2009年12月

2009年12月31日

なぜ自衛隊は艦級名しか発表しないか

昨日、中国海軍が昨年10月19日に津軽海峡を通過した際、自衛隊統合幕僚監部は艦級名しか発表していない旨のことを記した。艦名は艦番号さえわかれば、容易に小生でさえわかるのだから、発表すれば良いのにという感じのことを記した。これはロシアの艦船でも同じである。

アメリカの艦船については、統合幕僚監部は発表していない。韓国に関しても発表していない。もっとも韓国が日本近海を通行するのは、日本に寄港しているので、事前に日本に通報しているのであろう。

艦級名で、なぜ艦船名でないかは、これから述べるとして、艦船名でないと、その艦船がどの程度動いているかがわからないので、艦船単位にしないとまずいのは、初歩の判断であろう。

ロシアはそんな関係で、艦船単位の動きがわかりづらいように冷戦期には艦船番号でさえ、かなり変えている。中国海軍は変えていないようであるが、冷戦期をそれほど調べていないので、間違っているかも知れない。

賢明な読者は、自衛隊は艦級名しか発表せず、なぜ艦船名を発表しないことを了解されたであろう。

冷戦期には艦級名さえわからず、NATOがつけたNATOコードで対処していた。今でも自衛隊はNATOコードで読んでいる。当然、艦船名はわからない。スコリー級駆逐艦とか、カラ級巡洋艦とか。それでも駆逐艦以上の大型艦はジェーン軍艦年鑑では、名前をわかる範囲で記したが、艦番号と名前が一致しないので、やはりスコーリー級としか判断できなかった。つまり、現実的に特定できなかったのである。

言い換えれば、自衛隊は冷戦期のままで今日に至っているということである。

しかし、高度情報では、艦船名の特定は最重要判断であるので、それをしたであろうが、まあ、一般発表では、艦級名で十分と判断され、今日に至っているのであろう。

ロシア海軍の日本近海の来航では、キエフ級空母「ミンスク」(2番艦)が大騒ぎであった。来日したのは、1979年6月。続いて84年2月にキエフ級3番艦「ノヴォロシースク」、さらに原子力ミサイル巡洋艦「フルンゼ」(キーロフ級2番艦)が85年11月に来航となっており、ソ連海軍の絶頂期であった。

もう冷戦期と異なり、艦番号も艦船名も容易に特定できるのであるから、それで発表した方が良い。





ロシアが極東で自動車を生産開始

ロシアがウラジオストックで自動車を生産開始するので、プーチン首相も出席して、式典を開催したと毎日新聞が今日報じた。

ロシアの極東地区では、キロ級潜水艦や原子力潜水艦を建造しているのを、つい近日知った。

まさか建造は、黒海やバルチック海やバレンツ海(北極側)の欧州側とばかり思っていた。小生の艦船ファン歴は、10代〜20代前半、30代〜40代前半、50代後半からと約20周年周期で来るものだから、間があり、その間の変化に対応していない部分がかなりあるのです。つまり、30代〜40代前半の時は、極東で艦船建造なんて考えられなかったから、それがインプットされていて、今回エッと驚いた。

さて、自動車も造船もアッセンブリ産業であり、総合的産業で、裾野が広くなければ、成り立たない。

これが可能となったのであるから、21世紀は、極東アジア地区が急成長する可能性があると言える。

中国の北京からハルビンまで高速道路が通る時代である。約1000キロ、中国東北部も大いに変化してきている。ハルビンから、ウラジオストック、ハバロフスクまで高速道路や新幹線が通る時代が来るかも知れない。



2009年12月30日

津軽海峡を通過した中国軍艦

昨年10月19日に津軽海峡を通過した中国海軍の艦船名を知りたいと思い、検索をかけたら、例のごとく、海峡を通るのを許すな、日本はなめられている、などと言ったいつものものが多かった。

日本は言論自由の国であるので、それはそれで良いとして、気になったのは、先の艦船名を知りたくとも知ろうという検索が当たらないのである。艦船番号さえわかればすぐ出てくるのであるし、相手の艦船名を知るのは、防衛のまず第1であろうが、日本人は自国を防衛したいのかしたくないのか、面白い国民である。

自衛隊が、写真を掲載してくれればなんと言うことはなく、即座に艦船名は出てくるのに公表していない。

しかし新聞社には写真を配付したようである。また、このうちの一部の艦は対馬海峡を17日に通過しているので、それらとつき合わせると、一部わかる。通過したのはソブレメンヌイ級1隻、054A級フリゲート艦1隻、054級フリゲート艦1隻、満載排水量23000トン級補給艦1隻の合計4隻である。17日に対馬海峡を通過したのは、054A級フリゲートと補給艦の2隻。

