかしら参考になれば幸いです。

はじめに


 下記三つの記事の続きになります。

【TIPS】フィギュア撮影用手作り機材と直近のライティングパターンを晒し上げ
【TIPS】フィギュア撮影で行なっているRAWレタッチについて書いてみる
【TIPS】直近5件のフィギュア撮影のライティングとRAW現像についてまとめみる

 撮影機材と撮影環境については、一番目の記事のものに加え、下記記事のものが加わっています。

【TIPS】シグマ Macro 70mm F2.8 EX DGと写真撮影用照明機材セットを使ってみた

 今回は実例集という感じで、レビュー写真(フィギュアのありのままに近い写真)とイメージカットの両方のライティングを載せていきます。カメラはEOS60D、レンズはシグマ Macro 70mm F2.8 EX DGになります。RAW現像にはCapture One 7、画像処理はPhotoshop CS5を使用。

 たぶんCapture One 7を使っている人はほとんどいないので、今回は現像パラメーターは載せず、レタッチの方向性を書いていきます。彩度低くとか、トーンカーブをS字にしてコントラスト高めるとか。

 では、過去のレビューの撮影状況と意図を書いていきます……。

回天堂 CROSS×CREATE vol.1 閻魔



・レビュー写真
閻魔012


 ライティング
IMG_2559


 撮影イメージ:地獄の君主の重厚な雰囲気とクリアーパーツの髪の毛の美しさを強調したい。

 ライティングについて:
 いきなりわかりにくいですが、右側から三つのライトで照らしています。

 手前:閻魔の右手前から乳半アクリル越しにメインライト。さらにも白画用紙をカサのように配置し、わずかに反射光が閻魔に向かうようにしています。
 真ん中:アクセントライト1。黒画用紙のカサをかぶせ、光を閻魔のみに当てています。乳半アクリル+トレペで、かなり光を拡散させています。
 奥:アクセントライト2。これも黒画用紙のカサをかぶせていますが、トレペは使わず乳半アクリルのみです。微妙に位置と光の拡散を変えたふたつのライトをアクセントライトに割り当てることで、髪の毛の透過と角の照り返し、両方のバランスが良くなりました。

 これらのライトの光を左のレフ板で跳ね返し、フィルインライトとしています。背景は暗めにしたかったので、奥側に黒いビニールを配置して光を遮り、かつ背景とフィギュアの距離を離しています。

 我ながら妙なライティングです。もちろん狙って組んだわけではありません。イメージに必要な光を求めていたら、結果的にこの形になりました。白画用紙の位置や黒画用紙のカサは完全にその場の感覚なので、同じものは二度と組めないです……。

 カメラの露出は重厚感を出すためローキー気味に設定。絞りはf/4.0で背景をぼかしています。フィギュアを浮き上がらせるために開放気味で撮ったんですが、今思えばもう少し絞ったほうがよかったかなと思います。

 RAW現像:
 WBを18%グレーで整え、ハイライトスライダーでハイライト側のダイナミックレンジを圧縮した程度です。ほとんどデフォルトのままですね。

・イメージカット
焦熱地獄 -極滅業炎-

 ライティング
IMG_2560


 ライティングについて:
 レビューバージョンからの変更点は、

・メインライト消す。
・半乳アクリルを外しアクセントライトをハードな光に。足元への光は黒レフでカット。
・赤レフを配置して影に赤をかぶせる。
・背景に赤セロファン越しにストロボ照射。

 これで、地獄の業火のなかに力強く仁王立ちした閻魔を表現してみました。

 色付きの板や紙を配置することで、影に若干色をつけることができます。後から画像処理でつけることもできるので、どっちが良いかはケースバイケースですね。

 RAW現像はクラリティー(明瞭度)を+方向に振り、輪郭を強調しています。WBや色相はレビューバージョンと同じです。

コトブキヤ シャイニング・ハーツ メルティ


・レビュー写真
メルティ000


 ライティング
IMG_2593

 撮影イメージ:柔らかく、ふんわりとした可愛らしいイメージ。

 ライティングについて:

 右奥のランプ:乳半アクリル越しにメインライト。
 左のバンク灯:フィルインライト。
 上のバンク灯:フィルインライト。
 左手前のストロボ:乳半アクリル越しに照射。フィルインライト。

 これで全体に光を回し、影を極力薄くしています。普通もっとレフ板で光を回すと思うんですが、この時はとにかくライトを使いましたね。たしか最初、左手前のストロボはレフ板だったのですが、レフ板では光のバランスが取れず、やむなくストロボを使ったはずです。

 露出はハイキー気味ですね。背景の模様もしっかり見せたかったので、絞りはf/16.0です。

 RAW現像:
 WBを整え、シャドウスライダーでシャドウ側のダイナミックレンジを圧縮しています。また、光を回し過ぎたせいかぼんやりとした印象の写真になってしまったので、クラリティーを+方向に振っています。それ以外はデフォルトです。

・イメージカットなし

 メルティに関してはレビュー写真時点でほぼ完成しているかなと、新しいことはしませんでした。

コトブキヤ 紅蓮の炎舞 サクヤ -Mode:クリムゾン-


・レビュー写真
サクヤ012

 ライティング
IMG_2596

 撮影イメージ:凛としていてどこか古色を感じさせるマットなイメージ。

 ライティングについて:
 別に珍妙さを競っているわけではありません。

 左:フィギュア直近に乳半アクリルを配置することで、バンク灯からの光を白い影のように映し込んでいます。メインライト。
 右:概念は左と同じ。バンク灯の光を遠ざけることで明暗差をつけています。フィルインライト。

 上にはレフ板を置いて、頭に光を落としています。

 ツヤのある塗装はフィギュア撮影で困ることが多いのですが、今回はそれを逆手に取って、思いっきり白い影を映し込んでいます。これでマットなイメージになったかなと。

 絞りはf/11.0で、背景の模様がある程度見えるようにしています。

 RAW現像:
 コントラストスライダーで若干コントラストを高め、彩度スライダーで彩度を下げています。さらにクラリティーを+方向に振って、くっきりとした写真に。

・イメージカット
サクヤ037

 ……ライティングの写真を撮ってなかった。
 ま、まあ閻魔と同じです。背景に赤セロファン越しにストロボですね。Tonyの元絵を意識しています。レビュー記事にはPhotoshopで剣にエフェクトをつけた写真があるのですが、我ながら投げやりな感じでちょっと後悔している代物だったりします……。

グッドスマイルカンパニー ブラック★ロックシューター デッドマスター -animation version-


・レビュー写真
デッドマスター067

 ライティング
IMG_2598

 撮影イメージ:張り詰めた身体の緊張感を生かしつつ、エッジの効いたイメージで。

 ライティングについて:
 かなりハードな、僕お気に入りのライティングパターンのひとつです。

 左後ろのランプ:カサにトレペをかぶせたメインライト。
 右後ろのランプ:デュフューズなしのアクセントライト。輪郭に白いラインを入れています。
 左手前のバンク灯;正面側を明るくするバンク灯。フィルインライト。

 フィギュアの輪郭に光が入り、クールな印象になります。ただ、造形が良いフィギュアじゃないと、このライティングは耐えられません。フィギュアを選びます。

 絞りはf/8.0。f/8.0は僕のフィギュア撮影(そして風景写真も)の基本にしている絞りですね。背景がぼんやりと見える程度で、フィギュアが浮き上がって見えるのが好きです。いつもここから、背景をよりボカすべきか、見せるべきか判断して、上下させます。

 RAW現像:
 サクヤと同じく、コントラストスライダーで若干コントラストを高め、彩度スライダーで彩度を下げて、さらにクラリティーを+方向に振ってくっきりとした写真に。加えて、トーンカーブでシャドウを少し持ち上げています。
 そして、これについては色味をいじっています……。

