自分の無知が、身にしみる

雑談、読書、英語が大好きなサラリーマンが、書店、古書店、図書館などをのんびり巡り、歴史、英語、経済のジャンルをメインに読んで気に入った本を紹介したり、今更役にも立たないのにしている英語の勉強を日々つづっております。 新ブログを立ち上げました。 https://idliketostudy.me/ 今後は、新ブログ中心に更新を行いますので、今後もよろしくお願いいたします。

カテゴリ: 伝記

こんにちは、ブログ主です。

現在、新ブログを進めるうちに「地味だけどスゴイ人を紹介して!!」というオファーを読者から頂戴しました。

自分、結構本を読んでいたおかげで「細かすぎて伝わらない人物伝」ネタが溜まってきておりまして

それをちょっと書き始めたら面白くて、5日連続でアップしてしまいました。

現在のラインアップは…

・生前はケチだ、守銭奴だと散々言われたが、実はメチャクチャ寄付していた銀行王
・収容者が帰国後、「同窓会」を作って懐かしむ!?捕虜収容所の所長とは?
・かつて恩義を受けた人のために、命を賭けてはせ参じた軍人
・貧乏から巨万の富を築き、それをあっけなく寄付した「学者兼投資家」
・「神の鍬を持つ男」と言われ、食料自給率を跳ね上げた男。今でもその国の伝説となる農業指導者

などを取りそろえております。

名付けて「日本のスゴイ人列伝」!!

ご興味のある方はぜひコチラからアクセスしてください!!
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なんか最近、ホントに下らない話ばかり上げているので、たまにはマトモな話でも。

私は、「戦争を風化させるな」というフレーズが虫酸が走るほど苦手である。

このフレーズを好んで使う人間は大体、戦争がどのような状況で起きざるを得なかったのか、更に前はどうだったのかなど考えもしないし興味もない。

過ちなど間違ってもしないという傲慢さが鼻につく。

しかし、歴史を見ればわかるが、人間という生き物は誰一人として、未来に何が起こるかを知ることは出来ないのである。

歴史とは真っ暗闇の中を手探りで、少しでも良い方向に向かおうともがいた人間の試行錯誤そのものなのだ。

ところで私が最近、ハマっているマンガに能條純一の「昭和天皇物語」がある。

武田鉄矢さんが絶賛したことで一躍注目されたこのマンガ、最初第1話を読んだ時驚いたのは「ついに『昭和天皇の生涯』が一人物として歴史物語になった」ということだった。

やっぱり、昭和天皇も一人の人間であり、幼少期もあれば、多感な少年時代もあった…亡くなった直後だと、中々その辺は書けない。

第一知らないし。

おじいちゃんが子どもの頃…って、想像つかないでしょ?まして、亡くなったばかり時をイメージしたら、昭和天皇って言ったら…

IMG_0784

こちらのお姿の方が分かりやすい。

30年経って、タブーとか圧力とか(右からも左からも)気にせず、やっと書けるようになった。それも誰もが触れられるマンガの形で。

客観的に、だけれど一人の人間として歴史人物を見れるようになるには、それなりに時間をかけて分解する必要がある。

人によってはそれを風化と言うかもしれないけど、そこで初めて見えてくることもある。

だから、経験ばかりを絶対視することなく、風化を超えて見えるものを大事にする姿勢が今を生きる私たちには大事なのではないかと思うんです。






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今週は、仕事にillustratorや英語の勉強にと時間があれば何かやっていた私だが、読書はこんな本を読んでいた。

全裸監督 村西とおる伝
本橋信宏
太田出版
2016-10-18


村西とおる…私のちょっと上の世代ならクリスタル映像やビニ本などでお世話になった人も多かったらしい。らしい、というのは私が青春を迎えたころにはもう彼は姿を消していたから。

まぁ、なんつーか私も男であるからソッチの方に興味がないわけじゃないんだが、最近村西さんがミョーに気になっていた。コンビニで売ってた人生相談本から始まって、「この人の過去を掘ったら相当面白そうだ」と思った次第。

ざっとこの人の経歴を書くと…

1セット100万を超える英語教材のトップセールスマン

ビニ本、裏本制作・販売で巨万の富を得るが、警察にタイーホ。

当時黎明期だったAV業界に転身。監督経験ゼロからエロビデオの定番を次々に生み出して、今度はAVで大成功。「ハメ撮りの帝王」の異名をとどろかせる。

その一方撮影では、世界各地で突拍子もないことを繰り返してヒンシュクを買い、ハワイでFBIにつかまって懲役370年を求刑、長期拘留される。

事業拡大をやりすぎて今度は逆に50億円の負債を抱え込み、闇金からエグイ取り立てを受ける。

無一文になりながらAV女優と再婚。お受験界の最難関校に長男を合格させる。

なんか、よく分からないが経歴の無茶苦茶さに凄みすら感じさせる。

当時の風俗史も十分に面白いんだが、文章そのものは全然エロくない。むしろ人間の業とか、悲しさを感じさせる感じ。

むしろ目を向けたいのが、こんなハチャメチャなことを成し遂げた村西さんの「営業テクニック」。

100万円の英語教材を最高週に20セット売り、ドラマ出演とだまして連れてきた素人女性をAV出演に踏み切らせる(当時は、今のようにAV女優が『セクシー女優』としてテレビに出る時代じゃない)。