ソブレメンヌイ級と054級フリゲートはその前に対馬海峡を通過し、ソブレメンヌイ級は、もともとロシア製であるので、これまでも極東ロシアを訪ねることがあったが、その2隻と津軽海峡西側で合流し、同海峡を通過したものと思われる。

ソブレメンヌイ級など2隻がいつ対馬海峡を通過したかは、自衛隊発表では確認できない。

ソブレメンヌイ級駆逐艦は、艦船番号から泰州(艦番号138)
054A級フリゲートは、艦船番号529から舟山。
残念ながら054級フリゲート艦は写真さえあれば分かるのだが、何しろ2隻しかなく、艦番号も525(馬鞍山)、526(温州)である。現在は2隻ともソマリア沖に行き、温州は1昨日に記したように、シージャックされた中国船を追い、救助に成功との大成果をあげている。

補給艦1隻は排水量から「微山湖」級補給艦であり、このクラスは2隻あるが、2隻ともソマリア沖に派遣され、現在、2番艦の「千島湖」が派遣されている。

なお、この艦隊はいつ東海艦隊の基地にもどったかも自衛隊情報では確認できない。なお、東海艦隊は上海あたりを守備している艦隊と考えれば良い。「舟山」、「泰州」も東海艦隊所属である。すると、この補給艦は「千島湖」と想定できる。ソマリア沖に行った、第1陣、第2陣は南海艦隊所属のフネが行っており、第3陣、第4陣は東海艦隊所属であるのだから。

 



石油、天然ガスでつながるロシア、EU、東アジア

今朝の情報によると、ロシアはシベリアの石油を東アジア向けに初出荷したと報じた。

西では天然ガスをドイツなどに輸送し始めている。

これまで、日本とロシアはそれほど強い連携がなされていなかったし、海上自衛隊とロシア海軍のSAREX演習もそれほどリキが入ったものではなかった。しかし、石油や天然ガスなどの供給で、これまで以上のつながりができてくれば、双方の交流も高まり、良い方向に進んでいくと考えられる。

29日首相級会談がなされた日印安保協力は、麻生自民党首相時に締結されたものであるが、鳩山民主党政権になっても引き続き持続された。この具体的内容は、海上自衛隊とインド海軍のより提携を強めるが一つである。

両国間の関係改善は、面白いことに海軍などの安全保障面、交流などでまず試されるということがある。であるから、この軍事面の動きは、いろいろなことを教えてくれる。

インド外務相幹部が「日本の新政権が中国に接近しようと、インドは親日だということを忘れないで欲しい」(朝日新聞)と言ったとのことである。できすぎの感もあるが、インド・中国の橋渡しに日本がなっていければたいしたものであるし、今回のロシアの石油供給開始で極東が豊かになっていけば、すばらしいものがある。

2009年12月29日

1月にロシア、中国、日本がソマリア沖に出港

ロシアの第6次ソマリア海賊対策派遣艦は、太平洋艦隊のウダロイ級大型対潜艦「マーシャル・シャポシニコフ」になったと、ブログ「ロシアソ連海軍報道・情報管理部第六課」は伝えた。出港は、1月下旬になる模様。

ロシアはほぼ3ヶ月周期で行っている。これは、日本、中国も同じである。つまり、日本でみれば、第1次の「さざなみ」「さみだれ」は3月14日に出港し、第2次「はるさめ」「あまぎり」は7月6日、第3次「たかなみ」「はまぎり」は10月13日出港している。

次は、「おおなみ」「さわぎり」の1月中旬予定となっているが、既報のとおり両艦は軽い接触事故を派遣のための演習中に起こしているが、派遣に問題はないであろう。

中国海軍は、第1次「武漢」「海口」補給艦「微山湖」が12月26日出港、第2次「シンセン」「黄山」が4月2日、第3次「舟山」「徐州」補給艦「千島湖」が7月16日、第4次「馬鞍山」「温州」が10月30日に出港している。

ロシア海軍では、第1次の艦隊は、バルチック艦隊の「ネウストラムシイ」であったが、第2次から第4次までは太平洋艦隊であった。第2次「アドミラル・ヴィノグラドフ」艦隊は12月9日出発、第3次「アドミラル・パンテレーエフ」は3月29日出発、第4次の「アドミラル・トリブツ」は6月29日出発で、第5次は北洋艦隊の「アドミラル・チャパネンコ」であった。北洋艦隊は、太平洋艦隊より1万キロ以上長い距離であり、その負担も大変と記したことがあったが、第6次は太平洋艦隊所属艦となり、ネウストラムシイを除けばいずれも、ヘリ2機搭載できるウダロイ級である。

いずれにしても1月には、3国の艦隊がソマリア沖に派遣される。韓国は4ヶ月ローテーションであるので、次の艦の派遣は3月である。東アジアの4カ国が常にソマリア沖に参加しているということは驚きでもある。