2010年01月

2010年01月31日

中国海軍 DDG「石家荘」のヘリ搭載について

秋幸華さんより丁寧な表題の件についての回答をいただきましたので、掲載させていただきます。この中でLUZHOU級DDGというのはNATOコードで、石家荘、瀋陽の051C級のことを言います。

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以前、China COM等で建造・竣工直前のLUZHOU級DDGの真後ろからの写真を見たことがあるのですが、それにも後ろの構造物にはヘリ格納のための格納庫のシャッターらしきものはありませんでした。もちろん、ヘリ甲板にもエレベーターらしきものはなし。アメリカ海軍の「アーレイ・バーク」級のフライト1及び2や海上自衛隊の「こんごう」級と同じで格納庫のないヘリ甲板だけの艦であります。
(もちろん「洪澤湖」も同様)

そうなってしまったのも、後部にツームストーンレーダー(ロシアのキーロフ級原子力ミサイル巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」が艦橋前方に搭載しているものと同じもの)及び対空ミサイルSA-N-20の8連装VLSを4基も搭載したことによって格納庫用のスペースがなくなってしまったことによります。
(DDGのレーダーは艦橋に取り付けられているし、後ろのVLSも6連装が2基だけなので格納庫用の余裕はある。)
JIANGWEI級やLUHU級の建造以降、中国海軍のフリゲートや駆逐艦(JIANGWEI-?級及び?級、、LUHU級、LUHAI級、LUYANG-?級及び?級)はいずれも準国産のZ-9Cヘリコプターを1〜2機搭載できる格納庫がありましたが、なぜLUZHOU級には格納庫がないのか私もはるか以前から不思議に思っていました。最初から格納庫を作る気はなかったのか、それとも本当は前甲板にもっとレーダーやVLSを搭載するつもりだったのが、前部の容量や強度、前後の重量バランスの問題などから後方に搭載せざるを得なくなりその結果として格納庫が作れなかったのか、謎と言えば謎であります。(そこまで中国側も語ってはくれないので)

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NATOコードコードを整理するとこうなります。

LUHU級(052級)ハルビン、青島
LUYANG-?(052B級)広州、武漢
LUYANG-?級(052C級)蘭州、海口
LUHAI級(051B級)シンセン なお051級は旅大級のことを言う。
LUZHOU級(051C級)石家荘、シンヨウ

JIANGWEI-?級(053H2G級、安慶など4隻)及び?級(053H3級、嘉興など10隻)
JIANGKAI-?級(054級、馬鞍山、温州)及び?級(054A級舟山、徐州、巣湖、黄山など就役ずみ4隻、さらに建造中)

いずれにしろ、このクラスがヘリがないので、北海艦隊からは、青島しかソマリア沖海賊対策に行ける3000トン以上の艦艇はない。ハルビン改装中、石家荘は南米から帰って来たばかりだし、シンヨウ・石家荘はヘリ搭載せずで無理。

青島と揚陸艦の異色の組み合わせとなるか、このソマリア沖派遣で、遠洋域での任務可能と認証された中国海軍だけに注目されるところである。


インド洋補給派遣艦の帰国

統合幕僚監部の発表によると、2月6日、補給艦「ましゅう」、護衛艦「いかづち」が帰港すると発表した。

「ましゅう」は4回目、「いかづち」は3回目の派遣であった。11月9日に出港している。「ましゅう」は舞鶴所属、「いかづち」は横須賀所属である。

1月にインド洋派遣に関する法が期限切れとなったための帰国であるが、帰国を待っていた家族や肉親の方には喜びであろう。

ソマリア沖海賊対策の方がマスコミ的になって、地味な任務になった感があるが、太平洋戦争でも、輸送補給は、戦時の一番大切な任務でもある。

今回は2001年から延べ27隻の補給艦が派遣されたことになり、9年間弱行っていたことになる。

護衛艦はDDHが5隻、DDGが9隻、DD29隻計43隻、集計漏れあるかとも思いますが、参加したことになる。

これに替わるアフガニスタン国際貢献は民主党政権では発表していない。いやできるアフガニスタン情勢ではない。何はともあれごくろうさまであった。

2010年01月30日

アメリカ巡洋艦レイク・エリーと石家荘、洪澤湖の併走写真

南米3国を訪問した中国海軍の最新鋭駆逐艦「石家荘」、補給艦「洪澤湖」は既に中国に帰港しているが、その航海中、「太平洋は太平ではなかった」と報告していると秋幸華さんよりコメントいただき、それは哨戒活動だけではなく、アメリカ海軍からECMやECCMを浴びたのであろうと小生はこのブログに記した。

するとさらに秋さんからこんな併走写真もあるよと教えられたのがつい先に記した中国の艦船ファンからのブログ(HP)である。

そこには2隻とアメリカ海軍のレイク・エリーが併走して走っている写真である。この写真、意味深なので整理してからと思っていたら、さらに秋さんから以下のコメントもいただいた。秋さんにお断りなく、掲載することお許しください。