・調整前(ほぼ見た目通り)
デッドマスター002

・調整後
デッドマスター001

 WBを5300に設定し、さらに赤のトーンカーブを操作してシャドウの赤みを若干弱め、青っぽいイメージにしています。また、緑色が黄色っぽくくすんだ色合いだったので、該当の色相をブルー側にずらした後、彩度を上げています。

 僕としては、調整後のほうがよりこのフィギュアの印象に近く、美しいと思っています。レビュー写真にあるまじき操作ではありますが、発売してからかなり経つフィギュアなので、まあいいだろうと。

・イメージカット
デッドマスター081

 ライティング
IMG_2599

 ダイソーで買った緑のフィルムモールを背景に置いています。これに光が当たると点光源となって、玉ボケが作れます。ここでは緑のセロファン越しにストロボをモールに当てています。
 手前のバンク灯には緑のセロファンを貼って、緑色の光を照射。アニメ版B★RSのデッドマスターのイメージで撮影しました。RAW現像の設定はレビュー写真と同じです。

 背景を大きくボカさないとモールがそのまま見えてしまうので、カメラにはある程度のイメージセンサーの大きさが、レンズには望遠側で明るいF値が必要になる写真です。

グッドスマイルカンパニー ギルティクラウン 楪いのり


・レビュー写真
楪いのり057

 ライティング
IMG_2612

 撮影イメージ:光と影の強烈なコントラストで陰影を強く表現する。

 ライティングについて:
 フラッシュバウンスを使っています。

 右奥のストロボ:メインライト。ストロボをレフ板に照射し、その反射光を乳半アクリルでデュフューズ。プロがよく使うアンブレラ+モノブロックストロボを真似ています。
 右手前のバンク灯:フィルインライト。乳半アクリル越し。
 左奥のランプ:アクセントライト。背中にエッジを入れています。

 あとは左側にレフ板を置いて、影を起こしています。フィギュア撮影ではオーソドックスなライト配置かと思います。

 最初は蛍光灯をいつも通り乳半アクリルでデュフーズさせていましたが、どうしてもイメージ通りになりませんでした。光が弱く、望みどおりのコントラスト感が出なかったんですね。かといって直射では、白トビのようになってしまう。

 でまあ、試行錯誤して、フラッシュバウンスに行き着きました。強い光がいい具合に拡散してくれ、イメージ通りに仕上がりました。

 絞りはf/5.6。背景はふすま用の紙です。和風を意識していますが、背景がはっきり見えてしまうと汚い印象になるので、ボカしています。また、補色の赤と緑の組み合わせになっているので、色合いに注意しないと目がチカチカします。

 RAW現像:
 例によってコントラストスライダーで若干コントラストを高め、彩度スライダーで彩度を下げています。さらにクラリティーを+方向に振って、くっきりとした写真に。味をしめて多様している設定です。
 明るさのバランスが悪かったので、ハイライトスライダー、シャドウスライダーでダイナミックレンジを圧縮。さらに若干肌を明るくしています。

・イメージカット
仄暗い水の底から

 ライティング
IMG_2613

 ここらへんからセットが過激になってきました。

 ご覧のように水槽に入れてます。金魚服を見て水のイメージが浮かんだのでしょうがないです。いのりに水滴をつけるときは霧吹きを使い、可能な限り水滴が細かくなるように、スケールと見合う大きさになるようにしています。完全にはうまくいきませんでしたが……。
 ライトは左手前、下側から一灯だけです。不可思議な光満ちる仄暗い地底湖をイメージしています。玉ボケは水槽についた水滴ですね。

 RAW現像時は、WBを4050に設定。さらにTIFFで出力し、Photoshopで寒色のレンズフィルターを追加しました。また、水槽に写り込んだ余計なハイライトを除去しています。

