2006年01月

2006年01月30日

間取りについて(3)

 最近の間取りにはいくつかの傾向があります。
 まず、第一に、廊下をとられる家が少なくなってきました。玄関ホールからいきなりリビングに入り、リビングはキッチンやダイニングとつながります。廊下を部屋の中に取り入れることでLDKを広く取れます。しかし大きな部屋がつながった間取りにすると、収納のスペースを確保するのが難しくなります。そこで、納戸やウォークインクローゼットといった部屋を別に取るようになります。
 この傾向は住宅メーカー(特にローコスト住宅)の影響が大きいと思います。細かい収納などを取らず広い間取りの部屋を増やせば、1坪あたりの工事単価を安くすることができます。またチラシに載せる間取りにも、部屋の広さを10帖とか15帖など広く表示できます。
 次に和室には縁側や床の間が無くなってきました。最近の流行として、リビングからつながった和室コーナーという形でリビングに取り込まれてしまいました。また6帖と縁側にするか8帖間にするどちらを選ぶかというと8帖を選ばれる方が多いと思います。床の間は少なくなった収納を補うために押入れになります。
 縁側は、障子を閉めて窓をあければ外部になり、窓を閉めて障子をあければ室内になるという不思議な空間です。屋外にもなり室内にもなるというあいまいな空間です。それが無くなり、和室は窓を介して直接外部と接するようになり、室内か室外か、白か黒か、あいまいなグレーのゾーンがなくなりました。縁側や床の間は機能面からだけ言えば無駄なのかもしれません。しかしそれらはその家で生活する人のゆとりの空間であり、家の遊びであるように思います。これは現代のデジタル化の流れとも関係あるのでしょうか。


m704889 at 22:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2006年01月23日

間取りについて(2)

 子供部屋を増築したいという要望は良くあります。昨年相談のあったご夫婦の要望も、1階の8帖のリビング(1階にはほかに南側の部屋はありません)の南側に、子供部屋を2部屋増築したいというものでした。
 ずいぶん検討されたらしく図面も持ってきていただきました。素直にその図面どおりに見積もりさせてもらえばよかったのですが、引っかかる点が2つありました。

 第一は、リビングは玄関から2階へ上がるためには通らなければなりません。そして、リビングの北側には台所・お風呂・洗面・トイレの水廻りがあります。このリビングの南側に子供部屋を増築するとリビングは東西南北への通路の中心になり非常に居心地の悪い部屋になります。
 第二は、図面どおりの間取りにすると2階で寝るご両親からは、ほとんど子供たちの様子がわからないということです。その上、外への出入りも、外部からの侵入も自由です。

 そこで要望に反して、私自身これがベストだろうと思う別の提案を持っていきました。いろいろ説明しましたが、ご夫婦には受け入れていただけませんでした。結果的に、その増築の工事は他社で行なわれました。私の説明の仕方が悪かったのでしょうし、自分の価値観を押し付けるのでは、決して良い結果は出ないなと反省しました。反面、指定された間取りで建てていたら、自分自身が納得いかなかっただろうとも思います。

 3年程前に、神戸や新潟そして宮崎勤事件のような重大な犯罪をした犯人の家の間取りについて研究された方が見えます。それらに共通する特徴は、自分の部屋から家族と顔を合わすことなく外部に自由に出入りできる構造になっていることです。これは極端な例かもしれませんが、親のほうから進んでこのような環境を作ってあげることは、子供のためにもならないと思います。
 家の打ち合わせをしていると、テレビにエアコンへたをするとバス・トイレ付きという居心地の良い部屋を持っている方が見えます。ここまで行かないまでも、家庭での居心地の良すぎる個人の空間が、現在問題になっているニートという存在を作り出しているひとつの原因のような気がします。


m704889 at 23:55|PermalinkComments(1)TrackBack(0)

