ワチャゴナ! What Cha' Gonna Do for Me?

オーケストラ・アンサンブル金沢を中心としたクラシック音楽。あるいは歌謡曲。その他映画とか、落語とか、お酒とか…あと、ナイナイさん!!

庄司紗矢香

【LFJ金沢2011】ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2011 〜ウィーンのシューベルト〜 本公演第2日目(2011/05/03)

ラ・フォル・ジュルネ金沢「熱狂の日」音楽祭2011
〜ウィーンのシューベルト〜
LA FOLLE JOURNEE de KANAZAWA 2011 - Schubert a Vienne
第2日目(2011/5/3) the 2nd day (3 May 2011)

本公演2日目!といっても、本公演3日間のうち、初日は事実上夜の1公演くらいしかないので、この日こそが実質的な開幕という感覚です。金沢駅周辺にはお客さんもたくさん訪れていましたよ!

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《公演番号 221》庄司紗矢香+ヴァシリエヴァ+ダルベルト
2011年5月3日(火)11:00開演 石川県立音楽堂邦楽ホール
Tuesday, 3 May 2011 at 11:00 Ishikawa Ongakudo Hougaku Hall

ヴァイオリン:庄司紗矢香 Sayaka Shoji, Violin
チェロ:タチアナ・ヴァシリエヴァ Tatjana Vassiljeva, Cello
ピアノ:ミシェル・ダルベルト Michel Dalberto, Piano

■F. シューベルト Franz Peter Schubert
 ピアノ三重奏曲 第2番 変ホ長調 D929 作品100
 Piano Trio No.2 in E-flat major, D929, op.100

この日の最初は、今回のLFJKで最も楽しみにしていた公演! 何と言っても庄司さんですからね! さらに、昨年とても気に入ったチェリストのタチアナ・ヴァシリエヴァさん、そして一昨年昨年(は少々微妙でしたが)と連続出演中のピアニスト・ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ君という強力布陣。というわけで、即完売が予想されたこの公演に関しては早々にチケット確保済みなのでした。ところが、ヌーブルジェ君が直前に来日を取りやめたため、代役としてヴェテランのミシェル・ダルベルトさんが急遽トリオに加わりました。

で、今日の本番。2階席最前列。冒頭からなにより目立つのはダルベルトさんの強い打鍵! 響きのさほどよくない邦楽ホールでも大迫力で、トリオをグイグイ引っ張ります。庄司さんとヴァシリエヴァさんは、全体的には、急遽代役に立ったヴェテランに自由に弾いていただき、ふたりしてそのフォローに回ったという印象を受けました。なので、庄司さんとヴァシリエヴァさんの音色は少々抑えられ気味。そんなダルベルトさんに同行者は憤慨しておりましたが…まあたしかに室内楽としてのバランスはいただけなかったかもしれませんね…(^^ゞ でも、第2楽章あたりはヴァシリエヴァさんの歌いあげるチェロを堪能できましたし、こうして全曲通して聴いてみると、昨日聴いた「冬の旅」にも通じるような、感傷的な気分にどっぷり浸れる名曲だということを再認識しました。


《公演番号 213》井上道義&OEK 第5交響曲・キリエ
2011年5月3日(火)14:00開演 石川県立音楽堂コンサートホール
Tuesday, 3 May 2011 at 14:00 Ishikawa Ongakudo Concert Hall

指揮:井上道義 Michiyoshi Inoue, Conductor
ソプラノ:森岡紘子 Hiroko Morioka, Soprano
テノール:志田雄啓 Takehiro Shida, Tenor
管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa
合唱:オーケストラ・アンサンブル金沢合唱団 Orchestra Ensemble Kanazawa Chorus

■F. シューベルト Franz Peter Schubert
 交響曲 第5番 変ロ長調 D485
 Symphony No.5 in B-flat major, D485

■F. シューベルト Franz Peter Schubert
 キリエ ニ短調 D31 Kyrie in D minor, D31

■F. シューベルト Franz Peter Schubert
 キリエ ヘ長調 D66 Kyrie in F major, D66

お昼ごはんのためいったん音楽堂を離脱し、急いで帰ってきてコンサートホールへ。やはりひとつくらいは井上さん指揮OEKによる交響曲を聴きたいな、と。OEKの第5番は2009年7月に安永徹氏のリーダー&ヴァイオリンで聴きましたが(そのときの公演はCD化されてますね↓)、今回はそれ以来となります。

