ワチャゴナ! What Cha' Gonna Do for Me?

オーケストラ・アンサンブル金沢を中心としたクラシック音楽。あるいは歌謡曲。その他映画とか、落語とか、お酒とか…あと、ナイナイさん!!

ラヴェル

【OEK定期295PH】ニコラス・クレーマー指揮 フォーレ「レクイエム」(2011/2/20@石川県立音楽堂コンサートホール)

この日はフォーレ「レクイエム」をメインとしたオールフランスプログラム。まずはラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」。残念ながら冒頭の聴かせどころでいきなりホルンが上ずってしまいました。この曲が1曲目というのは聴き手にとっても演奏する側にとっても少々酷な気がします。その後は大きな乱れはなかったものの、速めのテンポがどうにも軽い印象。聴くたびに胸が切なくなるくらい思い入れのある大好きな楽曲なのですが、今回はどうも好みに合わず…馴染めないうちに終了。

次はフランスバロックのラモーで歌劇「プラテ」組曲。初めて聴きましたが、オシャレ感と奇抜さが同居していて、なかなか面白い曲でした。最後の曲でソプラノの小林沙羅さんが登場。彼女は2009年の金沢歌劇座オペラ「トゥーランドット」でリュー役を演じ、とても素晴らしかったという記憶がありますが、今回も美しいアリアを披露してくれました。引き続きフォーレのパヴァーヌ。OEK合唱団が加わります。合唱はやさしく穏やかで好印象でした。

後半はメインのフォーレ「レクイエム」。オケの配置が変わっていて、ヴィオラとチェロが最前列に陣取ります(ヴァイオリンの出番が少ないためらしい)。OEK合唱団やパイプオルガンもスタンバイOK。この曲はフォーレが自らの父母の死の後に作曲した作品だそうで、心からの安らかで誠実な鎮魂の想いが込められているように感じました。荘厳でどことなく心痛なモーツァルトとも、激情的でオペラふうなヴェルディとも明らかに一線を画すフォーレの「レクイエム」。いままでじっくり聴いたことはなかったのですが、名曲だなあと思いました。曲が終わっても、会場をしばらく静寂が包みます。聴衆のみなさんも思いは同じだったらしく、この余韻をしみじみと味わったようでした。

オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa
第295回定期公演フィルハーモニー・シリーズ
The 295th Subscription Concert / Philharmonie-serie

日時:2011年2月20日(日)15:00開演 Sunday 20 February 2011 at 15:00
会場:石川県立音楽堂コンサートホール Ishikawa Ongakudo Concert Hall
指揮:ニコラス・クレーマー Nicholas Kraemer, Conductor
独唱:小林沙羅(ソプラノ) Sara Kobayashi, Spprano
   与那城敬(バリトン) Kei Yonashiro, Baritone
合唱指揮:本山秀毅 Hideki Motoyama
合唱:オーケストラ・アンサンブル金沢合唱団 Orchestra Ensemble Kanazawa Chorus
コンサートマスター:アビゲイル・ヤング Abigail Young, Concertmaster

■M. ラヴェル Maurice Ravel (1875-1937)
 亡き王女のためのパヴァーヌ
 Pavane pour une infante defunte

■J-P.ラモー Jean-Philippe Rameau (1683-1764)
 歌劇「プラテ」組曲
 "Platee" Suite

■G.フォーレ Gabriel Urbain Faure (1845-1924)
 パヴァーヌ 作品50
 Pavane op.50

--- 休憩 Intermission ---

■G.フォーレ Gabriel Urbain Faure (1845-1924)
 レクイエム 作品48
 Requiem, op.48

Jazz会#10「ジョーをやっつけろ!」(2010/11/26)

月例のJazz会。今回のターゲットはずばりAJ=ジョーさんです。ロックとジャズが好きなジョーさんのために、JZ主宰はさすが彼のツボを心得た的確な選曲を、後半はCamillaさんがジョーさんをメロメロにするクラシックを提案します。するとジョーさんは「ジャズ&クラシック会ですね。後半ねむねむ会だったりして。クラシックにそんな Walk on the wild side な曲があるなら聴きたいもんだ、ハハハ!」とCamillaさんを挑発。Camillaさんはかえって闘志を燃やし、綿密なプログラムを用意したもようです(笑)。