グッドスマイルカンパニー Angel Beats! 天使


・レビュー写真
天使018

 ライティング
IMG_2617

 撮影イメージ:天使ちゃんマジ天使。

 ライティングについて:
 5灯ライティングです。

 左のランプ:乳半アクリル越しにメインライト。
 左のバンク灯:光をフィギュアにも背景にも回すためのフィルインライト。
 右のランプ:天使の翼を透過させるアクセントライト。乳半アクリル越し。
 右手前のバンク灯:影を持ち上げるためのフィルインライト。
 上のランプ:天から降る光をイメージしたアクセントライト。トレペ越しで柔らかく。

 気に入ったフィギュアほどライティングにこだわる傾向があるのですが、これはその最たるものですね。マジ天使。光は神々しさを感じさせる芯の強さを持ちながら、どこまでも滑らかなグラデーションに。影は柔らかく、若干の憂いを。マジ天使。

 絞りはf/16.0。この背景は模様が大理石調で美しいので、はっきり見せるようにしています。

 RAW現像:
 儚い印象にするため、コントラストと彩度をスライダーで少し下げています。

・イメージカット
Empireo

IMG_2619

 かなりお気に入りの一枚です。これが撮れた時、「うっゎ……」とか変な声が出ました。

 イメージは天上に降り立った天使です。背景に銀色のフィルムモール、背景下には白のフェザーファー、天使の足元に青のフェザーファーを置いています。みんなダイソーにあります。そして、写真のライト配置に加え、右奥から乳半アクリル越しにストロボを照射。白い光の波のような雰囲気にしています。
 そして、レビュー写真同様のRAW現像。

デッドマスター004

 ここから、Photoshopで暖色系レンズフィルターを使用。さらに、鼻の頭にできたハイライトを消しています。

 レビューではキンと張り詰めた夜をイメージした写真も載せています。

天使045

 これは現像時のWBを4600にして全体を青っぽくし、コントラストスライダーでコントラストを高めたものです。ライトのセッティングはそのままです。

メガハウス ハートキャッチプリキュア! キュアサンシャイン


・レビュー写真
キュアサンシャイン021

 ライティング
IMG_2626

 撮影イメージ:太陽のプリキュアらしい、光に全身が満たされているようなイメージ。

 ハイライトバックです。

 左のバンク灯:乳半アクリル越しにメインライト。
 背景:乳半アクリルを背景に、後ろからストロボを照射して白飛ばし。

 右のレフ板はメインライト&背景からの光を跳ね返すものです。上のバンク灯はレフ板代わりに置いているだけです。
 レフ板でフィギュアを囲い、背景からの光を反射して一灯ライティングで組むセッティングもありますが、今回はフィギュアに当てる光を別途用意しています。その結果、極めてハイキーな写真に仕上がりました。

 背景から強烈な光を照射することで、フィギュアの輪郭が光に溶けこむようになります。門を開く者アリスのレビュー写真等、前々から何度か使っている手ですね。

 絞りはf/8.0です。

 RAW現像:
 彩度スライダーで彩度を高めています。白トビしすぎた部分は、ハイライトスライダーで調整しています。

・イメージカット
春風のピピット

 ライティング
IMG_2628

 小道具として、背景に造花、足元に菜の花を置いています。キュアサンシャインと言えばひまわりですが、撮影時期がちょうど春で菜の花が咲いていたので、あえて春のイメージで撮ってみました。

 RAW現像はレビュー写真と同じですが、菜の花の部分が暗かったので、グラデーションツールで菜の花の露出を持ち上げています。

メガハウス 聖闘士星矢Ω(オメガ) 鷲座(アクィラ) ユナ


・レビュー写真
鷲座のユナ006

 ライティング
 
IMG_2632

 撮影イメージ:戦闘の一瞬を感じさせる、引き締まったイメージ。

 ライティングについて:
 以前載せたミラ=マクスウェルのライティングに似た形です。

 右奥のランプ:乳半アクリル越しにメインライト。半分はディフューズせず、背景を照らしています。
 右手前のバンク灯:フィルインライト。
 上のバンク灯:黒ビニールで背景への光をカット。ユナの頭上だけ照らしています。

