2日目(2010年9月4日)
「早く起きないと遅刻するわよ!」
朝、聞き覚えのある声で目が覚めました。
声のする方向を見てみると、たろうさんの携帯電話から、
灰原哀の目覚ましボイスが流れているではありませんかww
流石、たろうさん、灰原ファンの鑑ですね。感服です。
朝食は、ホテルのビュッフェです。
「美味いものにはお金を惜しまない」がポリシーのたろうさんは
お値段を気にせずに朝食を奢ってくださいましたが、
庶民の私はやっぱり数字が気になってしまいます。
メニューをちらっと一瞥したところ、
この朝食、1人あたりの
お値段1,900円。わーお。
さて、腹ごしらえしたところで、早速、本日も京都の街に繰り出しました。
最初に行ったのは、平安神宮や京都市動物園のある岡崎公園の南東にある、
山県有朋の別邸「無鄰菴」(むりんあん)。いきなり渋めのチョイスです。

小川治兵衛が作庭した庭園に、数寄屋造の母屋や茶室があり、純和風かと思いきや、
敷地の端には煉瓦造のレトロな洋館が建っていて面白かったです。
明治・大正期の邸宅によく見られる和洋折衷建築ですね。
ちなみに、日露戦争の開戦直前には、
山県有朋、伊藤博文、桂太郎、小村寿太郎の4人が、
この洋館で日本の外交方針を語り合ったそうです。(無鄰菴会議)
そんな歴史のある場所なので、たろうさんもついついテンションが上がったのか、
子どものように無邪気にはしゃぎながら、写真撮影していました。

和室をカシャッ!

うずくまってカシャッ!

洋館の説明もカシャカシャ!

そして、アクロバティックな体勢でカシャッ!
…気付いたら、私はたろうさんの写真ばかり撮っていました(´・ω・`)
次は、無鄰菴のすぐ近くにある「琵琶湖疏水記念館」に行きました。

琵琶湖疏水(びわこそすい)というのは、
明治時代の京都市の一大プロジェクトとして建設された、
琵琶湖の水をはるばる大津市から京都市に流す水路のことです。
1891年には、琵琶湖疏水の流れを利用して、
一般事業用としては日本初の水力発電所が蹴上に建設されました。

この電力を用いて、1895年には日本初の電車である京都電気鉄道が開通しました。
また、琵琶湖疏水は、工業用水、農業用水、水運などにも利用され、
東京遷都以降活気を失っていた京都は疏水のおかげで急速に近代化していきました。
もし琵琶湖疏水が通っていなかったら、
京都は現在のような発展を遂げていなかったかもしれませんね!
…などという話を、たろうさんとしていたら、
途中で疏水記念館の館員さんが交じって、熱心に展示物の説明をしてくださり、
結局、疏水記念館で2時間盛り上がってしまいましたw
疏水記念館を出たら、市バスで白川通を一気に北上し、
一乗寺門口町にある山荘「詩仙堂」に行きました。

静謐な庭園に甲高く響く鹿威しの音。癒やされました(*・ω・*)
段々と日が傾いてきました。市バスに乗って、再び南下。
ちょっと急ぎ足で次に向かったのは「銀閣寺」(慈照寺銀閣)です。
今回の京都旅行の中では、最もよく知られた観光名所だと思います。
真っ白な銀沙灘や向月台が美しかったです。


(左)銀沙灘(ぎんしゃだん)、(右)向月台(こうげつだい)
銀閣寺から下る参道で、おやつのパフェを食べたのちに、
市バスに乗って、本日の最後の目的地である南禅寺の「水路閣」に行きました。

1888年に琵琶湖疏水の分線を通すために作られた水道橋です。
世界史の資料集で見た古代ローマの水道橋を彷彿しました。
日がすっかり暮れてしまいましたが、
観光するのに夢中で昼食を食べていなかったので、
夕食前に少し寄り道して、円山公園にある「長楽館」に行くことにしました。
たろうさんのおすすめの場所ということで、
私は何も知らないまま「どんな喫茶店なのかな〜」などと思いながら、
軽い気持ちでほいほいついていったのですが、
行ってビックリ! 超豪邸!!!! ルネッサ〜ンス!!!

