2009年10月

2009年10月31日

最後のインド洋派遣艦決まる

防衛省は、30日(金)インド洋派遣艦を発表した。派遣艦は補給艦は舞鶴所属の「ましゅう」。予定通りの補給艦である。

護衛艦は横須賀所属の「いかづち」。「むらさめ級」の7番艦で、2001年3月就役。旧海軍時代から数えて4代目。

ご存じのように、日本の補給艦は01年から大忙し。ましゅうも就役開始以来、インド洋に派遣され、今回で4回目。

いかづちは、3回目で、これまで05年7月に「はまな」と、08年4月に「ましゅう」と派遣されている。

ましゅうもいかづちも11月9日に舞鶴、横須賀を出港し、海上で落ち合うことになっている。総員数は約340名。

民主党政権で、インド洋派遣は中止となる予定であり、この両艦が最後となるかも知れない。



ロシア巡洋艦「ワリャーグ」 対馬海峡を南下

自衛隊は、報道発表資料を公開しており、その中に「ロシア海軍艦艇の動向」を発表している。もちろん「中国海軍艦艇の動向」もあるが、「韓国海軍艦艇の動向」はない。北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の海軍艦艇の動向は今のところ無い。同国海軍艦艇が活発化されんことを熱望する。

さて、自衛隊情報であるが、30日(金)午前6時頃、第7護衛隊の「きりさめ」(佐世保所属)が下対馬の南南東26キロの海域を南西進するロシアのスラヴァ級ミサイル巡洋艦1隻、ドゥプナ級補給艦1隻および艦級不明サルベージ船1隻を確認したと発表している。

しかし、この情報、小生が良くみているブログ「ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課」によると、この艦隊はシンガポールへの訪問であり、既に27日にウラジオストックを出港とある。

民間の情報を信用したくないのはわかるが、このブログでは、艦名まで記しているのだから、それを確認する必要はあると思える。

また、同ブログは、今回は海軍士官候補生が乗っているので、その遠洋練習航海を兼ねているとしており、重要な情報である。航海期間も1ヶ月としている。

艦名は、ワリャーグは誰でもわかるが、ドゥプナ級補給艦は給油艦ペチェンガ(第2次ソマリア派遣に参加している)、自衛隊の「艦級不明サルベージ船」は救助曳航船「フォーチィ・クリロフ」(同じく第2次ソマリアに参加)とのこと。

艦名がわかるのは大変有難い。中国海軍関係でも、このような情報ブログがあると大変助かるのであるが。まあ、これだけの情報を仕入れるのは、マレであろうから、そうおいそれと期待できない。

中国国防部のHPは、やはり政府関係であり、自衛隊の先の「報道発表」と同じで、正式発表として価値があるが、どうも、もう一歩知りたいに、足らないのである。

ロシア海軍の巡洋艦「ワリャーグ」は、2002年の海上自衛隊創設50周年記念国際観艦式で訪日しているので、我が国の艦船ファンにもなじみのフネである。雑誌「世界の艦船」2003年1月号に詳細が掲載されている。

このワリャーグ、先の「ロシア海軍艦艇の動向」によると、去る4月16日(金)午後2時頃、航洋曳船ソルム級1隻を伴い、下対馬の南南東約25キロを南西進するのを、第16護衛隊の「とね」(佐世保所属)が確認、さらに4月26日午前7時半頃、やはり「とね」が上対馬の南東約38キロを北東進する両艦を確認している。

この4月の航海は、日本が参加できなかった「中国海軍60周年記念観艦式」への参加である。






2009年10月30日

中国海軍 第4次ソマリア派遣艦決まる

中国・新華社通信は29日、30日第4次ソマリア沖海賊対策派遣艦が出航すると発表した。

それによると、第4次艦は054級フリゲート艦の「馬鞍山」と同級艦「温州」であり、第3次に出航した補給艦「千島湖」は引き続き運用する。

まじにみていくと第1次は、052B級「武漢」(ロシアDDGソブレメンヌイに似たDDG)満載排水量6500トン、、052C級「海口」(ミニイージス艦)満載排水量6500トン、両者とも中国海軍の代表タイプ。補給艦は微山湖。

