ローコストの耐震工事や都市のヒートアイランド対策などに間伐材を活用しようという研究が進み、業界で注目を集めている。というのも、森林の間伐が進まないことが、大きな問題になっているからだ。込み合った森林を間引くことは、良質な木を育てるには欠かせないプロセスだが、働き手の高齢化などからなかなか進んでいないのが現状だという。だが、間伐材の有効な使い道があれば伐採も進むはず。大阪府木材連合会では、さまざまな間伐材の利用法の研究を進めている。(河居貴司)

 昭和20年代後半から30年代にかけ、第二次世界大戦からの復興に向けて多くの建築物を建てるため、国内各地の森林で伐採が進んだという。大阪府内の山も例外ではなく、はげ山になるところも多かったが、一方で昭和30~40年代にかけては植林も進み、山々は再び緑で覆われた。

 森林は定期的に間引きを行うなどの管理が必要だが、木材の低価格化や林業労働者の後継者不足などから、大阪府内では5万ヘクタールある森林のうち、8割が間伐が必要な状態になっているという。だが、間伐を行ったとしても、間伐材の利用方法がなければ、切った木がその場で放置されるだけ。そこで、府木材連合会は、新たな活用方法の模索を始めたのだ。

 まず、京大防災研究所などと共同開発したのが、ローコストの住宅耐震工事。一般的な耐震工事は一軒あたり数百万円と高額になる場合も多いため、二の足を踏んでしまう人も少なくないが、間伐材を使った耐震工事は一軒数十万円から導入が可能とあって、リーズナブルなのだという。ふすまや窓として使っている部分に間伐材で作ったパネルをはめ込むことで耐震性をアップさせる。府木材連合会の三宅英隆専務理事は「例えば、まずは寝室だけ耐震化するといったことも可能です」と話す。

 また、夏の暑さの問題を解消しようと、ヒートアイランド対策に間伐材を活用する方法も。昨年秋には、大阪市北区の中之島で、川の護岸壁に間伐材をはり付ける実験を行った。長さ約1・5メートルの間伐材を使い、約150メートルにわたってコンクリートを覆った結果、間伐材があることで、周辺より約3度も温度が下がったそうだ。

 さらに、スギの空気浄化能力を利用した商品開発を目指して、府環境農林水産研究所などと共同研究。三宅専務理事によると、「奈良の正倉院の宝物を納めていた箱にもスギが使われていたそうです」とのことで、スリット加工したスギをついたてや壁面材などとして使うと、カビやダニ、ウイルス抑制などが期待できるという。

 三宅専務理事は「間伐材を利用することは、山の環境を守るだけでなく、一般に暮らす人々にも効果をもたらしてくれるんです」と一石二鳥の効果をアピールしている。

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