B003E838IGシューベルト:交響曲第5番 他
オーケストラ・アンサンブル金沢
ワーナーミュージック・ジャパン 2010-06-23

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3階席中央2列目。この公演は、北陸朝日放送により県内生中継されておりました。指揮の井上さんはテレビ映りを意識したか、グレーのスーツに水色のコンバースというLFJシューベルトコスプレで登場(笑)。得意顔で演奏が始まりました。この交響曲はお気に入り。モーツァルトを思わせる明るく颯爽とした古典的な曲です。でも今日の演奏はちょっと物足りない感じかなあ。全体的にもっと元気があっても良かったかも〜?

続いては、OEK合唱団のみなさんが登場してシューベルトのキリエを2つ。テノールは志田雄啓さんでしたが、3階席にはあまり声が届かない…というか、ソプラノの森岡紘子も含めてソリストの出番がほんのちょっとだけで拍子抜けしました…もったいない。しかしOEK合唱団は素晴らしかったです。真摯な心構えが伝わってきて好印象でした。

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《無料エリアイベント》
15:00 @シューベルティアーデ(石川県立音楽堂1階やすらぎ広場)
池辺晋一郎(司会・Pf)/安藤常光(Br)/大野由加(Pf)


(池辺・大野 Pf連弾)
■シューベルト:3つの軍隊行進曲 D733 作品51 より 第1番・第3番
(安藤・大野)
■シューベルト:「冬の旅」D911 作品89 より「おやすみ Gute Nacht」「溢れる涙 Wasserflut」
■シューベルト:「音楽に寄せて An die Musik」作品88-4、D547

ああ、「おやすみ」はいいですねえ。安藤常光さんのバリトンもエエ声でしたわ…

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池辺さんダジャレ連発(笑)。


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金沢駅東地下のイベント広場で、石川県高等学校選抜吹奏楽団の楽しげな演奏をちらっと。「坂の上の雲」のテーマなど。

16:00 @もてなしドーム
スキヤキ・スティール・オーケストラ


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南砺市の誇るスティール・オーケストラ。2年連続出場です! シューベルト「軍隊行進曲」「アヴェ・マリア」「楽興の時」から「島唄」「上を向いて歩こう(スキヤキ)」など。ノリノリ〜〜

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《公演番号 224》能舞とシューベルト
2011年5月3日(火)17:00開演 石川県立音楽堂邦楽ホール
Tuesday, 3 May 2011 at 17:00 Ishikawa Ongakudo Hougaku Hall

ヴァイオリン:西澤和江 Kazue Nishizawa, Violin
チェロ:福野桂子 Keiko Fukuno, Cello
ピアノ:田島睦子 Mutsuko Tajima, Piano

■L.v.ベートーヴェン Ludwig van Beethoven
 ピアノ三重奏曲 第4番 変ロ長調 作品11 「街の歌」
 Piano Trio No.4 in B-flat major, op.11 "Gassenhauer"


能舞:渡邊荀之助 Junnosuke Watanabe, Noh
ソプラノ:森岡紘子 Hiroko Morioka, Soprano
テノール:志田雄啓 Takehiro Shida, Tenor
ピアノ:多田聡子 Satoko Tada, Piano

■F. シューベルト Franz Peter Schubert
 歌曲集「美しき水車小屋の娘」 D795 より
 "Die schone Mullerin", D795

1階4列目。毎年欠かさず鑑賞している能舞とのコラボ企画。まずは地元演奏家によるベートーヴェンのピアノ三重奏曲「街の歌」から。お昼の豪華トリオとは違って、こちらは全員バランスよくまとまっていました(笑)。聴いた席がよかったのかも?

お次はシューベルト「美しき水車小屋の娘」を能舞付きで。テノール、ソプラノ、女性ピアニストの全員が和装になって演奏するという、なんともインパクトのある絵面! しかもテノール・ソプラノはひな壇の上に正座して朗々と歌い上げます。この稀有な歌唱姿は必見でした(笑)。しかしそうした外観の違和感は、テノールが調子を上げてきてくるにつれ、たちまちなくなり、能舞との相性が良くなっていきました。最後に登場した老尼などは、すっかりドイツ歌曲の世界の住人のようでした。


終演後、時間が少しあいたので、音楽堂前ステージ「ホイリゲ」へ。ブラシシモ・ウィーン金管五重奏による賑やかな演奏が盛り上がっていましたよ。パフォーマンスも楽しい!

