ワチャゴナ! What Cha' Gonna Do for Me?

オーケストラ・アンサンブル金沢を中心としたクラシック音楽。あるいは歌謡曲。その他映画とか、落語とか、お酒とか…あと、ナイナイさん!!

金澤攝

金澤攝「ピアノ・エチュード大観」ー 1830年代のエチュード史 ー 第2景 フレデリック・ショパン/ジギスモント・タールベルク(2010/10/01)

先日の第1景(フェルディナント・ヒラー)から始まった金澤攝さんのピアノ独奏シリーズ「ピアノ・エチュード大観」。今夜取り上げる作曲家はショパンとタールベルクです(タールベルクって知らないなあ)。

というわけで、今夜も演奏がはじまったのですが…うーむ、ちょっとこれはひどいなあ…金澤攝さんのピアノ。早いパッセージに指がまったくついていけてません。あと、ときおり違和感の強い音が聴こえてきたり。曲中でたまに不自然な間が生じるのは、別にタメを作っているわけではなく、単に指が止まっただけだと思われます。前回のヒラーの時もそうした傾向は少々見られたものの、今回はとりわけひどい。前回、そういったコンクール的な技巧というより、知られざる作曲家を世に紹介するのだという気迫が感じられ、それでいいのだ…みたいなことを書きましたが、今回の演奏では、そういうことを言える前提すら欠けると申しましょうか…

前半のショパン。「知られざる作曲家を世に紹介する」までもないでしょうに、これでは演奏の出来だけに注意が集まってしまいます。そうなると、金澤攝さんの技巧では満足なものは到底期待できない…。あと、第3曲「別れの曲」は、テンポがものすごくはやいです。プログラム解説には「これまでとは違ったテンポ感や聴き慣れない音がしばしば現れるが、初版譜の記載に従ったものであることを予め申し述べておきたい。」と書かれてあるので、そういうことなのかな…とも思いましたが、さにあらず。プログラムの記載によればこの曲は「Lento ma non troppo」(「遅く、しかし、はなはだしくなく 」)であるのに、少なくとも「遅い」という領域のテンポでは断じてありませんでした。これでは「初版譜の記載に従った」とはまるで言えませんよね。

後半のタールベルク。知られざる作曲家によるエチュードが取り上げられていましたが、今度は演奏のあまりの拙さが気になってしまうのです。第4曲目くらいかな。高音部の音の外しがとても気持ち悪い。どうにも居心地が悪かったです。これでは、前回のヒラーの時のように演奏は度外視して曲自体の面白みを知る、という楽しみ方すらできますまい。

ああ、久々にダメーなコンサートにあたりましたなあ。次回11/19の「第3景」は、当日OEKの定期公演があるのでもともと行けないのですが、その次、12/21の「第4景」はどうしようか思案中。…おそらく、行かないかなあ。その日はドイツ・エッセン市立歌劇場バレエ団とOEKによるバレエ「くるみ割り人形」公演もあるので、そちらのほうに行こうかなあと考えています。というか、このシリーズ自体、今後もう行かないかもしれません(最終回のリストはどんな惨状になるのか逆に聴いてみたい気もしますが)。

耳直しにアシュケナージによるショパンのエチュードを。
B001RVITOUショパン:練習曲集(全27曲)
アシュケナージ(ヴラディーミル)
ユニバーサルクラシック 2009-05-20

by G-Tools

金澤攝「ピアノ・エチュード大観」― 1830年代のエチュード史 ― 第1景 フェルナンド・ヒラー(2010/09/28)

歴史に埋もれた名曲の発掘・研究・紹介を生涯のテーマとして取り組む金沢在住の作曲家・ピアニスト、金澤攝(かなざわをさむ)さん。今月から「『ピアノ・エチュード大観』― 1830年代のエチュード史 ―」と題し、知られざるロマン派の作曲家によるピアノ・エチュードを演奏する新シリーズが始まりました。本日の第1回目はフェルナンド・ヒラー。ショパン、シューマン、メンデルスゾーンらと親交が深く、ピアニスト、指揮者、音楽学校の学長など多方面に豊かな才能を発揮した作曲家だそうです。今回はそのヒラーの6つのエチュード組曲(24のエチュード集)を、金澤攝さんが演奏します。