 レフ板は左の影を持ち上げるものですね。背景への光はこだわっていますが、フィギュアへのライト自体はオーソドックスです。

 絞りは僕のデフォルトのf/8.0です。

 RAW現像:
 コントラスト、彩度、クラリティースライダーすべてを若干上げています。また、トーンカーブをS字にいじり、コントラスト高めに調整しています。そして、ハイライトスライダーで白トビを抑制。
 緑の色味がどうも見た目とは違っていたので、緑の色相をブルー側に調整しています。Capture One 7は、デフォルトだと緑が黄色っぽいんですよね。

・イメージカット
戦闘潮流

 ライティング
IMG_2633

 当時ジョジョのアニメを見ていてシーザーがあまりにもカッコよかったので、影響されて風船玉を使いました。一度膨らませれば、しばらく同じ形状でいてくれます。

 シャボン部分に緑のセロファン越しにストロボを照射し、「ディバイントルネード!」的勢いの背景に。色味は緑が青に見えるくらいに思いっきり色相変換して、さらに赤の彩度を上げています。全体的に色合いを鮮やかにして、聖闘士の鮮烈さを表現してみました。

メガハウス クイーンズブレイドグリムワール 不思議の国の闇使いアリシア


・レビュー写真
不思議の国の闇使い アリシア197

 ライティング
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 撮影イメージ:物語の一部を取り込んだような写真にしたい。

 ライティングについて:
 背景が重要ですね。Seriaで売ってた包装紙です。僕の近所のダイソーじゃクラフト紙+英字の組み合わせの包装紙がないんですよね……。
 ライトはふたつ。

 右のランプ:トレペ越しにメインライト。
 左のランプ:フィギュアへの光をレフ板で遮りつつ、奥のレフ板で反射。

 非常にシンプルですが、充分な効果が出ました。今までライトを使いすぎる傾向にありましたが、やっと見極めができるようになってきたかなと……。

 背景をしっかり見せたかったので、絞りはf/16.0です。

 RAW現像:
 中間調が暗かったので、明るさスライダーで中間調の明るさを持ち上げています。Lightroom4以降のCamera Rawだと露出と明るさスライダーは統合されましたが、Capture Oneだとわかれています。露出スライダーは全体の明るさ、明るさスライダーは中間調の明るさを上げる感じですね。
 あとはクラリティーを−側に振り輪郭を柔らかく、ハイライト・シャドウスライダーでダイナミックレンジの圧縮を行なっています。すると今度はシャドウが明るくなりすぎたので、黒レベルを0→8に……アリシアは結構いじっていて、言葉じゃわかりませんね。

 これが元の画像で、上記の処理を行ったものがレビュー写真になります。

・元画像

・レビュー写真
不思議の国の闇使い アリシア197


 特にシャドウの濃さが変わっているのがわかるかと思います。今のデジカメだと、ハイライトの白トビを抑えるとシャドウが暗くなりすぎることが多いので、僕はわりと頻繁に補正します。キヤノンのオートライティングオプティマイザやニコンのアクティブDライティングは、社外製現像ソフトだと使えませんからね……。

・イメージカット
第一章『不思議の国の闇使い アリシア』

 ライティング
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 言うまでもなく合成写真であります。今回掲載する作品で一番時間がかかっております。根性見せたであります。

 小物は背景紙以外みんなダイソーで買ったものです。当然、不思議の国のアリスを意識したアイテムです。こだわりポイントはハートのジャックの首がちょん切れているところなのですが、残念ながらボケていてよくわかりません……。
 本は学生時代の教科書。本当なら図書館で豪華な装丁の本が借りられたら良かったのですが、休館日だったのでやむなく……。

