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2017年03月05日

アニ・オーバーセブン

主人公の前にいきなり8人の兄が現れる『おにいちゃんねる』というものを知りました。
https://021chan.com/
主人公の前にいきなり12人の妹が現れる『シスター・プリンセス』の逆バージョンのようです。レーベルもB'sとG'sで似ていますし。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%82%B9

『おにいちゃんねる』の仕様で気になるのが、8人のお兄ちゃんたちは妹である主人公をどう呼ぶのか、です。
有理は「どん子」、露偉は「マイハニー」と呼ぶ設定がありましたが、それ以外の6人については妹の呼び方が載っていませんでした。
夢小説のように、プレイヤーが設定した名前を呼んでくれるのでしょうか。

日本語では親族間の呼称について「話し手は、親族関係で年上の親族を親族名称で呼ぶ事が多い。しかし年下の親族に親族名称で呼びかける事はできない。」というルールがあります。
 参照:鈴木孝夫『ことばと文化』(岩波新書)
つまり、8人のお兄ちゃんは妹に対して、会話で「妹」と呼びかける事ができないのです。
『シスター・プリンセス』ではこのルールを逆手に取って、12人の妹が「お兄ちゃん」「お兄様」「お兄ちゃま」「お兄たま」「兄貴」「あにい」「兄(あに)チャマ」「にいや」「兄上様」「兄君様」「兄君(あにくん)」「兄様(にいさま)」とそれぞれ別の呼称で、兄であるプレイヤーを呼んでいました。これは兄が名無しでも不自然にならない高度なトリックと言えます。


さて本日のお相手は、妹12人の名前と呼び方が思い出せた事に慄然としている6月でございました。


次回更新までの運勢:凶。13人目の妹の呼び方が「あんちゃん」だったとか言い出す人は重症です。

m-94_23564 at 21:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2016年10月18日

Say, NO.

先日のボードゲーム会にて。
遊びたいゲームがあったので、ゲームを探している人に声をかけて「こういうゲームなんですけどやってみませんか?」と内容を説明しました。
すると「大丈夫です」との答え。「内容は知っているので説明は不要です」の意味かと思ったのですが、その人はそのまま別のゲームを見に行ってしまいました。断られたのだと気づくまでに少し時間がかかりました。
これが巷で言われている、「大丈夫」の意味が変容した実例であったようです。

さて本日のお相手は、「ら抜き言葉」は可能の意味のみを表すので尊敬と区別できる合理的な言葉の変化であると言われても、美しくないと思うので使わない6月でございました。
たまに小説を書いている時、若者の登場人物にら抜きを始めとする新しい言葉をどこまで使わせるか悩みます。私自身は、ら抜き言葉はおろか「マジ」も「ヤバイ」もまず使わないので。



次回更新までの運勢:吉。細かい事であっても、それが私のこだわりです。
「こだわる」は「つまらない事に執着する。拘泥。」の意味から「思い入れや信念を持っている」の意味に変容しましたが、この新しい意味に対応する日本語はなかったので、それまであった言葉に新しい意味を与え直したのです。

ラッキーアイテム:らを入れずに敬意を表す一覧表
「食べる」の尊敬語は「食べられる」ではなく「召し上がる」
「着る」の尊敬語は「着られる」ではなく「お召しになる」
「寝る」の尊敬語は「寝られる」ではなく「お休みになる」
「来る」の尊敬語は「来られる」ではなく「おいでになる」「いらっしゃる」

m-94_23564 at 22:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2016年06月05日

はな子とたま

上野動物園のゾウのはな子、少し前の話題ですが駅長猫のたま。
二件の訃報は主に「死亡」という、やや淡白な単語で報じられました。
「死去」は人間にのみ使う言葉のようです。
昭和天皇が「死去」した時、赤旗が「崩御」という単語を使わなかったのを思い出します。
命にも序列があるのだな、と思った事でした。

さて本日のお相手は、水谷優子さんの逝去によりちびまる子ちゃんのおねえちゃんの声が今週から豊嶋真千子さんになるわけですが、紹介される経歴を見て「やっぱり『センチメンタルグラフィティ』の杉原真奈美は出てこないか」と思った6月でございました。同作出身で今も活躍しているのは、山本るりか役の今野宏美さんくらい?



