ワチャゴナ! What Cha' Gonna Do for Me?

オーケストラ・アンサンブル金沢を中心としたクラシック音楽。あるいは歌謡曲。その他映画とか、落語とか、お酒とか…あと、ナイナイさん!!

金沢21世紀美術館

ペーター・フィッシュリ ダヴィッド・ヴァイス展@金沢21世紀美術館/金沢下町カレー博 in 柿木畠(2010/10/03)

日曜の昼から金沢のまちなかで行われるイベントを前に、少々早めに現地に到着。午前中すこし時間が空いたので、そういうときは!…と近所の金沢21世紀美術館へ。この秋から開催が始まった「ペーター・フィッシュリ/ダヴィッド・ヴァイス展」を観に行きました。

ペーター・フィッシュリとダヴィッド・ヴァイスは、ポリウレタンや粘土などによる立体作品、あるいは写真や映像といったさまざまなメディアを用いて身近な事象を描写し、ユーモアと知性を持って表現するアーティスト。鑑賞に時間のかかる映像作品が多かったため、イベントが始まるまで…という目的で訪れた今回はいくつも鑑賞をパスしてしまいましたけどね。ペーター・フィッシュリとダヴィッド・ヴァイスが着ぐるみを着ていろいろなんだかんだする「ネズミとクマ」という作品など。こんど時間があるときにじっくり観に来ることにしましょう。

ただしそんななか、つい釘付けになって最後まで観てしまった映像作品がございます。「事の次第」。タイヤ、梯子、ペットボトル、風船などのガラクタが、水、油、火、発泡などの物理的化学的な力によってドミノ倒しのように連鎖して次から次へとエネルギーを伝えていきます。要は壮大なピタゴラスイッチ。ひとつひとつのアイテムは、中学校の化学部(美術部ではない)の生徒レヴェルのオンボロ(笑)なのですが、ただしそれは、本人にとっても、観る者にとってもワクワクする会心の工作でありました。

あと、面白かったのは約90点の粘土作品群からなる「不意に目の前が開けて」。歴史上の出来事や、エンターテインメントにおける逸話、身近な生活のひとコマ、作家の思いついたアイディアや夢の断片などのイメージを粘土を使って形にしたものです。一見小学生の粘土細工かと見紛う出来という説もありますが(苦笑)、タイトルを参照しながら作品を観るとこれがとても楽しいのですよ。たとえばこんな興味深いタイトルの作品があります。「よくある逆さま語:上と下」「ラスベガスから学ぶこと」「間借り人」「モノリスの秘密を理解できないサル」「ピタゴラスは自身の定理に感服する」「昔の武器」「長靴を履いた猫」などなど。

そして円筒展示室に展開された作品は「質問」。真っ暗な室内に、プロジェクタによって数々の「質問」が絶え間なく浮かんでは消えていきます。正確な文面は覚えていませんが、「僕は仕事に行かなくちゃ行けないかな?」といった身近な疑問から「僕の感情は正しいのだろうか?」といった哲学的な問いまで、いずれもひょっとしたらいままで一度くらい心に浮かんだ「質問」が、観る者に常に投げかけられ続けるのです。次々と映し出される「問い」に対峙するのはじつは精神的に疲れるものですが、いろいろ考えるいい機会かもしれません。

常設のコレクション展をざっと観たところで(コレクション展も面白いものがあったのですが、紹介はまた後日)、この日は終了とします。ちなみに、この後のイベントというのは、金沢柿木畠商店街が主催する「柿まつり2010 金沢下町カレー博 in 柿木畠」というお祭り。商店街の寿司屋、おでん屋、居酒屋、中華料理屋、イタリアン、洋食店、バーなどがそれぞれ独自のカレーを販売、4枚綴り1000円のチケットを購入してあちらこちら食べ比べるというカレー好きにはたまらないイベントなのでした。

ぼくが食べたのは、ももやさんの「タイ風レッドカレー」、あまつぼさんの「ピリ辛すじ肉入りおでんカレー」、THEATREさんの「タイ風ココナッツレッドカレー」、グリル中村屋さんの「フライドオニオンカレー」、そしていたるさんの「板前さんのまかないカレー」です。うう、さすがにお腹いっぱい。。。連れは蛇之目寿司本店さんの「松茸ときのこのカレー」、えーじさんの「茄子ときのこの欧風トマトカレー」(ただし半分だけ)、ボーノボーノさんの「半熟チー玉牛すじカレー」でした。さまざまなカレーを存分に堪能しましたよ♪

