Matsushiro1006101

今年9月に開催予定の個展ですが、無事に会期などの詳細が決定し、プレスリリースも仕上がりました。展示タイトルと会期、コメントなどをアップします。

コメントへ記したように、今回は自分が個人で制作する作品ではなく、多くの人々から協力を得て成立する作品なので、コメントの文言を決定するまでは紆余曲折もありました。特に被写体となった方々の呼称と、諸事情から撮影を遠慮した際の表現については、最後まで悩みました。最終的には「出展者」として、また「撮影を許さなかった」という表現に落ち着きましたが、日本語における「作家」という単語の重さや、あるいは「辞」という文字に含まれる上下関係には、改めて思うところがいくつかありました。

現在も撮影は続けており、またこれからお返事をいただく方々もおりますが、そろそろカットの選別からプリントに取り掛かります。良い展示となるよう努めますので、よろしくお願い申し上げます。

以下、展示の詳細。

■展示タイトル
Pictures at an Exhibition
-please don't hurt to me this way-

■展示コメント
 今回出展した画像は、全て個展会場における出展者を撮影したもので、会場の制約などがあった場合を除き、基本的に「事前のアポイントメント無しで、即興的に撮影した」ものです。そのため、出展者不在の場合はもちろん、出展者が撮影を許さなかった、あるいは「多忙そうにみえた出展者へ撮影を依頼しなかった」場合もあります。また、出展に際しては事後に承諾を取り、許可をいただいた画像のみ展示しています。また、同時に動画も収録しており、それぞれ連続した90秒分を抜き出し、同時に出展します。

 いわゆる「美術作品」の展示会場において、出展者は必ずしも常駐しなければならないというものではありません。しかし、少なからぬ出展者は会場に常駐しようとしますし、多忙な出展者も時間を割いて会場に身を置こうとします。その理由は出展者により様々ですが、社交の場として在廊している出展者もいれば、自らも自作に向き合う、あるいは鑑賞者の反応を窺うために在廊している出展者も少なくありません。ただ、いずれにしても「出展者もまた観る側に位置している」と言えるでしょう。その展示会場において「事前の申し入れ無しに撮影を求められる」ことは、撮影を求められることそのものの意外性に加え、観る側から被写体への不軌遷移、あるいは「観る側から観られる側への倒置」という要素も含まれると考えました。

 本展においては、展示会場における出展者と作品の画像から、観る事と観られる事の関係性をはじめとする、作品を展示すると言う行為を取り巻く様々な要素について、考えるきっかけを提供することをも視程に入れることが出来ればうれしく思います。

■展示会期および会場
会場:表参道画廊内ミュゼF
会期:2010年09月27日 〜 2010年10月02日
住所: 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-17-3 アーク・アトリウム B02
電話: 03-5775-2469