2005年12月
2005年12月31日
耐震診断
前回、耐震補強工事について書きました。今回は、木造住宅の耐震診断について少しお話ししたいと思います。
耐震診断は基本的に目視(非破壊検査)と聞き取りにより行なわれます。建物の建てられた年代、構造確認、基礎・床下の状態、耐力壁の壁量などの順に見ていきます。そして現状を把握した上で、どのような耐震補強計画を立てるかということになります。
この計画は診断をする担当者により大きく変わりますが、基本的には基礎の補強や東西方向・南北方向の耐力壁を新たに設け、耐震診断の評点を1.0以上にするということでまとめます。
このとき問題になってくるのが、既存建物をどう判定するかということです。建築確認の図面が残っていれば良いですが、図面があったとしても基礎の詳細や筋交いなどの表示がしてないものもあります。また、図面が無いといったケースも珍しくありません。
これらの判断は全て診断を行なった設計者や施工者に任せるということになります。市や県から規制することはありません。(費用補助の工事は別です)
このあたりに悪徳リフォーム業者などが付け入るところかも知れません。
私が耐震診断を行なう場合、まず、第一に床下を確認してシロアリが上がっているところが無いか、羽蟻が出たことや雨漏りしたことはないかということを確認します。虫歯といっしょでシロアリの被害は思わぬところまで広がっていることがあります。
(ホームページ「驚きのシロアリ被害・スタートは耐震補強から」を参照)
次に屋根を軽くするということをお勧めします。瓦屋根の土を降ろすだけでも、2t車で2〜3杯分の重量を落とすことができます。屋根の重量を落とすことは耐震性向上に効果があります。その次に全体のバランスをみて耐力壁の新設や基礎の補強を提案します。これらは耐震診断の書類の数値としては現れてきませんが、非常に大切だと思います。また費用をできるだけ抑えてという方には、床下・小屋裏などの比較的解体を伴わない部分での、金物の補強をお勧めしています。
耐震の評点を1.0以上確保することは大切ですが、それには多くの費用がかかりなかなか工事に踏み切れません。それよりできることから手をつけてはどうでしょうか。わずかな補強でもマイナスに働くことはありませんので、一度ご自分の家を検証してみればどうでしょうか。
耐震診断は基本的に目視(非破壊検査)と聞き取りにより行なわれます。建物の建てられた年代、構造確認、基礎・床下の状態、耐力壁の壁量などの順に見ていきます。そして現状を把握した上で、どのような耐震補強計画を立てるかということになります。
この計画は診断をする担当者により大きく変わりますが、基本的には基礎の補強や東西方向・南北方向の耐力壁を新たに設け、耐震診断の評点を1.0以上にするということでまとめます。
このとき問題になってくるのが、既存建物をどう判定するかということです。建築確認の図面が残っていれば良いですが、図面があったとしても基礎の詳細や筋交いなどの表示がしてないものもあります。また、図面が無いといったケースも珍しくありません。
これらの判断は全て診断を行なった設計者や施工者に任せるということになります。市や県から規制することはありません。(費用補助の工事は別です)
このあたりに悪徳リフォーム業者などが付け入るところかも知れません。
私が耐震診断を行なう場合、まず、第一に床下を確認してシロアリが上がっているところが無いか、羽蟻が出たことや雨漏りしたことはないかということを確認します。虫歯といっしょでシロアリの被害は思わぬところまで広がっていることがあります。
(ホームページ「驚きのシロアリ被害・スタートは耐震補強から」を参照)
次に屋根を軽くするということをお勧めします。瓦屋根の土を降ろすだけでも、2t車で2〜3杯分の重量を落とすことができます。屋根の重量を落とすことは耐震性向上に効果があります。その次に全体のバランスをみて耐力壁の新設や基礎の補強を提案します。これらは耐震診断の書類の数値としては現れてきませんが、非常に大切だと思います。また費用をできるだけ抑えてという方には、床下・小屋裏などの比較的解体を伴わない部分での、金物の補強をお勧めしています。
耐震の評点を1.0以上確保することは大切ですが、それには多くの費用がかかりなかなか工事に踏み切れません。それよりできることから手をつけてはどうでしょうか。わずかな補強でもマイナスに働くことはありませんので、一度ご自分の家を検証してみればどうでしょうか。
2005年12月24日
耐震補強