 ライトは蛍光灯じゃなく、白熱電球です。こういう古色とした、赤っぽい表現が必要なときは白熱電球が良いと気づきました。蛍光灯だとWBを操作しても硬い印象なんですよね。たぶん演色性が影響しています。
 白熱電球をロウソクの火に見立てディフューズなしで奥から一灯。バラに光を入れるアクセントライトとして、手前から乳半アクリル越しにもう一灯使っています。

 素材のアリシアは、レビュー写真のライト配置のまま、電球を白熱電球に変えて撮影。

不思議の国の闇使い アリシア235


 彩度スライダーで思いっきり彩度を下げ、クラリティーを大きく+側に振っています。流行りの低彩度&高コントラストの写真です。色合いは赤っぽくなるよう、WBや色合い、カラーバランスを調整。

 でまあ、別撮りしたアリシアの写真をPhotoshopで本に合成しました。たぶん一個一個手順を書いていくとそれだけで記事が一本できるので、ここではざっと……。

 左のページはコピースタンプだの修正ブラシツールだの、コンテンツに応じた塗りつぶしだのを利用して字を消し、右のページはぼかし(ガウス)で文字がわからないように。
 別撮りしたアリシアはレンズ補正で+側のヴィネット効果をつけた上で、比較(暗)で不透明度70%で合成。その後、左ページに章の題名を加え、背景の写真に合わせぼかし(レンズ)でアリシアを奥に行くほどボケるように。最後にグラデーションツールでアリシアに視線がいくよう明暗をつけて完成です。

 正直自分でなにをやったかよくわかっていません。

 とにかくそれらしい部分をいじりながら合成しました。同じ素材を渡されても、二度と同じものは作れないでしょう。

FREEing 魔法戦記リリカルなのはForce 高町なのは CW-AEC00X Fortress & CW-AEC02X Strike Cannon


・レビュー写真
フォートレスなのは013

 ライティング
IMG_2767

 撮影イメージ:高町なのはさん(25歳)の気品と威厳が出るように。

 ライティングについて:
 これも両サイドからの2灯ライティングです。どちらも乳半アクリルでディフューズ。左手前のバンク灯は点灯させず、置いているだけです。レフ板として使っています。背景への光は黒レフや黒画用紙でコントロール。
 フィギュア本体の明るさのバランスを保ちつつ、ほんの僅かに漏れる光で背景を照らしています。シンプルですが、非常に時間がかかっています……。

 絞りはf/11.0で、背景がわりとよく見えるくらいに。

 RAW現像:
 こういう調整をしています。(ついに言葉で語るのが面倒になった)

WS000040

 高コントラストにしつつ、さらにトーンカーブで階調を微調整して重厚感を出すような調整ですね。コントラストを上げると彩度も上がるので、彩度スライダーで彩度を落としています。

・イメージカット
完全武装、完了

 ライティングはレビュー写真と同じですが、フィギュアの撮影角度に合わせ、ライトを微調整しています。このフィギュアのレビューではデッドマスターと同じくモールを使って玉ボケを作った写真がありますが、正直なところなのはさん25歳のイメージに合わないと思っています。もったいないので、一応掲載はしていますが……。

 アリシアのイメージカットでやりすぎ感があったので、ある意味初心に帰り、「フィギュアそのものを撮影する」ことを心がけたのがこの写真です。色合いはRAW現像時に少し青色に調整して、記憶色に近い青っぽい白にしています。

エンブレイスジャパン 荊のジークリット



・レビュー写真
荊のジークリット010

 ライティング
IMG_2799

 撮影イメージ:深淵の魔女の禍々しさ、昏い雰囲気がでるように。

 ライティングについて:
 フォートレスなのはと同じです。同じですが、背景への光が微妙に違います。ジークリットの顔の周りの背景だけ照らされるようにして、それ以外は黒く落ち込むように、ライトや黒画用紙の位置を調整しています。

 RAW現像:
 彩度スライダーで彩度を下げ、クラリティーを+側に振っています。あとはダイナミックレンジの圧縮と、周辺減光効果でジークリットに視線が向かうよう誘導しています。

