2009年11月

2009年11月30日

EU艦隊の今後 世界の軍事力バランス

ブログ「yutakarlson」さんから、良い指摘をいただいた。有り難うございます。この小生のブログは、直接返答できない形式ですので、ここにてお礼させていただきます。

ロシアがフランスの揚陸艦ミストラル級を購入するなど、新しい動きが出ており、それを憂える人もいるが、yutakarlsonさんはむしろ前向きに考えた方が良いと考えている。ご指摘では書いてはいませんが、ロシアが欧州的思考をしてきたことは、ロシアからの脅威の削減につながると言うことでしょう。

アメリカの軍事力低下で日本の軍拡がなされるかも知れないと記し、そのため「世界が多極化時代を迎えることにより、戦争・紛争が絶えないようになる」「日本は再軍備を(しっかり)し、アメリカと二極体制を築くことで軍事バランスをとるべき」となども記しています。

そのためには「世界の軍事バランスをみるには相当裏読みしないとできない」とも記しています。その通りだと思います。yutakarlsonさんの意見に全面的に一致するわけではありませんが、いろいろな意見・考えが
あって当然であり、その意見を検証していくことが大切です。

小生の意見に何かお考えがありましたら、ぜひご投稿下さい。

日本 中型本格空母保有の日(2)

日本のヘリ空母「ひゅうが」「いせ」と中国の中型空母「クズネツオフ」級と共同演習をする日がくれば良いと記した。

また、日本への脅威は隣国関係では、中型空母が必要な危険性はないであろうとも記した。今後、中国と印度の軍事バランスが重要であり、両国のアジアにおける突出は危険でもあるので日本がそこに入っていく必要性はあるかも知れない。しかしそれは国民の意向次第であるとも記した。

だが考えてみれば、中国が中型空母を持った時点で、民主党の若手をはじめとする積極的防衛を主張する面々が、中型空母保有を言い出す可能性は十分にある。そして国民の多くもそう主張するだろう。

ここで積極的防衛を定義づければ、「世界の安全に日本は積極的に貢献すべきということ」であろうか。ドイツがコソボ紛争、イラク・アフガニスタン戦争以来とっている政策である。

日本が国際貢献するための空母とすれば、現在の「ひゅうが」級、また新22DDHで十分である。

固定翼機のジェット機を持つ必要は皆無である。しかし、中国が持って日本は持たないのはおかしいという議論は、当然出てくる。空母翔鶴を持ち、南雲機動艦隊が世界に先駆け、空母機動艦隊として活躍した日本が持たないのはおかしい、中国の脅威にどう対抗するのだ、という議論は当然出てきて、社民党・共産党のそれに対する批判はかなりの少数派ゆえに言殺される。

真に問題なのは、中型本格空母の運用であるが、あっても、宝の持ち腐れである。ソ連、ロシアの中型空母を見ていると、NATO、日本の「脅威の対象艦」として重宝がられたが、任務的にはほとんど実践されていない。

であるから世界の空母運用は、時には揚陸艦、時には補給艦、時には病院船、時にはヘリ空母、時には司令艦としての多機能艦が建設されているのである。

真の平和主義者は軍事考察に長けて欲しいと思う。




2009年11月28日

EU艦隊とアメリカ海軍、コソボ紛争

EU(ヨーロッパ連合)が、アメリカの圧倒的軍事力を従来のアメリカ頼りから、客観的に見ないといけないと考えて来たのは、1990年代後半のコソボ紛争であると言われている。

それ以前もそうであったか知らないが、欧州の陸続きで、大量虐殺が発生し、それに対する制裁として、NATOの空爆が起こり、軍艦からの巡航ミサイルの発射があったが、その大部分をアメリカ軍が実行したのである。

イギリス、フランス、ドイツなどの戦闘機、攻撃機なども参加しているが、攻撃回数の80%をアメリカが担ったと言われている。

効果の高い軍艦からのトマホーク攻撃は、多国への供与がまだ少ししかなされていなかったとは言え、ほぼアメリカの独壇場であった。

艦船でみれば、空母では、イギリスの軽空母「インヴィンシブル」、フランスの「フォッシュ」、アメリカの「セオドア・ルーズベルト」であった。さらにイタリア、ギリシャの艦も参加したと言うことであるが、アメリカは、多くの実戦を経ており、その高い戦闘能力、指揮能力、前方警戒能力などは、圧倒的に力の違いを示したと言うことである。

