ワチャゴナ! What Cha' Gonna Do for Me?

オーケストラ・アンサンブル金沢を中心としたクラシック音楽。あるいは歌謡曲。その他映画とか、落語とか、お酒とか…あと、ナイナイさん!!

サン=サーンス

カレッジ・コンサート - 第8回石川県学生オーケストラ&OEK合同公演(2011/2/27@石川県立音楽堂)

石川県学生オケとOEKの合同公演です。聴きに来たのは昨年に続き2回目。指揮は山下一史さん。

1曲目は「カルメン」第1組曲。1ヶ月前の金大フィル定期公演では第2組曲がちょっと残念な感じでしたが、今回はうって変わって管楽器がキビキビと気持ちいい演奏。…と思ったら、各パートトップはOEKのみなさんでした。やっぱりね(笑)。

引き続き2曲目のレスピーギ。OEK弦楽セクションによるアンサンブルが極上…! それはそれはうっとりする演奏でした。いやあ、これはよかった。

休憩後はサン=サーンスの「オルガン付」。この曲はぜひ音楽堂で聴きたかった曲でしたがついに実現しました。学生オケとOEKによる大編成で、今回は学生がトップを務めます。合同オケの演奏は期待通り若々しく華やか。オルガンの荘厳な響きもここちよく、気分良く聴くことができました。

カレッジ・コンサート - 第8回石川県学生オーケストラ&オーケストラ・アンサンブル金沢合同公演
Colledge Concert: The 8th Ishikawa Students Orchestra & Orchestra Ensemble Kanazawa Joint Concert

日時:2011年2月27日(日)15:00開演 Sunday, 27 February 2011 at 15:00
会場:石川県立音楽堂コンサートホール Ishikawa Ongakudo Concert Hall
指揮:山下一史 Kazufumi Yamashita, Conductor
オルガン:黒瀬恵 Nozomi Kurose, Organ
演奏:金沢工業大学室内管弦楽団/金沢大学フィルハーモニー管弦楽団
    北陸大学室内管弦楽団/オーケストラ・アンサンブル金沢
コンサートマスター:松井直/鈴木達朗 Naoki Matsui/Tatsuro Suzuki, Concertmaster


《オーケストラ・アンサンブル金沢&石川県学生オーケストラ
 Orchestra Ensemble Kanazawa & Ishikawa Students Orchestra》
■G. ビゼー Georges Bizet (1838-1875)
 「カルメン」第1組曲(ホフマン編曲版)
 Carmen suite No.1 (Arranged by Fritz Hoffman)

 1. 前奏曲 Prelude
 2. アラゴネーズ Aragonaise
 3. 間奏曲 Intermezzo
 4. セギディーリャ Seguedille
 5. アルカラの竜騎兵 Les Dragons d'Alcala
 6. 終曲(闘牛士) Les Toreadors

《オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa》
■O. レスピーギ Ottorino Respighi (1879–1936)
 リュートのための古代舞曲とアリア 第3集
 Antiche danze ed arie per liuto, terzo serie

 1. イタリアーナ Italiana
 2. 宮廷のアリア Arie di corte
 3. シチリアーナ Siciliana
 4. パッサカリア Passacaglia

--- 休憩 Intermission ---

《石川県学生オーケストラ&オーケストラ・アンサンブル金沢
 Ishikawa Students Orchestra & Orchestra Ensemble Kanazawa》
■C. サン=サーンス Camille Saint-Saens (1835-1921)
 交響曲 第3番 ハ短調 作品78(オルガン付き)
 Symphony No.3 in C minor, op.78 "avec orgue (with organ)"

【クラシック音楽】金沢大学フィルハーモニー管弦楽団 第71回定期演奏会(2011/1/22@石川県立音楽堂コンサートホール)

金大OBでありながら、学生時代も含めて金大フィルは聴いたことがありません。そもそもクラシックを聴くようになったのがここ数年のことなので、学生オケを聴く機会がなかったのです。昨年の石川県学生オケとOEKの合同公演が初めてですかねえ。単独オケとしてはたぶん初めてです。今回、チケットをいただく機会を得て、初めて金大フィルの定期演奏会に出かけます。