そのテクニックで村西さんは、自分に起こるジェットコースター人生を猛烈な勢いで乗り越えていく。

真似しようとしてもできるもんじゃないけど、営業に悩んでいる人には結構役に立つ内容なので、そっちで参考になることが多いかもしれない。

色々書いたが、『メチャクチャ面白いので、買いにくい方はぜひKindle版で読んでみては!』と一押ししておく。
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能條純一さんの新作「昭和天皇物語」が滅法面白い。

私は戦後70年の2015年に、「日本のいちばん長い日」の映画をきっかけに昭和天皇の関連書籍を読みふけり、興味を深めていった。

そうして得た、昭和天皇の印象は

「人間として、最高レベルで完成された方」

と感じた。

私利私欲というものを感じさせるエピソードが驚くほど見当たらず、むしろ自身が口を開いたり、行なったりすることで社会に影響を与えることさえ、控え続けられたご生涯だったのではなかったろうか。

このような性格は、どのように形成されたのか?興味は深まるばかり。

そこに、本作の登場である。


終戦後、日本に乗り込んできたGHQの最高司令官、マッカーサーと対面するシーンから物語が始まる。

命乞いに来たのだろうとたかをくくっていたマッカーサーを前に「戦争の全責任は私にあり、私が全てその責を負う」と静かに伝える昭和天皇。

その姿に心を揺さぶられるほど感動したマッカーサーは「この人(天皇)はどのような人生を歩んできたのか…」と思いにふける…

なんという、導入!私は第1話からこの物語に完全に心を奪われてしまった。

そして、この前単行本が発売!購入して読み直すと、やっぱりいい!

昭和天皇も幼少期があり(当たり前だが)、多感な思い抱いていたってこと。

その彼を将来の天皇に育てるべく、足立たか、乃木希典、東郷平八郎、杉浦重剛がどのように接し、そこから何を学んだのか…

じっくりと、何度も読み返したい作品だ。

最後に面白い、感動したばかりではこっぱずかしいので、照れ隠しに連載中の内容からネタバレを一発。

山縣、お前はあっち行ってろ(苦笑)



…もし、昭和天皇ってどんな人って興味を感じた人に、参考図書を何冊か。


注意)原作者の本なんで、これからこの内容がかなり、出てくるネタバレ本の一つです。



こちらは写真が豊富で、記事もバラエティ豊か。適度な読み応え。


かなり読み応えがある。でも「昭和天皇実録よりはずっとコンパクトなんで、ご興味のある方にオススメ。





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昔、ボーイスカウトの先輩から渋沢栄一の伝記マンガを貰った事がある。
 
商業ベースに乗ったものではなかったものだったかもしれないが、日本の資本主義の生みの親、渋沢栄一の一生を子供向けに書き起こした佳作だった。僕の中で渋沢翁に関する知識の95%はこのマンガから得たものといっていい。

で、大学時代に城山三郎の『雄気堂々』を読んだ。これは小説で面白く読めた。

雄気堂々〈上〉 (新潮文庫)
城山 三郎
新潮社
1976-06-01


さらに昨日何気なく本屋を覗いたら『渋沢栄一の評伝』が文庫化されてて、興味を持って購入、読み始めた。



豪農の小倅が、学問をやるうちに攘夷思想にかぶれるという当時としてはありふれた青年時代をへて、体制側の一橋慶喜に仕える。で、慶喜の弟に従ってフランスに飛んで、そこで資本主義のイロハを皮膚感覚で習得する。

新政府の今の財務省に当たる役所でシステムを整えたら今度は実業の世界に転じ、今でも残る日本の主要企業を作る。

理論も、システム作りも、実践も全部自分で始めちゃうというところが面白い。

フツーこういった過渡期には、こうやって新しいシステムに乗った人って、やりたい放題でブイブイ言わせるケースが多い。例えば、ホリエモンや村上ファンドのおっさんみたいに。

ところが、作った企業を三菱のように財閥化できたはずなのに、そういうことをしないで公のためにという一線をキチンと持っている。そういう人が明治時代の日本にいた、ってことが面白いし、奇跡的だと思う。

今はまだ読み差しで、一橋家に仕えたあたりだが、時間みてどんどん読みすすめたい。評伝なんでちょいと硬いが読み応えはいいと思う。



 
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