今回のこのコンサートシリーズは、以前から金澤攝さんのファンだというizmiさんに教えてもらったもの。金澤攝さんについては、音楽堂で独自路線のコンサートを開いているということは以前に聞いたことがあります。また、今年に入ってからは、金沢21世紀美術館のイベントで作品や演奏に触れる機会もありました。3月の「music@rt SeasonIII vol.4 光の散策」では「ジュ・ドゥ・タンブル」なる鍵盤楽器を使用した新曲初演。今月初めの「建築と音のアンサンブル」では、OEKメンバーの九重奏による新曲初演と、自らの演奏による20世紀の作曲家のピアノ作品。でもリサイタル形式できちんと実演を聴くのは今回が初めてなので、楽しみにしていたのです。

ただ、「建築と音のアンサンブル」におけるピアノ演奏で金澤攝さんにすっかり魅了されたJZさんは、仕事のため今回は残念ながら欠席。お客さん全体の数はまあ…数十人程度といったところ。少々さびしいですけど、会場にはizmiさんとCamillaさんが到着し、ともに音楽会の始まりを待ちます。

今回演奏された「6つのエチュード組曲」は、ヒラーの24のエチュードを6つの組曲にて構成したもの。第1組曲(6曲)、第2組曲(4曲)、第3組曲(3曲)、第4組曲(4曲)、第5組曲(3曲)、第6組曲(4曲)の全24曲が順に演奏されました。基本的には初期ロマン派らしい楽想でしたが、そのなかには、ショパンのような華麗さ、シューマンのような知的さ、リストのような技巧、メンデルスゾーンのような屈託のなさなど、いろんな表情が垣間見えました。さらには、ときおり突如として不協和音が放り込まれて近代っぽい響きがする曲があったり(まだ時代は先なのに!)、第3組曲の第12曲などはフーガ形式でどっぷりバロックだったりして、組曲としてはじつに多彩で、ひじょうにおもしろいことになっていました。金澤攝さんがヒラーの才能を評価する所以でしょう。もっとも、個人的には、今日はなぜだか冒頭の演奏に集中し損ねてしまい、最初の方はやや印象がふわふわしています。もったいないことしました。ちょっと悔しいです。

金澤攝さんの演奏に関しては、ピアノ経験者のCamillaさんにも確認したのですが、技術的には決して上手とはいえません(苦笑)。前回21美で聴いたときは、天井が高くて広い美術館の展示室だったため残響がめちゃくちゃ多く、しかも全館無料で観客が溢れる独特な環境(=ちょっとした躁状態)だったということもあるのでしょうか、あまり技術的な面まで気を留めなかったという面はあります。ですが、こういうリサイタル形式だと、どうしても技巧の拙さは目立ってしまいます。

もっとも、今回のコンサートに実際に来てみて、プログラム解説の充実ぶりなどをみると、これは単なるピアノリサイタルではなく、「歴史に埋もれた名曲の発掘・研究・紹介」を自らの使命と任ずる金澤攝さんの研究発表の場といった感じもします。聴衆としても、演奏を聴いてその音楽の世界に心を委ねて感情を揺すぶられる…というよりも、未知の作曲家がどのような曲を書いたのか、同時代の音楽家とどんなかかわりがあったのか…その時代の音楽界の大きなうねりに想いを馳せ、音楽的知的好奇心をくすぐられるという面が大きいような。

