■銀行団、上積み求める 地方不満、与党圧力も

 会社更生手続き中の日本航空と同社を支援する企業再生支援機構が撤退する路線数を大幅に上積みしたリストラ案を策定したのは、再建計画の実現性を高めようと追加リストラを求める主力取引銀行に配慮し、追加融資などで協力を引き出す狙いがある。だが、路線撤退では地方自治体からの反発が強く、夏の参院選を控えて与党からの圧力が高まる可能性も否定できない。6月末に裁判所に提出する更生計画案の策定が頓挫すれば、日航の二次破綻(はたん)が現実味を帯びてくる。

 リストラ案には、巨額の債権放棄を余儀なくされる日本政策投資銀行や3メガバンクの意向を踏まえ、当初3年間で予定していた人員削減を2年前倒しで完了する計画も盛り込まれた。

 それでも銀行団は厳しい態度を崩していない。日航は顧客離れが深刻で、1日に数億円単位の営業赤字を計上しているとされる。銀行団の一部には国際線からの撤退や「アジア路線に特化すべきだ」(メガバンク関係者)といった強硬論もあるほどだ。

 前原誠司国土交通相は日航が破綻した理由の一つとして「採算の合わない空港を造る仕組みになっていた」とし、航空会社に不採算路線の就航を強制しない姿勢を明確にしている。実際、リストラ案では、地方を中心とした不採算路線の撤退が積み増しされた。

 これに対し、地方自治体の反発は確実だ。日航が9路線の撤退を検討する名古屋小牧空港を抱える愛知県の神田真秋知事は「地域経済への影響を考え、国も日航も先々を見据えてほしい」と、路線縮小に警戒感を隠さない。

 しかも、参院選が近づくにつれ、地方にとっては日航が地方路線の撤退を見直すよう与党に働きかけやすい環境が生まれてくる。国交省は与党からの要望に応じ、高速料金の割引などに使っていた財源の一部を道路整備に回せるようにしたばかりだ。民主党政権下でも地方への配慮を求める与党の圧力は変わらない。

 今月末にも銀行団とリストラ案で合意したい日航と支援機構には“政治の壁”が立ちはだかりそうだ。

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