わたしは血だとか痛いのとかは見るのも苦手で、そういう映像からは思わず目を背けてしまうのである。そんなわたしがこの映画を観たらどうなるか。激しい戦闘(というか殺害)シーンや、苦痛に顔を歪める負傷兵、無残な死体などの描写がとにかく生々しく衝撃的で、強烈にそれだけが印象に残ってしまった。さわやかな日曜の朝に観るもんじゃなかったと後悔した。

そんなら最初っからそんな映画に行くなというお怒りもあろうし、そりゃおっしゃる通りなのであるが、本当にわたしが観たかったのはこれの姉妹版ともいうべき日本編の「硫黄島からの手紙」なのである。ぶっちゃけて言えば、渡辺謙が観たいのである。したがってこの映画は個人的にはプレ番組的な軽いノリの位置づけであったのだが、甘かった。

きっとこの映画は優れた作品なのだろう。おそらくツウな皆さんは絶賛されるのだろう。そういう雰囲気を醸し出しているということだけはなんとなくわかる。だが、そもそもわたしは戦争モノの「洋画」を映画館で観たのは、これがたぶん生涯初(!)なのだ。だからわたしにはこの映画について語る資格も力量はなかったのであって、こんな稚拙な文は早く忘れてください。