とはいえ、金澤攝さんがピアノに向かって演奏する姿には、この無名だが素晴らしい作曲家をなんとしても世に紹介するのだ!俺がしなくて誰がする…!という強い決意、執念、使命感というようなものがひしひしと感じられました。そういった金澤攝さんの情熱はたしかに聴衆に伝わり、胸を打つものがあるでしょう。その意味ではやはり、演奏を聴いて感じるものはあるのです。

次回の公演予定はは10/1(金)。ショパンとジギスモント・タールベルクのエチュードです。タールベルクというのはまるで知らない作曲家なんですが、金澤攝さんの手によって、またその面白さを教えてもらえることを期待したいと思います。

金澤攝ピアノ独奏「ピアノ・エチュード大観」―1830年代のエチュード史―
第1景 フェルディナント・ヒラー Ferdinand Hiller (1811-1885)

日時:2010年9月28日(火)19:00開演 Tuesday, 28 September 2010 at 19:00
会場:石川県立音楽堂交流ホール Ishikawa Ongakudo Interchange Hall
構成・演奏:金澤攝 Osamu N.Kanazawa


■フェルディナント・ヒラー Ferdinand Hiller

6つのエチュード組曲 作品15 Six suites d'Etudes op.15
(ジャコモ・マイアベーア氏へ献呈 Dédiées à Monsieur Meyerbeer)

第1組曲 Première Suite
 第1曲 Allegro energico イ短調
 第2曲 Allegro con fuoco ニ短調
 第3曲 Andante religioso イ短調
 第4曲 Molto vivace ホ短調
 第5曲 Allgretto grazioso ハ長調
 第6曲 Allegro maestoso ホ長調

第2組曲 Seconde Suite
 第7曲 Andante poco agitato 変ホ短調
 第8曲 Molto vivace ロ長調
 第9曲 Lento ma non troppo 変イ長調
 第10曲 Allegro moderato 変ホ長調

---------- 休憩 Intermission ----------

第3組曲 Troisième Suite
 第11曲 Con forza ma non troppo vivace ハ短調
 第12曲 Andante ヘ短調
 第13曲 GIGUE: Molto vivace ジーグ:ハ長調

第4組曲 Quatrième Suite
 第14曲 Agitato 嬰ヘ長調
 第15曲 Moderato イ長調
 第16曲 Andante con espressione 変ニ長調
 第17曲 Vivacissimo 嬰ヘ短調

---------- 休憩 Intermission ----------

第5組曲 Cinquième Suite
 第18曲 Allegro con grazia ト長調
 第19曲 Molto adagio ロ短調
 第20曲 Allegro energico ニ長調

第6組曲 Sixème Suite
 第21曲 Moderato 変ロ短調
 第22曲 Molto allegro ヘ長調
 第23曲 Allegro con grazia ト短調
 第24曲 Prestissimo 変ロ長調

(アンコール Encore)
妖精の踊り 作品9 Dance de fées op.9

建築と音のアンサンブル「音のギャラリーツアー」@金沢21世紀美術館(2010/09/05)

金沢21世紀美術館の設計者、妹島和世さんと西沢立衛さんのユニットが建築界のノーベル賞といわれる「プリツカー賞」を受賞しました。この日は金沢21世紀美術館でお祝いのイベント「建築と音のアンサンブル」が開かれます。美術展の入れ替え時期を利用して,展示室から展示物をすべて撤去、すっかりがらんどうになった各展示室で、オーケストラ・アンサンブル金沢のメンバーがソロ〜九重奏の室内楽演奏をおこないます。時間は各回15分程度で合計3時間。その間、展示室のどこかから常に音楽が演奏されているというわけです。無料開放された展示室を、お客さんは自由に行き来し、音楽と建物を楽しむことができます。題して「音のギャラリーツアー」。なんとおもしろい企画!

