舞台は80年代初頭の英国。フォークランド紛争で父親を亡くし、家庭が貧しくいじめられていた少年が主人公。年上の不良グループに加わり、仲間との楽しい時間を謳歌するようになりましたが、やがて当時英国で台頭していた過激な保守思想に感化され、外国人排斥活動に手を染めていきます。監督の実体験に基づく作品だそうです。

この当時、ぼくは中学生。主人公の少年よりすこし上の世代ですが、ファッションや音楽など、当時流行したというロンドンカルチャーは、正直なところあまり印象にありません。また、フォークランド紛争という事象こそ知っていたものの、その後に起こった英国社会の歪みなどについては考えも及びませんでした。

それでも、主人公の少年や過激なリーダーが振舞う攻撃性、およびその中に垣間見える寂寥感、飢餓感みたいなものはひしひしと伝わってきます。そしてそのせいで、英国に蔓延する閉塞的で陰鬱なムードというものが、英国らしい曇天のグレーな風景とあいまって、じわじわと心に迫ってくる気がしました。社会派の青春ドラマとして見ごたえのある作品でした。

(2009/06/28@シネモンド)

★★★★