 絞りはf/16.0です。これは背景のためではなく、可能な限りカエルもはっきり見せるためですね。厳密にはまだボケているのですが、このサイズでならボケはわからないかなと。

・イメージカット
in The Blue Night

 ライティング
IMG_2801

 月明かりの夜を飛ぶ魔女を表現してみました。

 シンプルな1灯ライティングです。背景を黒にし、左上から乳半アクリル越しに蛍光灯。RAW現像時、低彩度&高コントラストに調整してWBを低く設定。全体を青っぽくしています。グラデーションツールを使い、月明かりが降り注ぐような影をつけました。

アルター シャイニング・ブレイド ミスティ


・レビュー写真
ミスティ008

 ライティング
IMG_2814

 撮影イメージ:どこまでも軽やかに世界を駆け抜ける女海賊。

 ライティングについて:
 4灯ライティングです。

 右奥のランプ:乳半アクリル越しにメインライト。
 左手前のバンク灯:乳半アクリル越しにフィルインライト。
 左上のランプ:トレペをカサにつけ、さらにもう一枚トレペを垂らしたフィルインライト。天空から降り注ぐ光をイメージ。
 上のバンク灯:背景を照らし、グラデーションをつけています。

 明るく軽く、若干ハイキーな感じに撮りました。鮮烈な赤を目立たせるため、補色の緑系背景を使っています。

 RAW現像:
 コントラスト、彩度、クラリティーをちょっと上げています。そして、トーンカーブで全体的に明るさを少し持ち上げ。お馴染みのハイライト・シャドウスライダーでダイナミックレンジの圧縮も。
 緑背景のおかげでものすごく緑被りしていましたが、色相を青っぽくすることで中和しています。

・イメージカット
双竜飛翔

 イメージカットについては、次の写真とライティングとRAW現像が同じなので、そっちで。

グッドスマイルカンパニー 魔法少女まどか☆マギカ 美樹さやか


・フォトコン用イメージカット

魔法少女の青の色

 ライティング
IMG_2816

 撮影イメージ:さやかちゃんマジ天使。

 実は最初「大海原」のイメージでミスティを撮ろうと考えていて、フェザーファーの背景にモールの断片を配置してキラキラさせれば海っぽくなるんじゃないかと皮算用していました。
 結果は「どう見ても大雲海ですぅ……」となり、路線を変更し、ミスティとホウメイのドラゴネイド姉妹が空を飛ぶイメージで撮りました。

 で、このセッティングはまどマギのさやかにも使えるだろうと思い、ミスティ撮影後、そのままグッスマフォトコン用にさやかを撮りました。予想以上に、ただでさえまどマギ作中で天使すぎる(異論は認めない)さやかちゃんがマジ天使に……。あまりに天使だったので、思わず羽根のブラシでエフェクトまでつけてしまいました。

 RAW現像の設定はミスティとさやかで微妙に違ってまして、ミスティはコントラストと彩度を少し上げつつ、クラリティーを下げて明るく柔らかい感じに。ダイナミックレンジの圧縮を行なった後、トーンカーブで明るさを少し持ち上げ、光に満ちた天空を強調しています。
 また、黒を思いっきり青っぽくすることで、幽玄な雰囲気を演出しました。

 さやかのRAW現像は、クラリティーを下げるのではなく、上げています。さやかの気性に相応しい、すっきりとした青空の印象にしたかったので。それ以外の設定は同じです。
 あとはフォトコン用写真なので、Photoshopで最終調整です。まず、ミスティの設定そのままで現像したため髪の色が空色(グッスマの製品サンプル写真のような色)だったので、実物のフィギュアに近い緑色に補正しました。青一色の写真なので、緑が強くなりすぎて世界観が壊れてしまわないように、空色と緑色の中間の色にしています。
 その後、羽根のエフェクト追加。覆い焼きカラーのグラデーションオーバーレイのレイヤーを作り、そこにマスクを羽根ブラシを使って書き込みました。グラデーションは透明感を意識して、青と白のストライプですね。主役はあくまでもフィギュアなので、見えるか見えないかくらいのアクセントとして入れています。
 あとは執拗にゴミ取りですね……。元画像をピクセル等倍で見てもゴミひとつありません。1ピクセルのゴミも許さない勢いでした。うまいこと選考に通り、WFでパネル展示されたとき、ゴミが見えたら嫌なので……。