マンションの耐震偽造問題で、耐震強度について関心がいやがうえにも高まっています。もし、設計・施工する立場の人間が、悪意を持って偽造や手抜き工事をしようとすれば、現在の建築確認の制度で全てを見抜くことは無理であるように思います。建物を設計・施工する人間が安全性を無視した建物を建てるはずがない、特に構造においては設計に問題があっても、施工する段階で施工者が問題点を見つけ改善するはずだと言うような思いがあります。今回の事件は、そんなありえるはずがないという盲点をついたところに根の深さがあり、そのため、建築業界だけでなく日本全国を震撼させる大問題になっています。
東海・東南海・南海大地震がいつ起こってもおかしくないといわれ、耐震偽造問題が毎日テレビで放送され、誰もが我が家は大丈夫だろうかと思われたことではないでしょうか。
私も訪問させていただくお宅で、よく耐震補強についてお話させて頂くことがあります。実際に多くの耐震補強工事もさせていただきました。実際には、耐震補強工事単独で行なわれるケースは少なく、多くは改修工事などにリフォームに付随して行なわれます。ここが耐震工事の難しいところで、耐震工事を行なっても今までの生活は決して便利になりません、逆に今までに無かった部分に壁ができたり、外観にいかにも補強しましたという痕ができたりとマイナス面が多くあります。それに加えて工事費は、解体・補強・復旧と思いのほかかかります。無料耐震診断や、耐震補強工事に対する補助金があるにもかかわらず、診断はしてもらうものの、なかなか工事までは行なわれないというのも、こんなところに原因があるのかもしれません。
モリセイで行なわれている耐震補強工事も、現実に行なわれるのはリフォーム工事に付随するものがほとんどです。サッシを入れ替えるのに耐力壁を新設したり、外壁の張替えのときに筋交いを入れたり耐力面材で張ったり、内装を改修する時に基礎を補強したりなどです。解体・復旧の工事はリフォーム工事に含まれますので、耐震補強にかかる費用は単独で行なわれる場合に比べ、3分の1から10分の1ぐらいでできる場合もあります。
(このあたりは三重県発行の、住まい安心安全21通信 別冊特集「木造住宅の耐震補強とバリアフリー化を含めたリフォームガイド」に詳しく載っていますのでご覧下さい。文章の編集及び写真・校正はモリセイで協力させて頂きました。冊子は県庁・市役所等においてありますが、ご希望の方が見えましたらモリセイに連絡いただければお届けします)
東海・東南海・南海大地震がいつ起こってもおかしくないといわれ、耐震偽造問題が毎日テレビで放送され、誰もが我が家は大丈夫だろうかと思われたことではないでしょうか。
私も訪問させていただくお宅で、よく耐震補強についてお話させて頂くことがあります。実際に多くの耐震補強工事もさせていただきました。実際には、耐震補強工事単独で行なわれるケースは少なく、多くは改修工事などにリフォームに付随して行なわれます。ここが耐震工事の難しいところで、耐震工事を行なっても今までの生活は決して便利になりません、逆に今までに無かった部分に壁ができたり、外観にいかにも補強しましたという痕ができたりとマイナス面が多くあります。それに加えて工事費は、解体・補強・復旧と思いのほかかかります。無料耐震診断や、耐震補強工事に対する補助金があるにもかかわらず、診断はしてもらうものの、なかなか工事までは行なわれないというのも、こんなところに原因があるのかもしれません。
モリセイで行なわれている耐震補強工事も、現実に行なわれるのはリフォーム工事に付随するものがほとんどです。サッシを入れ替えるのに耐力壁を新設したり、外壁の張替えのときに筋交いを入れたり耐力面材で張ったり、内装を改修する時に基礎を補強したりなどです。解体・復旧の工事はリフォーム工事に含まれますので、耐震補強にかかる費用は単独で行なわれる場合に比べ、3分の1から10分の1ぐらいでできる場合もあります。
(このあたりは三重県発行の、住まい安心安全21通信 別冊特集「木造住宅の耐震補強とバリアフリー化を含めたリフォームガイド」に詳しく載っていますのでご覧下さい。文章の編集及び写真・校正はモリセイで協力させて頂きました。冊子は県庁・市役所等においてありますが、ご希望の方が見えましたらモリセイに連絡いただければお届けします)
2005年12月20日
今年の冬は寒いですね
今年の12月は例年になく寒い日が続きます。暖冬だといっていたのは誰だ!とついつい言いたくなってしまいます。