JZ主宰、Kプロデューサー、izumiさん、ジョーさん、Camillaさん、quackey。今回はひさびさにフルメンバーが集結しましたよ。JZ主宰手作りのお惣菜や各自の持ち込み料理を味わいながら音楽を楽しみます。

JZ主宰提供の大根寿司、白山堅豆腐、quackey持ち込みのビールと甘えび押寿司。先日のバースデーコスモスも。
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Camillaさんお手製のかぼちゃのグラタンに、Kプロデューサー持参「大友家」の激うまおでん。
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ほかにもizumiさんは山下ミツ商店の厚揚げネギはさみ焼きと、リンゴと柿の柚子風味、Kプロデューサーからはポテトサラダ、Camillaさんは手作りラタトゥイユ、ジョーさんはバゲットにパテに焼酎「破壊王」、そして小樽「ルタオ」のドゥーブルフロマージュなど。豪華ですね!


【JZ主宰:疎なる音の隙間から透けて見える冬のはじまりを】
http://blog.goo.ne.jp/ken_jazz/e/63437b15c6d5a433664219961bbe6735

1.プロローグ:非欧米音楽でスタートはいつものことで
(1) Richard Bona:Toto Bona Lokua(2004,Universal Jazz)
(2) João Gilberto:João Gilberto (1973 )

2.弦楽器(ベース,ギター,バイオリン)を中心に
(1)David Friesen:The name of woman(2001, Intuition)
(2)Henri Texier: Mad Nomad (Label Bleu, 1995)
(3)Oregon: Crossing(1985, ECM)
(4)Ralph Towner: Time line (2006, ECM)
(5)Bill Frisell: Before We Were Born (1988, Electra)
(6)Bill Frisell(g) & Fred Hersch (p): Songs we know(1998, Electra)

3.唄もちょっとだけ
(1)Chet Baker: Diana (1985, Steeple Chase)
(2)Lina Nyberg: Brasilien (2001)

4.ソロピアノを中心に(最近しびれているモノを少々)
(1)Fred Hersch: Fred Hersch Plays Jobim(2009, Sunny Side)
(2)Keith Jarrettt: The Melody At Night, With You(1999, ECM)

5.エピローグ
Heinrich Neuhaus:Scriabin, Rachmaninov, Prokofiev, Shostakovich (1946-1958, Denon)
Scriabin:24 Preludes(24の前奏曲), Op. 11よりいくつか
Prokofiev: Visions Fugitives(束の間の幻想), Op. 22よりいくつか

JZ主宰は、ジョーさんと個人的にもよく一緒に音楽を聴いている中で、彼の嗜好を把握したようです。ジョーさんはギター・ベース好きではあるけれど、どうやら、音がぎっちり詰まった曲よりも、一音一音をきちんと聴かせる曲がお好みらしい。JZ主宰はそんなジョーさんのために「音と音の間」が印象的な曲を用意。無音にこそ音楽が潜むということでしょうか。うーむ、深い。

【Camillaさん:ジョーさんにささげる Walk on the wild side???】

■P.I.チャイコフスキー Pyotr Ilyich Tchaikovsky (1840-1893)
 ピアノ協奏曲 第1番 ロ短調 作品23 第1楽章・第3楽章
 Piano Concerto No.1 in B-flat minor, op.23 - 1st Mov./3rd Mov.
 ピアノ:アレクセイ・スルタノフ/指揮:マキシム・ショスタコーヴィチ/ロンドン交響楽団
 Alexei Sultanov, Piano / Maxim Shostakovich, Conductor / London Symphony Orchestra
 
■P.I.チャイコフスキー Pyotr Ilyich Tchaikovsky (1840-1893)
 交響曲 第6番 ロ短調 作品74 「悲愴」 第4楽章
 Symphony No.6 in B minor, op.74, "Pathétique" - 4th Mov.
 指揮:エフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルハーモニー交響楽団
 Yevgeny Mravinsky, Conductor / Leningrad Philharmonic Orchestra

■F.プーランク Francis Poulenc (1899-1963)
 フルートとピアノのためのソナタ 作品164
 Sonate pour flûte et piano, op.164
 フルート:マチュー・ドュフール/ピアノ:エリック・ル・サージュ
 Mathieu Dufour, Flute / Éric Le Sage, Piano

