「震災を通して命の大切さを教えられた」-。阪神大震災から15年を迎えた神戸市の中学校で、卒業を控えた3年生が震災をテーマにしたミュージカルを上演した。上演のきっかけは、震災当日、壮絶な状況の中で生を受けた同級生の存在。震災を体験した“最後の世代”は「震災を忘れないで伝えていこう」と誓い合った。

 震災で大きな被害を受けた神戸市東灘区にある市立本山南中学校。平成7年1月17日に生まれた山本紘彰君(15)ら3年生が2日、ミュージカル「平和のバトン」を在校生に上演した。生徒たちが会話の中でボランティアや平和の大切さを知っていくストーリーで、男性教諭が紘彰君の話を聞いて計画した。

 紘彰君の母、光子さん(44)は予定日の前日、震災に遭った。東灘区にあった自宅マンションは全壊。けがはなかったが、大きなおなかで近くの実家に走って避難する途中、陣痛がきた。

 病院には着いたが、器具類が散乱した分娩室は使えず、診察台でそのまま出産することに。電気は止まり、懐中電灯の明かりの中だった。断水で産湯にもつかれない状態だったが、夕方になって、紘彰君は無事誕生した。

 「真っ暗な中で『おぎゃー』という元気な声が聞こえたとき、『生まれてきてくれてありがとう』って心の中で思ったんです」と光子さん。「人のことを思いやれる、元気で優しい人間に育ってほしい」と願いながら紘彰君の成長を見守った。

 しかし一方で、光子さんから震災の追悼行事などに参加を促したことはなかったという。「親が参加させるのではなく、紘彰が自分から参加してほしかった」からだ。

 紘彰君は昨年10月、校内で別のミュージカル上演にも参加し、今年1月17日には初めて追悼行事に参加した。

 「多くの人の命を奪った震災の日に命を授かった幸運を忘れず、亡くなった人たちの分まで精いっぱい生きたい」と紘彰君。まもなく公立高校の受験に挑む。夢は3歳から始めたラグビーを高校でも続け、“聖地”の花園ラグビー場に立つことだ。

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