松代守弘の展示日記

松代守弘の展示準備および開催状況を告知するブログです。

2013年12月

ジョセフ・クーデルカ展



仕事の進捗状況は思わしくないのだが、年内では最後のチャンスとなったため、半ば無理やり国立近代美術館のジョセフ・クーデルカ展を鑑賞した。

展示内容については、既に要領よくまとめられた解説や記事がいくつかあるので、そちらへ譲りたい。単なる感想にすぎないが、初期作品のオリジナルプリントやパノラマの大判プリントを鑑賞できたのは、なんといっても非常に良かった。また、図録も非常に良く出来ており、素晴らしいとしか言いようのない印刷にくわえ、的を射た解説と作家の言葉、さらに本としてのつくりやデザインも卓越しており、是が非でも入手すべきであろう。

改装後の近代美術館に出かけるのは初めてだったが、展示内容やその方向性が大きく変わっており、もっと早く行っておけばよかったと、いささかばかり後悔した。特に昭和戦前期の版画、さらに印刷物などのデザイン作品が大きな展示空間を占めるようになっていたことは、美術や公的展示空間に対する意識の移り変わりを感じるとともに、好きな時代の好きな作品が日の目を見る思いがして、ついつい長居してしまった。

中でも雑誌「戦旗」の表紙が国立美術館の一角に展示されたことは、写真作品の扱いも大きく変わったことと合わせ、非常に興味深いことと思う。

ともあれ、必見の展示であるのは論をまたない。是が非でも美術館へ足を運んでほしい。

写植賛歌Part2と佐久間元写真展『そこへゆけ』そして林周治個展「Cityscapes」

Takebashi001

そろそろ忙しくなりそうだったので、なんとか時間を見つけて気になる展示を観に行った。

まず、最初に鑑賞したのはプレイスMの林周治個展「Cityscapes」で、コンセプチュアルなシティスケープ…いや、打鍵しつつもそれは無いだろうと思うが、やはり最もしっくり来る表現なのだ…が楽しい。整った感じの都市風景の他にも、展示作品にはややストリートよりの気軽なものがあり、両者の対比が興味深い。ただ、自分の好みは圧倒的に構図を決めた都市風景なので、どうしてもその、コンセプチュアルなシティスケープ…に目が行ってしまう。
まぁ、無理して全てを飲み込む必要はなく、好きな作品をたくさん観て、楽しく会場を後にしたのだった。

次に鑑賞したのはTAPギャラリーの佐久間元写真展『そこへゆけ』で、パッと観たところソンタグが言うところのキャンプめいた被写体が作品に収まっていた。しかし、キャンプと言うには全体がいささか泥臭く、そして作家と被写体との心理的な距離も近いように思えた。キャンプというほどオサレで、ややもすればスノッブな嫌味になりかねないクールさはなく、むしろ被写体の持っている無意味なパッションや反知性的な粋がりっぷりを、古い特撮映画のように合成したりワイヤで吊るしたりしたような、観ているとそんな感覚に襲われる展示だった。

最後に、表参道画廊にて写真植字機の歴史や技術、魅力を展示した「写植賛歌Part2」を鑑賞した。会場には写植機本体も展示してあり、希望者は写植体験も可能だったが、時間の関係から体験は見送らざるを得なかった。また、会場には写植を用いたタイポグラフィ作品も展示してあり、産業機械と美術の両面から写植の魅力を伝える内容となっていた。
会場で初めて知ったことだが、写植機の開発にはショートショート小説で有名な星新一の父親、星一氏が深く関わっていて、新一氏自身も開発の一部に参加していたことなど、興味深いエピソードを紹介していた。その他、写植の歴史を解説した小冊子も販売しており、小規模ながら非常に素晴らしい内容だった。

いずれもおすすめの展示であり、ぜひ会場へ足を運んでほしい。
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