以前、中国製の食器から鉛が溶け出したというニュースが話題になった。
鉛を入れると、低い温度で焼き上げることができるために、このような事が起きると聞く。
このような危険性を考え、私自身は100円ショップの器や中国製の食器は使わないことにしている。
(鉛の害については、こちらに詳しく書かれている。)

鉛溶出の害を避けるためには、何に気を付けて器を選べば良いだろうか。
何から鉛が出るのか、また出ないのか、はっきりとはわからないが、色々なところで書かれていることを総合すると、下記のようになるようだ。
※あくまでも、素人が情報をまとめたものであることにご留意ください。

・上絵付の絵が食品に触れるところに描かれているものには、酢の入った料理や果物ジュースを入れない。
サラダ(ドレッシングに酢を使う)やマリネ、ピクルスも入れないようにしようと思う。

・派手な色を使って、低温で焼かれた器は避ける。特にアジア・中東・中南米。

モロッコの器などは、外務省のサイトで鉛の危険性が指摘されているほどだ。
アフガニスタンも低温で焼くので鉛の問題がある、というアフガニスタンの陶工の方のコメントを読んだ事もある。マレーシアのプラナカンの陶器も、飾るには良いが使わない方が良いそうだ。また、中南米の器にも鉛の溶け出すものが多いという情報も。
どうやら中東・アジア・中南米の色鮮やかな陶器は、避けた方が無難なようだ。本当は大好きなのだけれど・・・。

アンティークや骨董品の安全性は不明。
おそらく、昔の物は今と違って鉛の害は考えていないだろう。どんな釉薬が使われているかわからないので、私は骨董品は買わず、現代の作品で、骨董品のような風情のある器を探して使っている。
(窯変の多い備前焼や、朝鮮の骨董品のような雰囲気の三島手など。)

食器以外の用途で売られている器を、食器として使うのは危険。
これらは食品衛生法の基準の対象外だ。

平成21年7月31日より後に作られた、または輸入された食器は、食品衛生法で定める鉛溶出量基準が厳しくなった後のもの。
だからといって全てが基準に合致しているわけではないだろうが、新しいものの方がこれを考えて作られている可能性は高いのではないか。

伝統工芸の内、抹茶茶椀や絵皿は、食品衛生法で定める鉛溶出量基準の対象外。
この文書に詳しく書かれている。Q12参照。
上絵付や楽焼の釉薬には、鉛の入ったものもあるようだ()。

・手作りの陶器は、どこまでが安全なのか。

陶磁器づくりが盛んな長崎県は、安全性についてこのような文書を発表し、波佐見焼・三川内焼の安全性を説明している。これが一番わかりやすかった。
結論としては、「重金属を含んだ釉薬や上絵の具を使って、低温で焼かれた陶磁器製品」は、重金属溶出の危険性があるそうだ。
食品衛生法の基準が平成21年に強められたこともあり、趣味の陶芸の人はともかく、現在プロとして器を作っている人なら、鉛のことは考えているのではないか、と期待している。
「食品に触れるところに上絵付がある器や楽焼には、お酢を入れた料理を入れない」ということを守れば、大丈夫なのではないか、と考えている。

(上記の文書より引用)
「1.やきものから重金属が溶け出す可能性
「やきものから鉛などの重金属が溶け出すことがありますか」と質問されることがしばしばありますが、下絵付と白釉が施された白磁製品に範囲を限ると、その答えは否となります。

また、もう少し範囲を広げても、
(1)重金属を含んだ釉薬や上絵具を使っていない陶磁器製品、
(2)素焼に釉薬を施し、1,200°C以上の高温で焼かれている陶磁器製品
からは、重金属が溶け出すことはありません。
長崎県の代表的な県産品である波佐見焼・三川内焼は、成形後、約900°Cで素焼を行い、下絵付を施し、釉薬を表面にコーティングして約1,300°Cで本焼を行った白磁製品です。従って、こうした製品から重金属が溶出することはまずありません。

重金属溶出の可能性がある製品は、上記の本焼の後に、上絵具で絵付を施し、約700~800°Cで焼付けた製品で、上絵具に重金属が含まれている場合に限られます。
近年は重金属を含まない絵具が普及しており、こうした絵具を用いた製品では重金属溶出の心配は全くありません。」

ただ、上記の文章は、最後の3段落目で、上絵付で低温焼成でなければ安全だと述べているが、2段落目の(1)の事が忘れられている。
2段落目の(1)(2)を総合すると、「重金属を含んだ釉薬や上絵の具を使って、低温で焼かれた陶磁器製品」は危険性があるという事がわかる。

この文書の通り、波佐見焼・三川内焼は安全だろう。
でも、その他の陶磁器について、“重金属を含んだ釉薬を使っていないか、使っていても高温焼成しているかどうか”は、どうしたらわかるだろうか。

こちらのサイトで、釉薬の成分について紹介されている。が、これとてすべての成分を説明しているわけではない。
結局のところ、鉛が入ったものを使っているかどうかは、作家本人にしかわからない。
あくまでも推測だが、この項の冒頭でも述べたが、食品衛生法が平成21年に厳しくなったという状況を考えると、現代の日本のプロなら、鉛入りの釉薬を使って低温で焼く人は少ないのではないか。

また、備前焼のような釉薬を使わない器なら、鉛の問題はないだろう。
そして、万全を期するなら、鉛釉を使っていないことを表明している窯元の器なら安心だ。