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《公演番号 225》バッハ・コレギウム・ジャパン
2011年5月3日(火)19:00開演 石川県立音楽堂邦楽ホール
Tuesday, 3 May 2011 at 19:00 Ishikawa Ongakudo Hougaku Hall

チェロ:鈴木秀美 Hidemi Suzuki, Cello
ヴァイオリン:若松夏美 Natsumi Wakamatsu, Violin
ヴィオラ:高田あずみ Azumi Takada, Viola

■F. シューベルト Franz Peter Schubert
 弦楽三重奏曲 第1番 変ロ長調 D471(未完:第1楽章のみ)
 String trio No.1 in B-flat major, D471 - 1st Mov.

■L.v.ベートーヴェン Ludwig van Beethoven
 弦楽三重奏曲 第2番 ト長調 作品9-1
 String trio No.2 in G major, op.9-1

ふたたび邦楽ホールへ。2階席最前列。こちらもリチェルカーレ・コンソートという古楽アンサンブルの代役公演ですが、我が国随一の古楽アンサンブルの名門バッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーが来てくれたので、まったく問題なし!逆に豪華! チェロの鈴木秀美さんを中心に、めちゃめちゃ純度の高い極上のアンサンブルを楽しみました。なんていうんですか透明感。会場に聴きに来ていたOEKチェロ奏者の大澤さんもスタンディングで大拍手。

本日はこれで打ち止め〜〜




【おまけ】

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会場で売っていたLFJKのクリームパン

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ラ・フォル・ジュルネ東京2011のマグカップ


庄司紗矢香&カシオーリ デュオリサイタル@入善コスモホール(2010/10/30)

今年の6月、石川県立音楽堂でクリストプロス指揮南西ドイツフィルと共演した庄司紗矢香さん。プロコフィエフの素晴らしいコンチェルトが記憶に新しいところですが、今度は富山県入善町で、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタのデュオ・リサイタルをおこなうという情報を得ました。ぼくにとって庄司さんのベートーヴェンといえば、ラ・フォル・ジュルネ金沢2008でのヴァイオリン協奏曲。ステージ上で間近で聴いた感動が甦ります。これは今度もぜひ聴かずばなりますまい!

というわけで、クルマを走らせ(導入したETCが役立った!)、富山県東部の入善コスモホールまで聴きに行ったのでありました。駐車場の確保にちょっと手間取りつつも会場に到着、音響に定評があるホールで開演を待ちます。

庄司さんがピンクのドレスで登場しました。まずはソナタ第3番。…ああ、この音色だ。堂々としていながら決して大仰ではなく、澄み渡った音色が実に心地いい。3番ソナタというのはあまり聴いたことはなかったのですが、楽章の構成がわかりやすく、とても耳に馴染みがよい曲でした。

続いて第5番「春」スプリング・ソナタ。お馴染みの第一主題はゆったりとしたテンポでスタート。過度な華やかさに走ることなく、控えめに一歩引いた穏やかな「春」といった趣きです。これは面白い。庄司さんのヴァイオリンは終始丁寧で誠実。

休憩を挟んで後半は第9番のクロイツェル・ソナタ。冒頭の和音からシビレてしまいました。美しく澄んだ繊細な音色に、深遠で強靭な意志が秘められているように感じます。この日の庄司さんは譜面台を準備し、楽譜を見ながらの演奏。楽曲に込めたベートーヴェンの想いを、楽譜から忠実に表現していこうという真摯な態度が垣間見えます。作曲者に対する敬意にあふれている気がして心を打たれました。

共演の菓子折り…もとい(笑)カシオーリさんのピアノがまたいいですね。全般的には明るく素直な演奏で、庄司さんとのコンビも上々。淡々としているようにみえながら、自らが主張すべき箇所では軽快だったり激情だったりなど、豊かな表情をみせてくれました。

アンコールは2曲。第7番の第3楽章スケルツォ、そして第8番の第2楽章テンポ・ディ・メヌエット。最後まで気を抜くことなく、真面目に丁寧に音楽に対峙する二人。感動的です。

