9万人近い犠牲者を出した08年5月12日の四川大地震とほぼ同じ、マグニチュード(M)8級の巨大地震が、約1000年前にも起きていたことを、林愛明・静岡大教授(地震地質学)のチームが突き止め、独誌「ジャーナル・オブ・サイスモロジー」(電子版)に発表した。

 同地震は「竜門山断層帯」が起こしたとされる。同断層帯では、比較的小規模な地震は多く発生してきたが、巨大地震の発生は2年前まで知られていなかった。

 チームは地震発生後、現地で3回のトレンチ調査を実施し、過去の地震の年代を調べた。その結果、同断層帯沿いに平均2~3メートルの縦ずれ(高低差)が200キロ以上にわたって存在することが分かった。

 四川大地震によるものとは別で、地層の放射性炭素年代測定や出土した考古学的資料から、1000~1200年前の唐後期~宋前期に起きた地震と判明。ずれの大きさから、地震の規模は四川大地震に匹敵するM8級と推定された。

 全地球測位システム(GPS)による最近20年間の観測でも、チベット高原がヒマラヤ山脈に押されて東に移動し、同断層帯に年平均2~3ミリずつひずみが蓄積していることが分かっている。

 チームは、この断層帯では約1000年周期でM8級の巨大地震が繰り返す可能性があるとみている。林教授は「地震は地盤のひずみを解消するために起きるので、今後1000年以内にも大きな地震が起きる可能性はある」と話す。【石塚孝志】

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