ワチャゴナ! What Cha' Gonna Do for Me?

オーケストラ・アンサンブル金沢を中心としたクラシック音楽。あるいは歌謡曲。その他映画とか、落語とか、お酒とか…あと、ナイナイさん!!

チャイコフスキー

【クラシック音楽】金沢大学フィルハーモニー管弦楽団 第71回定期演奏会(2011/1/22@石川県立音楽堂コンサートホール)

金大OBでありながら、学生時代も含めて金大フィルは聴いたことがありません。そもそもクラシックを聴くようになったのがここ数年のことなので、学生オケを聴く機会がなかったのです。昨年の石川県学生オケとOEKの合同公演が初めてですかねえ。単独オケとしてはたぶん初めてです。今回、チケットをいただく機会を得て、初めて金大フィルの定期演奏会に出かけます。

最初はサン=サーンス「死の舞踏」。個人的にはなじみの薄い曲で、あまりじっくり聴いたことはないかも。真夜中に骸骨が現れて不気味に踊るもようを描写。骨がぶつかり合う音がシロフォンでコミカルに奏でられるなど、なかなか面白い曲でした。コンサートマスターが変則調弦のヴァイオリンに持ち替えて独奏を披露します。かなり巧いですんですけど、ちょっとおとなしいかな。弾きかたは感情たっぷりに見えるわりに、鳴らす音はそうでもない。プログラムに掲載されている、おそらくノリで撮った写真のようなナルシストっぷりを発揮してもよかったのでは。

次のカルメン組曲は…うーん、ちょっと辛かったかなあ。管楽器は難しいですねえ。まあ仕方ないですかね。個人的には全体的に遅いテンポがちょっと居心地悪かったです。

後半はチャイコフスキーの5番。これはよかった! 迫力も充分。チャイコさんはこれくらい思い入れたっぷりに演奏するほうがいいですね。前半はいささか厳しかった管セクションも、ほぼ破綻なく奮闘してくれました。ここでプログラムのメンバー表をチェックしてみたところ、特に管楽器などは曲ごとに演奏者が入れ替わるのですね。そうか、学生オケだとそれぞれのパートに重複する人員がいますもんね。この曲はメインプログラムだから各パートでもエース級を投入したものとみえます。その上で、たぶん「カルメン」よりもずいぶん練習したのでしょう。チャイ5はCDでも久しく聴いてなかった気がしますが、あらためていい曲だなあと思いました。

余談。最近ツイッターで知り合った県外在住のMさんが、以前こすもすさんでお花を買って以来のこすもすizmiさんファン(^^)であることが判明。しかも、Mさんは金大フィルの団員のお母様で、金沢までこの日の定期演奏会を聴きに来るとのこと! おお、なんたる奇遇! もっとも、プログラムでMさんの名前を探したところ、所属するパートは前半に座っていた座席からでは姿が見えない場所だったのです。そこで後半は座席を移動したところ、お嬢さんの奮闘するお姿を確認できました。この日izmiさんは都合が悪く来れなかったのですが、Mさんとは終演後にお目にかかり、お食事にご案内したのでした。

金沢大学フィルハーモニー管弦楽団
http://kupo.sakura.ne.jp/

金沢大学フィルハーモニー管弦楽団 第71回定期演奏会
Kanazawa University Philharmonic Orchestra - The 71st Subscription Concert

日時:2011年1月22日(土)18:30開演 Saturday, 22 January 2011 at 18:30
会場:石川県立音楽堂コンサートホール Ishikawa Ongakudo Concert Hall
指揮:新田ユリ Yuri Nittae, Conductor
コンサートマスター:鈴木達朗 Tatsuro Suzuki, Concertmaster

■C.サン=サーンス Camille Saint-Saëns (1835-1921)
 交響詩「死の舞踏」 作品40
 Danse macabre op.40

■G.ビゼー Georges Bizet (1838-1875)
 「カルメン」第2組曲  Carmen Suite No.2
 1.密輸入者の行進 Marche des contrebandiers
 2.ハバネラ Habanera
 3.夜想曲(ミカエラのアリア) Nocturne
 4.闘牛士の歌 Chanson du Toreador
 5.衛兵の交代(子どもたちの合唱) La Garde Montante
 6.ジプシーの踊り Dance Boheme


---休憩 Intermission ---


■P.I.チャイコフスキー Peter Ilyich Tchaikovsky (1840-1893)
 交響曲 第5番 ホ短調 作品64
 Symphony No.5 in E minor, op.64

ドイツ・エッセン市立歌劇場バレエ団&OEKのバレエ「くるみ割り人形」@石川県立音楽堂(2010/12/21)

クリスマスにバレエ「くるみ割り人形」全幕を上演!これはぜひ行きたい!と思って先月石川県立音楽堂チケットボックスに買いに行ったところ、なんとすでに全席完売とのことでした。なるほど地元バレエ団からも大挙出演するため、その家族など関係者が大勢観覧に訪れるのだろうなあといったん納得はしたのですが、でも、だからこそ別枠でキープしている関係者席は余裕があるはずで、やがて埋まらなかった席が開放されるのではないかと推測。諦めずにチケットボックスの残席情報をネットで随時チェックしておりました。すると2週間くらい前に、いままで「×」ばかりだった残席表示の箇所がSS席「残席わずか△」に変わっていたのです! さっそくチケットボックスに赴いて見事座席をゲット! というわけで、いつもよりちょっとお洒落をして、クリスマスのバレエを楽しみに音楽堂へ出かけました。

「くるみ割り人形」は、クリスマスの夜に見た少女マリーの夢物語。マリーはドロッセルマイヤー老人からもらったくるみ割り人形を、弟フリッツとの奪い合いで壊してしまいます。夜中、マリーが寝室を抜け出して、壊れたくるみ割り人形のようすを見に行くと、広間でおもちゃの兵隊とハツカネズミの戦いが始まりました。やがてくるみ割り人形率いるおもちゃの兵隊が勝利。くるみ割り人形の正体は、素敵な王子様だったのです。マリーは王子からお菓子の国へ招待され、金平糖の女王はじめ、いろいろな人から歓待を受けます。スペインの踊り、アラビアの踊り、中国の踊り、ロシアの踊り、あし笛の踊り。そして花のワルツから、金平糖の女王とコクリューシュ王子のパ・ド・ドゥ…。楽しい夢の世界の思い出とともに、マリーは広間で目を覚ますのでした。次々と美しく楽しい踊りが展開され、難しいことを考えることなく、無条件で楽しめる作品です。