最初はサン=サーンス「死の舞踏」。個人的にはなじみの薄い曲で、あまりじっくり聴いたことはないかも。真夜中に骸骨が現れて不気味に踊るもようを描写。骨がぶつかり合う音がシロフォンでコミカルに奏でられるなど、なかなか面白い曲でした。コンサートマスターが変則調弦のヴァイオリンに持ち替えて独奏を披露します。かなり巧いですんですけど、ちょっとおとなしいかな。弾きかたは感情たっぷりに見えるわりに、鳴らす音はそうでもない。プログラムに掲載されている、おそらくノリで撮った写真のようなナルシストっぷりを発揮してもよかったのでは。

次のカルメン組曲は…うーん、ちょっと辛かったかなあ。管楽器は難しいですねえ。まあ仕方ないですかね。個人的には全体的に遅いテンポがちょっと居心地悪かったです。

後半はチャイコフスキーの5番。これはよかった! 迫力も充分。チャイコさんはこれくらい思い入れたっぷりに演奏するほうがいいですね。前半はいささか厳しかった管セクションも、ほぼ破綻なく奮闘してくれました。ここでプログラムのメンバー表をチェックしてみたところ、特に管楽器などは曲ごとに演奏者が入れ替わるのですね。そうか、学生オケだとそれぞれのパートに重複する人員がいますもんね。この曲はメインプログラムだから各パートでもエース級を投入したものとみえます。その上で、たぶん「カルメン」よりもずいぶん練習したのでしょう。チャイ5はCDでも久しく聴いてなかった気がしますが、あらためていい曲だなあと思いました。

余談。最近ツイッターで知り合った県外在住のMさんが、以前こすもすさんでお花を買って以来のこすもすizmiさんファン(^^)であることが判明。しかも、Mさんは金大フィルの団員のお母様で、金沢までこの日の定期演奏会を聴きに来るとのこと! おお、なんたる奇遇! もっとも、プログラムでMさんの名前を探したところ、所属するパートは前半に座っていた座席からでは姿が見えない場所だったのです。そこで後半は座席を移動したところ、お嬢さんの奮闘するお姿を確認できました。この日izmiさんは都合が悪く来れなかったのですが、Mさんとは終演後にお目にかかり、お食事にご案内したのでした。

金沢大学フィルハーモニー管弦楽団
http://kupo.sakura.ne.jp/

金沢大学フィルハーモニー管弦楽団 第71回定期演奏会
Kanazawa University Philharmonic Orchestra - The 71st Subscription Concert

日時:2011年1月22日(土)18:30開演 Saturday, 22 January 2011 at 18:30
会場:石川県立音楽堂コンサートホール Ishikawa Ongakudo Concert Hall
指揮:新田ユリ Yuri Nittae, Conductor
コンサートマスター:鈴木達朗 Tatsuro Suzuki, Concertmaster

■C.サン=サーンス Camille Saint-Saëns (1835-1921)
 交響詩「死の舞踏」 作品40
 Danse macabre op.40

■G.ビゼー Georges Bizet (1838-1875)
 「カルメン」第2組曲  Carmen Suite No.2
 1.密輸入者の行進 Marche des contrebandiers
 2.ハバネラ Habanera
 3.夜想曲(ミカエラのアリア) Nocturne
 4.闘牛士の歌 Chanson du Toreador
 5.衛兵の交代(子どもたちの合唱) La Garde Montante
 6.ジプシーの踊り Dance Boheme


---休憩 Intermission ---


■P.I.チャイコフスキー Peter Ilyich Tchaikovsky (1840-1893)
 交響曲 第5番 ホ短調 作品64
 Symphony No.5 in E minor, op.64

【OEK定期286PH】イワキ・メモリアルコンサート カンタさんのサン=サーンス&加古隆氏新曲初演(2010/09/04)