いやあ、いい演奏会でした。はるばる入善まで来た甲斐がありました。…というか、じつはせっかくの機会なのでこの後、近くの温泉に泊まったんですけどね(笑)。


なお後日、このデュオによる2番&9番ソナタのCDを入手♪
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第2番&第9番ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第2番&第9番
庄司紗矢香

曲名リスト
1. ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 作品12の2 第1楽章:Allegro vivace
2. ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 作品12の2 第2楽章:Andante piu tosto allegretto
3. ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 作品12の2 第3楽章:Allegro piacevole
4. ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 ≪クロイツェル≫ 作品47 第1楽章:Adagio sostenuto-Presto
5. ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 ≪クロイツェル≫ 作品47 第2楽章:Andante con variazioni(I-IV)
6. ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 ≪クロイツェル≫ 作品47 第3楽章:Presto

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庄司紗矢香&ジャンルカ・カシオーリ デュオリサイタル

日時:2010年10月30日(土)16:00開演 Saturday, 30 October 2010 at 16:00
会場:入善コスモホール(富山県入善町) Nyuzen Cosmo Hall, Nyuzen, Toyama

ヴァイオリン:庄司紗矢香 Sayaka Shoji, Violin
ピアノ:ジャンルカ・カシオーリ Gianluca Cascioli, Piano

■L.v.ベートーヴェン Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 ヴァイオリン・ソナタ 第3番 変ホ長調 作品12-3
 Violin Sonata No.3 in E-flat major, op.12-3
  1. Allegro con spirito
  2. Adagio con molt' espressione
  3. Rondo: Allegro molto

■L.v.ベートーヴェン Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 作品24 「春」
 Violin Sonata No.5 in F major, op.24 "Spring"
  1. Allegro
  2. Adagio molto espressivo
  3. Scherzo: Allegro molto
  4. Rondo: Allegro ma non troppo

---------- 休憩 Intermission ----------

■L.v.ベートーヴェン Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 ヴァイオリン・ソナタ 第9番 イ長調 作品47 「クロイツェル」
 Violin Sonata No.9 in A major, op.47 "Kreutzer"
  1. Adagio sostenuto - Presto - Adagio
  2. Andante con variazioni
  3. Presto

(アンコール Encore)
■L.v.ベートーヴェン Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 ヴァイオリン・ソナタ 第7番 ハ短調 作品30-2 より 第3楽章 スケルツォ:アレグロ
 Violin Sonata No.7 in C minor, op.30-2 - 3rd Mov. Scherzo: Allegro

■L.v.ベートーヴェン Ludwig van Beethoven (1770-1827)
 ヴァイオリン・ソナタ 第8番 ト長調 作品30-3 より 第2楽章 テンポ・ディ・メヌエット
 Violin Sonata No.7 in G major, op.30-3 - 2nd Mov. Tempo di minuetto, ma molto moderato e grazioso

【OEK定期282M】クリストプロス指揮南西ドイツフィル&庄司紗矢香(2010/06/16)

今回のOEK定期公演、管弦楽はOEKではなく、南西ドイツ・フィルハーモニー交響楽団。井上監督の意向なのか、OEKの労働事情の関係なのかよくわかりませんが、OEKの出ないOEK定期公演なんて、そんなことがあるのですね。ただ、南西ドイツフィルのエグゼクティブ・ディレクター、フロリアン・リイムさんは、以前OEKのチェロ奏者(その後OEKヴァイス・ゼネラル・マネージャー)でした。そういう関係で、このオケの日本公演のひとつとして金沢公演が実現したという面もあるのでしょう。指揮はヴァシリス・クリストプーロスさん。彼の指揮は今年2月にOEK定期公演石川県学生オケとOEKの合同演奏で聴いたばかりですが、いずれもいい印象を持っているので楽しみです。

1曲目はモーツァルトの「パリ」。冒頭の華やかな部分こそ少々ばたついたように聴こえましたが(ここが好きなんだけどなー)、その後は安定し、じゅうぶん満足できる演奏でした。少々色気には欠ける気がしますが、相当きっちりした楽団なのだなあと思います。バロック・ティンパニなど古楽器を使用し、弦はノン・ヴィブラートの対向配置。ピリオド・アプローチを意識した奏法で、一音一音の輪郭がクリアです。かといってシャープに過ぎるわけではなく、誠実で丁寧な印象。