主要なバレエ・ダンサーを務めるのは、ドイツ・エッセン市立歌劇場バレエ団(Aalto Ballett Theater Essen)のみなさん。美女&イケメンが軽やかに踊る姿がとても素敵でした(ただし男性バレエ・ダンサーの白タイツは目のやり場に困る…苦笑)。さらには、オーディションで選ばれた地元バレエ団のダンサーたちが華やかに舞台を彩ります。特に、ハツカネズミやおもちゃの兵隊、中国の踊りなど、ちびっ子ダンサーの可愛らしさは微笑ましい限りでした。

音楽の面で言うと、「くるみ割り人形」はチャイコフスキー作曲の三大バレエ音楽のひとつ。親しみやすくドラマチックな曲調が人気ですね。11月には井上さんの指揮でOEKにより「金平糖の精の踊り」と「花のワルツ」が演奏され、集中力を保った繊細で丁寧な演奏に感心しましたが、今回はどちらかというと軽快で肩肘の張らないリラックスした雰囲気。バレエにぴったり寄り添っていて、「伴奏」という側面を強く感じました。音楽堂コンサートホールはオーケストラピットがないので、前方の数列分を撤去し、OEKはそこで演奏していましたが特に違和感はなかったと思います。手放しで楽しめる心地よい音楽でした。

なお、9月に2年間のウィーン留学から帰国、復団したばかりの第2ヴァイオリン奏者竹中のりこさんが、ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団に移籍することになり、この日がOEK最後の演奏になったとのこと。留学の成果を発揮する前にOEKを去られることは、定期会員としてはとても残念で、本人も申し訳ない気持ちで一杯だそうです。でも、ウィーンの歴史あるオケへの入団というのはまたとない機会。音楽家としては適切な判断なのでしょう。いずれ金沢とウィーンの橋渡しになることを期待して、健闘を祈りたいと思います。

ドイツ・エッセン市立歌劇場バレエ団&オーケストラ・アンサンブル金沢
チャイコフスキー バレエ「くるみ割り人形」(全幕)
Aalto Ballett Theater Essen and Orchestra Ensemble Kanazawa
Tchaikovsky: Ballet "The Nutcracker"

日時:2010年12月21日(火)18:30開演 Tuesday, 21 December 2010 at 18:30
会場:石川県立音楽堂コンサートホール Ishikawa Ongakudo Concert Hall
指揮:鈴木織衛 Orie Suzuki, Conductor
演出:マレック・テュマ Marek Tuma, Directer
バレエ・ミストレス:カロリーナ・ヴィヴェット Carolina Vivet, Ballet mistress
バレエ・マスター:アリエル・ロドリゲス Ariel Rodriugez, Ballet master
出演:ドイツ・エッセン市立歌劇場バレエ団 Aalto Ballett Theater Essen
   石川県立音楽堂特別編成バレエ団 Ishikawa Ongakudo Special Ballet
管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa
コンサートマスター:松井直 Naoki Matsui, Concertmaster


■P.I.チャイコフスキー Peter Ilyich Tchaikovsky (1840-1893)
 バレエ「くるみ割り人形」作品71(全2幕)
 Ballet "The Nutcracker"

序曲 Overture

第1幕 Act One

《第1場 Tableau I》
 第1曲 情景:クリスマスツリー
 第2曲 行進曲(マーチ)
 第3曲 ギャロップ
 第4曲 情景:子供達への贈り物
 第5曲 情景:グロスファターの踊り
 第6曲 情景:客の退場、魔法の始まり
 第7曲 情景:兵隊人形とねずみの戦争とくるみ割り人形

《第2場 Tableau II》
 第8曲 情景:冬の踊り
 第9曲 雪片のワルツ

第2幕 Act Two

《第3場 Tableau III》
 第10曲 情景:お菓子の国
 第11曲 情景:マリーと王子、金平糖の女王とコクリューシュ王子登場
 第12曲 ディヴェルティスマン
  (a)チョコレート【スペインの踊り】
  (b)コーヒー【アラビアの踊り】
  (c)お茶【中国の踊り】
  (d)トレパック【ロシアの踊り】
  (e)あし笛【あし笛の踊り】
  (f)ジゴーニュママとキャンディーボンボン
 第13曲 花のワルツ
 第14曲 金平糖の女王とコクリューシュ王子のパ・ド・ドゥ
  (a)アダージョ
  (b)ヴァリエーション1(タランティラ)
  (c)ヴァリエーション2(金平糖の女王の踊り)
  (d)コーダ
 第15曲 終幕のワルツとアポテオーズ

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曲名リスト
1. 序曲
2. 第1曲:クリスマスツリー
3. 第2曲:行進曲
4. 第3曲:子供たちのギャロップと親たちの登場
5. 第4曲:ドロッセルマイヤーの到着
6. 第5曲:グロスファターの踊り
7. 第6曲:クララとくるみ割り人形
8. 第7曲:戦い
9. 第8曲:冬の松林で
10. 第9曲:雪の精のワルツ(合唱:リベラ)

1. 第10曲:お菓子の王国
2. 第11曲:クララと王子
3. a. チョコレート(スペインの踊り)
4. b. コーヒー(アラビアの踊り)
5. c. お茶(中国の踊り)
6. d. トレパーク(ロシアの踊り)
7. e. あし笛の踊り
8. f. メール・ジゴーニュとポリシネルたちの踊り
9. 第13曲:花のワルツ
10. 第14曲:パ・ド・ドゥ
11. ヴァリアシオンI:タランテラ
12. ヴァリアシオンII:こんぺい糖の踊り
13. コーダ
14. 第15曲:最後のワルツとアポテオーズ

