鹿の王 1 (角川文庫)
上橋 菜穂子
KADOKAWA
2017-06-17






鹿の王 2 (角川文庫)
上橋 菜穂子
KADOKAWA
2017-06-17


内容(「BOOK」データベースより)

ゞ大な帝国・東乎瑠から故郷を守るため、死兵の役目を引き受けた戦士団“独角”。
妻と子を病で失い絶望の底にあったヴァンはその頭として戦うが、
奴隷に落とされ岩塩鉱に囚われていた。
ある夜、不気味な犬の群れが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生。
生き延びたヴァンは、同じく病から逃れた幼子にユナと名前を付けて育てるが!?
たったふたりだけ生き残った父と子が、未曾有の危機に立ち向かう。
壮大な冒険が、いまはじまる―!

謎の病で全滅した岩塩鉱を訪れた若き天才医術師ホッサル。
遺体の状況から、二百五十年前に自らの故国を滅ぼした伝説の疫病“黒狼熱”であることに気づく。
征服民には致命的なのに、先住民であるアカファの民は罹らぬ、
この謎の病は、神が侵略者に下した天罰だという噂が流れ始める。
古き疫病は、何故蘇ったのか―。
治療法が見つからぬ中、ホッサルは黒狼熱に罹りながらも生き残った囚人がいると知り…!?


2015年本屋大賞受賞作

順調に上橋作品を読み進み、未読の作品ということで手に取る。
今まで読んできた作品のすごさに圧倒され、評判もそれらに比べるとあまり高くないこともあり
それほど期待せずに読み始めた。

まず引っかかるのが他の作品もそうであるが、登場人物の名前や土地・国の読み方が
通常では読めないこと(笑)
それが素直に入ってくるようになるまではスムーズにいかない。
だが、日本古代の物語などを読んできた身としてはそれほど長くないし
似たような名前ばっかりじゃないし、苦にはならない。

それをクリアしつつ読み進むと、私にとって上橋作品ははずれがないことを改めて実感した。
引き込まれてしまう。頭の中がもうその世界にどっぷり入り込む。
文章なのにありありと場面を映像のように見ることができる描写。


さてそして内容である。
主人公のヴァンは40歳、アカファ王国最西端にあるトガ山地民だ。
アカファ王国が隣国東乎瑠(ツオル)に飲み込まれ恭順する中、
辺境の小さな氏族が奴隷となって組み込まれないよう
死兵の役目を負った「独角」と呼ばれる戦士たちの頭である。

そしてもう一人。
古オタワル王国の始祖の血を引く〈聖なる人々〉の一人で
天才的な医術師として人々から畏れ敬われている26歳のホッサル。

二人の物語が交互に紡がれていく。

ヴァンサイドはこれまでの上橋作品の流れを汲んでおり、
ホッサルサイトは医療、異文化における宗教・価値観など比較的重いものとなっている。
共通するものとして常に「生と死」がテーマである。
単行本では上下巻の二冊、文庫では四巻で二冊ずつの刊行。
比較的短い間隔での発売とはいえ、2巻を読み終えた今3,4巻の発売が待ち遠しい。

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