2008年12月

2008年12月30日

08年の終わりに、したたかなとらえかたを

2008年が終わろうとしている。

経済アナリストとかコンサルとかさまざまな人が本年を分析しているが、たいした分析をしていないのに気づく。日本は小振りになってきたのだろうか。そんなところが気になる。

戦前昭和10年代の本を読み返していると記したが、目先のことしか書いていないし、ヒットラーの行方を追うのみである。時代がゆきずまるか、選択肢がないとなるほどこんな書き方しかできないかと思う。現在は自由な時代なのだから、選択肢は多い方が良いし、これだけ選択肢があるのですよと上に立つものは提示すべきである。

環境時代の経済成長のあり方は中ロングレンジの話であろう、短期的にはアメリカの金融不安と経済不振の影響であろう。高齢化社会のなかの福祉経済はまた直面する経済問題でもある。さまざまな因数をとらえていくことが現在最大の課題であろうが、それをとらえられないのは、戦前の日本に似てきているかなと思ってしまう。

イスラエルのガザ地区への攻撃は、再度再々度、国連安保理の問題点を浮き彫りにしてきている。またそれに伴う経済問題もマイナス面だけをとらえがちが日本では良く見られるが、いつもプラスとマイナスは両面の現象である。アメリカの経済不振もマイナス面だけでなくプラス面もある。そのことをマスコミは語らおうとしない。マイナス面だけが語られる。したたかなジャーナリストが少なくなったのだろうか。

 



2008年12月28日

NATOの大切さ

NATOは設立当時、ソ連を仮想敵国としたアメリカを含めた軍事機構である。

今回の2001.9.11のアメリカに対するテロ攻撃に対し、多くのNATO国がアメリカの支援に出たり、軍事行動に参加したりしている。

いざ、戦闘となると戦闘部隊だけでなく、周辺の輸送、周辺安全維持、基地整備など、多くのことが必要であるから、アメリカにとって、NATO諸国が直接、軍事行動に参加しなくとも、応援、支援してくれればそれだけで大助かりである。

日本がインド洋に展開したのも、それと同様である。NATOの多くも、基地整備などの後方支援をしている国が多い。

日本は集団自衛権を否定しているが、現実には今回のインド洋展開は、一種の集団自衛権の行使である。

しかし、これを認めるというのではなく、今後中国、韓国、ロシアなどを含めた東アジア防衛条約はいずれ俎上にあがってくる。簡単にまとまるわけもないが、NATOの実績、反省点を踏まえておく必要はある。

しかし、NATOのホームページをみていたら、小生のこのブログのNATO大西洋常設海軍部隊などを記したものが第1頁に載っているではないか。うれしいとは思うが、日本人の海外への関心の無さがわかり、ちょっとがっかりした。



2008年12月27日

ソマリア沖自衛隊派遣 国際法に準拠

12/3日にソマリア沖の海賊船のことを記した。ドイツの軍艦が日本の石油タンカーを救助しているのである。

最近、ソマリア沖への自衛艦の派遣がかまびすしいし、実際派遣されるらしい。それに対し、じわりじわり海外派遣がなされていくとの批判がある。

まあ、日本の近代史はその連続であったから、その批判は正しいであろう。それに日本人は原則をホイホイと変えていく、よく言えば良い加減であるが、悪くなると、適当に解釈を変えて、海外から批判を受けることになってきたのが、これまでの戦前の実績である。

それでも、第1次世界大戦あたりまでは、植民地、帝国主義時代の限界はあるが、地中海への駆逐艦の派遣などは、輸送船部隊の護衛で、結構、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、地中海諸国などから喜ばれた実績がある。

第2次世界大戦のあと、国連ができている。国際貢献と言うなら、国連との連動は欠かせないだろうし、その筋は確実に構築していかねばならないだろう。

ドイツの軍艦が派遣されているのは、アフガニスタンに活動拠点を持つテロ組織への軍事行動の「不朽の自由作戦」からなっている。多国籍部隊の一員である。自衛艦の支援活動、洋上補給もその一員である。

ドイツの軍艦派遣は多国籍部隊の一員であろうが、NATOとの法的関係はよくわからない。

多国籍部隊は、一応国連安保決議はされているが、その点、国連の法律、NATOなどとの関係など、どこかで整理されてはいるのだろうが、新聞などではよくわからない。ご教授いただければ幸いである。

日本の場合、国内法のクリアーは論議されるものの、「良い加減」の日本人は国際的にはどうなのかをあまり問わないのは悪い癖である。

常に国連との連携をはかり、後方支援、民生支援に徹していくべきである。

ソマリアなどでの海賊船からの支援をまともにできるのはアメリカを除けば、しっかりした自衛艦、飛行部隊を持ち、補給艦、輸送艦などの食糧、燃料、医療などのフネがあるのは日本のみである。だから、アメリカやパキスタン、その他の国々に油をただでやっているだけではないかと、日本人は揶揄する方もいるが、それなりに評価されるのは、長期的安定的に部隊編成ができる軍艦(!?)を送れるのは、日本だけであるからだ。

自衛隊員には大変であろうが、自衛隊は今後、日本の安全の維持はもちろんだが、国際貢献というテーゼが大きくなっていくだろう。

実際問題、日本の安全という問題では、日本周辺では新聞で騒ぐほど、大きな問題ではないのである。5000トン前後の軍艦(駆逐艦、フリゲート艦)が30隻以上持っている国はどこにあるのか。現実問題として日本は巨大な軍事力を持っているのである。ロシアでさえ、太平洋には10隻前後である。もちろんロシアの潜水艦があるが、対潜飛行機の充実と言い、航空自衛隊の装備、陸上自衛隊の装備は超一流である。