いよいよこの日、OEKの2010-2011年度定期公演新シーズンが開幕しました。近年の恒例として、シーズン最初の定期公演は「イワキ・メモリアルコンサート」。故岩城宏之永久名誉音楽監督の遺徳を偲びつつ、岩城宏之音楽賞受賞者をソリストに迎えての協奏曲。さらには岩城さんが執念を燃やし続けた現代曲新作の世界初演がおこなわれます。今年の作曲家は加古隆さんです。本公演の指揮はもちろん井上道義音楽監督。しかも今回の岩城宏之音楽賞はわれらがOEK首席チェロ奏者のルドヴィート・カンタさん!これは心踊らずにいられません。

その前に、まず1曲目はハイドン「太鼓連打」。最近井上さんとOEKが力を入れているハイドンから新シーズンの始まりです。第2ヴァイオリンには、2年間のウィーン・ドレスデン留学から帰国したばかりの竹中のりこさんの顔も見えますね。お帰りなさいませ♪ 第1楽章冒頭はティンパニの連打から…なんですが、叩き方が抑え気味で少々物足りないかも? まあここはいろいろ解釈があって、井上さんなら派手にくるのかなとも思いましたが、古楽的アプローチを随時取り入れている最近の井上さんらしいともいえます。とはいえ、チェロ・コントラバスによる重厚なAdagioに続いて、やがて主部Allegro con spiritoに入ると、それはそれは誠に涼やかなハイドン…! ほとんどヴィヴラートをかけず、しかし弾むように奏でる弦のトーンは透明な水が次々とこぼれるよう。井上さんの楽しげに踊る指揮も健在。この曲は中間楽章も面白いです。第2楽章は楽しいメロディによる変奏。コンマス、サイモン・ブレンディスさんのソロが美しい。第3楽章メヌエット、トリオ。ともにホルンやフルートの合いの手がかわいい。第4楽章は再びAllegro Con Spiritoで軽快に。井上さんはこの楽章だけは指揮棒を手にします。タタタターララという印象的なリズムが繰り返され、これぞハイドンという軽やかな疾走感で駆け抜けました。

続いてはカンタさんの登場。サン=サーンスの名曲、チェロ協奏曲第1番です。カンタさんがOEKをバックに華やかで技巧的な第1主題を奏で始めました。その憂いを伴った、しかし確固たる音が聴こえるとともに、カンタさんの気迫のこもった表情をみたとき、なぜだか思わず涙が溢れてきました。まだファン歴も浅いためカンタさんのことをそんなに知っているわけではないけれど、他国で暮らす苦労も多々あったことでしょう。そんな中、当地の愛好家や楽団員に愛され、ついにその功績が認められました。その喜びを噛み締めながらも、しかしいまは目の前の音楽に真剣に対峙している姿。それがこのサン=サーンスの劇的な主題に重なって、実に実に感動的だったのです。カンタさんの独奏は決して爆音系ではありませんが、堅実な技巧は冴えに冴え渡り、甘く、渋く、繊細に歌い分けます。優美な第2部に続き、第3部ではふたたび劇的に。カンタさんの渾身の演奏を堪能しました。演奏後は万雷の拍手。カンタさんが金沢の音楽ファンに愛されていることを実感します。井上さんが壇上にある岩城さんの遺影脇に飾ってある花々からひまわりを一輪抜き出し、カンタさんに捧げました。カンタさんもカーテンコールでそのひまわりをチェロに挿して現れるなど、和やかなお祝いムードが続きました。

後半は加古隆さん。今年のOEK「コンポーザー・オブ・ジ・イヤー」としての新曲披露です。OEKでは岩城さんの発案で「コンポーザー・イン・レジデンス」という「座付き作曲家」制度を設け、毎年一人の作曲家に新曲を委嘱、世界初演をおこなってきました。井上さんはその制度自体の意義は認めつつも、金沢に住んでもいないのに「イン・レジデンス」とはおかしいと音楽監督就任当時からおっしゃっていましたが、今年ついに改称されたようです。