●妹島和世+西沢立衛/ SANAA 祝プリツカー賞「建築と音のアンサンブル」
http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=24&d=974

IMG_0581

これはぜひ行かねば!ということでJAZZ会のいつもの面々をお誘いしたところ、JZさんizumiさんが反応。まだ暑い日曜の午後ですが、汗をかきかき美術館に辿りつきました。

まずは14時過ぎからお祝いの式典。OEKエンジェルコーラスによる開幕ファンファーレ(聴き逃した!)、山出市長・秋元館長の祝辞、受賞者あいさつ、井上道義OEK音楽監督の音頭による乾杯(ぼくらにも飲み物が振る舞われた!)に続き、井上監督指揮・OEKメンバーの九重奏によりオープニング曲が演奏されました。当地のピアニストであり作曲家である金澤攝さんによる新曲「暑中見舞」。陽射しが攻撃的に降り落ちる今年の夏を象徴していたというか…まあ、不協和音に複雑なリズム…現代美術の建物の祭典にふさわしく、いわゆるバリバリの「現代音楽」っていうやつです。演奏していた竹中のりこさんも「謎のファンファーレ」と(笑)。

IMG_0574
IMG_0576IMG_0578
IMG_0579IMG_0580

さて、その後はぐいぐい室内楽を連投して聴いていくのみ。金澤攝さんのピアノ演奏は、izumiさんは前からファン、JZさんもぼくも気になっているので全曲聴くとして、そのほかどのように回るかが考えどころです。以下、ぼくの拙いガイドによりJZさんを引き連れてハシゴした演奏を振り返ってみます。

妹島和世+西沢立衛/ SANAA 祝プリツカー賞「建築と音のアンサンブル」
Celebrating SANNA's Pritzker Prize: Ensemble for Sound & Architecture
《15:00 展示室14》
金澤攝(Pf)
■セザール・キュイ:4つの作品
 Cesar Cui: Quatre morceaux op.60 (1901)
展示室14は館内中央の円形の部屋。綺麗な曲ですが、ピアノの残響が予想以上に大きく、音が重なりすぎてかえって濁って聴こえてしまうような…? セザール・キュイはロシア五人組のひとり。

《15:30 展示室14》
坂本久仁雄(Vn1)、竹中のりこ(Vn2)、古宮山由里(Va)、福野桂子(Vc)、今野淳(Cb)
■B.ブリテン:シンプル・シンフォニー 作品4
 B.Britten: Simple Symphony, op.4
金澤攝さんの演奏のあと、別会場に移動したらどこも満室だったため、断念してふたたび展示室14に。弦楽五重奏に関してはこの部屋の残響がいい効果を発揮しました。弦の響きが力強くクリアに聴こえます。しかもこの曲自体、思ったよりわかりやすく親しみやすい楽しい曲。第2楽章のオールピッツィカートは残響が特に効果的でした。

《15:45 展示室5》
井上道義
■作曲中
 Composing
「作曲中」って何?って思ったら、ホントにキーボードとPCを持ち出して井上マエストロが作曲に勤しんでいました。そしてその模様をお客さんに公開する,と(笑)。

IMG_0584
IMG_0587

《16:00 展示室14》
金澤攝(Pf)
■ジャン・フランチェスコ・マリピエロ:秋の前奏曲
 Gian Francesco Malipiero: Preludi autunnali (1914)
金澤攝(Pf)、坂本久仁雄(Vn)
■ジャン・フランチェスコ・マリピエロ:はるかな歌
 Gian Francesco Malipiero: Canto della lontananza, per violino e pianoforte (1919)
前回の後悔を踏まえて、最前列ピアノ開口部あたりの最前列をキープ(といっても地べたに座り込んでるだけだけど)。残響よりも直接の音を聴けるよう試みたところ、バランスが丁度良く大正解! 曲自体も素敵です。コロコロと光の粒が弾けるよう。ジャン・フランチェスコ・マリピエロはイタリアの作曲家。2曲目のヴァイオリンとのデュオもいい曲でした。