第2次は、051B級の「深土+川(シンセン)」、日本を唯一訪ねた駆逐艦、満載排水量6000トン、短SAM、対艦ミサイル、対潜ヘリなどが主要装備。054A級の「黄山」(満載3900トン)、装備は051Bを小型化したような装備。054Bは現在就役している満載3000トン以上の最新艦。補給艦は第1次と同じく微山湖。

第3次は、同じく054A級の「舟山」、「徐州」で補給艦は千島湖に交代。

第4次は、054A級直前のクラスで、ほぼ同じタイプ。このクラスは使いやすいようで、中国の初めての世界標準タイプの青島、ハルビン級以来、中国海軍は同級艦を常に1隻とか2隻しか作らず、試験艦か試作艦的作り方であったが、054級2隻、054A級4隻が完成し、今のところ3隻が建造中である。多分このクラスは中国は自信を持った艦なのであろう。

ちなみに、中国海軍の補給艦は、この千島湖、微山湖が最新鋭で2004年、05年にそれぞれ就役している。その他、2隻があるが、それぞれ1981年、82年に就役でそれほど新しくはない。また、陸への大型中型補給艦はあるが、艦船用ではない。このため、艦船用補給艦は長く、ソマリア沖にいるのである。今後、1980年代の補給艦が派遣されるか注目される。*訂正させていただきます。補給艦はもう1隻「青海湖」がありました。お詫びして訂正させていただきます(2010.1.7)。

第2次までは、南海艦隊、第3次、第4次は東海艦隊。北海艦隊が今後行くかも注目される。

第1次は12月26日三亜軍港出発、1月6日アデン着。4月18日出発、4月28日三亜着

第2次は4月2日湛江軍港出発、4月13日アデン湾着、4月15日引継ぎ、8月8日インド軍港コーチン訪問、8月21日帰港。

第3次は7月16日舟山軍港出発、8月1日任務開始であった。

第4次はやはり舟山軍港出発である。総員は700名以上。

同海軍で行っていないのは、ミニイージスの蘭州、中国版ソブレメンヌイの広州(今年は、ブルネイ、インドネシアなどに行っている)、また、ソブレメンヌイ4隻は1隻も行っていない。哨戒ヘリを搭載する後期2隻(泰州、寧波)は派遣参加資格のある軍艦である。さらに北海艦隊の、さらにハルビン、青島、054Aの巣湖がある。つまり11隻。

もし北海艦隊なら、石家荘、瀋陽あたりであろう。051C級である。

中国海軍は旅大級(NATOコード)は051級としているので、051Bのシンセン、051Cの石家荘、瀋陽となっている。

052は青島、ハルビン、052Bが中国版ソブレメンヌイの広州、武漢、052Cがミニイージスの蘭州、海口となっている。



2009年10月29日

DDGみょうこう(妙高) ハワイ沖でBMD実験に成功

本日の讀賣新聞によると、イージスDDG「みょうこう」は27日午後6時(日本時間28日午後1時)、アメリカ・ハワイ沖で弾道ミサイルに対し、迎撃ミサイル「SM-3」の発射実験を行い、ミサイル迎撃に成功したと伝えている。

これが発射時間を知らされてのものかどうかはこれだけではわからないが、まったく新しい実験であるだけに、ゆったりとした気分で見ていきたい。まあその開発費、装備費は、ここに書けない位巨額であるが。

07年12月18日「こんごう」(金剛)は発射時間を知らされて迎撃成功。こんごうは佐世保所属。

08年12月10日「ちょうかい」(鳥海)は発射時間を知らされずに、弾道ミサイルを感知し、発射したが、イージスシステムは順調に作動したものの、SM-3の弾道部分が何らかの不具合で、命中しなかった。ちょうかいは佐世保所属。みょうこうは舞鶴所属。