写真はいたるさんのまかないカレーです。添えの昆布が絶妙!
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建築と音のアンサンブル「音のギャラリーツアー」@金沢21世紀美術館(2010/09/05)

金沢21世紀美術館の設計者、妹島和世さんと西沢立衛さんのユニットが建築界のノーベル賞といわれる「プリツカー賞」を受賞しました。この日は金沢21世紀美術館でお祝いのイベント「建築と音のアンサンブル」が開かれます。美術展の入れ替え時期を利用して,展示室から展示物をすべて撤去、すっかりがらんどうになった各展示室で、オーケストラ・アンサンブル金沢のメンバーがソロ〜九重奏の室内楽演奏をおこないます。時間は各回15分程度で合計3時間。その間、展示室のどこかから常に音楽が演奏されているというわけです。無料開放された展示室を、お客さんは自由に行き来し、音楽と建物を楽しむことができます。題して「音のギャラリーツアー」。なんとおもしろい企画!

●妹島和世+西沢立衛/ SANAA 祝プリツカー賞「建築と音のアンサンブル」
http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=24&d=974

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これはぜひ行かねば!ということでJAZZ会のいつもの面々をお誘いしたところ、JZさんizumiさんが反応。まだ暑い日曜の午後ですが、汗をかきかき美術館に辿りつきました。

まずは14時過ぎからお祝いの式典。OEKエンジェルコーラスによる開幕ファンファーレ(聴き逃した!)、山出市長・秋元館長の祝辞、受賞者あいさつ、井上道義OEK音楽監督の音頭による乾杯(ぼくらにも飲み物が振る舞われた!)に続き、井上監督指揮・OEKメンバーの九重奏によりオープニング曲が演奏されました。当地のピアニストであり作曲家である金澤攝さんによる新曲「暑中見舞」。陽射しが攻撃的に降り落ちる今年の夏を象徴していたというか…まあ、不協和音に複雑なリズム…現代美術の建物の祭典にふさわしく、いわゆるバリバリの「現代音楽」っていうやつです。演奏していた竹中のりこさんも「謎のファンファーレ」と(笑)。

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さて、その後はぐいぐい室内楽を連投して聴いていくのみ。金澤攝さんのピアノ演奏は、izumiさんは前からファン、JZさんもぼくも気になっているので全曲聴くとして、そのほかどのように回るかが考えどころです。以下、ぼくの拙いガイドによりJZさんを引き連れてハシゴした演奏を振り返ってみます。

妹島和世+西沢立衛/ SANAA 祝プリツカー賞「建築と音のアンサンブル」
Celebrating SANNA's Pritzker Prize: Ensemble for Sound & Architecture
《15:00 展示室14》
金澤攝(Pf)
■セザール・キュイ:4つの作品
 Cesar Cui: Quatre morceaux op.60 (1901)
展示室14は館内中央の円形の部屋。綺麗な曲ですが、ピアノの残響が予想以上に大きく、音が重なりすぎてかえって濁って聴こえてしまうような…? セザール・キュイはロシア五人組のひとり。

《15:30 展示室14》
坂本久仁雄(Vn1)、竹中のりこ(Vn2)、古宮山由里(Va)、福野桂子(Vc)、今野淳(Cb)
■B.ブリテン:シンプル・シンフォニー 作品4
 B.Britten: Simple Symphony, op.4
金澤攝さんの演奏のあと、別会場に移動したらどこも満室だったため、断念してふたたび展示室14に。弦楽五重奏に関してはこの部屋の残響がいい効果を発揮しました。弦の響きが力強くクリアに聴こえます。しかもこの曲自体、思ったよりわかりやすく親しみやすい楽しい曲。第2楽章のオールピッツィカートは残響が特に効果的でした。

《15:45 展示室5》
井上道義
■作曲中
 Composing
「作曲中」って何?って思ったら、ホントにキーボードとPCを持ち出して井上マエストロが作曲に勤しんでいました。そしてその模様をお客さんに公開する,と(笑)。