《16:15 展示室12》
Troy Googins(Vn1)、Vaughan Hughes(Vn2)
■B.バルトーク:44の二重奏曲より
 B Bartok: from 44 Duos
■J-M.レクレール:ソナタ第5番
 J-M.Leclair: Sonata No.5
狭い室内になんとか入り込みました。グーギンズさんとヒューズさんのデュオは立ち位置が面白い。バルトークは部屋の対角どうしに立ち、レクレールでは室内中央に。ただし向かい合ったり背中合わせになったり。狭い室内だからこそのパフォーマンスですね。

《16:30 展示室11》
Simon Blendis(Lead&Vn1)、大隈容子(Vn1)、藤田千穂(Vn1)、大村俊介(Vn2)、原三千代(Vn2)、Gyozo Mate(Va)、Shinyoung Baik(Va)、早川寛(Vc)、Margarita Kalcheva(Cb)、藤井幹人(Trp)、谷津謙一(Trp)
■M.シャルパンティエ:テ・デウムより
 M.Charpentier: from Te Deum
■O.レスピーギ:リュートのための古い歌と舞曲第3番より
 O.Respighi: from Antiche arie e dance per liuto No.3
■J.クラーク:トランペット・ヴォランタリー
 J.Clarke: Trumpet Voluntary
広い室内での九重奏。トランペットの残響はかなり大きいのですが、なにか教会を思わせるような高貴で厳粛な気分を味わわせてくれました。もっとも、そんな厳粛な雰囲気を一挙に和ませる事態が発生。ひとりの幼女が、演奏が始まると同時に立ち上がり、満面の笑みで踊りだしたのです。そのシアワセな光景に聴衆はもちろん、演奏者の皆さんも思わず笑みがこぼれました。

《16:45 展示室9・10》
原田智子(Vn1)、江原千絵(Vn2)
■L.ベリオ:二重奏曲より
 L.Berio: from Duos
短い曲ばかりだったためか、人の出入りが激しく落ち着いて聴いていられませんでした。よく聴いてみるとそうとう上手だったのですが…

《17:00 展示室14》
金澤攝(Pf)、坂本久仁雄(Vn)
■オットマール・ゲルシュター:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
 Ottmar Gerster: Sonata fur violine and Klavier (1950/51)
金澤攝(Pf)
■オットマール・ゲルシュター:シルエット
 Ottmar Gerster: Silhouetten (1968)
金澤攝さんの3公演目。ヴァイオリンとピアノのためのソナタ。素晴らしい。オットマール・ゲルシュターの素性は不明なのですが、ドイツだろうなあ。きちんとしたソナタでした。最後の「シルエット」楽しい雰囲気で、どことなくジャズっぽく。

《17:15 展示室3》
Sungiun Kim(Vc)
■J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BMV1009より
 J.S.Bach: from Suite No.3 in C major, BWV1009
やはりチェロ曲のド定番をこの空間で聴いてみたかったので。ただし、狭い室内の入口を覗き込むような形となり、音楽としては堪能できなかったかな。

《17:30 展示室4》
岡本えり子(Fl)、加納律子(Ob)、木藤みき(Cl)、渡邉聖子(Fg)、山田篤(Hr)
■D.アゲイ:5つのやさしいダンス
 D.Agay: Five Easy Dances
■M.アーノルド:スリー・シャンティーズ
 M.Arnold: Three Shanties
一転して広い室内。木管五重奏が室内左奥の角に設置され、聴衆もなぜか近くには寄っていかないため、部屋の奥の方はすっかり空いています。ぼくは座り込んでいる聴衆の最前列にいましたが、それでも演奏者まで15メートルくらい離れている格好。この部屋での木管の響きもいい感じでしたね。