■M.ラヴェル Maurice Ravel (1875-1937)
 ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
 Sonate pour violon et piano
 ヴァイオリン:ダヴィッド・オイストラフ/ピアノ:フリーダ・バウアー
 David Oistrakh, Violin / Frieda Bauer, Piano

■M.ラヴェル Maurice Ravel (1875-1937)
 古典なるメヌエット Menuet antique
 水の戯れ Jeux D’Eau
 ピアノ:ジャン=フィリップ・コラール Jean-Philippe Collard, Piano

■M.ラヴェル Maurice Ravel (1875-1937)
 鏡 Miroirs
  1. 蛾 Noctuelles
  2. 悲しい鳥たち Oiseaux tristes
  3. 海原の小舟 Une barque sur l'ocean
  4. 道化師の朝の歌 Alborada del gracioso
 ピアノ:アンヌ・ケフェレック  Anne Queffélec, Piano

■M.ラヴェル Maurice Ravel (1875-1937)
 スペイン狂詩曲 Rapsodie espagnole
  1. 夜への前奏曲 Prélude a la nuit
  2. マラゲーニャ Malagueña
  3. ハバネラ Habanera
  4. 祭り Feria
 ピアノ:ルイ・ローティ、エレーヌ・メルシエ
 Louis Lortie and Helene Mercier, Piano

■M.ラヴェル Maurice Ravel (1875-1937)
 ラ・ヴァルス(2台ピアノ版)
 La Valse - pour deux pianos
 ピアノ:マルタ・アルゲリッチ、ネルソン・フレイレ
 Martha Argerich and Nelson Freire, Piano

■D.ショスタコーヴィチ Dmitri Shostakovich (1906-1975)
 2台のピアノのためのコンチェルティーノ イ短調 作品94
 Concertino for 2 pianos in A minor, op.94
 ピアノ:ドミートリィ・ショスタコーヴィチ、マキシム・ショスタコーヴィチ
 Dmitri Shostakovich and Maxim Shostakovich, Piano

■M.ラヴェル Maurice Ravel (1875-1937)
 マ・メール・ロワ Ma Mère l'Oye
  1. 眠りの森の美女のパヴァーヌ Pavane de la belle au bois dormant
  2. 親指小僧 Petit Poucet
  3. パゴダの女王レドロネット Laideronette, Impératrice des Pagodes
  5. 妖精の園 Le Jardin Féerique)

ジョーさんがCamillaさんの挑発に使った「Walk on the wild side」というのは、同性愛者やゲイの人の生活を唄った曲なんだそうです。そこから同性愛といえば…ということでまずは突然チャイコフスキー(笑)。あとはCamillaさんが大好きなラヴェルの、しかもとっておきの曲ばかりの連続攻撃が続きます。面白いのは、お手製プログラムが「あのねノート」仕立てになっていること。小学校低学年の児童が担任の先生に対して「せんせい、あのね」という書き出しで毎日書く日記のことだそうです。ぼくはその存在を知らなかったのですが、ぼくらより少し後の世代の人、あるいは地域によってはかなり一般的に採用されているようですね。プログラムのストーリーも面白く、つくりも凝っていてこの試みは素晴らしかった!

後日談として、翌日ジョーさんがクルマで今回のプログラムのCDを聴き始めたところ、朝の雲間が切れてスーっと明るくなったそうです。で、そのとき壮大に流れてたのがチャイコのピアコン。その神秘性ゆえかチャイコフスキーを見直したとのこと(伝聞)。チャイコフスキーはあくまでツカミのネタのつもりだったけど、気に入ってくれたのならまあいいや、と笑うCamillaさんでした。

IMA日本海交流コンサート with 井上道義&OEK(2010/08/26)

国内外の著名講師陣による若手音楽家の指導の場、いしかわミュージック・アカデミー(IMA)。今年も最終日はコンサートで閉幕です。過去のIMA卒業生で、現在各種コンテストで次々と優秀な成績を収めている若手演奏家を招いて、華やかなステージが繰り広げられました。今回招かれた若手ソリストは、全員がヴァイオリニスト。若々しい才能によって、ヴァイオリンと管弦楽が紡ぎ出す名曲が次々と聴けるとあってとても楽しみにしていました。座席は2階最前列。絶好。…でも、ほかの客の入りはいまいち?うーん、残念。