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《16:00 展示室14》
金澤攝(Pf)
■ジャン・フランチェスコ・マリピエロ:秋の前奏曲
 Gian Francesco Malipiero: Preludi autunnali (1914)
金澤攝(Pf)、坂本久仁雄(Vn)
■ジャン・フランチェスコ・マリピエロ:はるかな歌
 Gian Francesco Malipiero: Canto della lontananza, per violino e pianoforte (1919)
前回の後悔を踏まえて、最前列ピアノ開口部あたりの最前列をキープ(といっても地べたに座り込んでるだけだけど)。残響よりも直接の音を聴けるよう試みたところ、バランスが丁度良く大正解! 曲自体も素敵です。コロコロと光の粒が弾けるよう。ジャン・フランチェスコ・マリピエロはイタリアの作曲家。2曲目のヴァイオリンとのデュオもいい曲でした。

《16:15 展示室12》
Troy Googins(Vn1)、Vaughan Hughes(Vn2)
■B.バルトーク:44の二重奏曲より
 B Bartok: from 44 Duos
■J-M.レクレール:ソナタ第5番
 J-M.Leclair: Sonata No.5
狭い室内になんとか入り込みました。グーギンズさんとヒューズさんのデュオは立ち位置が面白い。バルトークは部屋の対角どうしに立ち、レクレールでは室内中央に。ただし向かい合ったり背中合わせになったり。狭い室内だからこそのパフォーマンスですね。

《16:30 展示室11》
Simon Blendis(Lead&Vn1)、大隈容子(Vn1)、藤田千穂(Vn1)、大村俊介(Vn2)、原三千代(Vn2)、Gyozo Mate(Va)、Shinyoung Baik(Va)、早川寛(Vc)、Margarita Kalcheva(Cb)、藤井幹人(Trp)、谷津謙一(Trp)
■M.シャルパンティエ:テ・デウムより
 M.Charpentier: from Te Deum
■O.レスピーギ:リュートのための古い歌と舞曲第3番より
 O.Respighi: from Antiche arie e dance per liuto No.3
■J.クラーク:トランペット・ヴォランタリー
 J.Clarke: Trumpet Voluntary
広い室内での九重奏。トランペットの残響はかなり大きいのですが、なにか教会を思わせるような高貴で厳粛な気分を味わわせてくれました。もっとも、そんな厳粛な雰囲気を一挙に和ませる事態が発生。ひとりの幼女が、演奏が始まると同時に立ち上がり、満面の笑みで踊りだしたのです。そのシアワセな光景に聴衆はもちろん、演奏者の皆さんも思わず笑みがこぼれました。

《16:45 展示室9・10》
原田智子(Vn1)、江原千絵(Vn2)
■L.ベリオ:二重奏曲より
 L.Berio: from Duos
短い曲ばかりだったためか、人の出入りが激しく落ち着いて聴いていられませんでした。よく聴いてみるとそうとう上手だったのですが…

《17:00 展示室14》
金澤攝(Pf)、坂本久仁雄(Vn)
■オットマール・ゲルシュター:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
 Ottmar Gerster: Sonata fur violine and Klavier (1950/51)
金澤攝(Pf)
■オットマール・ゲルシュター:シルエット
 Ottmar Gerster: Silhouetten (1968)
金澤攝さんの3公演目。ヴァイオリンとピアノのためのソナタ。素晴らしい。オットマール・ゲルシュターの素性は不明なのですが、ドイツだろうなあ。きちんとしたソナタでした。最後の「シルエット」楽しい雰囲気で、どことなくジャズっぽく。

《17:15 展示室3》
Sungiun Kim(Vc)
■J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BMV1009より
 J.S.Bach: from Suite No.3 in C major, BWV1009
やはりチェロ曲のド定番をこの空間で聴いてみたかったので。ただし、狭い室内の入口を覗き込むような形となり、音楽としては堪能できなかったかな。

《17:30 展示室4》
岡本えり子(Fl)、加納律子(Ob)、木藤みき(Cl)、渡邉聖子(Fg)、山田篤(Hr)
■D.アゲイ:5つのやさしいダンス
 D.Agay: Five Easy Dances
■M.アーノルド:スリー・シャンティーズ
 M.Arnold: Three Shanties
一転して広い室内。木管五重奏が室内左奥の角に設置され、聴衆もなぜか近くには寄っていかないため、部屋の奥の方はすっかり空いています。ぼくは座り込んでいる聴衆の最前列にいましたが、それでも演奏者まで15メートルくらい離れている格好。この部屋での木管の響きもいい感じでしたね。

