March 23, 2015

人生とは努力の重み 〜久しぶりの高校の試合、カリフォルニア州ファイナル4〜

人生は数字よりも重い

(写真の上に矢印を合わせて1回クリックすると拡大して見れる)

3/23/2015
週末に久しぶりに高校の試合を見に行った。今は全米プレイオフの時期、大学(NCAA)のトーナメントも真っ只中というこのマーチマッドネスの中、カリフォルニア州の高校も決勝一歩手前のファイナル4が我が母校ロングビーチ州立大の体育館(ピラミッド)で行われたので駆けつけた。

ずっとお世話になり、追いかけ、尊敬し、一度はアシスタントに申し込んだCoach Kitani率いるカリフォルニア州屈指の高校Fairfax High School が、全米でもトップクラスのMater Dei High Schoolと南カリフォルニアの地区決勝、カリフォルニア州のファイナル4を戦う試合だ。今シーズンは、Fairfaxも州の1位として近年で久しぶりの素晴らしいシーズンを送り、久しぶりのカリフォルニア州の優勝に向かっての大舞台となった。

対するMater Deiは全米屈指の私立。優秀な選手を出し続けるこの監督は、カリフォルニア州の優勝を幾度と繰り返し、その勝率は高い。

高校のシステムもDivisionがわかれ、またいくつものDivision内でもクラス分け(A,AA,AAA,AAAA,AAAAAなど)がある。基本的には、学校の規模(生徒数)だが、近年このオープンDivisionはその枠を超えて、強豪校が集まているように思われる。これに勝てば、北カリフォルニアの勝者と、州都サクラメントでサクラメント・キングスのホームコートを使って決勝が行われる、、、その1歩前に両校が予想通りにたどり着いた。

99%黒人選手(今年は一人アジアがベンチに、その前は一人アジア人がスターターに、その前は一人白人の選手がベンチに)のとても競争の激しいロサンゼルス市地区代表のFX高校は、タレント揃い。NBAや大学に負けないセットプレーを軸に、最終的には強い1オン1(個人技術)中心に攻める。そして、マンツーで守る。

対するMD高校は正確で素早いパッシングとスクリーーン/カットを波のようにめまぐるしく用いるモーションオフェンスを中心に、個人技の強いFXをゾーンとマンツーで守る。

3年前にFX高校に毎日練習を見に行っていた頃の子たちが、今は4年生となり、とてもたくましく見えた。体がぐんとがっしりしたり、背もまたぐんと伸びたようで、その歩き方からも「自信」のオーラが見れた。

MD高校は1人の黒人選手がスターターに、ベンチに1人のアジア人がおり、裕福なエリアの優等生そろいであり、教科書のように綺麗な技術をもち、シューターのショットはどの場面を写真にとっても、シューティングのテキストにできた。(エースのシューターはスタンフォードに行くと、隣の子供たちのお父さんが子供に教えていた。)

スタンフォードやDukeなど勉学レベルも高い私立の名門にはこういった名門私立の高校から優等生が行くルートがすでに出来上がっている。FXからも昔Dukeに行った選手がいるが、やはりロサンゼルスでもタフなエリアで育った子たちが、名門私立の優等生のプログラムにフィットすることは容易ではない。ただ、FXからアリゾナ大学に行って、一昨年NBAに入った選手もいる。

NBAということを考えると、やはりFXのようなタレント性の高い黒人選手の方が可能性が高いが、私立のNCAA名門大学となると、意外とこういった裕福な名門私立の選手の方が行きやすいのも確かで、ただ、その後にNBAにまでたどり着くかは、個々の差である。

ただ、アメリカとは「誰のもとに生まれ、どこで育ち、、、」それが、その子の人生のほとんどを決めるように、、、言い換えれば決められている感があるのも確かだと、ふと試合を見ながら考えた。そして、その定められ(かけ)た運命を、自力と運で変えることだってできるのだ、信じれば。。。

ps:前Cavs/前レイカーズのマイク・ブラウン監督の息子や、現在、日本で活躍中の千葉のコーチゲーリ(アリゾナ大、NBA)もMD高校の出身。

さて、試合は、約10点差でMDが勝利。我がFXはシーズンを終えた。試合に前にコーチヤナイに挨拶でいた。試合後は、コーチキタニの奥さんに挨拶に行き、周りのFXファミリーといってもいいたくさんのコーチのファン、友人家族に挨拶し、奥さんと息子さん2人と駐車場まで歩きながら話した。家族の落ち込み、家族のサポートがわかるから、それに対する気持ちを伝えたかった。

コーチには翌日携帯電話からテキストした。直接面と向かうと、緊張して言えない「尊敬」の念と「素晴らしいシーズンを称える言葉」を伝えた。

ふと、上のはがきにメモしたことを考えた。

大切なことは、ゴールにたどり着いたかどうかではない。
それまでに日々重ねた「努力、汗、辛抱、、、」そのすべての時間と重みこそが、最も大切な財産となり、賞賛に値することを、我々は「勝負」に没頭いするがゆえになかなか気づかない。

我々の人生とは、たかが数字に振舞わされるほど軽くない。

もっともっと重いものを日々努力、精進していることを気づかなければ、勿体ない。。。


***はがきに書いたメモをここに記す***

試合に「勝て」ば「喜び」に満ち溢れ、
それに「負け」れば「失望」にふける。

しかし、勝たか負けたかなど、実はどうでも良いことなのだ、ということに、それに没頭するがゆえになかなか気づくことは難しい。

たかが得点という数字に振り回されるほど、我々の人生は軽くない。

我々の人生とは、「努力の重み」で出来ている。

その汗を流して辛抱してきた日々を称えることを忘れることは、人生の価値に気付かずに、死を迎えるリスクである。

Coach M

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m_doginca0505 at 04:27│Comments(0)TrackBack(0)Mental / “心” | Life/日常

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