2003年08月05日

枡野浩一その1


毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである

枡野浩一の歌で最近これが一番好き。一首の情報量が少なくて、たたみかけるよ
うな感じがいいです。憔悴しきってるような。頭で朗読する時に「あなた」以下
の下句で緩やかに転調するような。ああだこうだと考えすぎて体までだるくなって
きてる時にふっと力が抜けたような下句だと思います。そういう時しか書けない
ような歌ですね。
枡野浩一は短歌に対して多数の歌人とは違う考え方をもっていて、書くときに多く
のしばりを設けて、より今日的な短歌を目指している人です。彼はその方法を文章化
し、それが既存の歌人への批判となったりします。彼の考え方がシーンの中で注目
され、賛成だ反対だとなってますが、僕は他の人と同じように扱いたいと思います。
特に彼の歌の現代短歌に投げかける意味、とかを考えずに。
僕は前に、枡野浩一の歌をどう思うかと聞かれて

野茂がもし世界のNOMOになろうとも君や私の手柄ではない

という歌を引いて「こんなのはそのへんの高校生でも言えるんじゃないか」みたいな
ことを言ったことがあります。今でもその意見には変更はありませんが、なんとなく
最近、この人の歌が気になるということがあります。なんか、韻律みたいのが好きなん
ですね、この人の歌の。リズムというか。歌人一人につき一つもってるような韻律特性
が。NOMOの歌にしても確かに言ってることはそんなに面白くねえなあとか。別に
面白くなくてもいいのですが、割とこう、人に勝とうとするような欲望みたいなのが見
える感じがしてイマイチなのですが。しかし、この歌にしても、「手紙」の歌が持って
いるような、だるいような、内向的な、何もしてないのに疲れたような韻律を持ってると
思う。そこがやはり好きです。自分でもそういうことあるからね。自分でもそういうこ
とあると書いて気づいたのですが、なんだかんだ、俺は自分と同じだと思いながら読んで
るのかな。すべからく。短歌を。どうなんでしょうね。自分と同じ部分をテコにして読む
んでしょうか。他の人はどうやって読むのか。まあわからんなこの問題は。
もう一首あげましょう。

ローソンに足りないものをだれひとり思い出せない閉店時間

これいいですね。内容もいいです。コンビニ店員のバイトをしてるのかな。で、明日に
備えて商品を並べていて、あれ?でも何か足りない何だろうなというシチュエーションを
もっと大きな意味を含ませるようにして書いてます。あれ?しかしローソンは閉店しない
のか。24時間やってるよな。どうなんだこれ。俺の解釈はまったく違ってるのか?わか
らない。まあ僕の解釈で話を続けます。えーと。そう、この歌もさっき言ってた韻律を
もっている。転調はこの歌では「だれひとり」以下ですね。この「だれひとり」が入って
くるとこで、ぐっと胸にくるような感じがします。転調転調と書いてますが、短歌だとどんな
歌でもこの転調のようなものがあって、多くは上句と下句の間です。これが決まるといい歌
になるのかもしれません。
この歌の場合何が言いたいのかがNOMOの歌よりずっとあいまいにぼかされてますよね。
言語化しにくい。短歌全体から言って、そういう方がいい歌が多いような気がするのですが
そうかといってこういう歌ばかりだと、枡野浩一の特に初期の歌集の、あのべっとりくるよう
な生な感覚は失われてしまうような気もします。うーん。では次回また。

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