最近建てられる家では、高気密・高断熱で床暖房を入れて真冬でも室内では半袖で過ごします、なんて言う家も珍しくありません。しかし、私が子供のころ(30年ほど前)は、今ぐらいの気候が、冬ではあたりまえだったような感じがします。外の寒さの印象とは逆に、部屋の中はもっと暖かかったような気もします。暖房器具といえば、コタツにストーブそれに火鉢。今の気密性の良くなった住宅では考えられませんが、普通の炭の火鉢の他に練炭火鉢も使っていました。火鉢の炭をつつきながら餅を焼いたり、なべをしたりと生活の一部になっていました。しかられながらも火鉢でよく火遊びもしていました。生活の身近なところに火がありました。
火鉢がホットプレートに替わり、石油ストーブがエアコンに替わりと、安全に、便利になってきました。現在のほうが明らかに快適なはずですが、この寒い冬に子供のぎこちないマッチのすり方を見てふと考えました。
最近建てられる家では、高気密・高断熱で床暖房を入れて真冬でも室内では半袖で過ごします、なんて言う家も珍しくありません。しかし、私が子供のころ(30年ほど前)は、今ぐらいの気候が、冬ではあたりまえだったような感じがします。外の寒さの印象とは逆に、部屋の中はもっと暖かかったような気もします。暖房器具といえば、コタツにストーブそれに火鉢。今の気密性の良くなった住宅では考えられませんが、普通の炭の火鉢の他に練炭火鉢も使っていました。火鉢の炭をつつきながら餅を焼いたり、なべをしたりと生活の一部になっていました。しかられながらも火鉢でよく火遊びもしていました。生活の身近なところに火がありました。
火鉢がホットプレートに替わり、石油ストーブがエアコンに替わりと、安全に、便利になってきました。現在のほうが明らかに快適なはずですが、この寒い冬に子供のぎこちないマッチのすり方を見てふと考えました。
2005年12月15日
木と土で家を造る
きれいに竹小舞が組まれた家の中に立ち、差し込む日の光を眺めると、心地よく癒された気分になります。このきれいな景色もほんのひと時で、すぐに荒壁がつけられ、家は重みを増していきます。乾燥しひび割れた荒壁の上に、大直し・中塗り・仕上げと何度も壁土が塗り重ねられます。ここ数年、このように土壁を付けて家を建てさせていただく機会が多くなりました。
むかしはそんな家ばかりでしたが、この10年ほど時代の流れもあり、モリセイでもロイヤルハウスや住友林業のイノスの家に取り組んだりと、乾式の工法での在来木造軸組み工法の家が多くなりました。
しかし、モリセイの特徴を出せる家造りかといわれると、少し疑問が残ります。時代のスピードはどんどん速くなり、家についても契約・着工したらいかに早く完成させるかが追求されてきました。その背景には施主さんのほうでも、建てると決まったら一日でも速く新しい家に入りたいという思いがあります。荒壁をつけて1ヶ月も2ヶ月も乾かすために置いておくなんて時代に取り残されていきました。
しかし、食事の面でスローフードが関心をもたれるのと同じように、家においても自然素材を使った健康住宅などが関心を集めています。食事にしても家にしても、それがよかったのか悪かったのかという判断には時間がかかります。特に家では、10年20年しないと結果がわからないことが多いです。
現在、「これがモリセイの家だ」というものは模索中ですが、20年後・30年後にモリセイで建ててよかったといわれる家を造っていきたいと思います。
むかしはそんな家ばかりでしたが、この10年ほど時代の流れもあり、モリセイでもロイヤルハウスや住友林業のイノスの家に取り組んだりと、乾式の工法での在来木造軸組み工法の家が多くなりました。
しかし、モリセイの特徴を出せる家造りかといわれると、少し疑問が残ります。時代のスピードはどんどん速くなり、家についても契約・着工したらいかに早く完成させるかが追求されてきました。その背景には施主さんのほうでも、建てると決まったら一日でも速く新しい家に入りたいという思いがあります。荒壁をつけて1ヶ月も2ヶ月も乾かすために置いておくなんて時代に取り残されていきました。
しかし、食事の面でスローフードが関心をもたれるのと同じように、家においても自然素材を使った健康住宅などが関心を集めています。食事にしても家にしても、それがよかったのか悪かったのかという判断には時間がかかります。特に家では、10年20年しないと結果がわからないことが多いです。
現在、「これがモリセイの家だ」というものは模索中ですが、20年後・30年後にモリセイで建ててよかったといわれる家を造っていきたいと思います。
2005年12月02日
職人という人(2)