《17:45 展示室2》
松井直(Vn1)、上島淳子(Vn2)、石黒靖典(Va)、大澤明(Vc)
■W.A.モーツァルト:弦楽四重奏曲 ト長調 K.387「春」より
 W.A.Mozart: from String Quartet in G major, K.387 "Spring"
■F.J.ハイドン:弦楽四重奏曲 変ロ長調 作品76 Hob.III-78「日の出」より
 F.J.Haydn: from String Quartet in B frat major, op.79, Hob.III-78 "The sunrise"
■D.ショスタコーヴィチ:バレエ組曲「黄金時代」作品22aより ポルカ
 D.Shostakovich: Porka from "The Golden Age", op.22a
ラストはOEKの日本人エース級奏者たちによる弦楽四重奏。おなじみのモーツァルトとハイドンも安らかに楽しめましたが、ショスタコ「黄金時代」のポルカ!これはいいですね。本来の管弦楽曲がピッツィカートを駆使した弦楽四重奏版に編曲され、技巧的でお茶目な雰囲気をおおいに楽しめました。なお、大澤さんとizumiさんは知己の間柄なので、演奏後、izumiさんを介してあいさつをさせていただきました。

IMG_0591
IMG_0595

といった感じで怒涛の3時間が終了。お客さんも大勢訪れ、たいへん大盛況でした。公演をはしごして回るとか、まるでラ・フォル・ジュルネ金沢のような妙な高揚感とともに音楽に浸ったのでした。

IMG_0597

オラファー・エリアソン展/music@rt Season III vol.4 光の散策@金沢21世紀美術館(2010/03/22)

21世紀美術館で開催されている展覧会「オラファー・エリアソン - あなたが出会うとき」はこの日が最終日。いままでの会期中に一度しか行けなかったのですが、最終日に滑り込みで再訪できました。
P3221998

■一色の部屋 Room for one colour
いちばんのお気に入り。部屋全体を黄色い光が支配する空間はすべての色を奪い去ります。ぼくはこの部屋の角にしばらく座り込み、入室してくるモノクロの人々をぼんやりと眺めていました。

■ゆっくり動く色のある影 Slow-motion shadow in colour
対面の壁を照らす6色の光。壁の前に立つ人の影も6色に揺れます。これも自ら影を揺らすよりも、入室してくる人…特に子どもが自分の影が動くことを発見し、それを面白がってさまざまに試している様子がまた面白い。平行に光を放つライト群の真横に立って、そんな子どもたちのさまを観ているのです。

■動きが決める物のかたち Object defined by activity
暗室の中に、半球状に散りばめられた氷の結晶群が3つ。だがよくみるとそれらはすべて実際に水が噴き出ている噴水で、点滅するストロボライトによって静止した結晶のように見えたのでした。

■水の彩るあなたの水平線 Your watercolour horizon
真っ暗な円形展示室に足を踏み入れると、浅く水が張られた大きな円形のプールがゆらゆら水面を揺らしています。そして、プールの中心から水面に向かって細く照らす光が、揺れる水面に反射して、暗い内壁に投射されています。内壁にゆらゆら漂う光の波は、水面の揺れに同期して、さらに不思議に漂うのでした。これも長時間その空間に在って飽きることがありません。

■あなたが創りだす大気の色地図 Your atmosphere colour atlas
部屋中に充満する3色の霧。不快なはずの湿気もやわらかな色彩のおかげで心地よい潤いに。
P3221978

なお、屋外正面入口付近に、オラファー・エリアソンによる新たな常設展示作品「Colour activity house(カラー・アクティヴィティ・ハウス)」が完成していました。半円形の3色のガラスが重なりつつ渦巻状に立っており、見る角度によってさまざまな色の見方がします。
P3221950


***

さて、この日は井上道義さん&OEKプロデュースの金沢21世紀美術館ミニコンサート「music@rt SeasonIII vol.4 光の散策」も開催されます。オラファー・エリアソンにちなみ、光をテーマとした音楽を演奏。光の輝きのような鍵盤楽器「ジュ・ドゥ・タンブル」も登場するとのこと。ぼくは14時と15時の2回を鑑賞しました。