さて次はお待ちかね、庄司紗矢香さんの登場。なんといっても今回の目玉ですね! 僕にとっては、2007年OEK定期初登場でのチャイコフスキーLFJK2008でのベートーヴェン(ステージ席!)に続いて、3度目の庄司さんのコンチェルトです。今回はプロコフィエフ。個人的にはあまり聴きなれない作曲家なのですが…。

第1楽章。冒頭の独奏からやはり心を奪われてしまいました。赤のドレスで登場した庄司さんは、不安げな主題を正面から見据えるように…しかし肩に力が入りすぎることなく、哀愁と艶に満ちた音色を響かせました。決して力むことなく、それでいてしっかりとした存在感。いやあ、さすが紗矢香嬢! 心震えっぱなしです。第2楽章は一転、甘美にして優しげ。第1楽章の終わりからピツィカートが実に楽しい。そしてやはり庄司さんといえば、エッジ鋭い高音の泣きたくなるような美しさ…! 第3楽章は圧巻!! 民俗舞踊のリズムが繰り広げられる中、紗矢香嬢の演奏は凄みを増していきます。不動の姿勢で鬼気迫る緊迫感。ドキドキが止まらない…!!

うひゃあ庄司さんさすがです。また、この曲自体すごくエキサイティングで素晴らしい…プロコさん、いままであまり聴いてなくてスミマセンでした。アンコールはバッハ無伴奏パルティータ第1番よりブーレ。果てしなく甘く美しい響き。こういう一面もあるんですよねえ。これまた感動…。

休憩。というか、もうすでに充分満足。本日の目的は達成したといってもいいんですが(笑)。別の席で鑑賞していたCamillaさんに遭遇。同様に満足した様子でしたが、後半のドヴォ8も注目だと進言されました。ほうほう。。。

ドヴォルザーク交響曲第8番。これもほぼ初聴。この音楽会の前に流し気味に聴いた程度です(新世界のカップリングでたまたま持っていた)。庄司さんが好きすぎてこの曲にはあまり気が回っていなかったのが実情なんですが、まあドヴォルザーク自体そもそもあまり詳しくないんですよ。思い起こせば音楽会に行き始めて2回目のときにドヴォルザークのチェロ協奏曲が演奏され、「恥ずかしながら初めて聴いたのだけど、素晴らしい!これ、すっごい好みだ。」とか書いてた。今思うと相当恥ずかしいですね。なお、この曲からOEKのメンバーが各パートに何人かずつ加わっています。これでいちおうOEKの定期公演という体裁にはなったかな(苦笑)。

ともあれ、ドヴォ8です……これは(・∀・)イイ!!
ああ、また軽率に言ってしまった?でも心からホントにそう思いました。南西ドイツフィルの演奏はさきほどのとおり実直ですが、この曲ではくわえて情感たっぷり。冒頭のチェロ合奏からすでにドヴォルザークのボヘミアンな叙情性がしみじみと伝わってきます。そして躍動感。みなぎる生命力。チェコの牧歌的な風景が目にうかぶような…。そもそもこのドヴォ8という曲自体が素晴らしいというべきなのかもしれないけれど、この弦の洪水を若きマエストロは華麗にドライヴさせます。第3楽章のワルツとか美しくて泣きそうですよ。第4楽章。トランペットの高らかなファンファーレ…チェロによる美しい主題…フルートの歌謡…コガネムシは金持ちだ(と聴こえるトルコ風の旋律)…なんと表情豊かで素敵な楽曲…!心踊るとはまさにこのこと!

アンコールはスラヴ舞曲第8番。これも燃えました!大満足です!庄司さんさえ聴ければそれでいいとか言ってスミマセンでした!
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終演後、Camillaさんが満面の笑みを浮かべているのをみて、やはり素晴らしいコンサートだったんだと実感。ホントは駆け寄ってハイタッチしたかったですけど、それは他の客の手前自重しました(苦笑)。さらに階上で鑑賞していたIさんも合流。いっしょに食事をしながら、このステキな音楽会の余韻を楽しんだのでした。

オーケストラ・アンサンブル金沢 Orchestra Ensemble Kanazawa
第282回定期公演マイスター・シリーズ
The 282nd Subscription Concert / Meister-serie
 