まずは今年のIMA受講生選抜メンバーとOEKによる合同演奏から。バルトーク「弦楽のためのディベルティメント」より第1楽章。両翼に第1・第2ヴァイオリン、中央にヴィオラが構え、その後ろにチェロ、そのたま後ろにコントラバスがそれぞれ横一列に並びます。OEKもたまに弦5部のみの合奏曲を演奏しますが、そのときよりも当然編成は大きく、さすがに弦の厚みが感じられました。古典の様式美を基調としつつ、バルトークらしい民俗的風味も漂う楽曲。IMA受講生選抜メンバーも無事破綻なく楽しむことができたようです。演奏後、井上さんが受講生たちの国籍を問うたところ、大多数が韓国とのこと。ほかにも中国、台湾などの受講生も多く、まさしく「日本海交流」コンサートなのだと納得しました。

次は正戸里佳さんによるラヴェルのツィガーヌ。冒頭からがっつり太くてボリューム満点のソロが響き渡ります。演歌的な押しと粘りのある響きとでも申しましょうか。音量、音質、技巧すべて申し分ありません。ただ、オケが入ってくるあたりから、少々気合が入りすぎたのか、先走り&空回り気味? オケとのタイミングが微妙にずれる場面が少なからずあったように思います。後半は、がんばれ!がんばれ!と応援しながら聴いていました。まあ、OEKの方も最初はちょっとバタついていた感がありましたしね。ただ、ツィガーヌの管弦楽版の実演って初めて聴きましたが、あらためて聴くとオーケストレーションがおもしろいですね。

前半の最後は、クララ=ジュミ・カンさんによるサン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」とサラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」。おお!ツィガーヌに続いてまたしても技巧披露曲、しかもなんという黄金の組み合わせ! 今年のLFJ金沢では、エリアイベントの無料コンサートで彼女の演奏を聴きましたが、人ごみの遠くからだったためあまり記憶にはありません。というわけで、今回の音楽会が楽しみだったわけですが、クララさんは赤いロングドレスで登場。21歳だそうですけど、プロフィール写真がいかにも子どもだったので、実際の姿を見て大人っぽさにビックリ。で、肝心の演奏の方は…いやはや!まったく素晴らしい! 奏でる響きには一切曇りがなく、一本ピシッと筋の通ったような端正さ。とりわけ弱音、高音に最高級の透明感があり、実に綺麗です。特に印象に残ったのは「序奏とロンド・カプリチオーソ」。個人的に好きな曲だということもありますが、この頃からオケもぐいぐいノッてきたのです。穏やかな序奏が終わり、ロンド・カプリチオーソに移る瞬間のカッコよさ!! マエストロ井上も、クララさんと正面から対峙。その気迫のこもった表情と身体全体の動きで、ますます彼女の力量が引き出されたような気がします。「ツィゴイネルワイゼン」でも、持ち味の美音に加え、数々の技巧が冴えていました。

休憩を挟んで後半は、マウラー「4本のヴァイオリンのための協奏交響曲」からスタート。鈴木愛里さん、青木尚佳さん、インモ・ヤンさん、松本紘佳さんの4人の若きヴァイオリン奏者が登場しました。鈴木さんと青木さんはおそらく20才前後、インモ・ヤンさんは唯一の男性で15才、松本さんはそれより下かも。曲は全体的には古典派的な形式。加えてメンデルスゾーンのような天真爛漫な明るさが感じられ、華やかな祝祭ムードに包まれます。そして、4つのヴァイオリンの協奏部分がまたおもしろい。主旋律を入れ替わり立ち替わり務めあい、あるいは4人がフーガ的に追いかけっこしたり、4人の中での組み合わせが目まぐるしく変わります。4人の間では楽しい室内楽で、オケとの関係は明るい協奏曲。まさに協奏交響曲の醍醐味ですね。4人の若きソリストたちも徐々に調子を出していき、最後はとってもハッピーな気分で結びました。意外によかったですよ、これ。ぼくは好きだなあ。で、作曲者のマウラーって誰?ってことなんですが(笑)、1789年にポツダムで生まれ、1878年ロシアのサンクトペテルブルクで亡くなったとのこと。生年はベートーヴェン(1770年)とシューベルト(1797年)の間くらいですから、古典派の終わり〜初期ロマン派あたり。曲想からして、まあ予想通りでしたね。