《17:45 展示室2》
松井直(Vn1)、上島淳子(Vn2)、石黒靖典(Va)、大澤明(Vc)
■W.A.モーツァルト:弦楽四重奏曲 ト長調 K.387「春」より
 W.A.Mozart: from String Quartet in G major, K.387 "Spring"
■F.J.ハイドン:弦楽四重奏曲 変ロ長調 作品76 Hob.III-78「日の出」より
 F.J.Haydn: from String Quartet in B frat major, op.79, Hob.III-78 "The sunrise"
■D.ショスタコーヴィチ:バレエ組曲「黄金時代」作品22aより ポルカ
 D.Shostakovich: Porka from "The Golden Age", op.22a
ラストはOEKの日本人エース級奏者たちによる弦楽四重奏。おなじみのモーツァルトとハイドンも安らかに楽しめましたが、ショスタコ「黄金時代」のポルカ!これはいいですね。本来の管弦楽曲がピッツィカートを駆使した弦楽四重奏版に編曲され、技巧的でお茶目な雰囲気をおおいに楽しめました。なお、大澤さんとizumiさんは知己の間柄なので、演奏後、izumiさんを介してあいさつをさせていただきました。

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といった感じで怒涛の3時間が終了。お客さんも大勢訪れ、たいへん大盛況でした。公演をはしごして回るとか、まるでラ・フォル・ジュルネ金沢のような妙な高揚感とともに音楽に浸ったのでした。

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オラファー・エリアソン展/music@rt Season III vol.4 光の散策@金沢21世紀美術館(2010/03/22)

21世紀美術館で開催されている展覧会「オラファー・エリアソン - あなたが出会うとき」はこの日が最終日。いままでの会期中に一度しか行けなかったのですが、最終日に滑り込みで再訪できました。
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■一色の部屋 Room for one colour
いちばんのお気に入り。部屋全体を黄色い光が支配する空間はすべての色を奪い去ります。ぼくはこの部屋の角にしばらく座り込み、入室してくるモノクロの人々をぼんやりと眺めていました。

■ゆっくり動く色のある影 Slow-motion shadow in colour
対面の壁を照らす6色の光。壁の前に立つ人の影も6色に揺れます。これも自ら影を揺らすよりも、入室してくる人…特に子どもが自分の影が動くことを発見し、それを面白がってさまざまに試している様子がまた面白い。平行に光を放つライト群の真横に立って、そんな子どもたちのさまを観ているのです。

■動きが決める物のかたち Object defined by activity
暗室の中に、半球状に散りばめられた氷の結晶群が3つ。だがよくみるとそれらはすべて実際に水が噴き出ている噴水で、点滅するストロボライトによって静止した結晶のように見えたのでした。

■水の彩るあなたの水平線 Your watercolour horizon
真っ暗な円形展示室に足を踏み入れると、浅く水が張られた大きな円形のプールがゆらゆら水面を揺らしています。そして、プールの中心から水面に向かって細く照らす光が、揺れる水面に反射して、暗い内壁に投射されています。内壁にゆらゆら漂う光の波は、水面の揺れに同期して、さらに不思議に漂うのでした。これも長時間その空間に在って飽きることがありません。

■あなたが創りだす大気の色地図 Your atmosphere colour atlas
部屋中に充満する3色の霧。不快なはずの湿気もやわらかな色彩のおかげで心地よい潤いに。
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なお、屋外正面入口付近に、オラファー・エリアソンによる新たな常設展示作品「Colour activity house(カラー・アクティヴィティ・ハウス)」が完成していました。半円形の3色のガラスが重なりつつ渦巻状に立っており、見る角度によってさまざまな色の見方がします。
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さて、この日は井上道義さん&OEKプロデュースの金沢21世紀美術館ミニコンサート「music@rt SeasonIII vol.4 光の散策」も開催されます。オラファー・エリアソンにちなみ、光をテーマとした音楽を演奏。光の輝きのような鍵盤楽器「ジュ・ドゥ・タンブル」も登場するとのこと。ぼくは14時と15時の2回を鑑賞しました。

第2回(14時)
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第3回(15時)
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全編通して井上マエストロが進行役を務めます。1曲目は、このコンサートのチラシにも使われているルノワールの絵画「森の中の小路」をモチーフとした楽曲。OEKオーボエ奏者の加納さんが伸びやかに独奏。まさに絵の雰囲気そのままに、森の葉の間から光がふんわりこぼれてくる感じ。演奏中、井上マエストロが加納さんにちょっかいをかけてきますが(やりたい放題!笑)、加納さんは笑顔で切り返しながら吹き通していました。

