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なんだかんだでやることは多いのだけど、引きこもって作業しているとカラダがなまって仕方ない。また、間もなく閉鎖されるコニカミノルタプラザの展示が最終週を迎えていることもあり、時間を割いて鑑賞に赴いた。

とまぁ、そんな気持ちでコニカミノルタプラザを訪れたためか、いずれの展示も感傷的ななにかを刺激する。特に小池英文写真展「瀬戸内家族」は、自分自身が過ごした中国地方から九州にかけての沿岸風景を思い起こさせるものがあり、観るというよりは懐かしさに浸るようなところがあった。
作品としてはピントの位置が興味深く、つい覗き込むような感じになってしまうところもまた、没入感を高めていたように思う。もちろん、自分の記憶にある沿岸風景と島の生活は全く異なり、作品が描き出す人間模様は見知らぬ世界と言っても良いのだが、それを安々と乗り越えて醸し出される既視感に、作者のかすかな企みを感じる。もちろん、自分は大喜びでその企みに乗り、そして島の暮らしを疑似体験するのだった。

次にプレイスMへ向かい、子鬼石拓写真展「鉄港」を鑑賞した。
こちらはポストカードのギラついた船腹に惹き寄せられていたのだが、会場ではタイトルそのままの硬質な作品が観るものを待ち構えており、作品の前でしばし立ちすくんでしまった。これは作品と無関係の連想で、むしろ作者の意図には反しているだろうが、それでも眼とか鉄とか構成とか、そういう言葉が脳内をぐるぐる回ってしまう。それどころか、無駄にテンションまで上がってしまい、妙に楽しい気持ちが芽生えても来る。作品そのものはクールで、どちらかと言えば正反対の静謐さを醸してさえいるのだが、その中にひとり佇んでいると、なぜか自分で自分をコントロールできないような、そんな衝動が湧き上がってくるのだ。

ともあれ、いずれも素晴らしい内容で、鑑賞を強くおすすめします。