そして最後は、シン・ヒョンスさんのモーツァルト。ぼくは今回、この人個人のことは事前にあまり気に留めていなかったのですけど、舞台に登場した姿――ブルーのドレスをまとったショートヘアのスリム美人――を見て、見覚えがある!と。そして、その思いは彼女の奏でる音を聴いて確信に変わりました。昨年のIMAフェスティバルコンサートで、メンデルスゾーンのコンチェルトを素晴らしい演奏で披露したヴァイオリニストの彼女だったのです!いやあ、名前では記憶していなかったのですが、たしかに彼女――シン・ヒョンスさんでした。でも、音を聴いて思い出したって凄くないですか? その美しく繊細で、情感がきちんと伝わり、しかし確固たる芯のある音色。それもモーツァルトで。そう、最後の曲はモーツァルトなのですよ。バルトーク、ラヴェル、サン=サーンス、サラサーテと個性的・技巧的な曲が続き、ナゾのマウラー(笑)をはさんだ後に、穏当なモーツァルト。しかし、そのようにどちらかといえば技巧や表現力の幅を見せ付けにくい曲でなお、しかも特段癖があるわけでもないのに、その存在感がわかるというのがすごいと思うのです。

そうそう、ぼくはといえば、それこそ近頃はフランスもの、近代もの、ピアノ曲などに目覚めてしまい、そういったぼくにとって新鮮な曲ばかり聴いている日々でした。そのため、いままでは少なくとも週に数曲は聴いていたモーツァルトも、ずいぶん久しぶりな気がします。それでも、この日、井上さんの指揮でOEKのモーツァルトを聴いていると、ほとんど無防備に安らいでいる自分がいます。決して刺激的ではないけど、穏やかな幸福感に包まれる感じ。このいかにもOEK定期会員らしい古典派への親和性の高さに、自分でも苦笑いしてしまいました。とはいえ、最近は新しい音楽の味を知り、それに心を震わせているのも事実。そしていま、従来好んでいた音楽も依然として安らげることがわかりました。こうして、楽しめる音楽の幅がどんどん広がっていく。だから、最近ホントにシアワセな気持ちです。

シン・ヒョンスさんにはアンコールの舞台が用意されていました。クライスラーらしからぬ技巧的な曲。穏当なモーツァルトだけじゃなく、こういうのもできるのよ!と見せつけるような艶のあるレチタチーヴォと颯爽としたスケルツォでした。
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コンサート後、軽く食事をした後、ガレタッソさんへ。このパターン、やってみたかったのですよ。まあ、ぼくはほとんど初来店みたいなものなので(ホントは3度目だけど)、おとなしくしていたのですが、常連のお客さんの一人が、ぼくと中学校の同級生(同じ部活)だということが発覚。うへええ、こんなことあるんですねえ。最近、不思議な縁がつながっていくことが多く、なんだか楽しいです。
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IMA日本海交流コンサート
いしかわミュージックアカデミー with 井上道義&オーケストラ・アンサンブル金沢

日時:2010年8月26日(木)19:00開演 Thursday, 26 August 2010 at 19:00
会場:石川県立音楽堂コンサートホール Ishikawa Ongakudo Concert Hall
指揮:井上道義 Michiyoshi Inoue, Conductor

■バルトーク B.Bartok
 弦楽のためのディヴェルティメントより第1楽章
 Divertimento for strings, 1st mov.
〜合同演奏:OEK&アカデミー受講生

■ラヴェル M.Ravel
 ツィガーヌ Tzigane
〜ヴァイオリン:正戸里佳 Rika Masato, Violin

■サン=サーンス C.C.Saint-Saens
 序奏とロンド・カプリチオーソ 作品28
 Introduction et Rondo capricioso, op.28
■サラサーテ P.d. Sarasate
 ツィゴイネルワイゼン Zigeunerweisen
〜ヴァイオリン:クララ=ジュミ・カン Clara-Jumi Kang