引き続き井上さんのパフォーマンスは途切れることがありません(笑)。ドラティ「ゆりかご」では演奏スペースに置かれていたホンモノのゆりかご。観客の子どもに寝てみたらと誘ったり、しまいには自ら入ろうとしてみたり。

ブリテンの「パン」という曲は、ギリシャ神話にある水の妖精シュリンクスに恋をした牧神パンの逸話から。パンにつきまとわれたシュリンクスが水に飛び込んで葦に身を変えたところ、パンはその葦の茎を束ねて笛にして、シュリンクスのことを想いつつ吹き続けたのだとか。井上さんは演奏中にこの神話を忠実に(?)再現します。加納さんをシュリンクスに見立てて求愛し続けるマエストロ。やがて演奏スペースに準備してあった葦の茎(らしきもの)を拾い集めて笛にして、哀しげに吹く真似をしていました。

最後は金沢在住の作曲家・ピアニストの金澤攝さんが登場。加納さん、パーカッション奏者の大久保さんとともに、金澤さんの新作「光の踊り」の初演がおこなわれました。とりわけ今回のメダマは、金澤さんが演奏する「ジュ・ドゥ・タンブル」なる鍵盤楽器でありました。見た目はチェレスタやオルガンみたいですが、言ってみれば鍵盤付きの鉄琴とでも申しましょうか。硬質で透明感のある音色は、まさにキラキラと輝きながらこぼれ落ちる光のイメージそのものでした。
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なお。

なお、当時ツイッターで時々会話を交わしていた @iiizmiii さんとこの会場でニアミス。ただし互いに顔を知らなかったため、直接お話しすることはなかったのですが(のちに対面を果たし、現在ではおかげさまで音楽&飲みで仲良くさせてもらってます)、演奏後、彼女が撮影に成功した井上マエストロの写真がコチラ。

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さすが井上さん!サービス精神満点ですね!


井上道義&オーケストラ・アンサンブル金沢21世紀美術館シリーズ
music@rt Season III vol.4 光の散策

日時:2010年3月22日(月・振替)13:00-/14:00-/15:00- Monday, 22 March 2010 at 13:00/14:00/15:00
会場:金沢21世紀美術館 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa

ナビゲーター:井上道義 Navigator: Michiyoshi Inoue
オーボエ:加納律子 Oboe: Ritsuko Kano
ジュ・ドゥ・タンブル:金澤攝 Jeu de Timbres: Osamu N. Kanazawa
パーカッション:大久保貴之 Percussion: Takayuki Okubo

■ジルヴェストリーニ Gilles Silvestrini
 「6つの絵」より第4曲「森の中の小路(オーギュスト・ルノワール, 1874)」
 "Sentier dans les Bois (Renoir, 1874)" from Six Tableaux pour hautbois solo

■ドラティ Antal Dorati
 5つの小品より 第4曲「ゆりかご」
 “Berceuse” from Five Pieces

■ブリテン Benjamin Britten
 「オヴィディウスによる6つの変容」より第1曲「パン」
 “Pan”from Six Metamorphoses after Ovid op.49

■金澤攝 Osamu N. Kanazawa
 「光の踊り」(新曲)
 “Danze Luminose”

未完の横尾忠則―君のものは僕のもの、僕のものは僕のもの@金沢21世紀美術館

グラフィックデザイナーでアーティストの横尾忠則氏による作品展。名前は知ってるけど、具体的な作品を問われても正直言ってピンとこないのですが(美術の教科書に載ってた?)、各展示とも、とてもおもしろく見られました。

最初の展示室から興味津々。ひたすら「Y字路」を描いた作品が並んでいます。圧巻です。まず、Y字路に着目したっていうのがそもそもヤラレタ!という感じです。どんだけY字路好きなんだ!とニヤケてきます。…と思ったら、知らないのは自分ばかりで、横尾氏は以前から「Y字路」シリーズの作品をつくっていたのですね。調べてみたら、5年前にも「ほぼ日」でタモリさん、糸井重里さんと対談していました。
ほぼ日刊イトイ新聞 ― Y字路談義。横尾忠則・タモリ・糸井重里が語る芸術?