Jazz会#10「ジョーをやっつけろ!」(2010/11/26)

月例のJazz会。今回のターゲットはずばりAJ=ジョーさんです。ロックとジャズが好きなジョーさんのために、JZ主宰はさすが彼のツボを心得た的確な選曲を、後半はCamillaさんがジョーさんをメロメロにするクラシックを提案します。するとジョーさんは「ジャズ&クラシック会ですね。後半ねむねむ会だったりして。クラシックにそんな Walk on the wild side な曲があるなら聴きたいもんだ、ハハハ!」とCamillaさんを挑発。Camillaさんはかえって闘志を燃やし、綿密なプログラムを用意したもようです(笑)。

JZ主宰、Kプロデューサー、izumiさん、ジョーさん、Camillaさん、quackey。今回はひさびさにフルメンバーが集結しましたよ。JZ主宰手作りのお惣菜や各自の持ち込み料理を味わいながら音楽を楽しみます。

JZ主宰提供の大根寿司、白山堅豆腐、quackey持ち込みのビールと甘えび押寿司。先日のバースデーコスモスも。
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Camillaさんお手製のかぼちゃのグラタンに、Kプロデューサー持参「大友家」の激うまおでん。
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ほかにもizumiさんは山下ミツ商店の厚揚げネギはさみ焼きと、リンゴと柿の柚子風味、Kプロデューサーからはポテトサラダ、Camillaさんは手作りラタトゥイユ、ジョーさんはバゲットにパテに焼酎「破壊王」、そして小樽「ルタオ」のドゥーブルフロマージュなど。豪華ですね!


【JZ主宰:疎なる音の隙間から透けて見える冬のはじまりを】
http://blog.goo.ne.jp/ken_jazz/e/63437b15c6d5a433664219961bbe6735

1.プロローグ:非欧米音楽でスタートはいつものことで
(1) Richard Bona:Toto Bona Lokua(2004,Universal Jazz)
(2) João Gilberto:João Gilberto (1973 )

2.弦楽器(ベース,ギター,バイオリン)を中心に
(1)David Friesen:The name of woman(2001, Intuition)
(2)Henri Texier: Mad Nomad (Label Bleu, 1995)
(3)Oregon: Crossing(1985, ECM)
(4)Ralph Towner: Time line (2006, ECM)
(5)Bill Frisell: Before We Were Born (1988, Electra)
(6)Bill Frisell(g) & Fred Hersch (p): Songs we know(1998, Electra)

3.唄もちょっとだけ
(1)Chet Baker: Diana (1985, Steeple Chase)
(2)Lina Nyberg: Brasilien (2001)

4.ソロピアノを中心に(最近しびれているモノを少々)
(1)Fred Hersch: Fred Hersch Plays Jobim(2009, Sunny Side)
(2)Keith Jarrettt: The Melody At Night, With You(1999, ECM)

5.エピローグ
Heinrich Neuhaus:Scriabin, Rachmaninov, Prokofiev, Shostakovich (1946-1958, Denon)
Scriabin:24 Preludes(24の前奏曲), Op. 11よりいくつか
Prokofiev: Visions Fugitives(束の間の幻想), Op. 22よりいくつか

JZ主宰は、ジョーさんと個人的にもよく一緒に音楽を聴いている中で、彼の嗜好を把握したようです。ジョーさんはギター・ベース好きではあるけれど、どうやら、音がぎっちり詰まった曲よりも、一音一音をきちんと聴かせる曲がお好みらしい。JZ主宰はそんなジョーさんのために「音と音の間」が印象的な曲を用意。無音にこそ音楽が潜むということでしょうか。うーむ、深い。

【Camillaさん:ジョーさんにささげる Walk on the wild side???】

■P.I.チャイコフスキー Pyotr Ilyich Tchaikovsky (1840-1893)
 ピアノ協奏曲 第1番 ロ短調 作品23 第1楽章・第3楽章
 Piano Concerto No.1 in B-flat minor, op.23 - 1st Mov./3rd Mov.
 ピアノ:アレクセイ・スルタノフ/指揮:マキシム・ショスタコーヴィチ/ロンドン交響楽団
 Alexei Sultanov, Piano / Maxim Shostakovich, Conductor / London Symphony Orchestra
 
■P.I.チャイコフスキー Pyotr Ilyich Tchaikovsky (1840-1893)
 交響曲 第6番 ロ短調 作品74 「悲愴」 第4楽章
 Symphony No.6 in B minor, op.74, "Pathétique" - 4th Mov.
 指揮:エフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルハーモニー交響楽団
 Yevgeny Mravinsky, Conductor / Leningrad Philharmonic Orchestra

■F.プーランク Francis Poulenc (1899-1963)
 フルートとピアノのためのソナタ 作品164
 Sonate pour flûte et piano, op.164
 フルート:マチュー・ドュフール/ピアノ:エリック・ル・サージュ
 Mathieu Dufour, Flute / Éric Le Sage, Piano

■M.ラヴェル Maurice Ravel (1875-1937)
 ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
 Sonate pour violon et piano
 ヴァイオリン:ダヴィッド・オイストラフ/ピアノ:フリーダ・バウアー
 David Oistrakh, Violin / Frieda Bauer, Piano

■M.ラヴェル Maurice Ravel (1875-1937)
 古典なるメヌエット Menuet antique
 水の戯れ Jeux D’Eau
 ピアノ:ジャン=フィリップ・コラール Jean-Philippe Collard, Piano

■M.ラヴェル Maurice Ravel (1875-1937)
 鏡 Miroirs
  1. 蛾 Noctuelles
  2. 悲しい鳥たち Oiseaux tristes
  3. 海原の小舟 Une barque sur l'ocean
  4. 道化師の朝の歌 Alborada del gracioso
 ピアノ:アンヌ・ケフェレック  Anne Queffélec, Piano