---休憩---

■マウラー L.Maurer
 4本のヴァイオリンのための協奏交響曲 イ短調 作品55
 Concertante for 4 violins in A minor, op.55
〜ヴァイオリン:鈴木愛里、青木尚佳、インモ・ヤン、松本紘佳
 Violin: Airi Suzuki, Naoka Aoki, In-Mo Yang, Hiroka Matsumoto

■モーツァルト W.A.Mozart
 ヴァイオリン協奏曲 第4番 ニ長調 K.218
 Violin Concerto No.4 in D major, K.218
〜ヴァイオリン:シン・ヒョンス Hyun-Su Shin, Violin

(アンコール Encore)
■クライスラー F.Kreisler
 レチタティーヴォとスケルツォ カプリース 作品6
 Recitative and Scherzo-Caprice for Solo Violin, op. 6
〜ヴァイオリン:シン・ヒョンス Hyun-Su Shin, Violin

Summer Concertante 〜シューマンからメシアンへ〜 木村かをり&吉本奈津子@金沢21世紀美術館(2010/07/10)

ぼくは金沢21世紀美術館友の会の会員なのですが、今回、友の会会員は500円で聴けるコンサートが開かれました。プログラムはヴァイオリンとピアノのデュオ曲で、サティ、ストラヴィンスキー、ラヴェル、シューマン、メシアン。古典派管弦楽曲からクラシック愛好の道に入った者としては、なかなか食指が動きにくい顔ぶれではあります。ところが、最近よく音楽会でご一緒するCamillaさんの影響で、実はこのところラヴェルのピアノ曲にどっぷりハマってしまい(とりわけアルゲリッチの「夜のガスパール」!)、それ以来、近代の楽曲に対する偏見は一切なくなりました(先月の庄司さんのプロコフィエフもよかったし!)。むしろどんどん聴きたくて仕方ないくらいになってます。それと演奏者。ヴァイオリンの吉本奈津子さんは過去2回、OEKとの共演でコンチェルトを聴いたことがあり(2007年9月のベートーヴェン2009年2月のサン=サーンス)、その上品で誠実な演奏に好感を持っています。しかもピアノは百戦錬磨の木村かをりさん。第1回岩城宏之音楽賞である吉本さんにとっても、いいパートナーなのではないでしょうか。というわけで、Camillaさんにご同行願い、この興味深いコンサートに出かけました。

最初はサティ。3つの小曲から成る「右や左に見えるもの − 眼鏡なしで」。タイトルからして変なのですが、曲自体もやっぱり変な感じでした(なんだその感想)。サティはもともとそういう変なタイトルを付ける人らしいです。こういうワケの分からない曲を1曲目に持ってくることこそが、今回の音楽会における演奏者からのある種の宣言なのかなと思いました。

ストラヴィンスキー。この作曲家に興味を持ったのは映画「シャネル&ストラヴィンスキー」で。前衛的でとっつきにくいと思い込んでいたのですが、まるでそんなことはないとわかりました。今回のこの曲もいやいや実におもしろい。疾走躍動するピアノにヴァイオリンの技巧。終楽章は一転、センチメンタル。

次はラヴェル。ヴァイオリンとピアノのためのソナタ。これは素敵な曲…! 実はぼくはこの曲、今年2月にやはり木村かをりさんのピアノで聴いておりました。その時が初聴。ヴァイオリンは堅実な演奏をするOEKコンマスの松井さんでしたが、今回の吉本さんはさらに優しく繊細。第2楽章ブルースはやっぱりカッコいいですね。

※ただし、後日Camillaさんからもっと素晴らしい演奏があるとダヴィッド・オイストラフ&フリーダ・バウアーのCDをお借りたしたのですが…これはすごい!!色気があってカッコいい。悶絶します! というわけでこれも現在すっかりヘヴィーローテーションの1曲。
Violin SonatasViolin Sonatas
André Navarra

