12月31日、大晦日になりました。ちょっと前まで暖かかったものだから師走に入った実感もなかったのですが、しめ縄や餅つきなど正月準備をするうちに新しい年を迎えるのだなと残った雪を見ながら実感しています。
今年は災害の多い年でした。そして、松江市でも中核市の制定、松平不昧公没後200年祭などなど大きな出来事があった年でもありました。本年のご支援・ご協力に心から感謝いたします。
そして、来年は4月に知事選・県議選、5月は皇太子殿下が天皇陛下へ即位され新しい元号の年が始まる・ホーランエンヤの催行、7月に参議院議員選挙、10月に消費税が10%へ改訂開始(予定)と続きます。来年の干支は己亥、良い年になりますよう心からお祈り申しあげます。
さて、本年最後のブログは、12月4日、松江市議会11月定例会の一般質問・答弁全文を報告します。質問は大きく3点、一問一答方式で質問しました。
おはようございます。松政クラブの野々内誠でございます。
1、共創・協働の取り組みについて
①共創・協働における個人情報保護について伺う。
最初の質問でありますが、共創・協働の取り組みについて伺います。
私は、10月10日に開催された、松江市共創のまちづくり推進本部主催の「共創・協働研修会」の午前の部に出かけました。会場には、市職員をはじめ町内会関係者やまちづくり団体などから36名が参加しておられました。
講師は、昨年度と同じIIHOE【人と組織と地球のための国際研究所】代表の川北秀人氏でした。演題は、「定義も、しくみも、進め方も、すべて進化して、協働2.0へ」。人口減や高齢者増、既存インフラ補修・更新問題など、松江市の将来予測をしながら、先駆地のアイデアも話され、共創・協働がいかに大事か、熱いお話を聞きました。雲南市の地域自主組織の取り組みや那覇市の真地(まーじ)団地自治会の取り組みは特に印象に残りました。松江市の課題もいくつか見つかりました。
そこで質問いたします。まず、共創・協働における個人情報保護についてであります。個人情報保護法が2003年に制定されましたが、個人情報の保護は大切なことでありますが、個人情報であれば何でも「保護」するは誤解です。共創・協働には、個人情報保護法を正しく理解し、管理・運営する体制づくりを促す必要があります。
川北秀人氏は、行政においては「地域団体のための個人情報の取り扱いに関する手引き」の策定、「福祉・備災カード」など地域運営組織としての住民台帳づくりを促すことを言っておられます。地域住民と地域運営団体と行政との協働における共通の基盤として必要であると思いますが、本市の状況はどのようになっているのか、そしてどのように取り組んでいくのか伺います。
森脇議長:松延市民部長。
松延市民部長:地域団体のための個人情報の取扱いに関する手引きにつきましては、個人情報の取得、管理のルールなどを示しました町内会・自治会向け個人情報取扱い手引きを策定いたしまして、ホームページで公開をしております。
また、この手引きは、町内会・自治会連合会、公民館長会、地区社会福祉協議会会長会の合同研修会の会場におきまして活用していただきました。引き続き関係者への周知をしていきたいと考えております。
次に、住民台帳づくりについてでございますが、松江市においては災害発生時などに支援が必要な障がいのある方など、避難行動要支援者約2万5,000人に対しまして、平常時からの名簿情報提供の同意確認書を送付いたしまして、そのうち約1万400人に同意をいただいております。そのうち約4,700人につきましては、町内会、自治会や地区社会福祉協議会などの避難支援関係者の団体と個人情報の保護に関係する協定を結んだ上で、同意者名簿をお渡しし、地域での個人ごとの個別計画、名簿の作成に役立てていただいております。今後、市としましては、残り5,700名の同意者につきましても、地域において個別計画等の作成が進むように取り組みたいと思っております。
森脇議長:野々内議員。
野々内:住民台帳つくりにつきましては理解ができまして、残る5,700名についての同意は進めていただきたいと思いますが、もう一つ、手引きの関係ですね。個人情報の取扱いに関する手引き、これは各団体にお話しになったということですけれども、市民レベルにこれが伝達をできているかということになると、なかなかそれは我々も媒体に目が届かないところがありますが、今後市民の皆さん向けにどのように市として周知をされていくのか、お考えをちょっと聞きたいと思います。
森脇議長:松延市民部長。
松延市民部長:今のところ自治会連合会等の役員の方にはお話しをしておりますが、今後市民の方に広く周知をするというところでは、いろいろな講演会ですとか、それから研修会、そういう場がありますので、共創・共働の研修会等でもお話しを進めていきたいと思っております。
森脇議長:野々内議員。
野々内:あまねく市民の皆さんに周知を図っていただくためには、やっぱりペーパーであるとかホームページであるとか、そういうような媒体も必要かと思いますので。ぜひともそれは御検討いただきたいと思います。
②住民自治組織の確立と地域との協働のための町内会組織への助成事業を増やすことについて