日時:2010年6月16日(水)19:00開演 Wednesday, 16 June 2010 at 19:00
会場:石川県立音楽堂コンサートホール Ishikawa Ongakudo Concert Hall
指揮:ヴァシリス・クリストプーロス Conductor: Vassilis Christopoulos
ヴァイオリン:庄司紗矢香 Violin: Sayaka Shoji
管弦楽:南西ドイツ・フィルハーモニー交響楽団 Orchestra: Southwest German Philharmonic
コンサートマスター:谷野響子 Concertmaster: Kyoko Tanino

■モーツァルト W.A.Morart (1756-1791)
 交響曲 第31番 ニ長調 K.297「パリ」
 Symphony No.31 in D major, K.297, "Paris"

■プロコフィエフ S.Prokofiev (1891-1953)
 ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 作品63
 Violin Concerto No.2 in G minor, op.63
 〜ヴァイオリン:庄司紗矢香 Violin: Sayaka Shoji

(アンコール Encore)
■J.S.バッハ J.S.Bach
 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002 より ブーレ
 Partitas for solo violin No.1 in B minor, BWV 1002 - Bourree
 〜ヴァイオリン:庄司紗矢香 Violin: Sayaka Shoji

--- 休憩 Intermission ---

■ドヴォルザーク A.Dvořák (1797-1828)
 交響曲 第8番 ト長調 作品88
 Symphony No.8 in G major, op.88

(アンコール Encore)
■ドヴォルザーク A.Dvořák (1797-1828)
 スラヴ舞曲 第8番 ト短調 作品46-8
 Slavonic Dances No.8 in G minor, op.46-8

庄司紗矢香さんOEK定期初登場!

オーケストラ・アンサンブル金沢
第222回定期公演フィルハーモニー・シリーズ

日時:2007年5月22日(火)19:00〜
会場:石川県立音楽堂コンサートホール
指揮:デイヴィッド・スターン
■コダーイ
 ガランタ舞曲

■チャイコフスキー
 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
 〜ヴァイオリン独奏:庄司紗矢香

(アンコール)
■J.S.バッハ
 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第1番より

---休憩---

■メンデルスゾーン
 交響曲 第3番 イ短調 作品56「スコットランド」

(アンコール)
■メンデルスゾーン
 劇付随音楽「夏の夜の夢」よりスケルツォ

この日の注目はなんといっても庄司紗矢香さんです。

庄司さんは思っていた以上に華奢で、まだまだあどけなさを残した少女の雰囲気。ところが、真紅のドレスでステージに現われた庄司さんは、むしろふてぶてしい感じすら見受けられました。そして演奏が始まると、これがまあすごい。荒々しく迫力満点の太い音が激しく響きます。「やさぐれ女」の風情を漂わせ、情感たっぷりです。いいなあ、このパワフル感。そして「やさぐれ」感。インパクトあるなあ。

第2楽章は一転して確かな技巧に基づいた繊細さを堪能しました。か細い高音のまあ美しいこと。第3楽章はふたたび激しく。しかし今回は気品さも備えて、才能を見せ付けるかのような堂々たる演奏。

「不幸な」結婚で傷付いたチャイコフスキーはスイス・イタリアへ旅に出ました。このコンチェルトは、その旅のさなかに作られた曲だそうですけど、今回の庄司さんの演奏は、傷心で自暴自棄になったもののやがて復活し名曲を生み出した作曲家自身の姿に重なる気もします(こじつけ?)。

なお、もともとこの曲の第1楽章は拍手したくなるような終わり方なんですが、案の定拍手が起こりました。でもその気持ちはよ〜く分かります。今日は拍手があっても自然に思えますね。それくらい充実したパフォーマンスでした。

「ガランタ舞曲」と「スコットランド」もよかったのですよ。荒涼とした欧州辺境の風景らしく、落ち着いたいぶし銀的存在でした。ただそのぶん、両曲の間に挟まれたチャイコンの印象がよけいに強烈で…。庄司紗矢香さんの激情的な演奏によってますます異彩を放っていました。
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quackey

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quackeyは、オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)と中日ドラゴンズとナインティナインさんを応援しています!
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ブログ名「ワチャゴナ!」の由来は、ナイナイさんも大好きな知念里奈さんの「DO-DO FOR ME」です!
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