■M.ラヴェル Maurice Ravel (1875-1937)
 スペイン狂詩曲 Rapsodie espagnole
  1. 夜への前奏曲 Prélude a la nuit
  2. マラゲーニャ Malagueña
  3. ハバネラ Habanera
  4. 祭り Feria
 ピアノ:ルイ・ローティ、エレーヌ・メルシエ
 Louis Lortie and Helene Mercier, Piano

■M.ラヴェル Maurice Ravel (1875-1937)
 ラ・ヴァルス(2台ピアノ版)
 La Valse - pour deux pianos
 ピアノ:マルタ・アルゲリッチ、ネルソン・フレイレ
 Martha Argerich and Nelson Freire, Piano

■D.ショスタコーヴィチ Dmitri Shostakovich (1906-1975)
 2台のピアノのためのコンチェルティーノ イ短調 作品94
 Concertino for 2 pianos in A minor, op.94
 ピアノ:ドミートリィ・ショスタコーヴィチ、マキシム・ショスタコーヴィチ
 Dmitri Shostakovich and Maxim Shostakovich, Piano

■M.ラヴェル Maurice Ravel (1875-1937)
 マ・メール・ロワ Ma Mère l'Oye
  1. 眠りの森の美女のパヴァーヌ Pavane de la belle au bois dormant
  2. 親指小僧 Petit Poucet
  3. パゴダの女王レドロネット Laideronette, Impératrice des Pagodes
  5. 妖精の園 Le Jardin Féerique)

ジョーさんがCamillaさんの挑発に使った「Walk on the wild side」というのは、同性愛者やゲイの人の生活を唄った曲なんだそうです。そこから同性愛といえば…ということでまずは突然チャイコフスキー(笑)。あとはCamillaさんが大好きなラヴェルの、しかもとっておきの曲ばかりの連続攻撃が続きます。面白いのは、お手製プログラムが「あのねノート」仕立てになっていること。小学校低学年の児童が担任の先生に対して「せんせい、あのね」という書き出しで毎日書く日記のことだそうです。ぼくはその存在を知らなかったのですが、ぼくらより少し後の世代の人、あるいは地域によってはかなり一般的に採用されているようですね。プログラムのストーリーも面白く、つくりも凝っていてこの試みは素晴らしかった!

後日談として、翌日ジョーさんがクルマで今回のプログラムのCDを聴き始めたところ、朝の雲間が切れてスーっと明るくなったそうです。で、そのとき壮大に流れてたのがチャイコのピアコン。その神秘性ゆえかチャイコフスキーを見直したとのこと(伝聞)。チャイコフスキーはあくまでツカミのネタのつもりだったけど、気に入ってくれたのならまあいいや、と笑うCamillaさんでした。

五嶋みどり&井上道義OEK特別公演(2010/11/03)

引き続き、文化の日のイベントです。「アジア民族音楽フェスティバル」のハシゴはハオチェン・チャンさんのピアノリサイタルで打ち止め。ハオチェンさんの演奏はとっても素晴らしく、いつまでも余韻に浸っていたいところでしたが、音楽堂エントランスのアジアンカフェで点心を食べつつ、次の公演へと心を切り替えます。そうです。いまから「アジア民族音楽フェスティバル」とは別にもともと予定されていた、OEKの特別公演が行われるのです。し・か・も…あの五嶋みどりさんがOEKと初めて共演するのであります! チケットはもちろん全席完売、補助席も出る人気ぶり。ぼくはといえば、抜かりなく販売初日にチケットを確保してありました。2階右バルコニー席、前から2ブロック目の前列に陣取り開演を待ちます。

前半はOEKによるチャイコフスキーのバレエ音楽でした。チャイコフスキーということで、いつものOEKより人員は多め。トロンボーン、チューバ、チェレスタ、ハープを追加、弦楽器も12-10-8-6-4くらい(曖昧)に編成が増強されています。曲は「眠りの森の美女」「白鳥の湖」「くるみ割り人形」からの抜粋。井上さんはバレエ音楽らしく、予想通り(笑)踊るように指揮を振ります。ただし、当然ながら演奏上羽目を外すことはなく、むしろじっくり丁寧な印象。OEKの演奏も好調です。特にこの日の木管は絶品。その他、「くるみ割り人形」の「こんぺい糖の精の踊り」はチェレスタの不思議な旋律が面白く、「花のワルツ」は華やかなハープが印象に残りました。

さて、後半はいよいよみどりさんの登場です。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。みどりさんの念入りなチューニングを井上さんもOEK団員もじっと見守ります。第一楽章、オケの序奏に続いてみどりさんの第一音です。…なんだコレは…!! いままで聴いたチャイコンと、いや、すべてのヴァイオリンとはまるで違う…! 美しく澄み切った、しかし深い苦悩と悲哀に満ちた、心を締め付けるような音色。じつに内省的で思索的な世界。音量は決して大きくはないのですが(というか、消え入るようですらあるのですが)、この圧倒的な存在感は一体なんなのでしょう。

なんというか…音楽の次元が違うのです。比較するのも酷ですが、さきほどのハオチェン君の演奏が、楽譜に真摯に向きあってショパンの世界を誠実に再現したものだとすれば(それを彼はかなりの高水準で達成していたわけですが)、みどりさんの場合は、楽曲に向き合うのではなくて、楽曲そのものにすっかり同化し、自らの心の奥を徹底的に見つめ抜くことによって、その結果としてチャイコフスキーの世界を体現しているというか…技巧などというものは超越したところで音楽を創り上げているという感じがするのです。

さらにいっそう自らの内省的世界に没入した第二楽章、そして続く第三楽章。みどりさんの意思は、閉じていた目がカッと見開いたように一気に覚醒します。全体的に高速なテンポで進む中、随所に現れる早いパッセージの部分…このテンポで弾けるのか?…という心配は全くの杞憂。みどりさんは当然のように軽々とその難フレーズを弾きこなし、一目散に苦悩の日々からの解放に向かっていきます。このあたり、OEKはみどりさんに付いて行くのに、井上さんは両者を制御するのに必死です(こんな井上さんは初めて見た)。そうしているうちにOEKも最高の集中力を発揮していきます。これぞ協奏曲! そしてクライマックス。ドラクロワ「民衆を導く自由の女神」のようにOEKを完全に掌握したみどりさんが、神々しくチャイコフスキーのど真ん中を闊歩していきました。ああ、まさに女神の降臨…!!!! 