さて、まずはトレードマークの黒い帽子をかぶった加古隆さん自身がピアノを弾き、OEKの協奏で過去の加古作品(ダジャレではない)を3曲。テレビ番組のテーマ曲2つとグリーンスリーヴスの変奏曲なので、さらりと聴きやすい佳曲です。プログラムの解説によると、加古隆さんは、メシアンに師事し現代音楽作曲家としてスタートしつつも、フランスでフリージャズのピアニストとしてデビューするという特異な経歴の持ち主なのですが、その後、メジャーな分野の作曲に進出、プレトークで池辺晋一郎氏と語っていたところでは「もういわゆる『現代音楽』はやらない」とのこと。そんな加古さんの新曲が最後に披露されました。加古さんが金沢と聞いて連想した「朱」のイメージ。これは前3曲のようなポピュラーなものではなく、さりとて本人が否定したようにいわゆる「現代音楽」でもなく、管弦楽曲として聴きごたえのある楽曲でした。幻想的なコントラバスのユニゾンからはじまるなど、各楽器の見せ場がきちんとあって、とてもおもしろかったです。この日の公演はテレビ収録をしていましたので(どこの放送局だろう?)、また聴いてみたいと思います。カーテンコールではふたたび加古さんも登壇。井上さんも加古さんとおそろいの帽子をかぶって、お茶目に終演(笑)。

オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa
第286回定期公演フィルハーモニー・シリーズ
The 286th Subscription Concert / Philharmonie-serie

日時:2010年9月4日(土)15:00開演 Saturday, 4 September 2010 at 15:00
会場:石川県立音楽堂コンサートホール Ishikawa Ongakudo Concert Hall
指揮:井上道義 Michiyoshi Inoue, Conductor
コンサートマスター:サイモン・ブレンディス Simon Blendis, Concertmaster

■ハイドン F.J.Haydn (1732-1809)
 交響曲 第103番 変ホ長調 Hob.I-103 「太鼓連打」
 Symphony No.103 in E flat major, Hob.I-103 "Drum Roll"

■サン=サーンス C.Saint-Saens (1835-1921)
 チェロ協奏曲 第1番 イ短調 作品33
 Violincello Concerto No.1 in A minor, op.33
 〜チェロ:ルドヴィート・カンタ Ludovit Kanta, Violincello

-- 休憩 Intermission ---

■加古隆 T Kako
 黄昏のワルツ
 Waltz in the Evening Glow
 ポエジー 〜グリーンスリーヴス
 Poegie - Greensleeves
 フェニックス
 Phoenix
 〜ピアノ:加古隆 Takashi Kako, Piano

 ヴァーミリオン・スケープ 〜朱の風景
 (オーケストラ・アンサンブル金沢2010年度委嘱作品・世界初演)
 Vermilion Scape (Commission by OEK in 2010, World Premiere)

IMA日本海交流コンサート with 井上道義&OEK(2010/08/26)

国内外の著名講師陣による若手音楽家の指導の場、いしかわミュージック・アカデミー(IMA)。今年も最終日はコンサートで閉幕です。過去のIMA卒業生で、現在各種コンテストで次々と優秀な成績を収めている若手演奏家を招いて、華やかなステージが繰り広げられました。今回招かれた若手ソリストは、全員がヴァイオリニスト。若々しい才能によって、ヴァイオリンと管弦楽が紡ぎ出す名曲が次々と聴けるとあってとても楽しみにしていました。座席は2階最前列。絶好。…でも、ほかの客の入りはいまいち?うーん、残念。

まずは今年のIMA受講生選抜メンバーとOEKによる合同演奏から。バルトーク「弦楽のためのディベルティメント」より第1楽章。両翼に第1・第2ヴァイオリン、中央にヴィオラが構え、その後ろにチェロ、そのたま後ろにコントラバスがそれぞれ横一列に並びます。OEKもたまに弦5部のみの合奏曲を演奏しますが、そのときよりも当然編成は大きく、さすがに弦の厚みが感じられました。古典の様式美を基調としつつ、バルトークらしい民俗的風味も漂う楽曲。IMA受講生選抜メンバーも無事破綻なく楽しむことができたようです。演奏後、井上さんが受講生たちの国籍を問うたところ、大多数が韓国とのこと。ほかにも中国、台湾などの受講生も多く、まさしく「日本海交流」コンサートなのだと納得しました。

