2012年07月

2012年07月31日

オーストラリア海軍「メルボルン」、中東任務を終える。「アンザック」と交替

オーストラリ海軍HP2012年7月31日。

オーストラリア海軍のFFG「メルボルン」は、6カ月期間の中東周辺任務「スリーッパー(SLIPPER)作戦」を終え、帰還の途についた。

オーストラリア海軍は、2001年以来同任務についているが、その28番目の艦である。

後継艦「アンザック」は本日任務についた。

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写真はオマーン湾で任務についている「メルボルン」。母港はシドニー。

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写真はシドニーを出港する「アンザック」。7月14日出港である。オーストラリア大陸を北回りか南回りか分からないが、16日間程度で中東というところか。写真で目立つ主砲は5インチ砲である。

「メルボルン」は8月下旬に母港に帰港するとのこと。






シンガポール海軍「ヴィクトリー」、CARAT演習で対空ミサイル発射に成功!!

シンガポール海軍HPによる。

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シンガポール海軍「ヴィクトリー」からバラク対空ミサイル発射の写真である。

日時はアメリカ海軍とのCARAT演習の2012年7月23日である。エアドロンターゲットに命中したとのこと。

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これは以前掲載した写真であるが、アメリカ海軍「サンプソン」がCARAT演習で航海中の写真。7月24日であるから、上記のミサイル発射と関連しているかも知れない。

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こちらは7月23日である。向こうに見えるのはアメリカ海軍フリゲート艦「ヴァンデグリフト」。撮影はアメリカ海軍マスコミュニケーションスペシャリスト3rdのGregoryA.Hardenさん。上の2枚ともHardenさんである。






アメリカ海軍乗員がタイでボランティア活動!!

アメリカ海軍のホームページはこんな記事が多い。特にこの季節はパシフィックパートナーシップとリムパック演習関連が多い。パシフィックパートナーシップ関連では現在カンボジアで支援活動を進めている。

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タイのパッタヤで、タイ海軍と共同で、アメリカ海軍潜水艦母艦「エモリーS・ランド」の乗員が水タンクを「コミュニティ・サービス・プロジェクト」で動かしている写真である。撮影者はマスコミュニケーションスペシャリスト2nd
のElizabeth Frayさん。2012年7月28日。

現在、中国よりのカンボジアで医療支援を行っている。

もう一流国同士で戦いはほとんどあり得ない。戦争で死ぬのは多くは若者である。オリンピックみたいに交流した方が良い。

このような支援活動は、その国の人々に訴える力は強いし、持続的である。






ロシア黒海艦隊は母港へ帰港した!!

ロシア北方艦隊、バルチック艦隊、黒海艦隊は地中海演習と称し、シリア危機に対し、まさかの場合に備え、ロシア市民救援のため、艦隊を派遣した。シリア政府軍を支援しているロシア政府としては、その派遣理由には、シリア政府が崩壊した場合に備えてとは口が裂けても言えないから、その理由は神経を使った言い回しとなった。

その理由が分かっているから、アメリカ政府は真っ正面から批判をしなかった。

さて、2012年7月31日現在、シリア政府軍は、マスコミ情報では、首都ダマスカスを制圧し、北部の主要都市アレッポも攻撃している。当面の危機は避けられたとロシア政府筋は読んだのであろう。

ここからは、ブログ「ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部」情報である。

「ロシア連邦国防省公式サイト」2012年7月28日。

7月28日、大型揚陸艦「ツェザーリ・クニコフ」および「ニコライ・フィリチェンコフ」はセヴァストーポリへ帰港した。

「ロシア連邦南方軍管区発表」2012年7月30日。

「スメトリヴイ」は7月29日、セヴァストーポリに入港した。

情報概要は以上。詳細は同ブログへ。

ここで注目しておきたいことは、黒海艦隊がセヴァストーポリから地中海のアテネ東岸当たりまで行く距離を知っておくことである。

おおざっぱで1000キロである。ロシア艦隊の場合航洋曳舟などのアシが遅い艦艇があるため、2日間か3日間である。

しかし、いずれにしても近い距離であり、いつでも再度出港できると見たのであろう。





2012年07月30日

NATO SNMG2艦隊司令官・旗艦にドイツが就任、そのいきさつは??