盛大な拍手の中、「みどりさんはふだんはアンコールをしないんだけど…」と井上マエストロ。みどりさんが再登場し、文化の日ならではの特別アンコールです。曲はショーソンの詩曲(ポエーム)。アンコールどころではなく、15分を越えるような堂々たる一曲です。少々プログラム的に不足感があったものの、すっかり解消、お釣りが来ますね。演奏が厳かにはじまり、やがてみどりさんの美音が響き渡ります。チャイコフスキーでの自問自答を経て、悟りを開いたかのような迷いのない純粋極上の音色…こんな美しいヴァイオリンを初めて聴いた…! 気がつけばOEKの演奏も物凄いことになっています。透明で濁りのない荘厳なアンサンブル。年に数回ある神がかった弦楽合奏がこのときに出ました。まったくもってみどりさんに引っ張られた格好。天国へと完全に連れて行かれました。

なんという幸福。しばし放心…
あまりに今日の印象が強すぎて、当分、チャイコンは聴けそうもありません。あっ、来年3月東芝グランドコンサートの庄司さんもチャイコンなんだよな…

オーケストラ・アンサンブル金沢 特別公演 Orchestra Ensemble Kanazawa
日時:2010年11月3日(水)15:00開演 Wednesday, 3 November 2010 at 15:00
会場:石川県立音楽堂コンサートホール Ishikawa Ongakudo Concert Hall

指揮:井上道義 Michiyoshi Inoue, Conductor
ヴァイオリン:五嶋みどり Midori, Violin
コンサートマスター:松井直 Naoki Matsui, Concertmaster

■P.I.チャイコフスキー Peter Ilyich Tchaikovsky (1840-1893)
 バレエ組曲「白鳥の湖」「眠りの森の美女」「くるみ割り人形」より
 from Ballet Suites "Swan Lake""Sleeping Beauty""The Nutcracker"

○「眠りの森の美女」より ワルツ
 Sleeping Beauty - "Valse"

○「眠りの森の美女」より アダージョ
 Sleeping Beauty - "Adagio"

○「眠りの森の美女」より パノラマ
 Sleeping Beauty - "Panorama"

○「くるみ割り人形」より こんぺい糖の精の踊り
 The Nutcracker - "Danse de la Fee-Dragee"

○「白鳥の湖」より チャルダーシュ
 Swan Lake - "Csardas"

○「白鳥の湖」より 情景
 Swan Lake - "Scene"

○「くるみ割り人形」より 花のワルツ
 The Nutcracker - "Valse des fleurs"

-- 休憩 Intermission ---

■P.I.チャイコフスキー Peter Ilyich Tchaikovsky (1840-1893)
 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
 Violin Concerto in D major, op.35
 〜ヴァイオリン:五嶋みどり Midori, Violin

(アンコール Encore)
■E.ショーソン Ernest Chausson (1855-1899)
 ヴァイオリンと管弦楽のための詩曲(ポエム) 作品25
 Poème pour violon et orchestre, op.25
 〜ヴァイオリン:五嶋みどり Midori, Violin

ちなみに、11/3当日のツイッター発言がこちら。

ハオチェン・チャンさんのピアノ・リサイタル終了…凄すぎる…やられた… (@ 石川県立音楽堂) http://4sq.com/bo5aho
posted at 13:55:28


五嶋みどり&井上道義OEKコンサートの余韻で放心中…
posted at 18:52:20

さらに、翌11/4のツイート。

@kee_rainrain みどりさんは神がかっていて…次元が違いました。お越しになれず残念でしたね。補助席・立ち見席なら当日券が販売されてたんですけど。
posted at 10:59:08


@masaka_take いやいや、そんなアホ面は公開してどうなるんですかw まあ、とにかく凄かったんです。
posted at 11:00:24


@cafe_amadeus たしかに(笑)。時間的に短いなあと思ってたんですけど、神がかったチャイコンでそんな不満は完全に霧消、さらにショーソンでの究極の美音という贅沢。ショーソンではOEKも年に1回あるかないかの極上のアンサンブル。みどりさんに引き揚げられた感がありました。
posted at 11:12:20


あ!同じこと考えてた!(笑) RT @cafe_amadeus: これでチャイコフスキーは来年の庄司紗矢香まで聴かないぞ。
posted at 11:15:11


今週のクラシック@北陸の充実ぶり! この前の土曜日@入善は庄司紗矢香さん&ジャンルカ・カシオーリさん、昨日@石川県立音楽堂はハオチェン・チャンさん、五嶋みどりさん。いずれも最高の演奏! 行けなかったけど月曜日は高岡で神尾真由子さんも。最後は次の土曜日@赤羽ホールの小曽根真さん!
posted at 11:26:18


ぼくもオススメ RT @yatta_i: 購入意欲がアップしましたw RT @la_yamato202: ヤンソンスとのやつ?私からもオススメ(^^)ノ RT @yatta_i: @mko320 五嶋みどりさんのメンデルスゾーンオススメですか、ブルッフも好きなので今度聞いてみます
posted at 13:03:15

【OEK定期288PH】新鋭指揮者ケン・シェ登場/吉田恭子のチャイコン

今回の定期公演はケン・シェさんという新進気鋭の若きマエストロが初登場。シューマンとビゼー、さらに吉田恭子さんによるチャイコフスキーを演奏します。なお、公演前のロビーコンサートは、現在来沢中のホーチミン交響楽団メンバーによる木管五重奏で、ハイドン(ブラームスのハイドン変奏曲の原曲)と「くるみ割り人形」。プレトークは、金沢出身の音楽ライター飯尾洋一氏によるシューマンとビゼーの演奏曲についての解説でした。