それでは次に、住民自治組織の確立と地域との協働のための町内会組織への助成事業を増やすことについて伺います。
高齢化が進む中において、総働・小規模多機能自治で公共サービスを行政と市民が共に担うという発想から、「自分たちが決めて自分たちが担う」ために、住民自治組織の確立と地域との協働が必要だと話されました。
自治会・町内会などの地域での組織では「小規模多機能自治」を行うため、行政機能の集約化を補い、住民減少・高齢化などに伴い必要性が高まる安心・安全の確保のための地域づくりを市と共に進めなければなりません。また、共通の「基本機能」と独自の「魅力づくり」も進める必要もあります。本市の現状と今後の進め方を伺います。
そして、町内会などの組織への助成事業を増やすことについて伺います。自治会・町内会などは「小規模多機能自治」を進めるためには、資金が必要ですが、行政機能を補う活動を進めるわけですので、応分の助成が求められます。本市の考え方について伺います。
森脇議長:松浦市長。
松浦市長:松江市では、いわゆる市民との共創・共働を旗印にいたしましてまちづくりを進めているわけでございます。今、こうした組織といたしましては、地域防災を行う自主防災組織、それから高齢者、障がい者などの配慮が必要な方に平常時から支援活動を行う要配慮者支援組織、こういったものを立ち上げているわけでございます。今のこの自主防災組織の結成率でございますけれども71.3%、それから要配慮者支援組織は現在175組織で、世帯のカバー率が28.3%となっております。
この地域の自主的な組織につきましては、末端で活動しておられる方というのはほぼ重なっていることが多いわけでございますので、私どもは縦割り的にこういった組織を同じ例えば自治会の中につくるということではなくて、既存の組織を柔軟に活用していけばいいのではないかと思っているところでございます。
それから、こうした活動に対しましておしゃいますように住民の福祉等を増進するということの取り組みでございますので、何かしらの支援が必要だと思っております。例えば、要配慮者支援組織につきましては、設立時と毎年の運営に対しまして補助を行っているところでございます。それから、これは単年度補助でございますけれども、松江市共創のまちづくり事業補助金も設けているわけでございます。そのほかにも現在地域組織への助成事業は複数ございますのでので、こういったものをもう一度ちょっと横並びをしてみまして、今後どういう形で支援をしていったらいいのかということにつきまして検討してまいりたいと思います。
森脇議長:野々内議員。
野々内:今後の人口減あるいは高齢化の中で厳しい財政運営あるいは自治体経営が見込まれるわけでございまして、共創・共働につきましてどれだけ受け入れる機運をつくるかということが非常に大事なことではないかと思っております。一層の努力をお願いいたしまして次の質問に行きたいと思います。
2、犬、猫対策について
①動物の愛護と動物の適切な管理について
次に犬、猫対策について質問いたします。
松江市が中核市となり保健所が島根県と共同設置となりまして、市民の皆さんの身近な動物愛護や犬猫に関することについての事務は、松江保健所動物愛護推進課になったところであります。
ここでは、動物の愛護と動物の適切な管理を目的とする「動物愛護管理法」や、「島根県動物の愛護及び管理に関する条例」などによって、職務が進められていると思います。
一方、本市には、犬猫についてのボランティアグループが複数あり、保健所と連携する活動を行っておられますが、様々な課題があることをお聞きしました。本市における基本的な犬猫対策について、まず伺います。
そして、動物の愛護について伺います。
我が家の周辺では、相変わらず猫が数匹うろついております。野犬については最近は少なくなったように感じますが、時たま見かけます。危険を感じたり被害に遭ったりと不愉快な思いをしている市民もあると思いますが、野犬や捨て猫の状況について伺います。
私も犬を飼った経験がありますが、いなくなった時には遠くまで探した経験があります。不明犬については、市のホームページで写真・動画などで公開してはいかがでしょうか。不明犬防止のためのマイクロチップの状況は進んでいるのでしょうか。
また、犬猫の譲渡の状況はどうでしょうか、ボランティア頼みになっていないか、現状と対策を伺います。
動物の適切な管理について伺います。みだりに繁殖することを防止するための不妊去勢手術の状況、近所の野良猫に餌をやらないことの周知と徹底の状況を伺います。
松江保健所収容の野犬の子犬
森脇議長:小塚健康部長。
小塚健康部長:まず、基本的な犬猫対策についてお答え申しあげます。
本市では動物の命の尊厳を守り、動物を愛護する気持ちなどの動物愛護思想の普及啓発と動物がその命を終えるまで適切に飼い続けるという終生飼養や動物の鳴き声、ふん尿等による迷惑防止などの動物管理の徹底を図るための施策に取り組んでおるところでございます。具体的には、動物愛護週間のイベントや小学校等での愛護教室の開催、市報、ホームページの活用等によりまして動物愛護思想の普及、終生飼養等の飼い主に対する動物管理の徹底等についての普及啓発を図っているところでございます。