私が接してきた職人さんというのは家造りにたずさわる人がほとんどです。ですので、少し偏りがある意見のようであれば許してください。
仕事のできる職人さんの第二の共通点は、現場がきれいで道具などがきちんと整理されている人です。最近の建築現場では(特にメーカハウスでは)整理・整頓・清掃が徹底され、非常にきれいな現場が多く見られます。中には本当にここで作業をしているのと言いたくなるようなきれいな現場もありますが、そういうのではなく、ほどよく掃除されて、材料や道具がきれいにそろえてある現場はやはり仕事も丁寧にされています。
第三の共通点は、これはやはりよく言われることですが、おしゃべりな人より無口な人のほうが仕事ができる人が多いように思います。やたら自慢ばなしが多かったり、他人の仕事についていろいろ解説する人は、言葉の割にはたいしたことがないことが多いように思います。
時代のスピードはどんどん速くなり、職人さんを育てるという環境を作ることは難しい時代になってきたようです。むかしは親方と呼ばれる職人さんが、若い人に時間をかけながら仕事を教えてきましたが、現在個人でそこまでできる人は少なくなってきました。
モリセイでは現在4人の大工さんに仕事をしてもらっています。自分で材料を刻んで新築から増改築までできるベテランの人ばかりですが、みんなそれぞれに強い個性をもっています。その中の一人の大工さんと以前こんな会話をしました。
「若い子を入れるから面倒を見てやってよ」
「誰か他のやつに頼め」
「そう言わずに頼むわ」
「俺は誰にも教えてもらった覚えがない」
「そんなことはないやろ...」
それ以上は言いませんでしたが、違うのにと思いました。
この大工さんはモリセイでも一番の古株で、年に何件もこの大工さんでお願いしたいと指名のかかる人です。しかし、自分ひとりで一人前になった人はいません。カンナやノコギリといった道具一つ取っても、長い年月をかけて出来上がったものです。手取り足取り教えてもらった覚えはなくても、多くの先輩の大工さんたちのやり方を見て仕事を覚えていったはずです。それら身につけた技術については次の世代の人に受け継いでいく義務があると思います。
まだ、モリセイは体力がなく若い職人さんを育てる環境を作るなんてできていませんが、木で家を造るというすばらしい技術を次の世代に残していきたいと思います。
仕事のできる職人さんの第二の共通点は、現場がきれいで道具などがきちんと整理されている人です。最近の建築現場では(特にメーカハウスでは)整理・整頓・清掃が徹底され、非常にきれいな現場が多く見られます。中には本当にここで作業をしているのと言いたくなるようなきれいな現場もありますが、そういうのではなく、ほどよく掃除されて、材料や道具がきれいにそろえてある現場はやはり仕事も丁寧にされています。
第三の共通点は、これはやはりよく言われることですが、おしゃべりな人より無口な人のほうが仕事ができる人が多いように思います。やたら自慢ばなしが多かったり、他人の仕事についていろいろ解説する人は、言葉の割にはたいしたことがないことが多いように思います。
時代のスピードはどんどん速くなり、職人さんを育てるという環境を作ることは難しい時代になってきたようです。むかしは親方と呼ばれる職人さんが、若い人に時間をかけながら仕事を教えてきましたが、現在個人でそこまでできる人は少なくなってきました。
モリセイでは現在4人の大工さんに仕事をしてもらっています。自分で材料を刻んで新築から増改築までできるベテランの人ばかりですが、みんなそれぞれに強い個性をもっています。その中の一人の大工さんと以前こんな会話をしました。
「若い子を入れるから面倒を見てやってよ」
「誰か他のやつに頼め」
「そう言わずに頼むわ」
「俺は誰にも教えてもらった覚えがない」
「そんなことはないやろ...」
それ以上は言いませんでしたが、違うのにと思いました。
この大工さんはモリセイでも一番の古株で、年に何件もこの大工さんでお願いしたいと指名のかかる人です。しかし、自分ひとりで一人前になった人はいません。カンナやノコギリといった道具一つ取っても、長い年月をかけて出来上がったものです。手取り足取り教えてもらった覚えはなくても、多くの先輩の大工さんたちのやり方を見て仕事を覚えていったはずです。それら身につけた技術については次の世代の人に受け継いでいく義務があると思います。
まだ、モリセイは体力がなく若い職人さんを育てる環境を作るなんてできていませんが、木で家を造るというすばらしい技術を次の世代に残していきたいと思います。