まず1曲目はシューマンの「序曲、スケルツォと終曲」。4楽章形式の交響曲のうち緩徐楽章(第2楽章)を抜いた構成の楽曲です。「序曲」は冒頭こそ暗い雰囲気で始まるものの、やがていつの間にか長調に転調、シューマンらしからぬ明るく晴れやかな曲想が楽しめました。「スケルツォ」も引き続き歯切れよく、「終曲」も躍動感たっぷりに駆け抜けます。いやあ、このシューマンの躍動感にはびっくりしましたねえ。こんな屈託の無いシューマンがあったのか(笑)。当時シューマンは新婚さんで(結婚2年目)、幸福の絶頂にあったということもあるようです(?)。また、ケン・シェさんの積極的なドライブによるところも大きいでしょう。ケン・シェさんの指揮はわりとオーソドックスだと思うのですが、メリハリがあって気持ちがいい。

続いては吉田恭子さんが登場。チャイコフスキーのヴァイオリン・コンチェルトであります…が、少々物足りなかったというのが率直な感想かな…。 この名曲には名演奏も数多く、ぼくがいままで聴いた実演も、庄司紗矢香さん神尾真由子さんという名ヴァイオリニストによるそれぞれに個性的で素晴らしいものでした。おまけに来月早々には、あの五嶋みどりさんが井上道義指揮OEKと初共演により同曲を披露する予定もあります(当然聴きに行きます♪)。また、ふだんからCDでもムターとかハーンとか優れた演奏を聴き慣れています。それだけにこの曲に対する要求水準はどうしても高くならざるを得ません。この日の吉田さんも決して悪かったわけではないのですが、そういう名演奏がデフォルトになっているため、物足りなさを感じてしまうのですね。彼女の音自体はいいのです。やわらかくて滑らかで。だから第1楽章の最初の独奏部分やカデンツァ、第2楽章といった、じっくり聴かせるような箇所は良かったと思います。でも、それ以外の場面、オケと「協奏」するところはパッとしません。全体にパワー不足で、軽い印象。オケの音に埋もれてしまうのです。また、この曲に関してはケン・シェさんが振る管弦楽のテンポがかなり速く、それについていくのが難しかった面もあるでしょうが、高速パッセージはかなり苦しかったように見受けられます。結果、自らが主体的にこの曲を表現するんだという意志が感じられず、なんとかオケの後をなぞってついて行っているという印象を受けてしまうのです。うーん、残念でした。

休憩を挟んで後半はビゼーの交響曲第1番…これはよかった!! ビゼー17歳、パリ音楽院在院中に習作として作曲した最初で最後の交響曲でしたが、長らく歴史に埋もれていたんだそうです。17歳の若さあふれる新鮮な交響曲を、新進気鋭の若き指揮者が振ると、それはそれは清々しく青春の息吹を感じるのでした。モーツァルトを感じさせるような輝かしい第1楽章、オーボエが郷愁を誘う第2楽章、牧歌的な舞曲風の第3楽章…。どの楽章もじつに表情豊かで、素直に耳に入ってきます。コンマスのヤングさんのリードする弦楽のアンサンブルもますます冴えてきました。終楽章。弦の細かい旋律から始まる第1主題は疾走感満点。ふっと優雅に演奏される第2主題とともに、ソナタ形式は軽快に走り続けてスカッと終了。じつにここちよい爽快感を味わうことができました。

この日はケン・シェさんという若き指揮者の出現がいちばんの収穫。ハツラツとした指揮ぶりに好感をもちました。いずれまたOEK公演に出演してくれることもありそうです。


オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa
第288回定期公演フィルハーモニー・シリーズ
The 288th Subscription Concert / Philharmonie-serie

日時:2010年10月6日(水)19:00開演 Wednesday, 6 October 2010 at 19:00
会場:石川県立音楽堂コンサートホール Ishikawa Ongakudo Concert Hall
指揮:ケン・シェ Kenneth Hsieh, Conductor
コンサートマスター:アビゲイル・ヤング Abigail Young, Concertmaster

■シューマン R.Schumann (1810-1856)
 序曲、スケルツォと終曲 作品52
 Overture, Scherzo and Finale, op.52

■チャイコフスキー P.I.Tchaikovsky (1840-1893)
 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
 Violin Concerto in D major, op.35
 〜ヴァイオリン:吉田恭子 Kyoko Yoshida, Violin

-- 休憩 Intermission ---

■ビゼー G.Bizet (1838-1875)
 交響曲 第1番 ハ長調
 Symphony No.1 in C major

オーケストラ!

ロシア・ボリショイ交響楽団で清掃員として働くアンドレイは、実はこのオケの元有名指揮者。当時の非ユダヤ化政策に反抗の意を示したため、楽員たちとともにオケを追われていたのでした。ある日、パリの劇場から届いた公演依頼のFAXを見つけたアンドレイは、自分たちがオケになりすまして演奏することを計画。かつての仲間を再び訪ね集めます。しかしアンドレイにはさらに別の思惑がありました。ソリストに指名した若手女性ヴァイオリニスト、アンヌ=マリー・ジャケ…。アンドレイたちはまんまとパリに乗り込み、いよいよコンサートが始まりました。

【以下、ネタバレあり】
作品を観る前は、寄せ集めオケの感動サクセスストーリーかなーと漠然と思っていたのですが、かなりドタバタな喜劇的テイストでして、かと思えば、シリアスな政治的背景を扱っていたりして、なかなかに盛りだくさん。集められた楽員たちがみな物見遊山気分なので、果たしてこの企みがうまくいくのだろうかと心配になったり、なぜこのような無茶な企みをしただろうか、ソリストのアンヌとは何者なのだろうか…とアレコレ予想しながら見進めます(思うツボ)。

で、どうにかコンサート本番までこぎつけます。演奏会1曲目がいきなり有望ソリストのコンチェルトとか普通ありえねえとか、一切のリハなしで演奏会に臨むとか、楽器の取り扱いの杜撰さとか、ぶっつけ本番で始めた序奏のあまりの下手さ加減とか(そりゃそうだ)、なめんなよってことが多すぎるわけですが(音楽に対する真摯な愛情が欠けているとCamillaさんがたいへん憤慨しておられた)、まあそこは映画の文脈ということで。

