松代守弘の展示日記

松代守弘の展示準備および開催状況を告知するブログです。

2012年10月

堀内陽子展「Beach」アンヌ・アアルト展「Leaving no footprints or shadows, no trace at all」杉浦則夫展「女、裸、縄  感じいるもの」徐榮晧展「帰郷」瀬戸正人展「Cesium7」

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なんだか最近のラノベみたいな長いエントリタイトルだけど、観た展示のタイトルと作家をタイトルに表記しないと検索においてあまりヨロシク無いので、やむを得ずこうなった次第…エントリを別ければよいのだろうけど…実際面倒だ…

さておき、原稿作業の合間を縫って写真展のはしごをした。
最初はコニカミノルタプラザにて開催中の堀内陽子写真展「Beach」で、基本はゆるく、ぐだぐだした夏の海水浴場だが、よく見れば若者たちの「想いが交錯し、せめぎあう」様も描かれている。欲望を意識しつつ、意識していないように装う男女の様が、そこここに隠れている…そんな、少しエキサイティングな夏の高揚感と、なんだかんだ言っても「結局は何事も無く過ぎ去っていく」砂浜のむなしさ、弛緩した有様が、非常に強く自分の心へ響いた。
堀内氏の作品は、今までにも何度か観る機会はあったし、実際に観ているはずなのだが、この展示において初めて作家のなにかを掴み取ったような、そんな気持ちになった。

次に観たのはギャラリー蒼穹舎のアンヌ・アアルト写真展「Leaving no footprints or shadows, no trace at all」で、ヘルシンキ周辺をゆるく、そして軽やかに撮影した、ちょっと詩的で直感的だけど、どことなく計算されてもいるような、よい意味であいまいな作品だった。また、夏を思わせる光の強さ、明るさが楽しく、なにか楽しいことが起こりそうな予感と、同時に「特に何も変わったことは起きない平凡な日常」が同居している、そんな興味深さを感じた。次回展も楽しみだ。

M2ギャラリーでは徐榮晧写真展「帰郷」を鑑賞した。荒廃した、やるせない日常を、寄り添うように撮った作品で、重くて暗くて絶望的でもあるのだけど、それを声高に主張するでもなく、ただ淡々と見つめている作家の目線に、とても好ましいものを感じた。
個人的に強くお勧めしたい展示だ。

プレイスMでは瀬戸正人写真展「Cesium7」を鑑賞。連続展の前半を観逃してしまったこともあるが、作品の力に圧倒されてしまい、情けないが感想を文字にできない…ただ、素晴らしいとしかいえない…ぜひとも会場へ足を運び、すばらしい品質の大プリントが持つ力を正面から受け止めて欲しいと思う。

最後に、ギャラリー新宿座で杉浦則夫写真展「女、裸、縄 感じいるもの」を鑑賞した。杉浦氏は1970年代からSM雑誌で緊縛グラビアを手がけてきた方で、今回は初の個展となる。展示は1970年代末から80年代初頭にかけて撮影されたグラビア掲載作品と、最近に撮影されたWEBサイト掲載およびCD-ROM販売用作品の2部構成で、個人的にはグラビア掲載作の本の少し赤味がかった暖かさと、暗部の美しさに惹かれるものがあった。
まぁ、いずれもデジタルプリントなので、顕著な違いではないし、グラビア掲載作には「思い出補正」が入っている可能性も高いのだけど…
ともあれ、杉浦氏の緊縛写真を「プリントとして」鑑賞する機会はほとんどないので、興味のある方はぜひとも会場へ足を運んでください。

与えられた形象―辰野登恵子/柴田敏雄展とマッカーサーの子供たち - 八月革命、イジス写真展―パリに見た夢―

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相変わらず仕事は忙しい、今回は珍しくちょっと量の多い原稿を書いているのだが、問題は「書きあがる前に手持ち金がショートしかねない」ことだ。まぁ、そう言いつつも展示を観に行ったりしているので、なんかの拍子に自分も「似非弱者!貧乏気取りのインテリ!」などと叩かれ、電柱に吊るされるかもしれない…

…首から「国民の税金を盗んだ極悪人」とか、そんな札を下げてね(いくらネタでも、特定の国名は出さないよ…)…

まぁ、そうなったらせいぜい石でも投げてくださいな。そのほうが、皆さんの安全につながると思うからww

さておき、そんな中で国立新美術館の国立新美術館開館5周年企画展「与えられた形象―辰野登恵子/柴田敏雄」を鑑賞した。内容は概要にある通りというか、辰野氏に関してはほとんど知識を持たないので、賢しらにわかった風な口を叩くことすらできない…お察しの通り、完全に柴田氏の写真目当てで行ったのだが、辰野氏の作品と交互に鑑賞することで、そこはかとなく「両者の流れが交錯し、鑑賞者の中からテーマが立ち上がってくる」ような、そういう感覚を持った。まぁ、残念ながら自分はその「立ち上がってくるなにか」が安定しないまま、また崩れ去ってしまったのだけど…
それでも、観に行ってよかったと思う。
会期は残り少ないけど、できればより多くの方々に鑑賞していただきたい展示だ。

次に鑑賞したのは馬喰町のunseal contemporaryにて小倉涌展「マッカーサーの子供たち - 八月革命 - 」だけど、こちらも展示内容などは作家氏のステートメントなどに譲りたい。自分は前回の展示(感想はこちら)などから、展示に対するある程度のイメージが出来上がっている状態で鑑賞したのだが、それを乗り越え、良い意味で裏切ってくれる部分と、イメージの範囲内に収まっている部分があり、そしてその「いずれにおいても楽しませていただいた」ので、非常に満足しつつギャラリーを後にした。
会期は27日まで(日月休廊)。是非、鑑賞をお勧めしたい展示である。

最後に、日本橋三越のイジス写真展―パリに見た夢―だが、思ったよりもはるかに多くの人々が会場に詰め掛けていて、作家氏が全盛期に個展を開いていたら、こんな感じだったのだろうかと、そんなことを想像していた。まぁ、週末は人気の無い日本橋界隈とは言え、正直言って三越本店をなめてたね…

展示作品数も多く、なかなかタフな鑑賞体験だった。図録も後回し…書店で買えると言うのもあるが、懐が寂しかったしな…まぁ、真に問題なのは自分の写真、作風の「古臭さ、時代に取り残されっぷり」を目の当たりにし、ふてくされたような気持ちが芽生えたというところなのだが…
とは言え、なぜ彼のストリートフォトが「当時は人気を博した」のか、そして「現在はそうでもないのか」について、ある程度まで見当がつけられたような感じがして、その意味では非常に得るところの大きな展示だった。

会期は明日まで。こちらもお勧め。
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