焦ってすぐに調べてみたところ、
どうやら明治中期の煙草王・村井吉兵衛が建てた迎賓館で、
伊藤博文が宿泊したときに「長楽館」と名づけたそうです。
円山公園にこんな瀟洒な洋館が建っているとは知らなかったなあ。
シャンデリアやロココ調の家具などをきょろきょろと見回しながら、
洋館の奥に進み、カフェでプラムのコンポート(800円)を食べました。
京都駅では浮いていたジェントルマンたろうさんも、
この洋館では、完全に雰囲気にマッチしていて、違和感なすぎです!
逆に、半袖のTシャツで来店してしまった私のほうが浮いていて、恥ずかしい限りw
長楽館を出たら、いよいよ夕食です。
グルメ通のたろうさんが祇園の懐石料理店「豆寅」に連れて行ってくださいました。
「四条で夕食を食べるならサイゼリヤ」という発想の私にとって、
祇園の高級料理店なんて縁遠き場所です。
大人はこういう場所で夕食を食べるのですね。
いやはや、勉強になります(`・ω・´)
たろうさんが頼んでくださったのは、豆すし懐石。

*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
とっても可愛らしい豆すしが並んだ木箱は、まるで宝石箱のようでした!
新鮮な魚介類を使っていて、味も至高! 頬が落ちました!!
…が、お値段を見て、驚きのあまり、目が飛び出しました。
1人あたりの
お値段は8,800円(+サービス料10%)!!
ひぇ〜!これが祇園価格か!!!((((;゚Д゚))))
庶民なので、思わず脳内でくら寿司換算してしまいました。
その後、ホテルに戻ってきて、たろうさんと歓談。
お互いの写真を共有したり、おすすめのサイトを紹介したり、
雑学トークをしたり、灰原トークをしたり、話題は一向に尽きませんでした。
3日目(2010年9月5日)
「早く起きないと遅刻するわよ!」
結局、徹夜で語り合ってしまい、私たちは灰原ボイスで朝の訪れに気が付きました。
たろうさんがホテルのコンシェルジュに電話をしてくださり、
この日の朝食は、ルームサービスとして部屋に運ばれてきました。こんなの初めてです!
朝からセレブな気分を味わうことができました( ・∀・)
(も、もうお値段は気にしないでおこう…)
最終日である今日は、三条通に近代建築を見に行きました。

京都文化博物館別館(旧・日本銀行京都支店)
辰野金吾・長野宇平次設計(1906年)

中京郵便局(旧・京都郵便電信局)
逓信省営繕課(吉井茂則・三橋四郎)設計(1902年)

みずほ銀行京都中央支店(旧・第一銀行京都支店)
辰野金吾・葛西萬司設計(1906年)
ひと通り近代建築を見て回ったら、地下鉄で京都駅へ行き、急ぎ足で梅小路公園に向かいました。
しかし、思っていたよりも梅小路公園まで距離があったので、
たろうさんの帰りの時間が近づいてきてしまい、
梅小路蒸気機関車館はちらっと覗くだけになりました。
再び京都駅に戻ってきて、たろうさんはおみやげを購入。
そして、たろうさんは京都駅八条口13時発のバスに乗り、
次なるオフ会に向かうため四日市へと去って行きました。(なんてアクティブな人なんだ…)
こうして、私とたろうさんの2泊3日の京都旅行は幕を閉じました。
最初は、正直、謎のジェントルマンの登場に虚を衝かれて、多少戸惑っていましたが、
すぐにたろうさんと打ち解けあうことができ、意気投合し、
本当に充実した3日間を過ごすことができました(`・ω・´)
弱冠20歳の大学生の私を、高級料理店や高級ホテルに連れていってくださり、
さまざまな貴重な経験を積ませてくださったことにも、感謝の念でいっぱいです!
ありがとうございましたヽ(・∀・)ノ