ともあれ、この作品はラスト12分なのです。コンサート本番、アンヌ=マリー・ジャケが演奏するチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。ド下手くそな序奏に続いてアンヌの独奏が始まると、一瞬にして場の空気が変わりました。その音を聴いて、アンヌがこの曲のソリストに指名された意味を、楽員全員が即座に悟るのです。それは「事変」が起こった当時にそれぞれの耳に深く染み付き、忘れることのできない音の記憶でした。そしてその忘れがたい音は、当時のアンドレイの熱心な特訓により、各楽員がわが身に叩き込んだ技術をも完全に呼び覚まし、彼らの演奏はガラリと変貌を遂げます。一方映像では、その当時の回想シーンがコンチェルトの旋律に乗せてフラッシュバックされています。アンヌの正体も含め、すべての真相が明らかになります。この堂々たる名曲を聴きながらのなんというカタルシス!! 

原題は「Le Concert」。「協奏曲」あるいは「コンサート」と訳すべきではないかと思っていましたが、コメディでもあり、オケ全員の物語でもあるのだからやはり「オーケストラ!」でいいのだなと思い直しました。

★★★★★

(2010/05/30@イオンシネマ金沢フォーラス)


【2010/08/04追記】
「演奏会1曲目がいきなり有望ソリストのコンチェルトとか普通ありえねえ」などと書きましたが、前半のプログラムが存在したはずとの指摘を受け、いろいろ検索して調べてみました。すると、この作品を気に入って映画館へ4回(!)も観に行った方のブログを発見。プログラムは以下の通りとのこと。
偽オーケストラのシャトレ座での公演は「チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、セレナード、プロコフィエフ」というプログラムの予定でした。セレナードはおそらくチャイコフスキーだと思うのですが、プロコフィエフは曲名は明かされません。
ラブリー脳でハッピーライフ - 映画『オーケストラ!』が素敵な理由 2
http://blogs.yahoo.co.jp/delightful_mikan/61178019.html

そういえば思い出してきました。交渉役のイワンが地下室から電話線に細工をしてパリの劇場に電話をかけて、その際プログラムを伝えたのでしたね。曲名不明のプロコが交響曲などわりと大きい曲ならば、普通はセレナード→チャイコン→休憩→プロコという曲順になりますが、だとしたら1曲目のセレナードの演奏はボロボロだっただろうなあと想像します。でも劇中でアンドレイがプロコフィエフ嫌いだと言ってましたから、プロコをメインにするとは考えがたい。ということはやっぱり、前半がセレナード→プロコで、休憩を挟んでチャイコンということになりますかね。ただこの場合、前半は間違いなくひどすぎて、後半はお客さんが随分と減っちゃうかもしれません。もしかするとホントにチャイコン→休憩→セレナード→プロコなのかも。あ、これだとプロコがメインになっちゃうか。うーん、よくわかりません。

【さらに】
最後の12分がなんとYouTubeにありました!(いいのかなあこれ)
アンヌやアンドレイ、楽員たちの表情の変化が絶妙。いま観たらそれぞれに意味がわかります。またちょっと泣いちゃいました。
その1:http://www.youtube.com/watch?v=aOPGepdbfpo
その2:http://www.youtube.com/watch?v=kBH6H5a3KHQ

【OEK定期243M】群響&OEKオール・チャイコフスキー・プログラム

いま抱えている仕事は佳境を迎えております。ですが前日の土曜日は休日出勤し、目いっぱい働いてそれなりに以降の目途がたったので、今日の日曜日はきっちり休みを取らせていただきます。

で、今日は群馬交響楽団とOEKの合同演奏会にまいります。OEKの編成ではなかなか演奏されないチャイコフスキーの交響曲が今日のプログラムには含まれております。群響の本拠地・高崎市は、今年2月に金沢市と友好交流都市協定を締結したそうで、そのお祝いの意味も兼ねた華やかな演奏会になりそうです。座席は2階中央ブロック最前列。こちらも絶好のポジションであります。

まずはプレコンサート。開場時間に合わせて始まるのですが、休日ですから徒歩で音楽堂でおもむいても余裕で間に合います。演奏はOEKが誇る原田智子さん&江原千絵さんのクール・ビューティ・ヴァイオリン・デュオ(?)。来週交流ホールでのコンサートで演奏予定のJ.S.バッハ、ミヨー、プロコフィエフの曲をいくつか。よどみなく美しい音色が素敵です。

続く本日のプレトークは、2008-2009シーズンのOEKコンポーザー・イン・レジデンスに就任した三枝成彰氏。現在、木村かをりさんがピアノを弾き、哲学者の中沢新一氏がナレーションを務める管弦楽曲の新作を制作中とのこと(9月の定期公演で初演予定)。本日の公演内容に関して、三枝氏いわく、チャイコフスキーは「作曲家が好きだといってはいけない作曲家3人のうちの1人」なのだそうです。残る2人はラフマニノフとプッチーニ。彼ら3人に共通するのは、彼らの楽曲は官能的で「情念」が前面に押し出され、思想性・社会性が感じられない点だとか。そのため、音楽に理知的なものを求めるインテリ西洋人にとっては軽蔑されるべき存在なのだそうです。しかしながら、日本人はそんなチャイコフスキーが大好き。というのも、日本人は中世古代から、酒に酔い、食に酔い、月に酔い、恋に酔い、官能的なものに陶酔することを好む民族でありまして(公家などはむしろそうして陶酔できる感性こそが教養高い証だとする)、音楽についても、官能的な音楽こそが素晴らしく、それに酔いしれることはむしろ教養的なのだという価値観が存在するからだといいます。それゆえ、三枝氏も作曲家ではありますが、日本人として堂々とチャイコが好きだと公言するのだそうです。