次は正戸里佳さんによるラヴェルのツィガーヌ。冒頭からがっつり太くてボリューム満点のソロが響き渡ります。演歌的な押しと粘りのある響きとでも申しましょうか。音量、音質、技巧すべて申し分ありません。ただ、オケが入ってくるあたりから、少々気合が入りすぎたのか、先走り&空回り気味? オケとのタイミングが微妙にずれる場面が少なからずあったように思います。後半は、がんばれ!がんばれ!と応援しながら聴いていました。まあ、OEKの方も最初はちょっとバタついていた感がありましたしね。ただ、ツィガーヌの管弦楽版の実演って初めて聴きましたが、あらためて聴くとオーケストレーションがおもしろいですね。

前半の最後は、クララ=ジュミ・カンさんによるサン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」とサラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」。おお!ツィガーヌに続いてまたしても技巧披露曲、しかもなんという黄金の組み合わせ! 今年のLFJ金沢では、エリアイベントの無料コンサートで彼女の演奏を聴きましたが、人ごみの遠くからだったためあまり記憶にはありません。というわけで、今回の音楽会が楽しみだったわけですが、クララさんは赤いロングドレスで登場。21歳だそうですけど、プロフィール写真がいかにも子どもだったので、実際の姿を見て大人っぽさにビックリ。で、肝心の演奏の方は…いやはや!まったく素晴らしい! 奏でる響きには一切曇りがなく、一本ピシッと筋の通ったような端正さ。とりわけ弱音、高音に最高級の透明感があり、実に綺麗です。特に印象に残ったのは「序奏とロンド・カプリチオーソ」。個人的に好きな曲だということもありますが、この頃からオケもぐいぐいノッてきたのです。穏やかな序奏が終わり、ロンド・カプリチオーソに移る瞬間のカッコよさ!! マエストロ井上も、クララさんと正面から対峙。その気迫のこもった表情と身体全体の動きで、ますます彼女の力量が引き出されたような気がします。「ツィゴイネルワイゼン」でも、持ち味の美音に加え、数々の技巧が冴えていました。

休憩を挟んで後半は、マウラー「4本のヴァイオリンのための協奏交響曲」からスタート。鈴木愛里さん、青木尚佳さん、インモ・ヤンさん、松本紘佳さんの4人の若きヴァイオリン奏者が登場しました。鈴木さんと青木さんはおそらく20才前後、インモ・ヤンさんは唯一の男性で15才、松本さんはそれより下かも。曲は全体的には古典派的な形式。加えてメンデルスゾーンのような天真爛漫な明るさが感じられ、華やかな祝祭ムードに包まれます。そして、4つのヴァイオリンの協奏部分がまたおもしろい。主旋律を入れ替わり立ち替わり務めあい、あるいは4人がフーガ的に追いかけっこしたり、4人の中での組み合わせが目まぐるしく変わります。4人の間では楽しい室内楽で、オケとの関係は明るい協奏曲。まさに協奏交響曲の醍醐味ですね。4人の若きソリストたちも徐々に調子を出していき、最後はとってもハッピーな気分で結びました。意外によかったですよ、これ。ぼくは好きだなあ。で、作曲者のマウラーって誰?ってことなんですが(笑)、1789年にポツダムで生まれ、1878年ロシアのサンクトペテルブルクで亡くなったとのこと。生年はベートーヴェン(1770年)とシューベルト(1797年)の間くらいですから、古典派の終わり〜初期ロマン派あたり。曲想からして、まあ予想通りでしたね。

そして最後は、シン・ヒョンスさんのモーツァルト。ぼくは今回、この人個人のことは事前にあまり気に留めていなかったのですけど、舞台に登場した姿――ブルーのドレスをまとったショートヘアのスリム美人――を見て、見覚えがある!と。そして、その思いは彼女の奏でる音を聴いて確信に変わりました。昨年のIMAフェスティバルコンサートで、メンデルスゾーンのコンチェルトを素晴らしい演奏で披露したヴァイオリニストの彼女だったのです!いやあ、名前では記憶していなかったのですが、たしかに彼女――シン・ヒョンスさんでした。でも、音を聴いて思い出したって凄くないですか? その美しく繊細で、情感がきちんと伝わり、しかし確固たる芯のある音色。それもモーツァルトで。そう、最後の曲はモーツァルトなのですよ。バルトーク、ラヴェル、サン=サーンス、サラサーテと個性的・技巧的な曲が続き、ナゾのマウラー(笑)をはさんだ後に、穏当なモーツァルト。しかし、そのようにどちらかといえば技巧や表現力の幅を見せ付けにくい曲でなお、しかも特段癖があるわけでもないのに、その存在感がわかるというのがすごいと思うのです。

