2011年05月

2011年05月28日

抜苦さんと与楽さん その5

みなさんこんにちは
4月末、宮口さんの工房に伺うと、そこには粗彫りの状態ですが両手を胸の前に合わせ、座っている姿の分かる『抜苦さん』がいました。

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『こんなに早く彫れるんや』
宮口さんにすれば当たり前のことかも分かりませんが、私には新鮮な驚きでした。写真集を見ながらポーズを決めるという話でしたが、平面ではなく立体的にどうやってバランスを考えるんだろうと思い宮口さんに質問してみると、原寸図(実物大の寸法図)を描くんだということでした。そこで今回の抜苦さんの原寸図を見せてもらうことにしました。
これがその原寸図です。

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正面からと横からの図面です。頭の大きさ肩の高さなどの寸法が書き込まれています。この図面に基づき丸太に輪切り状の墨が打たれます。頭の位置や手の位置などずれてしまわないんだろうかと心配してしまいますがそんなことはないそうです。
粗彫りが終わると図面に基づきさらに細かい墨を打ちます。


m704889 at 13:43|Permalink

2011年05月21日

抜苦さんと与楽さん その4

みなさんこんにちは
4月の半ば、宮口さんの工房では丸太に墨付けされ仏像が彫られ始めました。
先に彫り始めたのは、抜苦地蔵だそうです。どのような姿にするのかは観音さんのご住職と話し合われたそうです。

この話を聞いていて疑問が出てきました。
『仏像のポーズ(姿勢)や顔立ちなどどうやって決めるのだろう?』
そのまま宮口さんに聞いてみると
『写真集を見ながら考える』
とのことでした。写真集を見ながらどのような姿にしようかというイメージを固めて、イメージが固まったら原寸図面を描くそうです。立体的なバランスなど難しいだろうなあと思いますが、すべて独学でやってこられたそうです。
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特に運慶・快慶が良いとのこと

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これらの本を読んで独学で


少し宮口さんの作品をご紹介します。
ビール瓶ほどの大きさのものから、1メートルを超えるものまであり、姿もバラエティーに富んでいます。

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墨付けされ彫り始められた丸太
この丸太がどのような姿になるのか楽しみです。
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m704889 at 16:43|Permalink

2011年05月13日

抜苦さんと与楽さん その3

みなさんこんにちは
今回は、仏像を彫っていただく宮口五十一(いそかず)さんをご紹介します。
宮口さんは昭和9年生まれの77歳、奥様と二人で津市藤方にお住まいです。地元の大工さんとして仕事をされてきましたが、20年前より仏像彫刻を始められたそうです。
 大工さんの当時、当社の会長と知り合いモリセイの仕事を手伝ってもらったとのことでした。

 彫刻を始められたきっかけは、宮口さんのお父さんも彫刻をやっており、真似をして始めたのがきっかけでした。
 第一号の作品は『カエル』
お父さんの作品をまねて彫ったということでしたが、彫り始めたころ奥さんは
『下駄でも彫っているんやろか?』
と思ったそうです。

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これはお父さんの作品です。


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こちらは宮口さんの第一号作です。


それから彫刻の面白さに引き込まれ、これまで20年間に彫った作品は100体以上、1日に8時間以上彫っていることもあるということでした。最初は無口だった宮口さんも彫刻の話になると饒舌になり、
『デザインをどうやって決めるのか』とか、
『どのように彫り進めるのか』
ということをいろいろ教えてくれました。そして小屋裏においてある大勢の仏像さんも見せてもらいました。

 多くの本を見ながら独学でここまでやってこられたということでしたが、仏像を彫り始めると同時に大好きなお酒もピタリと止められたそうです。
『仏さんを彫るんやから酔っぱらってはできん』
という言葉が印象的でした。
次回は、宮口さんの作品を少し紹介します。
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ご自分の作品と一緒に写った宮口五十一さんです。



m704889 at 19:26|Permalink

2011年05月07日

抜苦さんと与楽さん その2

みなさんこんにちは
前回父が木彫りの地蔵の奉納を引き受けたところまでお話しました。

私が知らないところで父は会長(叔父)と一緒に材料を見に行ったり、経験のある人に相談したりはしていたようです。そして何とかやってみようしていた矢先、父が倒れてしまったのです。
お酒を飲んでの立ちくらみでたいしたことはなかったのですが、私は翌日会長に
『今回の依頼はとても無理だから断ってほしい』
と電話を入れました。

しかし、このことが思わぬ方向に進展していきました。会長の方でいろいろ手を尽くしてもらい、彫ってもらえる人が見つかったのです。それもモリセイに縁のある方で。
 そんな人がいるなんて想像できませんでした。京都や奈良に行けば仏像を彫る人もいるでしょうが、この津市内で、それも今回こちらから奉納するわけですから『無償』でやるという方がです。
『藤方の宮口さんて言う大工さんや』
その名前を聞いて、ある記憶と結びつきました。

5,6年前、営業の森岡君がお客さんから頂いたと言って、ビール瓶ほどの大きさの木彫りの仏像を持って帰ってきたことがありました。その方の名前が確か宮口さん?

『昔モリセイで仕事を手伝ってもらっていたことがあって、今趣味で仏像を彫っている人や。教えてもらうだけのつもりでいたけど、今回の話をしたら快く引き受けてもらった。』
というではありませんか。私は人の縁の不思議さを強く感じました。

次回は、仏像を彫っていただくことになった宮口さんをご紹介します。

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切りだされた杉の丸太です。


m704889 at 15:01|Permalink