真保さんの新刊です。わりと早くまわって
きて嬉しい。

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小児科の派遣医師押村は幼少の頃に両親を
失い、姉と離れ離れになった。気を遣いながらも
恵まれた環境にあった自分に比べ、折り合いの
悪い親戚に引き取られた姉は、高校に入ってから
家を出た。それから10年ほど、姉は親戚に疎まれて
弟も連絡を取らない日々が続いた。

そんなある日、警察から押村に連絡が入った。
なんと姉が金融会社で何者かによる放火と
発砲により瀕死の状態であるというのだ。

押村は姉がその前日に結婚していたことを知り
驚愕する。自分の中に揺るぎない正義を持って
いた姉は、一体どんな人生を歩んでこんなことに
なってしまったのか。押村は姉の過去を取り戻す
ため、あちこち走り回る。

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いや〜〜〜、良かったです!!推理小説なのかな?
でも人間がきちんと描かれていて、読み応えが
ありました。

「正義」とはなんなのか、「人間」とはなんなのか、
そして人を愛するというのはどういうことなのか。
一つの形を見せてもらいました。弱さを認めて
うなだれるもの、ルールさえ守れば何をしても
いいと思っているもの…。男たちの弱さを受け止め
つつも、姉には許せることと許せないことが
はっきりしていた。そのために起こった悲劇では
あるけれど、弟が姉という人を再び理解して
寄り添えたのは救いだなぁと思います。

最後の展開にはびっくりでしたが、悲しいながらも
仕方ないと納得しました。しかしマスキュラックスって
どんな薬剤なのかと検索してみましたが、心臓には
影響がないようだし、人工呼吸器などを使っていたら
目的は果たせないのではないのかな?ちょっと検索
しただけなので分かりませんが、気になりました。
それはまあいいんですけど、押村は露見して医師という
仕事を失ってもいいと思っていたのか、それとも
本当に離島に行こうと思っていたのかがもっと
気になります。死ぬつもりではなさそうだけど…。

それにしても読んだ満足感のあった本でした。