そうそう、ぼくはといえば、それこそ近頃はフランスもの、近代もの、ピアノ曲などに目覚めてしまい、そういったぼくにとって新鮮な曲ばかり聴いている日々でした。そのため、いままでは少なくとも週に数曲は聴いていたモーツァルトも、ずいぶん久しぶりな気がします。それでも、この日、井上さんの指揮でOEKのモーツァルトを聴いていると、ほとんど無防備に安らいでいる自分がいます。決して刺激的ではないけど、穏やかな幸福感に包まれる感じ。このいかにもOEK定期会員らしい古典派への親和性の高さに、自分でも苦笑いしてしまいました。とはいえ、最近は新しい音楽の味を知り、それに心を震わせているのも事実。そしていま、従来好んでいた音楽も依然として安らげることがわかりました。こうして、楽しめる音楽の幅がどんどん広がっていく。だから、最近ホントにシアワセな気持ちです。

シン・ヒョンスさんにはアンコールの舞台が用意されていました。クライスラーらしからぬ技巧的な曲。穏当なモーツァルトだけじゃなく、こういうのもできるのよ!と見せつけるような艶のあるレチタチーヴォと颯爽としたスケルツォでした。
201008262113


コンサート後、軽く食事をした後、ガレタッソさんへ。このパターン、やってみたかったのですよ。まあ、ぼくはほとんど初来店みたいなものなので(ホントは3度目だけど)、おとなしくしていたのですが、常連のお客さんの一人が、ぼくと中学校の同級生(同じ部活)だということが発覚。うへええ、こんなことあるんですねえ。最近、不思議な縁がつながっていくことが多く、なんだか楽しいです。
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IMA日本海交流コンサート
いしかわミュージックアカデミー with 井上道義&オーケストラ・アンサンブル金沢

日時:2010年8月26日(木)19:00開演 Thursday, 26 August 2010 at 19:00
会場:石川県立音楽堂コンサートホール Ishikawa Ongakudo Concert Hall
指揮:井上道義 Michiyoshi Inoue, Conductor

■バルトーク B.Bartok
 弦楽のためのディヴェルティメントより第1楽章
 Divertimento for strings, 1st mov.
〜合同演奏:OEK&アカデミー受講生

■ラヴェル M.Ravel
 ツィガーヌ Tzigane
〜ヴァイオリン:正戸里佳 Rika Masato, Violin

■サン=サーンス C.C.Saint-Saens
 序奏とロンド・カプリチオーソ 作品28
 Introduction et Rondo capricioso, op.28
■サラサーテ P.d. Sarasate
 ツィゴイネルワイゼン Zigeunerweisen
〜ヴァイオリン:クララ=ジュミ・カン Clara-Jumi Kang

---休憩---

■マウラー L.Maurer
 4本のヴァイオリンのための協奏交響曲 イ短調 作品55
 Concertante for 4 violins in A minor, op.55
〜ヴァイオリン:鈴木愛里、青木尚佳、インモ・ヤン、松本紘佳
 Violin: Airi Suzuki, Naoka Aoki, In-Mo Yang, Hiroka Matsumoto

■モーツァルト W.A.Mozart
 ヴァイオリン協奏曲 第4番 ニ長調 K.218
 Violin Concerto No.4 in D major, K.218
〜ヴァイオリン:シン・ヒョンス Hyun-Su Shin, Violin

(アンコール Encore)
■クライスラー F.Kreisler
 レチタティーヴォとスケルツォ カプリース 作品6
 Recitative and Scherzo-Caprice for Solo Violin, op. 6
〜ヴァイオリン:シン・ヒョンス Hyun-Su Shin, Violin

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quackey

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quackeyは、オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)と中日ドラゴンズとナインティナインさんを応援しています!
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