曲名リスト
1. Son Posthume: Allegro Moderato - Josef Suk/Josef Hala
2. Piece En Forme De Habanera - Josef Suk/Josef Hala
3. Son: I. Allegro - Josef Suk/Andre Navarra
4. Son: II. Tres Vif - Josef Suk/Andre Navarra
5. Son: III. Allegro - Josef Suk/Andre Navarra
6. Son: IV. Vif, Avec Entrain - Josef Suk/Andre Navarra
7. Son: I. Allegretto - David Oistrakh/Frida Bauer
8. Son: II. Blues - David Oistrakh/Frida Bauer
9. Son: III. Perpetuum Mobile - David Oistrakh/Frida Bauer
10. Tzigane, Rhap De Conc: Lento-Moderato-Allegro - David Oistrakh/Vladimir Yampolsky

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休憩時間にワインを1杯いただきまして…後半最初はシューマン。哀しみに覆われ、どことなく文学的なロマン派の楽曲。正確で上品な吉本さんのヴァイオリンがしっくりきます。実はシューマンもぼくはふだんあまり聴かない作曲家なんですけど(ピアノを弾く人とそうじゃない人の差)、今後はもっとたくさん聴いていきたい作曲家のひとりです。

次はメシアン。メシアンといえば木村かをりさんはエキスパートなわけですが、美しい音色の吉本さんのヴァイオリンに、ピアノが力強く相対していくのが印象に残ります。さすがです。まあ正直、ちょっと取っ付きにくかったですけど(汗)。

最後はラヴェルのツィガーヌ。きましたよ、これは。グッときますねえ。吉本さんはたぶんこれを一番演奏したかったのでしょう。ふだんは上品で丁寧な吉本さんのヴァイオリンに、この曲では特に気迫がみなぎっていたように思います。痛切に訴えかけるような…何か。そもそも楽曲自体が素晴らしいということもありますが、実によかったです。

アンコールは木村さんが武満徹、吉本さんが豪州の現役作曲家の作品をそれぞれ1曲ずつ。
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というわけで、近代を中心としたヴァイオリン&ピアノ曲の数々でございました。何と申しましょうか、音楽に何かしら主張があるというか…そこから感じ取れるものは、色彩であったり、鼓動であったり、物語性であったり。そのうえで、古典やロマン派のように必ずしも憶えやすい旋律ではないのに、ぐらんぐらん心を揺さぶられるのです。ぼくにとって新たな分野なんですけど、ますますハマリそうな予感を抱かせてくれました。そういうことも含めて、今回はとても素晴らしい演奏会でした!

金沢21世紀美術館友の会スペシャルコンサート
Summer Concertante 〜シューマンからメシアンへ〜

日時:2010年7月10日(土)16:00 Saturday, 10 July 2010
会場:金沢21世紀美術館 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa
出演:ピアノ:木村かをり Kaori Kimura, piano
   ヴァイオリン:吉本奈津子 Natsuko Yoshimoto, violin

■エリック・サティー Erik Satie
 右や左に見えるもの − 眼鏡なしで
 Choses vues à droite et à gauche (sans lunettes), for violin and piano (1914)

■イーゴリ・ストラヴィンスキー Igor Stravinsky
 デュオ コンチェルタンテ
 Duo concertante, for violin and piano (1932)

■モーリス・ラヴェル Maurice Ravel
 ヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調
 Sonata for Violin and Piano in G Major (1923-27)

-- 休憩 Intermission ---

■ロベルト・シューマン Robert Schumann
 ソナタ1番 イ短調 作品105
 Sonata no. 1 in A minor for Violin and Piano, op.105 (1851)

■オリヴィエ・メシアン Olivier Messiaen
 主題と変奏
 Thème et variations pour violin and piano (1932)

■モーリス・ラヴェル Maurice Ravel
 チガーヌ Tzigane (1924)

(アンコール Encore)
■武満徹 Toru Takemitsu
 雨の樹・素描II 〜オリヴィエ・メシアンの追憶に
 〜ピアノ:木村かをり Kaori Kimura, piano

■マシュー・ハインドソン Matthew Hindson
 人生の歌 Song of Life
 〜ヴァイオリン:吉本奈津子 Natsuko Yoshimoto, violin

木村かをり&OEK松井直・L.カンタの室内楽「ショパンの風〜ラヴェルの愛」(2010/02/17)

