2015年09月

2015年09月19日

いつもと同じように仕事をしていて、その日の締めの
作業をしていたら、急にものすごい腹痛が。すぐに
トイレに駆け込みたいのをがまんして、死ぬ思いで
仕事を終わらせ、ダッシュ。

予兆はたしかに少しあったのですが、なにせいきなり
本気コースの腹痛だったので、かなり焦ってすっかり
消耗してしまいました。帰宅してもなんだかお腹に
不審な気配がするので、あまり動けず。こういうのが
たまーにあったりするので、すごく困る。

どうもここ数年は、お腹の調子が問題なしな状態が
稀で、何かしら、何か変だな?的な感じがしています。
もうそれが常態化しているので、変も何もないと言えば
ないのですが。

ここ最近はひどい食生活で、あまりしっかりしたものを
食っていないので、いろいろ健康的にまずい事態が
こっそり進行しているという恐れもあります。
さてどうしたものか。

最近聴いたCD。
・Klavierkonzerte für die linke Hand
 Martinů ・ Prokofjew ・ Nowka
 Siegfried Rapp
 http://www.amazon.co.jp/dp/B0000267YC/

某HPでも紹介してありますが、東独のピアニスト、
ジークフリート・ラップによる左手のためのピアノ協奏曲集。
マルティヌー、プロコフィエフ、ノヴカ。わりとマイナー目の
作品集です。

ひさびさに取り出して聴いてみたのですが、この特殊な
ジャンルの作品集としては非常に貴重で、誰か同じような
試みをしてくれないかと切望してしまいます。これらの
作品の中で一番有名なのはプロコフィエフでしょうが、
しかしこれとて、左手のための協奏曲、としてはそれなり
としても、プロコフィエフの協奏曲、としては、一番
マイナーな部類に入ります。マルティヌー、ノヴカに
至っては、いまだほとんど録音はないでしょう。

第二次大戦後を生きたジークフリート・ラップのピアノは、
実はあまりこなれたものではありません。リズム感は
鈍重といってもよいと思います。技巧的にも、それほどの
切れは感じられません。おそらく、これよりも上手く弾ける
演奏家は、現代だといくらでも居るでしょう。

しかしこのジャンルのスペシャリストだけに(第二次大戦で
戦傷のため右腕を切断している)、演奏に迷いがない。
響きに余計なものを感じさせず、真摯に音楽と向き合って
いる印象です。一言で言って、誠実な演奏。ぼくは
こういうの嫌いではありません。

はじめの2曲は残念ながらピアノの音が僅かにボケた
感じのする録音で、そのかわりオケはわりと明確に
捉えられている、若干不思議な録音。ちなみにオケの
伴奏は、はじめ2曲がゾンデルスハウゼン、ノヴカが
ドレスデン。まあ、東独ですね。

マルティヌーの曲はたぶんほとんど知られていない
もので、コンチェルティーノと題されてはいますが、
立派な協奏曲です(20分程度、ただし本来は
「ディヴェルティメント」なのだとか)。まるでおとぎ話が
始まるかのような楽しい快活な響きで始まる第1楽章、
うってかわって心の底からの美しい歌のような
第2楽章、そしてまた快活に、しかししっとりとした
曲想をからめて、見事なカデンツァも配した第3楽章。
とにかく、あまり聴かれないのが信じられない名曲です。

特に第2楽章のピアノ・ソロによる切々とした長大な歌は
この曲の白眉で、これほどの美しい旋律は、なかなか
見当たりません。これはとにかく聴いてもらうしかない。

ちなみにこの曲、楽譜はこちら

プロコフィエフのピアノ協奏曲第4番は作曲家一流の
ひねりの効いた作品で、20分をやや超える作品ですが、
印象としては小粒。しかしピアノ・パートの充実とオケとの
バランスのよさは、このジャンルでも屈指のものと思います。
このラップの演奏は世界初演者による演奏ということに
なり、その意味では非常に貴重。

ヴィトゲンシュタインが拒絶したのでも有名な作品なの
ですが、そのへんの事実関係は、実はそう単純でも
なかろうという気がしています。少なくとも、全くの
全否定であった、という言われ方は、誤解でしょう。
なかなか微妙な問題ではありますが。

第2楽章のアンダンテ、第3楽章のモデラートという
緩−急を挟んで、意表をつく軽妙な響きで走り抜ける
両端楽章という構造が非常に面白いです。しかも
最終の第4楽章は第1楽章の曲想をそのまま使った
ごく短いエピローグ。ひとを食ったようなコメディな
雰囲気がたまりません。

最後のディーター・ノヴカの作品は、東独の
現代作曲家(ハンス・アイスラーの弟子で、
もう故人のようです)の作品で、やや先鋭ながら、
華やかな聴き応えのある協奏曲。作品としての
価値はなんとも判断しかねますが、乏しいこの
ジャンルを考えると、これもやはり演奏されるべき
作品ではないかという印象です。

豪快に、しかし曲想の変転がやや急な第1楽章、
叙情的に美しく歌う第2楽章、華やかに技巧的に
盛り上がる第3楽章、という構成で、いかにも
難しそうなカデンツァが第1楽章に配されています。
ラップの初演した作品(1963年作曲)ですが、
この録音、ピアノの切れのなさがやや災いした
演奏になっているのが、少し残念ではあります。
音楽の内容を知るには支障のないくらいですが。

ラップの演奏は他にも録音がありそうな気はするの
ですが、あまり聴けていません。このひと、晩年の
ヴィトゲンシュタインとのからみも微妙に面白い問題で、
ずっと興味は持っているのですが、どうにも調べが
行き届かないので、かなりあきらめています。