次回更新までの運勢:『センチメンタルグラフィティ』は日本全国を巡るのに、「〜りゅん」というオリジナルの語尾を使う永倉えみるを除いて、ヒロインが全員標準語です。
ラッキーアイテム:無名時代の内田彩さんが地元の群馬弁を喋っている「方言CD」。北海道は田中理恵さん、東京は河原木志穂さんです。あとの地域はよく知らない人でした。

m-94_23564 at 12:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2016年01月03日

しの字嫌い

あけましておめでとうございます。
今年は申年です。
縁起をかつぐ向きには「災難が去る」の意味に通じて縁起がいいとされる年です。
しかし昔の人は、同じ「去る」でも、「お金やお客が去る」の意味で捉え、縁起が悪いとして猿を「えて(得て)」と呼びました。猿を「エテ公」と呼ぶのはその名残です。
スルメをアタリメと呼ぶのも「する(損する)」を「当たる」に言い換えた言葉です。

日本語はよほどこうした考え方が好きなようで、最も典型的なのが数字の「4」です。

ここで上の一行を音読してみてください。皆様は「4」をどう発音されたでしょうか。
日本語で1,2,3,4,5は「ひと(つ)」「ふた(つ)」「み(っつ)」「よ(っつ)」「いつ(つ)」であり、「いち」「に」「さん」「し」「ご」は中国から伝わった読み方です。
しかし「し」は「死」と同じ発音で縁起が悪いと考えた昔の人は、日本語の「よ」の発音を元に「よん」という呼び方を新しく作りました。「7」の読み方に「しち」と「なな」が混在するのも「し」の発音を嫌ったためです。

落語「しの字嫌い」は、「し」の発音は縁起が悪いので言ったら罰金、というルールを設定した旦那とその下男が、どうにか相手に「し」と言わせようというストーリーですが、「ひ」を「し」と発音する江戸っ子の落語家にとっては演じづらい話かもしれません。
正確に演じるなら、特定のひらがなを使わずに書かれた小説『残像に口紅を』のような厳格さが求められます。

さて本日のお相手は、以前参加したPBWに「ね」「こ」の2字が使えなくなる不思議な現象の中で一日を過ごす、というシナリオがあったので、名前に「こ」がつくPCで参加した6月でございました。


次回更新までの運勢:凶。「七七四十九」は大変に縁起の悪い数式だと思います。
アンラッキーアニマル:獅子

m-94_23564 at 22:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2015年12月23日

絵ッ写ア教室

少し前の事ですが、自閉症の画家が描いた電車の絵が息を飲む程のリアリティと話題になったそうです。
昔はセル画にしか見えないガンプラが話題になった事もありました。

さて、上手な絵を「写真のよう」とほめる事がある一方で、上手な写真を「絵のよう」とほめる事があります。これは何に起因するのでしょうか。

実はこの二つの言葉、対になっているようで、対にはなっていません。
ほめているポイントが違うのです。
「写真のように上手な絵」は主にリアリティをほめるのに使う言葉です。
では「絵のように上手な写真」とは?
絵は(腕の巧拙はあるにせよ)描く人のイメージのままに描き出されるものです。
つまり「絵のような写真」とは、構図の完成度が理想的である事をほめているのです。


さて本日のお相手は、絵は描けないので話を書いている6月でございました。
小説家になろう
らっかみ!プライベートシナリオ(本条小萩PL作となっているのが拙作です)



次回更新までの運勢:吉:PBWでは自分で絵を描けなくても、絵師さんにイラストをお願いできます。
ラッキーアイテム:リアルマネー

m-94_23564 at 22:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
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