2006年01月20日

間取りについて

 先日先輩と飲みに行って、話は仕事のことから子供のことへ、そして教育の話になりました。
 先輩いわく「最近子供たちにいろいろな問題が出ているが、それは家の間取りと関係あるのではないだろうか。自分の家は田舎で田の字の間取りだけれど、子供たちには個室を持たせず今でも布団を並べて寝ている」とのことでした。
 その先輩の子供たちというのも、すでに大学生のお嬢さんと高校生の息子さんです。そういう風に考えて見える方もいるのだと安心しました。というのも、新築の打ち合わせなどがあると、まず最初に話し合われるのがリビングやキッチン、そして設備はどうするか、次に子供部屋をどうしようかというのが一般的です。大きさは大体6帖ぐらいでクローゼットがつきます。子供部屋は2階で南向きの一番環境の良い場所に置かれます。夫婦の寝室やご主人の書斎(何とか確保してもらった場合)は北側の陽の当たらない場所にということになります。
 子供の頃自分の部屋が無かったからとか、子供の自立心を育てるためとかいろいろ理由はあるようですが、実際多くの方がそのように家の間取りを決められます。私は日頃間取りを検討する中で、家族みんなが長くすごす部屋とご夫婦の寝室を南側の一番環境のいい場所に持ってきてくださいとお勧めしています。
 そして、子供部屋は勉強机とベッドの分3帖あれば十分で、2階の北側にして、テレビやインターネットは共有で使えるよう各部屋にはつけないほうがいいですよと言います。そうすれば子供たちは部屋にこもらず、自然とみんなのいる部屋に出てきます。テレビやパソコンを自由に見られて冷暖房完備の部屋が子供にとって良い部屋だとは思いません。プライベートな空間は必要だとは思いますが、少し居心地が悪いぐらいがちょうど良いと思います。
多くの増築工事や改修工事をしてきた中で思うことは、子供が個室を必要とするのはほんの数年間です。せっかく子供部屋を増築したのに子供たちは遠くに行ってしまい、日当たりの良い部屋は荷物置き場になっているお宅が多くあります。もったいない話です。
 家は時の経過や、そのときの家族構成や生活スタイルに合わせて変わっていくものです。(できればどんどんリフォームしてください) 
 しかし、子供や孫にうれしそうに勉強がんばるからといわれれば、エアコンにインターネットとつけてやりたくなるのも親心でしょうか。


m704889 at 23:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2006年01月10日

木造の耐震

 先日テレビで耐震補強をした建物と耐震補強をした建物の2棟を同時に阪神大震災並みの揺れを加える倒壊実験を行なっていました。耐震補強を行なっていない建物はほんの数秒で倒壊し、耐震補強を行なった建物は残りました。地震の力はすごいなと思う反面、木造の伝統工法で建てた家ならどうだろうと思いました。

 私は住宅の耐震強度について疑問に思っていることがあります。建物の耐震強度を考えた場合、まずくい打ちや地盤改良を行なった上にコンクリートの塊のような基礎を載せ、土台はその基礎にボルトでこれでもかというぐらいしっかり固定され、柱は基礎と土台に金物、筋交いなど動きようの無いぐらい固定されます。このため地震の時には家具などに地震の力がそのまま伝わります。それではと家具転倒防止の金物などが売れているようです。しかし、家具は動かなくても中のものが飛び出してはと、今度は扉にロックをつけ、ガラスの部分にはフィルムを貼ります。最後には中に入れてあるもの全てを固定しなくてはならなくなるのではないでしょうか。

 最近田舎建ての家を改修させていただくことが多いのですが、土台は石の上に置かれているだけで固定されておらず、大黒柱も玉石の上においてあるだけです。これはある意味免震構造なのではと思います。横揺れの地震の場合力は、土台と基礎が固定されていないことで100%伝わらず、軽減されると考えられます。水の入ったコップを下敷きの上に置き下敷きを力強く引っ張ると下敷きは抜けます。

 しかし、コップと下敷きが接着されていれば水浸しになるでしょう。また接合部分も木の込み栓などでですし、貫をいれて土壁を塗った壁は、金物と木というように強度に極端な違いも無いため、地震時には非常に粘りがあるように思います。
それに柱などが全て見えているため、シロアリなどの被害はすぐにわかります。
木組みだけでは柱が折れてしまうなどの問題点がありましたが、金物などを併用して昔の技術の良いところも取り入れていきたいと思います。

 子供の頃、年末大掃除では家中の畳を上げ床下の掃除をしたり、自分たちで家を点検する機会が多くありましたが、忙しい現代そんな風景を見ることもなくなりました。
「今年こそは畳を上げて掃除をしよう」と年の初めに年末の大掃除のことを考えました。


m704889 at 21:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0)