最近読んだまんが。
・ユエミチタカ『超日常の少女群』イースト・プレス
 http://www.amazon.co.jp/dp/4781613411/
 (微妙な年代の女の子をネタにした短編集。
 それほど感動的でもなく、面白い筋でもなく、
 絵はそれなりにきれい、という感じ。正直微妙。)

・駒倉葛尾『ダ・ヴィンチ系女子高生』第1巻、芳文社
 http://www.amazon.co.jp/dp/4832254197/
 (タイムスリップ女子高生ルネサンスもの。作者
 お得意(?)の歴史ものですが、よく調べてあるのか
 わりとテキトーなのか、なんとも謎。雰囲気の
 ゆるさは好きですが。)

m-90_44975 at 18:38コメント(0)トラックバック(0) 
日記的雑記 

2015年09月14日

夕方、暗くなってから外を自転車で走っていたら、
妙に空気が冷たいというか、とにかく寒い。
まだ半袖のひとがいてもそれほどおかしくは
なかろうという時期なのに。

温暖化だとかどうとか言われていても、それなりに
季節感というものはあるわけで、夏はだいたい、
恒例のお祭りが終わる頃には涼しくなり始めるとか、
10月頭あたりには背広の上着を着て歩いても
暑いという感じがしなくなるとか、とか。

にしてもちょっとここ数日は涼しいというより寒い
くらいの感じで、夜、いつもどおりアパートの自室で
短パンで座っていたら、何か寒いな、という自覚が。
しかし寝るときに布団を増やすと、やはり若干暑い。

めんどくさい季節というわけで。

ここしばらく東京方面に行っていなくて、今夏は
行こうと思いつつ、この時期に。しかしまあ、実際
東京になんか行かなくても、特に困ることもない
わけで。しかし数少ない向こうの知り合いと数年
会うこともないというのは、やはりよろしくないのかも。
意外と踏ん張り時だったりして。

ここ数年で疎遠化した知り合いというのは、実は
結構多い気がします。そういう年代であるということ
なのかもしれず、あるいはこれが自分の本来的に
薄情なキャラクターの結果ということなのかもしれず。
(もちろん実は向こうからも関係を切られていると
いうこともあるのかもしれず。)

ちょっと出かけていたら、自宅のポストに国勢調査の
案内が。「インターネット回答」をしてください、という
ことで、ちょちょいと回答。自分的にはまあどうという
感想はないのですが、これを全国民にやらせようと
考えると、かなり大変だろうなあと勝手に想像。
まあ相当数のひとが記述式の回答にまわるの
でしょうけれど。

最近観たアニメ。
・『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』Blu-ray全8巻
 http://www.amazon.co.jp/dp/B00O73TGP6/

特に予備知識も入れずに、一気に観てしまいました。
いやこれ、途中で止まるとちょっと観る気力が
なくなってしまいそうで、一気に観るしかなかったと
言うべきか、何と言うべきか。

全話観ての大雑把な感想は、これはなんかもう、
『ガンダムW』だな、と。細かい設定やストーリーの
流れや人物の位置付けというのが、とにかく勢いで
根こそぎ強引に、ご都合主義的に処理されているような
感じ。とにかく雰囲気的にかっこよく、水樹奈々に
ド派手な主役をやらせて歌わせて、所々にお色気な
場面を配して、盛り上げて終わらす、という、潔いほど
ある種の方向に徹底した作品でした。

あまり細かいところを考え始めると気分が萎えてきそうに
なるのですが、しかし実はぼくは『ガンダムW』は嫌いで
ないし
、その意味では(?)、結構楽しみました。爽快と
言ってもよいかもしれません。さすがにすぐにもう一周
観る気力は湧きませんが。

しかし水樹奈々の声はちょっと役を選ぶというか、意外と
表現の幅が難しい感じが。その点で言えば、この作品
でも主要キャラのひとりの声を当てている桑島法子の
芸の幅というのは、やはり実は立派かも。まあ
このへんの感想はもちろんひとそれぞれなところは
あるのでしょうけれど。

最近聴いたCD。
・Shostakovich : Violin Concertos Nos.1&2
 John Storgårds,
 Helsinki Phiharmonic Orchestra
 Christian Tetzlaff
 http://www.amazon.co.jp/dp/B00OJF2TMY/

クリスティアン・テツラフの演奏は、実は今まで聴いた
ことがなかったのですが、ちょっと興味があって、この
CDをゲット。2013年11月の録音。

ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲は、1番も2番も
言わずと知れた難曲ですが、非常に重たい内容があって、
気軽には聴けない作品です。この演奏、テツラフの
ヴァイオリンが、彼の流儀かどうかはわかりませんが、
若干ヴィブラートが抑え目で、オケに対してあからさまに
目立ってくるところがない。しかし、細部にわたって実に
しっかりと弾いている感じです。

オケもまあ普通かなとも思ったのですが、ところどころで
不気味に存在感のある音を響かせています。第1番の
第3楽章のあたりでは、ずっしりと、これでもかという
くらいに曲想に即した重さで迫ってくる。こういう演奏から
醸される緊張感は、ホントたまりません。そしてカデンツァ。
ややゆっくり目に、若干テツラフの独自の歌いまわしの
ようなものが聴こえる感じがしますが、続く激しい
第4楽章も含めて、確実に徹底的に弾ききっているような
印象です。

第2番はひさびさに通して聴いた気がしますが、作曲家
晩年の静かな暗さとでも言えるような独特な雰囲気を
上手く表現してくれているようです。こちらも集中力ある
聴かせる演奏です。

このヴァイオリニストの演奏は、もちっと他のも聴いてみる
必要があるかもしれません。

m-90_44975 at 20:41コメント(0)トラックバック(0) 
日記的雑記 
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