松代守弘の展示日記

松代守弘の展示準備および開催状況を告知するブログです。

2011年11月

牟田義仁写真展「1995」と金村修展「Alice In Butcher Land」

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いろいろが一段落したこともあり、写真展のはしごをした。
最初に行ったのは、サードディストリクトギャラリー牟田義仁写真展「1995」で、タイトルそのまま「1995年に撮影された作品」を展示しているのだが、そういう時代性はほとんど感じなかった。いや、確かに「あの頃のモード」的な何かがちらほら散在してはいるのだが、それよりも圧倒的な作家の力と、作品の持つテンションの高さが、あの頃の何かといった瑣末な空気を感じさせないのだ。こういう作品に触れる度、時代性に依拠した写真についてあれこれ考えてしまうが、歴史に興味を持つ人間にとっては、どちらも棄てがたく、悩ましい気持ちにもなる。そして、これからもまた「時代性なんかどうでもいいといわんばかりの作品」で、自分を悩ませて欲しいと願うのだ。

次にphotographers' galleryにて「金村修展──Alice In Butcher Land」を鑑賞。大好きな作家の大好きなテーマなので、自然と観る方もテンションがあがる。そして、最初に「こっちを観たかったんだよ」という感覚がまず湧き上がる。無礼を承知で言ってしまうが、大好きなギタリストが大御所ヴォーカリストに引っ張られて、ソロパートまでなんだかなぁになっていたところ、活力ある若手とバンドを組みなおして「あの超絶プレイ」を取り戻したような、そんな感じが強く、強く湧き上がってくるのを、どうにも抑えることができなかった。
併設されているKULA PHOTO GALLERYでも、企画の一環として金村作品を展示しているが、こちらはリアルに酢酸臭が濃厚に漂う、きわめてとんがった展示だった。先の例え話を引っ張ると、新ユニットとしての方向性を強く臭わせる(いや、実際に立ち込めていた臭いも含め、臭いが重要なんだよ)、油断なら無い展示だった(油断したことなんか一度もありませんがね)。濃いマニアは、このメンバーならこっちだべと、どっかのスレでぼそぼそやってるかもしれないけど、自分は観客としてステージ下でただ飛び跳ねていたい。そして、出来ればピックのひとつでも拾いたいと、そんなことばかり考えてしまう…

どちらも心からお勧めする展示です。是非、会場へ足を運んでください。

個展「Shutterd Scape」のまとめ

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遅くなりましたが、表参道画廊内Musee Fでの個展「Shutterd Scape」は、先週末に無事終了しました。来場していただいた皆さんには、心から感謝しています。ありがとうございました。

今回もあまり在廊できなかったので、お話できた方は少ないのですが、それぞれ興味深い感想を頂戴し、とても励みになりました。ただ、ギャラリーの方から「プリントやインスタレーションから【写真】としていろいろ思うところを感じた方もいたようです」と聞いた時は、なんちゅうかLes CATASTROPHE!(ひゃ〜 やっちゃった!)って感じでしたけど、でも良く考えてみれば写真と言うメディアにこだわりはあっても、写真と言う価値観には…というところもあり、意外ではあったし、またもっとお話をおうかがいしたいところでもありますが、それでもあまり気にしないほうがよいような気がしています。

もちろん、展示コメントにも書いたように、いちおう今回のお題は「写真の可塑性」ということで、自分としては「写真」作品を展示したつもりでした…そう、あくまでも「自分としては…でした」って結末を迎えてしまったようなのですが、まぁその辺はご愛嬌で済ませてしまおうかと思います。なにせ、あくまでも「いちおう」でしたしw

それより自分にとって深刻なのは、来年の展示に向けた制作が難航していることです。作品を創ってから展示と言うのが筋だろうとは思うのですが、ヲタ的には「イベントあわせで薄い本を作るのは当たり前」だし、自分自身も期日が決まっていないと手が動かないと言うところもあるので、とりあえず会場を押さえつつ何とかしようと思っています。とはいえ、そこはかとなく進めていたシリーズが、阿部直樹氏の写真展「」と丸かぶりに近いことが分かってしまったので、本当に壱から組みなおしなんですよね〜

ほんと、会場で観た瞬間、思わずLes CATASTROPHE!(ひゃ〜 やっちゃった!)って叫んじゃいそうでしたよ…

さてさて、どうなることやら…

阿部直樹写真展「壁」と渡邊加奈子展「Little Island」

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先週、無事に個展を終了し、本来ならまとめをアップしなければならないのだけど、とてもよい展示を観たのでそちらの感想を先にアップします。

まず、銀座のart data bankにて開催中の渡邊加奈子展「Little Island」だが、画廊のブログ(渡邊 加奈子「Little Island」)でも言及されているように、特徴的な技法を用いた版画作品です。ただ、版画といっても摺りの工程で作品ごとの個性がかなり出るようで、手の動きと言うか墨の流れが興味深く、静かなイメージの中にある摺りの躍動感を楽しませていただきました。
また、見るときの角度や距離により、作品の表情が大きく変わるので、その点も興味深いと思います。個人的に、版画作品は好きなほうですけど、技法などについては全く不勉強であり、よく観ている方ならより深く楽しめるのかもしれませんが、それでも強くひきつけるものを感じる作品でした。

次に、同じく銀座のニコンサロン銀座で開催中の阿部直樹写真展「」を鑑賞しました。かねてより伸びている作家だと思っていたところ、今回はさらに大きく進歩していて、驚きを隠すことが出来ません。以前に観た展示では、幅を持たせつつもまとまりと言う点でいささか疑問に感じるところがなくもなかったのですけど、今回の展示ではテーマを見事に成立させつつ、それでいてある程度の幅を確保していて、とても感心させられました。しかも、技術面でもより丁寧に、ある種の精密さを感じるプリントを制作しており、その方面でも順調に進んでいるように思います。
問題は、自分が密かに制作していたテーマを「より華麗に、かつより明確に作品化して」いることで、思わず頭を抱えてしまいました。これじゃ、来年の展示計画は根本から練り直しですね…

さておき、お二方とも作家としてのキャリアも順調に重ねておられるようで、非常にめでたいと思いつつ銀座を後にしました。

どちらもお勧めの展示です。是非とも会場まで足を運んでください。
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