ほかにも、桃色肌の裸体女性をモチーフとした「ピンクガール」シリーズというのがあります。これらは1960〜70年代に発表されたらしいのですが、最近それらの設定やニュアンスを微妙に変えて、別ヴァージョンを続々と自己複製しているのでした。「Y字路」「ピンクガール」はともに現在進行形、横尾氏の中では決して完結していないということですね。大量の未発表・未公開作品の展示も含め、「未完」というテーマの意味がようやく理解できました。

Y字路の次にぼくが釘付けになったのは、波紋が広がる水面下で人間が高速でコマ回転しているのを真上から見たところ(よくわからないですよね)みたいな作品群です。その水面らしきものの上に文字が浮かび上がっているのですが、その文字は上下左右が逆になっています。で、その作品のタイトルが「この絵を逆さに見ないでください」ですって。ハハハ。この作品を最初に描いたときは、どんどんいろんなパターンを描きたくなる手法を見つけた!という感じで、ワクワクしたんじゃないかなと想像します。

この「水面」シリーズ(と、ぼくが勝手に名づけています)の中に「君のものは僕のもの、僕のものは僕のもの」という作品があります。これが「水面」シリーズの中でもいちばん凝視していた作品だったのですが、この「君のものは僕のもの、僕のものは僕のもの」というジャイアン的思考のひとつの具現が、最終展示室にあるアンリ・ルソーのパロディシリーズではないでしょうか。なるほどルソーという画家の作品はやわらかく鮮やかな色彩ながらどことなくシュールで若干キュビスムな匂い。横尾氏がシンパシーを覚えるのもうなづける作風です。横尾氏はルソーの作品をいったん自分の中に取り込み(君のものは僕のもの)、もしもシリーズ的発想で元ネタと別ヴァージョンの作品を新たに生み出します(僕のものは僕のもの)。そうして展示してあるルソーの元ネタを見て、その横にある横尾氏の作品を見ると、これがいちいちおもしろい。思わず声を上げて笑ってしまいましたよ。

昨年、世田谷美術館でおこなわれた横尾氏の作品展(「冒険王・横尾忠則」)でもルソーシリーズが公開されていたそうで、「ほぼ日」でも特集をしていました。そのサイトでルソーシリーズの絵が見られます。2ページ目の「正確な寸法で描かれたルソー像」とか(笑)。
ほぼ日刊イトイ新聞 ― 冒険王、横尾忠則。


ほかにも、おびただしい数の「滝」の写真のポストカードとか、写真やらチケットの半券やらを貼り付けた実際に使った日記帳とか、Y字路作品の制作風景ビデオとか、見どころ満載の作品展。オススメです。

(2009/08/15@金沢21世紀美術館)

金沢21世紀美術館 未完の横尾忠則―君のものは僕のもの、僕のものは僕のもの
期間:2009年8月1日(土)〜2009年11月3日(火)
会場:金沢21世紀美術館 展示室7〜12、14、プロジェクト工房
料金:(当日)一般=1,000円、大学生・65歳以上=800円、小中高校生=400円

金沢アートプラットホーム2008:「PIKAPIKA」「31世紀こころの美術館」そして「ミチコ教会」

11月9日の日曜日、金沢検定を受験してきました。前年不合格だった中級に再挑戦です。直後の手ごたえは合否五分五分といったところでしたが、受験会場の金沢大学からの帰途、思い立って兼六園へ寄り(石川県民なので日曜日は無料♪)、いくつかあった兼六園関連問題の答えあわせをしたところ、結構間違えていたことが判明。がっかりです…。

気を取り直して、金沢21世紀美術館へ。常設展示をひととおり観たあと(友の会会員なので無料♪)、「金沢アートプラットホーム2008」参加作品である「PIKA PIKA in KANAZAWA 2008」という映像作品を鑑賞。「金沢アートプラットホーム2008」とは、金沢21世紀美術館が金沢の街を舞台として現在展開している展覧会プロジェクトです。この「PIKA PIKA in KANAZAWA 2008」というのは、ペンライトで空中に絵を描いた光の軌跡をつなぎ合わせたアニメーション作品。今回上映されたのは金沢市民も参加し、金沢を舞台としたもので、キレイで楽しい作品でした。