NATO海軍の常設即応艦隊、SNMG2艦隊の旗艦・司令官にドイツ海軍が就任したのは2012年6月15日であった。トルコのアクサズ港で前司令官・旗艦のトルコ海軍のシナン・アズミ・トスン少将から引き継いだのである。

しかし、ドイツ海軍は、地中海や黒海に行くSNMG艦隊には艦船をほぼ常時派遣させているが、旗艦・司令官には、2008年にソマリア沖・アデン湾にSNMG艦隊が出動して以来、就任していなかった。

これは確認しているわけではないが、地中海へのSNMG艦船派遣は良いが、海賊対策にはEU NAVFOR艦隊の艦船として行くようにと2008年にドイツ議会で決議されたからではないと、小生は推測している。

さて、少々説明が必要である。NATO SNMG艦隊には、SNMG1艦隊とSNMG2艦隊があり、かつてはその構成国家はかなり決まっていたのであるが、現在では混在状態である。いや、もとい、この2つの艦隊のうち、SNMG1艦隊はその年の1月頃にある国が新司令官・旗艦となる。そして、その期間は1年間が任務期間である。

旗艦は任務期間1年間は長すぎるので途中で交替するが、司令官は同じ人が務める。

SNMG2艦隊はその年の6月に交替する。状況はSNMG1艦隊と同一である。

そしてその期間の後半あたり(これは2010年頃からの傾向であるが)に海賊対策任務に従事することになっている。つまり、就任後の半年は地中海巡航や黒海で演習をしたりし、その後、海賊対策に従事するのである。

海賊対策に従事するに当たって、艦船はほとんど入れ替わる。しかし、旗艦・司令官は同じ国家である。つまり、司令官・旗艦となった国は、1年間、派遣を続けなければならないということであり、かなりの負担となっていた。

さて、ドイツが6月に旗艦・司令官となった。ということは、2013年1月頃からドイツは海賊対策の任務をしなければならないことになる。

しかし、それは上記のドイツ議会決議では許されていない。ここまで来ると、2008年の状況を調べる必要がある。

「海洋安全保障情報月報」によると、まず2008年10月24日EU議会は派遣を承認した。さらに、ドイツ国会は2008年12月19日、EU NAVFOR艦隊として海賊対策に派遣することを承認している。上記の小生の推測は確証されたわけである。

ドイツ海軍HPを追っていたら、ドイツ海軍は2012年11月終わりまでこのSNMG2艦隊司令官を任務するという。

しかし、これはレアーケースであろう。つまり、なり手が無かったのである。そこで余裕のあるドイツ海軍が引き受けた。

同じ欧州内にNATO艦隊とEU艦隊がある。EU艦隊が始動したのは、2008年12月である。その際、既にNATO艦隊があり、NATO艦隊は既に海賊対策に従事している、EU艦隊と言ってもまだ経験の無い艦隊であり、危険だとの声が上がっていた。この危惧はイギリスサイドの話であろう。

このEU NAVFOR艦隊を強く推進したのは、フランスとドイツであった。その後のEU艦隊への派遣状況を見ると、いかに両国が熱心であるかで分かる。

同じ欧州内に、同じ仕事をする2つの艦隊がある。欧州人は気が長い。無駄であり、いかにカネがかかろうと、実績で答えを出すことに慣れている。見習うべきである。

NATO艦隊は次第に参加艦は少なくなってきた。今回の6月に結成されたSNMG2艦隊は、ドイツ、フランス、トルコが構成艦である。

現在、海賊対策に従事中のSNMG1艦隊は、オランダ海軍が旗艦・司令官で、艦船は「エヴェルトセン」、さらにアメリカの「テーラー」である。現在はモンスーン期間であるが、8月後半から、止んでくる。そこでオランダ海軍はドック型揚陸艦「ロッテルダム」を7月19日出港させている。

アジアの東では、同じ欧州内で同じ目的の艦隊が2つあり、その運営はどうなっているか、さっぱり分からなかった。

しかしその答えが次第に出てきた。そのことに驚いている。欧州人には見習うべきことが多い。