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この写真、艦艇が撮影したのか、ヘリが撮影したのかよく分かりません。
(「レイク・エリー」のヘリかもしれませんが)
ただ、中国海軍側が撮影したものではないということは確かだと思います。
「石家荘」も「洪澤湖」も2隻とも写っているし、この2隻、ヘリの格納庫は持っていないことから(おそらく)今回の南米三カ国親善訪問にはヘリは搭載していなかったでしょうから。(露天係止のまま太平洋を横断なんてそんな無茶苦茶な事中国海軍でもしないでしょう。)
とすると、この写真、撮影者及びChina COMに流出した経緯及び経路は一体………。
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秋さんに質問ですが「石家荘」がヘリを搭載しないと言われていますが、確実なのでしょうか。良くそう言われていますし、WIKIでもそうですが、それにしては、「石家荘」の後部の建物は長い。そこにVLSが入っていると言われています。現在の最新鋭艦でなぜヘリを避けたか、小生は納得できない面もあるので。

それにしても3隻を撮らえた写真、きわめて鮮明であり、秋さんの言われるごとく、流出経路はいったいどうなっているのか。ちなみにその中国艦船ファンのブログ名(HP)は、軍事+国編に冬(園の略だっけ?)+庫。


●秋さんから図の略と教わりました。お礼とともに修正させていただきます。図の方が簡略なのにと思いましたが、中国語ではもっと難しかったのでしょう。日本語も戦後かなり簡略化されたんだっけと思い出した次第。

エリーが2隻を併走したのは哨戒活動であろう。アメリカ海軍のHPから流入したのだろうか。ホント、PC時代はおもしろい。


中国の艦船ファン 艦番号186新鋭艦?

中国海軍の専門家秋幸華さんより、こんなブログ(HP)があるよとコメントをいただいた。お礼申し上げます。

それは、中国海軍の艦船の写真集で、日本ではみられない写真がいっぱいあり、日本の「フランカーの軍事考察」などと同じ感じのものである。艦船ファンにとっては大変有難い写真集である。

その中に新型軍艦186艦とある頁が数頁でてきた。ええーそんなのあったの。やっぱり中国海軍の最新情報は入っていないのだなと反省しきりであったが、写真はどうみても観艦式、青島で行った昨年の春の国際観艦式の写真である。

同艦のミサイルの写真も掲載されているが、単装のミサイル発射機である。その艦番号186の軍艦、よく見ていくと中国版ソブレメンヌイと言われる、052B級によく似ている。良く考えれば、同級の「広州」は艦番号168である。

168を186に変えれば良い。小生はできないが、その変化は少しできる人なら簡単であろう。

しかし、中国にこんな艦船ファンがいるとは楽しくなってくる。それを教えてくれた秋さんにも多謝。中国のナマの情報が入ってくる時代になったことが何より嬉しい。

かつて日本はいくらお詫びしても許してもらえない行為を中国にしてきた。これからは若者同士で、大いに交流し、海軍は共同訓練をして欲しい。




フランスの新鋭艦も2012年就役?

フランスの多目的フリゲートは、雑誌「世界の艦船」や各種資料によると、2005年発注の「アキテーヌ」級であり、2012年に就役の予定とのこと。

満載排水量6000トン、全長137m、航続距離6000浬(15Knot)で、同型艦は8隻。

ジョルジュ・レイグ級7隻(1979〜1990)、トゥールヴィル級2隻(1974年、1977年)の代替艦でもある。ジョルジュ・レイグ級は建造が11年間にわたっており、詳細ではかなり装備などが異なっている。

イタリアはマエストラ級8隻(1982〜85)、海外向けに作っていたルポ級4隻の代替艦であるが、こちらもフランスと同じ感じか。

ジョルジュ・レイグ級もマエストラ級も日本の「はつゆき」級12隻(1982〜87)と同じコンセプトで設計されており、ほとんど同じ装備である。オランダのコルテナー級8隻(1979〜1983)、ドイツの122級「ブレーメン」級8隻(1982〜1984が6隻、2隻が1989〜1990)と同様である。

いずれも短SAM、対艦ミサイル、哨戒ヘリ、近接機関砲といった、1980年代世界標準艦であり、VLSが1990年代、多目標レーダーが2000年代以降の標準艦である。

2000年代以降の世界標準艦は、2012年に就役するこのタイプがそれに当たるだろう。日本はこのはつゆき級を持って世界の第1線艦を保有するようになった。

トン数でみると、はつゆき満載排水量4000トン全長130m、ジョルジュ・レイグ4500トン全長139m、マエストラ3200トン全長122.7m、コルテナー3630トン全長130.5m、ブレーメン級3680トン全長130m。

このうち大幅改装がなされたのはドイツの122級のみで、電子装備、RAM近接SAM21連装発射機2基が装備された。

ドイツ、ロシア、日本の新鋭艦が2012年就役、フランスも2012年とすると、前回も書いたが今年あたりは進水の年である。艦船ファンとしては嬉しい年であり、ロシアが加わったということがおもしろい。