「PIKA PIKA in KANAZAWA 2008」の予告編映像です。


引き続き、旧香林坊郵便局であるNTT香林坊ビルへ。「金沢アートプラットホーム2008」では、こうした空きビルやの空きテナントでも展覧会が行われているのです。4階で開かれていたのが「31世紀こころの美術館」。一般の人の思い出深い品物が展示されています。子供のころに使っていたクツとか、ぬいぐるみとか、長い間使い慣れた電卓とか。自分にとってのこうした宝物というのは何だろうか?と思わず考えてしまいますね。

これら「PIKAPIKA」と「31世紀こころの美術館」は開催前から興味をひかれ、あらかじめ観に行こうと思っていたイベントでした。でもこのビルの2階でもイベントをしていたのは知りませんでした。「ミチコ教会」という映像と写真による作品展示です。せっかくなのでついでに覗いてみたところ、入り口から薄暗くかなり怪しい雰囲気。不安を抱えながら映像作品を観たところ、思いのほかぐいぐいと惹きこまれ、30分の上映時間があっという間に経ってしまいました。

「ミチコ教会」は、山の中で老夫婦が暮らす粗末な(というかボロボロの)教会。夫の吉郎さんが妻の「ミチコさん」と結婚式を挙げるために自ら建てたから「ミチコ教会」。若いカップルを祝福しながら長年質素に暮らしてきましたが、夫が亡くなり、ミチコさんはこの教会を続けようか頭を悩ませることになります。

…なんか、せつなくなりましたね。そのひとの人生にとって本当に大事なものは何なのか、しみじみと考えさせられてしまいます。この作品は、ドキュメンタリーっぽい作りではありましたが、作者は必ずしもドキュメンタリとは明らかにはしてないようです。ドキュメンタリーであってほしいような、フィクションであってほしいような、不思議な気分です。全く予定外に鑑賞したイベントでしたが、強烈に心に残りました。


ちなみに、「金沢アートプラットホーム2008」はイベントにより有料なものもありますが、友の会会員は無料です。イエーイ♪

シネマ歌舞伎「野田版研辰の討たれ」@金沢21世紀美術館

金沢21世紀美術館では、現在「日比野克彦アートプロジェクト『ホーム→アンド←アウェー』方式 meets NODA [But-a-I] 」と題し、劇作家・演出家の野田秀樹氏をゲストアーティストに迎え、演劇要素を美術館表現に導入するプロジェクトが進行中。この日はそのプロジェクトの一環として、野田秀樹氏が脚本・演出を手がけた歌舞伎「野田版 研辰の討たれ」の「シネマ歌舞伎」版が上映されました。HD収録した舞台の映像をスクリーンで上映するもので、上演された主要各都市では好評を博しています。今回、金沢に初登場するというので出かけてきました。

この作品、役者やお囃子、舞台のつくりといった舞台素材は歌舞伎のものですが、その他芝居の進め方全般は歌舞伎のそれとはかなり違います。普通の舞台劇、しかも相当わかりやすい喜劇として観ることができます。予備知識はまったく不要で、歌舞伎を知らない人もすんなり観られることでしょう。なお、上演・収録当時(平成17年5月)に流行った波田陽区やアンガールズのギャグが劇中で使われていますが、これに関しては、今観るとけっこうツライものがあります。

「研辰」とは刀研職人から武士になった本作の主人公・守山辰次のこと。赤穂浪士討ち入りに沸き立つ剣術道場の同僚に対し、辰次はこれを揶揄し、同僚の激しい反感を買います。辰次は屁理屈をこね、主君の奥方に取り入って何とか正当化を図るのですが、結局、家老にさんざんに打ち据えられてしまいます。そこで辰次は家老に仕返ししようと軽いイタズラを仕掛けます。ところが家老は思いがけず死んでしまい、辰次は不本意にも家老の息子兄弟に追われる身になります。

仇討ちを馬鹿馬鹿しいものと言い放ち、口八丁で強者に取り入り、土下座も厭わず媚びへつらい、往生際悪く逃げ回る――武士道に心震え、任侠に恍惚を覚えるような従来の歌舞伎的価値観からは、そうとう異質な作品です。もっとも、だからこそこの作品は現代の舞台作家によって甦るのがふさわしいといえましょう。勘三郎(当時勘九郎)さんの愛嬌のある軽妙な振る舞いが、そうした異質な価値観を自然に受け入れる手助けとなります。そして、従来の美学を滑稽に笑い飛ばすだけでなく、あっと息を飲む意外な終わり方は、その後味の悪さ、苦々しさによって、仇討ちの美学に対するアンチテーゼ性をさらに増幅しているように思われます。