また、捕獲した犬等につきましては、新しい飼い主への譲渡を行いまして、処分される不幸な命を減らす取り組みを行っているところでございます。
続いて、野犬や捨て猫の状況でございますが、平成30年4月から9月までに所有者不明により収容した犬は61頭、猫は65匹となっております。なお、犬の捕獲に当たりましては、設置した捕獲箱の管理や周知など地域の皆様の協力を得ながら進めているところでございます。
続きまして、不明犬などをホームページで公開してはどうか、あるいはマイクロチップの状況、それから犬猫譲渡の状況、不明犬の現状等についてのお答えでございますが、まず不明犬につきましては条例に基づきまして犬を捕獲した場所などの情報を保健所等で公示するほか不明犬の特徴や写真をホームページや山陰中央新報さんさんへ掲載をいたしまして、飼い主への返還や新しい飼い主を探す取り組みの充実を図ってまいりたいと考えております。
不明犬防止のためのマイクロチップ登録数につきましては、県内全体でございますが、これの登録数の1割に満たない状況でございます。保健所には、マイクロチップの番号読み取りに必要なリーダーを配備いたしまして、収容した飼い主不明犬につきましてマイクロチップの装着の有無を確認しておりますけれども、今まで装着が確認できた事例はございません。国においては、販売される犬猫へのマイクロチップ装着の義務化に向けた検討を行うこととされていることから、本市においてもその動向に注視し普及啓発に努めてまいります。
また、犬猫の譲渡につきましては、平成30年4月から9月までの期間、犬54頭、猫49匹でございます。現在、5団体及び個人のボランティアの方に保健所に収容した犬猫の譲渡についての御協力をいただいているところでございます。一方、保健所においても各種イベントやホームページ、新聞掲載など新しい飼い主を探す取り組みを実施しているところでございます。今後もボランティアの皆様方と連携をいたしまして譲渡の拡大に取り組んでまいります。
最後に、不妊去勢手術等あるいは近所の野良猫に餌をやらないことの周知についてでございますが、市では保健所から譲渡した猫に対しまして不妊去勢手術を条件としておりまして、希望される方に対しましてはその費用の助成をしております。現在までのところで24件の希望がございまして、助成の手続きを進めているところでございます。
無責任で安易な餌やりにつきましては、先ほど申し上げましたとおり騒音やふん尿などの悪臭、周辺の生活環境の悪化を招きかねない行為でございます。餌やりの苦情があった場合には、現地を確認し、原因者が特定できる場合には注意、指導を行っております。原因者が特定できない場合には、野良猫には安易に餌を与えないなどの注意を促したチラシを地域内に配布したり自治会等での回覧を行っていただくような対応をしているところでございます。
飼い主の施設入所のために保健所にきた14歳の高齢猫
森脇議長:野々内議員。
野々内:頑張っているという状況はわかったわけですけれども、犬猫については本当に愛でている方と、それから迷惑にかかっている方、両面があるところでございます。
かわいがっている犬猫がいなくなったということになりますと、市のホームページを拝見させていただきまして、松江保健所迷子動物情報というのがありまして、見させていただきました。ちょっとわかりにくいところでありますし、写真も1枚ぐらいということがあります。やっぱりこれはもう少しわかりやすいところに出していただきたいなと思います。
それからマイクロチップの情報についても普及啓発をされているということでありますけれども、少しこれもわからないという方もいらっしゃるんじゃないかと思いますので、そのあたりもまた啓発をお願いいたしたいと思います。収容数を減らすこと、それから返還、譲渡を増やすということでやっぱり処分数を減らすことができるわけでして、先ほどおっしゃいましたように、動物は命あるものでありますので、この命が一つでも助かればということがあるわけです。
それからまた、高齢者、そして生活困難者の方の犬猫の問題も増えてきているわけでございまして、これに目をそらすことなく、他都市に先駆けて本市からこの対策について発信をしていただきたいと思っているところでございます。よろしくお願いいたします。
それでは、次の質問に移らせていただきます。
3、洪水の際の対応について
①水防体制と土のうの準備について
洪水の際の対応について伺います。今年9月30日の台風24号襲来に伴う大雨では、意宇川の出雲郷橋付近の観測所では、18時50分に3.26mの水位に達し、一時は、はん濫危険水位の3.30mに達したようです。昨年9月の台風18号の3.00m以来の3m超の水位でありました。久しぶりに見る危険を感じるほどの増水で、もうすぐで堤防を越水するところでしたが、越水する前に雨が降り止んだことと、中海の潮がたまたま引いていたことが幸いしたように感じました。
近年は、水路などの整備が進んだことが影響しているのでしょうか、降り出してから出水までの時間も早くなりました。急激に増水するのが最近の特徴です。