 さやかちゃんの写真はこんな感じ。

グッドスマイルカンパニー ブラック★ロックシューター ブラックゴールドソー -animation version-


・フォトコン用イメージカット

The BLACK GOLD

 ライティング
IMG_2819

 撮影イメージ:hukeの作風を意識しつつ、このブラックゴールドソーのフィギュアそのもの、フィギュアに凝縮された美麗さと狂気を強調したかった。

 これが2013年7月現在でのサグラのフィギュア写真です。

 今の僕にこれ以上のフィギュア写真は撮れません。また数ヶ月すれば、きっとこれよりずっと良い写真が撮れるようになっているはずですが、このゴールドソーは現時点でのベストです。

 ライティングは3灯。一部写っていないですが……。

 左上:トレペ越しに白熱電球。メインライト。
 右(レフ板に隠れてる):乳半アクリル越しに白熱電球。アクセントライト。
 右奥:背景に白熱電球。

 レフ板は、左手前と手前上において、それぞれ光を反射させています。普段のレビューではやらない配置ですね。8方向から撮れなくなるので……。

 あとは、ブラック★ロックシューターの世界観といえば市松模様だろうということで、ダイソーで買ってきた木製キューブと発泡スチロール製キューブをアクリル絵の具で塗装し、背景として積み上げています。大槻班長が「サイコロは必ず3面しか見えない……!」と言っていたので、3面だけ着色しています。というか3面目すら「どうせ写らないから」と中途半端だったりします。
 幾何学的かつ不安定な感じで積み上げるのに苦労しました……。

 バラとか見えていますが、これは結局イメージに合わず使わなかった小物です。市松ブロックだけの荒涼とした世界のほうが、ブラック★ロックシューター的だった……!

 RAW現像は、お馴染み低彩度&高コントラスト。クラリティーはかなり上げています。全体が赤っぽい黄色になるよう、RGBのトーンカーブを調整しています。

 その後、フォトショでさらに高コントラスト化をしています。背景レイヤーを複製し、描画モードをビビッドライトに変更。レイヤーを反転してぼかし(表面)。統合レイヤーを作成して、描画モードをオーバーレイに。色調補正のシャドウ・ハイライトで中間調のコントラストを増やして完成……。
 ぶっちゃけると『フォトグラファーのためのPhotoshop CS5』という本に載っていた処理をそのまま使っています。やってみたらカッコよかったからしかたないね……!

 あとは頬に変なハイライトがついていたのでそれを補正し、例によってゴミ取り……。等倍で見ても問題ない仕上がりにしました。

終わりに


 以上、ここ半年のライティングまとめでした。非常に不親切な部分のある記事ではありますが、フィギュア撮影のライティングでいくらかでも参考になれば幸いです……。

 イメージカットについては、僕自身今年になって取り組み始めているので、試行錯誤中です。そもそも自分自身、どんな感じで撮りたいのかが固まっていません……。ふぃぎゅる!さんみたく稼動系フィギュアを最大限に生かしたユーモアあふれる写真も、WHITE GARAGEさんのような素晴らしいデジタルアートも僕にはできそうになく、じゃあ僕はどうしようと。

 いつか、フィギュア……いや、風景写真も含めて、「ああ、これはサグラのやつが撮ったのだね」と作品を見ただけでわかるようなレベルになりたいですね……。どの世界もそうですが、やっぱりスゴい作品を創れる人は独自のスタイルがあります。

 半年後、僕がどんな写真を撮っているか……楽しみでもあり、不安でもありますね。