B000276YRO歌舞伎名作撰 野田版 研辰の討たれ
中村勘九郎, 野田秀樹, 坂東三津五郎
NHKエンタープライズ 2004-07-23

by G-Tools


なお、このシネマ歌舞伎鑑賞の前後も、ひさびさに金沢21世紀美術館に長居して芸術の秋を堪能しました。まずは「サイトウ・マコト展:SCENE [0]」を鑑賞。グラフィックデザイナーであるサイトウ・マコト氏によるデジタル絵画の個展です。映画のワンショットをデジタル加工した作品群はどれもどこか客観的で、突き放されたような感覚に陥ります。再訪してもう一度じっくり観てみたい作品もいくつかありました。

シネマ歌舞伎上演終了後は、館内で、先日OEK定期公演にも登場したクレメラータ・バルティカの首席奏者たちによる室内楽が演奏されていました。題して「Re:Baltic Passion バルト海からの響き、再び」。OEKと21世紀美術館の連携企画「music @rt」の一環です。曲はメンデルスゾーンの弦楽五重奏曲第2番変ロ長調。OEK定期公演のときにも思ったのですが、クレメラータ・バルティカのみなさんはひとりひとりが響かせる音量が豊富。それを濁りのない美しいアンサンブルに組み立ててくれるのですからその素晴らしさに圧倒されるのです。

その後「コレクション展II」へ。今回のコレクション点は、奈良美智氏のキュートな作品をはじめ、アニメ趣味に通ずるポップな作品が多いようです。そして、クレメラータ・バルティカの2回目のパフォーマンスを再度堪能し(今回は1曲目のヴィタウタス・バルカウスカス「ヴァイオリン独奏のためのパルティータ」も聴けた)、帰路についたのでした。

(2008/09/21@金沢21世紀美術館)

我が文明:グレイソン・ペリー展@金沢21世紀美術館

金沢21世紀美術館です。
いま、建物を朝顔が取り囲んでいます。
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「明後日朝顔プロジェクト2007」
http://www.kanazawa21.jp/exhibit/hibino/index.html

20070819_marubi_asagao2
涼しげです。

「我が文明:グレイソン・ペリー展」
http://www.kanazawa21.jp/exhibit/perry/index.html

この展覧会のポスターなどで「何がいやなのか?」という陶芸作品が使われているのですが、その壷のてっぺんに立っているクマ(「アラン・ミーズルス」というそうです)がめちゃめちゃキュートなのです。なので、キュートな作品にあふれているのだろうなと想像しつつ、グレイソン・ペリーというのがどんな人なのかとかもまるで知らずにやってきました。

作品は色彩が鮮やかで、やっぱりかわいい作風でした。壷に大胆に絵が描かれたり、意外なコラージュがなされたり。ただ、パッと見てかわいいなあと思って作品を凝視すると、モチーフがモロに卑猥だったりします。「○○かよ!」とひとりツッコミしつつ、ほくそ笑んでしまいます。なので、世界観は基本的にエロくてグロいです。アイロニーたっぷりですが、とってもおちゃめです。

クマのアラン・ミーズルスはリアル写真ではぼろぼろでした。でも「何がいやなのか?」はじめ、ちょくちょく作品にも出てきます。黄金に輝いて祭壇に祀られてるやつは特によかった。あれは部屋に飾って毎日拝みたいくらいです。

あと、釘付けになったのはエッチング。「英国男の地図」という脳内メーカーみたいなのと、いろんな政治的立場の人々を逆説的に描いた「政治家のための版画」です。どっちも、強烈な皮肉が効いていてひじょうに興味深い。じっくり解読したくて、これ以上作品に近寄らないようにと床に白線ぎりぎりに立ってずっと見ておりました。
わたしは前からエッチングの銅版画がしたいな〜と思っていたのですが、まさにこういうのが描きたいのだなあ。いいなあ、エッチング。エッチングしたいなあ。

なお、キャンペーンをやっていたので「金沢21世紀美術館 友の会」に入会しました。年会費3000円で美術館主催展覧会が無料。すぐモトがとれますね。「グレイソン・ペリー展」は今月いっぱいですが、もう一回行っちゃうかも。もうひとつ「パッション・コンプレックス」というオルブライト=ノックス美術館コレクションによる展覧会もやってましたが、これは今日はナナメ見。11月までやってるので、時間があるときにじっくり見ることにいたしましょう。
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