この急激な増水に対して、どのタイミングで出動命令が出て、実際に現場配備されるのはどのくらいの時間を考えられているのか、近年は洪水が少なかったのは幸いでしたが、消防団ではどこに危険があるか、対策箇所などの想定訓練は行われているのでしょうか。消防団の水防体制について伺います。
次に土のうの準備について伺います。意宇川沿岸には水防倉庫がありますが、そこには土のうがどのくらい用意してあるのでしょうか、急激な増水で土のうの在庫が出払った場合はどうするのか、時間との勝負だと思いますがお考えを伺います。
森脇議長:菅井消防長。
菅井消防長:消防団の水防体制でございます。
出動命令のタイミングでございますが、まず本市が水防注意態勢を配備した時点で災害通知メールによりまして全ての団員に準備情報を発出しております。出動命令につきましては、実際に災害が発生した場合、あるいは災害の発生のおそれのある場合に管轄方面団長、分団長及び班長などに対し直接行っているところでございます。
現場到着に要する時間につきましては、状況により一概には言えませんが、迅速な出動が最も重要でございまして、氾濫注意水位に達した場合など必要に応じて増水前に出動させております。
重要水防区域及び危険箇所につきましては、河川名、区域、場所ごとに松江市水防計画にまとめておりまして、この計画によりまして情報共有を図っているところでございます。
水防訓練につきましては、本市として毎年1回以上実施することとしており、出水期前に行っており、あわせて各方面団において独自に計画し実施しているところでございます。引き続き水防体制の充実強化に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
森脇議長:矢野防災安全部次長。
矢野防災安全部次長:土のうの準備についてでございますけれども、意宇川沿いの倉庫には消防団などの協力をいただき作成した土のうが年度当初約450袋、それから東出雲支所のほうには約60袋配置しております。また、大草水防倉庫には、土のう用の真砂土を一定量用意をしており、さらに必要となる場合を想定して土のうの作成や運搬を消防本部が水防業務として行うこととしております。また、本市のほかの河川では民間企業や団体に土のうの運搬について協力をいただいているところでございますけれども、意宇川につきましても地元業者を初めとする民間企業に協力いただけるようお話しをしているところでございます。以上でございます。
森脇議長:野々内議員。
野々内:消防団の関係はわかりました。ただ、近年本当に大水が出る災害は少なかったわけでございまして、そこのあたりで団員の知識の継承といいますか、そういうことが少し薄らいでいるのかなという感じをこの間に見たところでございます。土のうを頼んだところが違った場所にやられたというようなこともございましたので、そこら辺り、現実にどこで起きるかということを現地も踏まえて少しシミュレーションしながら訓練がされたらいいかなと思っているところでございます。
そして、土のうの関係でありますけれども、水防倉庫であるとか地域にあるということでございました。このことについて、やはり急激に降った場合は大至急に必要だというようなこともあるわけでして、そこらあたり迅速に袋が間に合うような体制をさらに構築をしていただきたいと思うところであります。
②河川の立木などの撤去について
それでは、次に河川の立木などの撤去について伺います。河川の中の立木やススキ・カヤの草刈りが進んでいないのが現状です。河川内の堆積物の除去も進んでいません、そのために洪水が滞留し、一層氾濫の危険を流域住民は感じています。東出雲町内においても意宇川や須田川、意東川の下流部など、流域住民の不安を解消するための立木などの撤去が必要ですが、その考え方について伺います。
森脇議長:安達都市整備部長。
安達都市整備部長:河川内の堆積土砂や立木などは、水の流れを阻害し浸水被害を招く原因の一つでもあります。昨日も石倉議員にお答えしたとおり、意宇川を初めとする県管理河川については、島根県知事に対し浸水被害の軽減のための対策を重点要望したところでございます。
要望に対し知事からは、意宇川の堆積土砂については市とよく相談の上、治水上必要となる箇所は優先度を踏まえ掘削を行うとの回答をいただきました。引き続き県に対しては、対応が必要な箇所について要望していくとともに、国に対しては市長会等を通じて土砂撤去等の適正な河川管理に対する支援制度の拡充を要望してまいります。以上でございます。
森脇議長:野々内議員。
野々内:優先度を見きわめるということですが、その優先度はどのような順位なのかわかりませんけれども、このたびの台風24号の関係の増水については、危険を感じて私も何人もの方からもお話しを聞いたところであります。そのくらい関心が高いということであるわけでございまして、県との連携になろうかとおもいますけれども、早急な検討、そしてその対策をお願いしていと思います。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。