今年はショパン生誕200年。ラ・フォル・ジュルネ金沢2010のテーマもショパンです。ということで今回は、ラ・フォル・ジュルネ金沢の関連イベントのひとつとして、木村かをりさんを迎えてショパンとラヴェルの室内楽コンサートが開かれました。共演はOEKコンサートマスターの松井さんと首席チェロ奏者のカンタさん。OEK実力者による室内楽が1000円という安価で聴けるというので(地元銀行が協賛していたためのようです)、知らない曲ばかりでしたが、ひょいひょいと行ってまいりました。

前半はショパンです。まずはピアノ三重奏曲。ショパン唯一のピアノ三重奏曲だそうですが、チェロに重きが置かれています。ところが病み上がりのせいか、2、3楽章ではところどころ夢の中へ…

2曲目は「序奏と華麗なポロネーズ」。ピアノとチェロの二重奏です。ようやく目が覚めてきましたぞ(苦笑)。甘く歌うカンタさんのチェロが素敵!

休憩を挟んで後半はラヴェル。ヴァイオリンとピアノのためのソナタ。最初の一音からラヴェルのイメージそのもの。イタズラ好きの妖精のように(?)メロディが可愛く神秘的にころころと転がります。2楽章なんてまるでジャズ。

最後はラヴェルのピアノ三重奏曲。これもたいそう聴き応えがありました。ラヴェルが戦争に徴兵されたときの作品で、暗鬱な気分がうかがえます。でも、ラヴェルらしい宝石のような気まぐれな輝きもあり奥行きの深い曲でした。ただし少々難解ぽいので招待客主体の会場はうつむいている(居眠りしている)人多し(苦笑)。

アンコール曲はカンタさんの紹介で(笑)サティの「君が欲しい」をピアノ三重奏版で。サティってほとんど聴かないのでどんな曲だったなー?と一瞬戸惑いましたが、聴いたら誰でも知ってる曲でしたね。

といった感じでプログラム終了。今日はショパン生誕200年と銘打ったショパンメインの演奏会だったのですが、個人的には後半のラヴェルのほうにおおいに興味を惹かれました。ひさびさにラヴェルを聴き直してみるかなー?


木村かをりとオーケストラ・アンサンブル金沢メンバーによる室内楽シリーズ
「ショパンの風〜ラヴェルの愛」

日時:2010年2月17日(水)19:00開演 Wednesday, 17 February 2010 at 19:00
会場:石川県立音楽堂邦楽ホール Ishikawa Ongakudo Hougaku Hall

■フレデリック・ショパン Frederic Chopin (1809-1849)

○ピアノ三重奏曲 ト短調 作品8
 Trio pour violon, violoncelle et piano, Op.8

 〜ピアノ:木村かをり Piano: Kaori Kimura
  ヴァイオリン:松井直 Violin: Naoki Matsui
  チェロ:ルドヴィート・カンタ Cello: Ludovit Kanta

○序奏と華麗なポロネーズ ハ長調 作品3
 Introduction et polonaise brillante , Op.3

 〜ピアノ:木村かをり Piano: Kaori Kimura
  チェロ:ルドヴィート・カンタ Cello: Ludovit Kanta


--- 休憩 Intermission ---


■モーリス・ラヴェル Maurice Ravel (1875-1937)

○ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
 Sonate pour violon et piano

 〜ピアノ:木村かをり Piano: Kaori Kimura
  ヴァイオリン:松井直 Violin: Naoki Matsui

○ピアノ三重奏曲
 Trio pour piano, violon et violoncelle

 〜ピアノ:木村かをり Piano: Kaori Kimura
  ヴァイオリン:松井直 Violin: Naoki Matsui
  チェロ:ルドヴィート・カンタ Cello: Ludovit Kanta

(アンコール Encor)
■エリック・サティ Erik Satie (1866-1925)
 Je te veux(君が欲しい) ピアノ三重奏版


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quackey

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♪でもハートは中2さ〜
quackeyは、オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)と中日ドラゴンズとナインティナインさんを応援しています!
いちおう金沢検定中級保持者です。

「ワチャゴナ!」
ブログ名「ワチャゴナ!」の由来は、ナイナイさんも大好きな知念里奈さんの「DO-DO FOR ME」です!
♪ワチャゴナドゥーフォーミー!

Passage〜Best Collection〜
Passage〜Best Collection〜
知念里奈
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