卒業式などの君が代斉唱時に起立しなかったことを理由に、退職後の再雇用を拒否したのは違憲・違法として、東京都立高校の元教職員13人が都に計約7267万円の賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は28日、計約2757万円の支払いを命じた1審判決を取り消し、請求を棄却する原告側逆転敗訴判決を言い渡した。稲田龍樹裁判長は「(再雇用するか決める)都の裁量権はかなりの程度に広い」と述べた。

 元教職員らは03、04年度の卒業式や記念式典で、「戦前の国家主義を想起させる」などとして君が代斉唱時に起立せず、これを理由に減給などの懲戒処分を受けた。05、06年の退職後に非常勤職員として再雇用を希望したが不合格となり、「不起立を理由に採用拒否するのは許されない」と主張した。

 高裁は、斉唱時の起立を指示した校長の職務命令自体は「元教職員らの歴史観や信条を直接的に否定する行為を命じるものではない」として合憲と判断。都の再雇用拒否について「元教職員らは適法な職務命令に違反して処分を受けており、低い評価を受けざるを得ない。不合格が裁量権の著しい乱用や逸脱に当たるとは言えない」と結論づけた。

 1審・東京地裁判決(08年2月)は校長の職務命令を合憲としたうえで、「都は不起立を極端に過大視する一方で、他の事情を考慮した形跡がなく、合理性や社会的相当性を著しく欠く」と指摘していた。【伊藤一郎】

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