というわけで、前置きが長くなりましたが、官能的なチャイコフスキーの世界のはじまりです。まずはOEKによる「憂鬱なセレナード」。OEKコンサートミストレルのアビゲイル・ヤングさんが、いつもと同じ黒のパンツスーツ姿でソリストを務めます。楽曲は恋人に捧げる「小夜曲(セレナード)」ではありますが、単に甘美なだけでなく「憂鬱」なセレナードであります。切ないのです。しかも情感たっぷりのチャイコ様ですので、それはそれは感傷的な曲でありました。ダイナミックな印象の多いヤングさんも、この切ない旋律を繊細に奏でておられ、絶品でありました。

続いてはOEKメンバーが退場し、入れ替わりで群響メンバーの登場。各パート数人ずつOEKからも増強され、12-10-8-6-6(くらい)の弦編成。曲はチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番であります。冒頭のホルンによる印象的なモチーフと、弦楽部のジャン!でまず鳥肌。引き続き弦楽部により壮大なメロディが展開され、叩き付けるような規則的なピアノの和音で伴奏がなされます。ソリストはロシア出身のリリヤ・ジルベルシュタインさん。弦のボリュームにひとりで対抗できる力強い演奏です。第2楽章はピッツィカートに乗せるフルートがめちゃくちゃ綺麗。ロシア農民舞曲的な第3楽章では、井上マエストロのご機嫌なダンスも飛び出しました。

休憩をはさんでチャイコフスキー交響曲第4番。群響&OEKの合同演奏です。弦は17-13-11-9-7(くらい)の大編成となり、ステージ上の賑わいも壮観。各プルトとも表が群響メンバーです。OEKのコンサートでは指揮台なしの井上マエストロも、さすがに今回は指揮台に上ります。第1楽章冒頭は、ホルンとファゴットによる激情的なファンファーレで始まります。これが破綻もなく演奏され爽快。トランペットがこれに重層的に重なるとますます緊張感が漲り、逆に官能的な快感を覚えたり。その後全般的には悲劇的な旋律が繰り広げられつつ、この官能的ファンファーレが幾度か挿入され、第1楽章は相当にドラマティックです。オーボエの独奏が印象的な第2楽章が終わると、井上さんがいったん演奏をブレイク。マイクを取り出し、後半2楽章は各プルトの表と裏を交代すると告げました。「音色が変わるかな?」 いさかかびっくりしましたが、なかなかに興味深い趣向であります。そうして始まった第3楽章は、弦の楽しげなピッツィカートがしばらく続きます。やがてピッコロがかわいく響き、金管が控えめに行進曲風のメロディを鳴らします。農民の踊りと兵隊の行進を描いているとのこと。納得です。そしてフィナーレの第4楽章、本日今まで指揮棒なしで指揮してきた井上マエストロが、本日はじめて指揮棒を手にしました。その指揮棒を振り上げた瞬間、いきなり爆発的なフォルティシモが巻き起こりました。金管とシンバルがとりわけインパクト強烈。華やかな主題が繰り広げられ、ぐいぐい気持ちも盛り上がっていきます。その気分をスカすかのように、曲調がいったんふっと落ち着きますが、第1楽章の例の官能的なファンファーレが再び登場すると、いよいよクライマックスに向かって一直線。OEK渡辺さんがシンバルを連打します。高揚感はピークに達し恍惚の終結を迎えます。

何回かのカーテンコールの後、井上マエストロが高崎市・金沢市友好の「オーケストラだるま」を持って再登場。群響・OEKがともに目を書き入れて友好の証にしようと粋な提案。群響コンマス長田さんが目を書き入れた後、OEK側の書き込む人として井上さんが指名したのは、聴衆の少年(笑)。「君が書くことが意味があるんだよ」とマエストロ。

そしてアンコールは井上さん自身の作曲作品から。「メモリー・コンクリート」と題したその曲は、井上さん自身の半生を描いたものだとのこと。本日はこの曲の「乾杯のシーン」という部分だけの演奏でしたが、打楽器が効果的に使われていたり、日本の民謡ふうのメロディが採り入れられていたり、弦楽器のグルーヴ感がノリノリだったりと、かなりおもしろいオーケストレーションだったように思いました。で、なぜ「乾杯のシーン」かといいますと、途中で管楽器の方たちがビールジョッキに擬した打楽器的なものをとりだして、互いに乾杯!と言わんばかりに打ち鳴らすという突拍子もない演出が登場するのです。これには笑いました。そしてラストのいい感じで盛り上がる中、最後の最後で銅鑼を鳴らすところで、渡辺さんが一瞬バチを落としてヒヤリとしましたが、すかさす拾い上げてギリギリセーフ。なかなかにスリリングな思い出とともに、印象深い1曲になりました。

どうやら通路やオルガンステージなどには補助席が出されていたらしく、興行的にもかなりの盛況ぶりだったようです。個人的には比較的聴く機会の少ないチャイコフスキーでありますが、その官能的な美しさを充分に堪能できた演奏会でした。

オーケストラ・アンサンブル金沢
第243回定期公演マイスター・シリーズ
〜群馬交響楽団&OEK合同演奏会〜
オール・チャイコフスキー・プログラム

日時:2008年6月29日(日)15:00〜
会場:石川県立音楽堂コンサートホール
指揮:井上道義

■チャイコフスキー
 憂鬱なセレナード op.26

 〜ヴァイオリン独奏:アビゲイル・ヤング
  管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢
  コンサートマスター:松井直

■チャイコフスキー
 ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 op.23

 〜ピアノ独奏:リリヤ・ジルベルシュタイン
  管弦楽:群馬交響楽団
  コンサートマスター:長田新太郎

---休憩---

■チャイコフスキー
 交響曲 第4番 ヘ短調 op.36

 〜管弦楽:群馬交響楽団&オーケストラ・アンサンブル金沢
  コンサートマスター:長田新太郎&アビゲイル・ヤング

(アンコール)
■井上道義
 「メモリー・コンクリート」より「乾杯のシーン」
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quackeyは、オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)と中日ドラゴンズとナインティナインさんを応援しています!
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