それゆえに、いかに人権擁護、虐殺を批判しようが、現に欧州大陸の中で行われている大量殺人行為を阻止できない現実を突きつけられたのである。

そして、誤爆、戦闘好きと批判してきたアメリカが、その大量殺人行為を阻止した、つまり欧州はアメリカによって助けられたという現実を味わったのである。

このコソボ紛争を機に、EUは独自に軍備力を考えるようになっていった。EUのみの部隊・実戦は、何回も記すが、ソマリア沖の海賊対策部隊であるNAVFOR部隊が最初である。また、アメリカの軍事力、空母機動艦隊とのバランスは今後の問題であろうが、EU艦隊の誕生もいつかあるだろう。



海上自衛隊、中国海軍とSAREX共同訓練へ

日経ネットによると、「北沢俊美防衛相は27日、中国の梁光烈国防相と会談し、海上自衛隊と中国海軍による捜索・救難活動の共同訓練を初めて実施することで合意した」と報道した。

これは小生が以前から提案・熱望してきたことである。日露、日韓などと実施しているSAREX(捜索・救難共同訓練)である。

先の中国練習艦隊の呉訪問と言い、今回のSAREXの開始、ようやく両海軍、おっと間違えた、海上自衛隊と中国海軍の交流が本格化してきた。北沢防衛相を初め、事務的苦労をなさった関係者の皆さまお疲れさまでした。

日本は、唐時代の李白、杜甫を初め、すべての文化の面で中国文化を知っていた。また、今もなお多くの中国国民が日本の戦前、戦中の侵略行為を許せないのは当然と思う。しかし、将来、文化面でもスポーツ面でも、日中が、あの唐の時代のように交流していければと思う。

深い傷はそう簡単には癒えないが、暖かい日が照り続けば、いつかは再生していくと信じている。

EU艦隊とアメリカ艦隊のバランス

EU艦隊とロシア海軍は将来ますます友好を強めていくことになろう。

すると、クイーン・エリザベス級中型本格空母が就役した時点で、ロシアの空母を入れると、EU+ロシアで中型空母4隻(イギリス2隻、フランス1隻、ロシア1隻)、軽空母4隻(イタリア2隻、スペイン2隻)となる。

アメリカは大型空母11隻(2014年就役予定のCVN−78が就役した時点でCVN−65エンタープライズが退役するとして、エンタープライズの艦齢、2014年で53年)、そしてへたな軽空母より強力なワスプ級LHD8隻プラス新型揚陸艦がある。

しかし隻数では、イギリスのオーシャン級1隻、フランスのミストラル級2隻、イタリアのサン・ジョルジョ級3隻を含めないといけないだろうから、アメリカ艦隊19隻+に対し、EU艦隊8隻+6隻=14隻となり、実力はともかく隻数ではやや拮抗してくる。

何が言いたいかというと、アメリカの軍事独占状態がやや弱くなると言うことである。

それにクイーン・エリザベス級2隻就役時点で、中国の中型空母2〜3隻、インドの中型空母2〜3隻が間に合うかどうかはともかく、それを入れるとかなりバランスのとれた形勢になる。

戦後長くアメリカの軍事ダントツ状態であった。そこでロシア(ソ連)が潜水艦の整備を進め、空母を建造整備を進める中で、米ソの海軍競争に入ろうかと言う時点でソ連が崩壊し、再びアメリカの軍事独占が始まり、1991年の湾岸戦争が始まり、2001年のアフガニスタン・イラク戦争が始まり、今も続いている。

「世界平和を維持するは我なり」とアメリカは頑張ってきたと言える。

そんなことちっとも頼んでいないよという冷静な判断も大切であるが、現実的に国連軍が動いていない以上、この頑張ってきたは、認識するべきである。良い悪いは別にして。

さて、その「世界平和を維持するは我なり」アメリカ方式では無理があると誰もが思い始めてきた。アメリカもそう思い始めてきた。EU、ロシア、中国、インド、日本、いや世界の多くの国がこぞって、平和活動にその国のできる範囲で貢献すべき時が来ている。

しかし、理念だけではなく、実力は大切である。それを考える時が来ているのかも知れない。