2007年08月
2007年08月06日
改正建築基準法(4)
役所で書類を訂正している最中に、窓口で見た光景を思い出します。70歳を過ぎたぐらいの設計者かと思われる男性が、建築確認の書類を出して見えました。窓口の担当者は、私の時と同じように法改正があった旨、新しい書式でないと受け付けない旨を説明しています。今回だけ受け取ってもらえないかというやり取りもありましたが、当然、出し直しということになりました。
担当者のインターネットを使えますかという問いに「何とかできます」という答えでしたが、こちらの資料のホームページにアクセスして、資料をダウンロードしてくださいと説明には、「やったこと無いですが分かる者に聞いてみます」ということで帰られました。私の父と同年輩ぐらいでしたので、図面は手描きなのではないかな。書類も手書きではないだろうかと想像します。
この方も古くから建築に携わり多くの建物を設計してきたことでしょう。経験や知識では私など足元にも及びません。日本全国にはこのような方がどれくらいいるのでしょうか。それが自分の孫のような担当者に、パソコンの使い方を教えられ・・・。
何なんだろうと思います。
あの講師の一言が思い出されます。
『今回の改正に対応できないところは、どうぞ退場してください』
長年積み上げてきた経験と知識を、ばっさり切り捨ててしまうように聞こえました。
担当者のインターネットを使えますかという問いに「何とかできます」という答えでしたが、こちらの資料のホームページにアクセスして、資料をダウンロードしてくださいと説明には、「やったこと無いですが分かる者に聞いてみます」ということで帰られました。私の父と同年輩ぐらいでしたので、図面は手描きなのではないかな。書類も手書きではないだろうかと想像します。
この方も古くから建築に携わり多くの建物を設計してきたことでしょう。経験や知識では私など足元にも及びません。日本全国にはこのような方がどれくらいいるのでしょうか。それが自分の孫のような担当者に、パソコンの使い方を教えられ・・・。
何なんだろうと思います。
あの講師の一言が思い出されます。
『今回の改正に対応できないところは、どうぞ退場してください』
長年積み上げてきた経験と知識を、ばっさり切り捨ててしまうように聞こえました。
2007年08月03日
改正建築基準法(3)
今までの建築確認業務は、100点満点で言うと、40点や50点で出された書類を、指導業務によって書類や図面の訂正・追加することで、90点ぐらいまで持ってきて確認を下ろすというものではなかったかと思います。
今回の改正にはいろいろ問題はあると思いますが、一番の問題は周知徹底ができていなかったことだと思います。私たち建築に携わる業者はもちろん、エンドユーザーにいたってはほとんど知らないのではないかと思います。それに加え改正法の移行期間が無く6月20日を境に改正、その後に講習会があったように窓口担当者も試行錯誤をしているという状態です。準備不足です。
それに加え工事中の追加変更があれば、変更届を出し再度確認が下りるまで工事がストップするため、変更によるトラブルも心配されます。
それでも木造の住宅などであれば、半年もすれば新しい手続にも慣れ、スムーズに流れるようになるかもしれません。しかし、手続が複雑になる鉄骨造のビルやRCのマンションは、今後建てることができるんだろうか、と心配してしまいます。ある設計事務所の先輩は、今回の法改正で日本のGDPが下がるかもしれないと言ってみえました。事実、確認が下りないので工事が進められないとか、工事がストップしたなどという話をちょこちょこ耳にするようになってきました。
私たち一業者としては、法に基づき今のシステムに馴染んでいくしかしょうがありません。しかし、私たちはいいほうだと思います。(つづく)
今回の改正にはいろいろ問題はあると思いますが、一番の問題は周知徹底ができていなかったことだと思います。私たち建築に携わる業者はもちろん、エンドユーザーにいたってはほとんど知らないのではないかと思います。それに加え改正法の移行期間が無く6月20日を境に改正、その後に講習会があったように窓口担当者も試行錯誤をしているという状態です。準備不足です。
それに加え工事中の追加変更があれば、変更届を出し再度確認が下りるまで工事がストップするため、変更によるトラブルも心配されます。
それでも木造の住宅などであれば、半年もすれば新しい手続にも慣れ、スムーズに流れるようになるかもしれません。しかし、手続が複雑になる鉄骨造のビルやRCのマンションは、今後建てることができるんだろうか、と心配してしまいます。ある設計事務所の先輩は、今回の法改正で日本のGDPが下がるかもしれないと言ってみえました。事実、確認が下りないので工事が進められないとか、工事がストップしたなどという話をちょこちょこ耳にするようになってきました。
私たち一業者としては、法に基づき今のシステムに馴染んでいくしかしょうがありません。しかし、私たちはいいほうだと思います。(つづく)
2007年08月01日
改正建築基準法(2)
わからないながらも担当者の方の説明を思い出し、資料も確認しながら何とか書類を作り直しました。そして書類を市役所の窓口に持っていくと、図面に記入モレがあるということでした。内容は道路斜線という建物の高さ制限について問題ないか断面図を入れろというものでした。平屋の建物で、道路から7m以上下がっているのに引っかかるわけ無いじゃないか。と思いつつしぶしぶ書類を持ち帰りました。
その次は、3度目の正直で何とか受付をしてもらいましたが、確認が下りる前に追加説明資料の添付と軽微な訂正のため、再度役所まで足を運びました。その後、数日して「確認が下りましたので書類を取りにきてください」という連絡があったので、窓口まで取りにいくと、担当者の方から、
『今回の書類がギリギリのラインです。もう少し何かあればアウトでした。』
といわれました。よかったなと思いつつ、なんとなくしっくりきませんでした。
この手続の最中、例の講習会が丸1日ありました。すでに手続を経験しただけにわかりやすい内容でした。この講習の中で一番印象に残ったのは、ある講師の方が言った
『今回の改正では国土交通省は本気です。今回の改正に対応できないところはどうぞ退場してくださいという姿勢です。』
という一言です。
私は背筋がゾッとしました。この講習を聞いて後だと役所の窓口の対応も納得いきます。(つづく)
その次は、3度目の正直で何とか受付をしてもらいましたが、確認が下りる前に追加説明資料の添付と軽微な訂正のため、再度役所まで足を運びました。その後、数日して「確認が下りましたので書類を取りにきてください」という連絡があったので、窓口まで取りにいくと、担当者の方から、
『今回の書類がギリギリのラインです。もう少し何かあればアウトでした。』
といわれました。よかったなと思いつつ、なんとなくしっくりきませんでした。
この手続の最中、例の講習会が丸1日ありました。すでに手続を経験しただけにわかりやすい内容でした。この講習の中で一番印象に残ったのは、ある講師の方が言った
『今回の改正では国土交通省は本気です。今回の改正に対応できないところはどうぞ退場してくださいという姿勢です。』
という一言です。
私は背筋がゾッとしました。この講習を聞いて後だと役所の窓口の対応も納得いきます。(つづく)