07年にこんごうがBMD整備をし、08年にちょうかい、09年にみょうこうが整備したと言うわけである。先に記したように、この装備費は非常に巨額であるので、1年1隻と言うことになり、来年、きりしま(霧島)が整備される。

予算を子供や福祉にと、言いたいところであり、いち早くミサイル発射準備を感知、それに対応する技術はそう高くないものであると以前から記してきたが、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)のミサイル発射は現実であり、脅威は脅威である。また、先制攻撃は日本にはなじまない。

さらに、このBMD(Ballistic Missile Defense)、確立していけば平和構築、核廃絶への大きなステップとなる。核弾道弾所有国の必要性、脅しが弱くなるのであるから。

くらまの衝突もくらまの責任はかなり薄いようである。もう少し、このみょうこうニュース、詳しい情報を知りたいものである。



推測! アメリカ 新鋭LCS艦の役目はイラン?

アメリカ海軍のLCS(沿岸海域戦闘艦)は、モノハル(単胴船)のフリーダムが2008年11月就役し、現在運用試験を実施中とのこと、トリマラン(三胴船)のインディペンデンスが08年4月に進水し、現在艤装中のようである。

さて、この沿岸海域で戦うことを想定し、建造されたこの新鋭艦、O・H・ペリー級の後を継ぐ量産艦の予定であったが、どうみても順調な出来具合とは思えない。

アメリカの建艦思想はいつも常在戦場の国であり、実戦に役に立つか立たないかではっきりしている。O・H・ペリー級が複数の対艦ミサイルに対抗できないと判断したら、即早期退役の決断をしたり、同じ意味で、タイコンデロガ級巡洋艦のVLS装置を持たない初期艦を早期退役させている。

きわめて合理的思想であり、もったいないという日本的思想からは「ずれて」いる。戦場で、危険性の可能性があると判断したら、役にたたないという決断はその任務に従事する将兵の生命を優先しているとも言える。太平洋戦争時の歴史でも同じことをやっている。

さて、このLCS、いまさら言うまでもないが、対地砲撃、揚陸などを重視した軍艦である。さらに新DDGも対地砲撃を意図した軍艦である。

制空権を得ており、制海権はほとんど得ているが、舟艇によるミサイル攻撃テロ攻撃、または潜水艦攻撃はあり得るかも知れないと設定されている。

この予測は、周知のとおり、イランを設定されているのだろう。イラク、アフガニスタンが2000年代前半の短期間1〜2年でタリバンなどを抑えて、さて次は、核問題で無法を働いている(アメリカから見たら)イランを攻めることになっていたのだろう。

イランは、中東の中心である。2000万人以下のアフガニスタン、イラクと異なり、6000万人、面積もアフガニスタンの65万平方キロメートル、イラクの44万平方キロメートル(ちなみに日本は37.8万平方キロメートル)に比べて、165万平方キロメートルである。

であるから浅い海である、オマーン湾、ペルシャ湾用に多数の軍艦が必要である。海岸線は1400キロである。

ところが8年経過しても、悪化はあれ、良いようには(アメリカにとって)向かっていない。撤退をどうするか、休戦を得るにはどうしたら良いかである。近年のソ連の撤退はともかく、かつてのイギリスの撤退、さらに、あのアレクサンダー大王でさえ、アフガニスタンの激しい抵抗に直面し、バビロンの地(現在のイラク)で死んでいる戦史をひもとくべきであった。

アメリカがなぜ安易になったのかは、明らかである。1991年の湾岸戦争の楽勝である。武田信玄が5分の勝利が良いとしたのは、さすがであり、9分の勝利はおごりをうむとした。

戦史は、生きるか死ぬかの歴史である。であるから、アメリカは、その戦史に基づき、軍艦をその予測実戦に合致するように建造してきた。しかしその予測がはずれた。今後、どのような軍艦を建造するか楽しみである。