それだけに、自衛隊は、戦場には出ない国際貢献を志向していくべきである。もちろんさまざまな論議が必要であるが。

 

 

 



2008年12月26日

日本、先が見えてきた

ここ半月の政治情勢は、テレビラジオ新聞という二次三次情報で、小生が直接見聞きする情報ではなく、確度が弱いとは言え、一体、なぜ動かないのか、動けないのかと思ってきた。

不思議な政治ストップ状態であった。政治の転換期には良くある、いわば風が吹かない台風の目状態である。

しかし、渡辺議員(前行革担当大臣)が政府不信任に自民党でただひとり賛成をした。その背景に多くの自民党議員がいることは容易に想像できる。

また、河野太郎議員のブログで、本日、自民党の議員3名と民主党の議員4名で年金制度の改革案をまとめたとホットな情報が入って来た。今年の6月から2週間に1度のペースで朝8時から2時間、半年間続け、「抜本的な年金改革をまとめました」とある。

河野さん、テレビで見ていても、何か言葉足らずの感があったが、このことだったか、いやさらにまだあるなと思うが、それは楽しみにしてとっておこう。外野でもかなりは読める。

ちなみに残りの6名は、自民が野田毅、亀井善太郎、民主が岡田克也、枝野幸男、古川元久、大串博志。

河野さんのブログは、http://www.taro.org./brog/

 



2008年12月16日

戦前戦後の精神

前から昭和10年代、戦後の20年代の本を読んでいると記した。

手元に『科学と芸術』(畝傍書房、s17年8月5日発行)がある。美術家、音楽家、医学者、文学博士の4名が記している。念のためにお名前を記せば、正木篤三氏が「日本美術の特性と現代美術」、田辺尚雄氏が「日本音楽と西洋音楽」、杉靖三郎氏が「道としての科学」、紀平正美氏が「科学とは何ぞや」。編集は、国民精神文化研究所編となっている。

外交関係の新聞記者、政治思想家などの錚々たる文章もあるが、意外な本音はちょっとした本の中に表れるようだ。

ここでは音楽家の田辺尚雄氏の文章を見る。この田辺氏を批判するつもりは毛頭ないことをまず指摘しておきたい。戦争中にしゃべらなければならない、書かねばならないことぐらい小生でもわかる。

急遽企画した本かもしれないが、会話調でもあるので、何かの講演会のものを書き下ろしたのかも知れない。しかし、その講演名は記していない。本文は旧漢字旧かなづかいであるが、現代漢字現代かなづかいとする。

「前略ーまず、今日の日本は何をしているか、申すまでもなく、聖戦を行っている、何が神聖なる戦であるかーすなわち日本は支那と争っているのではない、もちろん侵略しているのでもない。東洋が西洋の奴隷になりつつあるのを救って、アジヤ人のアジヤにせむための努力をしているので、これが神聖な戦でありますー(なぜ東洋の中国や印度が西洋にやられているのかを述べて)ー幸いにして日本は明治維新以来の先覚者が世界の文明に眼を開いて、先進国と名付け得る欧米の文化を十分に摂取し、十分にこれを教育に用いて来た結果、日本のみは奴隷になるのを免れたのみならず、実に世界の強国として、今日の大をなしてきたのである。」

実に戦前の思想をうまくまとめている。現代の大東亜論者が述べるのもこれと大きな相違はない。

続いて戦後の代表的思想を見てみよう。本は、『日本民族の復興と経済の自立』。こちらは出所ははっきりしている。昭和24年12月に通貨安定対策本部で日銀総裁の一万田尚登氏と京都大学名誉教授の高田保馬氏が対談し、深く参加者に感銘を与えたので、その翌日、日銀が発行している雑誌に掲載すべく対談を行った。しかし中味がすばらしいので雑誌に掲載するより単行本で出した方が世のために役立つであろうという考えから出版したと記している。表紙絵は武者小路実篤である。発刊は昭和25年5月。6/22には6刷を出している。出版社は改造社。

一万田日銀総裁は次のように述べている。

 まずこの敗戦の原因を考えるにあたり、指導精神は何であったかを考えると、明治以来の精神が悪かったというのではないがと述べて、「大体において強い国になるということが一つの大きな目標だった。従って軍備の増強がなされて来た。どうしても人口問題、原料関係から海外に対する進出ということが旗じるしとなり、そうしてその行き方が急であるあまり、あるいはまた、その時における政治上の指導者の考え方によって通商の形で自然に海外に勢力を伸ばすというよりは、どちらかというと政治的な力でもって海外への進出をはかった。さらに経済的な面と政治的な面が結び合って、一体となって海外に勢力を伸長する姿が、終戦までの日本であったと考えている」

実に素直である。確かにそうだと思う。なぜ、こういう方針を修正できなかったのか、実直に考えていきたいが、本文では今後の日本をどうすべき、どう動いたら良いのかであるから、そちらに論旨は進んでいく。そして世界平和への貢献、日本が世界から愛せられること、これを大いに推進していくべきであると述べている。

しかし、この二者の考えは庶民の考えでもあったろう。この国民の本音はどう動いていくのか、ちょっと間をおくかも知れないが、次の展開は、小泉信三著『平和論』と石垣綾子著『病めるアメリカ』をみてみることにする。