第2回(14時)
P3221945

第3回(15時)
P3221967

全編通して井上マエストロが進行役を務めます。1曲目は、このコンサートのチラシにも使われているルノワールの絵画「森の中の小路」をモチーフとした楽曲。OEKオーボエ奏者の加納さんが伸びやかに独奏。まさに絵の雰囲気そのままに、森の葉の間から光がふんわりこぼれてくる感じ。演奏中、井上マエストロが加納さんにちょっかいをかけてきますが(やりたい放題!笑)、加納さんは笑顔で切り返しながら吹き通していました。

引き続き井上さんのパフォーマンスは途切れることがありません(笑)。ドラティ「ゆりかご」では演奏スペースに置かれていたホンモノのゆりかご。観客の子どもに寝てみたらと誘ったり、しまいには自ら入ろうとしてみたり。

ブリテンの「パン」という曲は、ギリシャ神話にある水の妖精シュリンクスに恋をした牧神パンの逸話から。パンにつきまとわれたシュリンクスが水に飛び込んで葦に身を変えたところ、パンはその葦の茎を束ねて笛にして、シュリンクスのことを想いつつ吹き続けたのだとか。井上さんは演奏中にこの神話を忠実に(?)再現します。加納さんをシュリンクスに見立てて求愛し続けるマエストロ。やがて演奏スペースに準備してあった葦の茎(らしきもの)を拾い集めて笛にして、哀しげに吹く真似をしていました。

最後は金沢在住の作曲家・ピアニストの金澤攝さんが登場。加納さん、パーカッション奏者の大久保さんとともに、金澤さんの新作「光の踊り」の初演がおこなわれました。とりわけ今回のメダマは、金澤さんが演奏する「ジュ・ドゥ・タンブル」なる鍵盤楽器でありました。見た目はチェレスタやオルガンみたいですが、言ってみれば鍵盤付きの鉄琴とでも申しましょうか。硬質で透明感のある音色は、まさにキラキラと輝きながらこぼれ落ちる光のイメージそのものでした。
P3221969P3221968


なお。

なお、当時ツイッターで時々会話を交わしていた @iiizmiii さんとこの会場でニアミス。ただし互いに顔を知らなかったため、直接お話しすることはなかったのですが(のちに対面を果たし、現在ではおかげさまで音楽&飲みで仲良くさせてもらってます)、演奏後、彼女が撮影に成功した井上マエストロの写真がコチラ。

森ã?®ä¸­ã?®å??ç?©ã?«æ?®ã??ã??ã??ã?¨ã?¹ã??ã?­ã??ä»?æ?¥ã?®ã?³ã... on Twitpic

さすが井上さん!サービス精神満点ですね!


井上道義&オーケストラ・アンサンブル金沢21世紀美術館シリーズ
music@rt Season III vol.4 光の散策

日時:2010年3月22日(月・振替)13:00-/14:00-/15:00- Monday, 22 March 2010 at 13:00/14:00/15:00
会場:金沢21世紀美術館 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa

ナビゲーター:井上道義 Navigator: Michiyoshi Inoue
オーボエ:加納律子 Oboe: Ritsuko Kano
ジュ・ドゥ・タンブル:金澤攝 Jeu de Timbres: Osamu N. Kanazawa
パーカッション:大久保貴之 Percussion: Takayuki Okubo

■ジルヴェストリーニ Gilles Silvestrini
 「6つの絵」より第4曲「森の中の小路(オーギュスト・ルノワール, 1874)」
 "Sentier dans les Bois (Renoir, 1874)" from Six Tableaux pour hautbois solo

■ドラティ Antal Dorati
 5つの小品より 第4曲「ゆりかご」
 “Berceuse” from Five Pieces

■ブリテン Benjamin Britten
 「オヴィディウスによる6つの変容」より第1曲「パン」
 “Pan”from Six Metamorphoses after Ovid op.49

■金澤攝 Osamu N. Kanazawa
 「光の踊り」(新曲)
 “Danze Luminose”

Archives
Categories
記事検索
Recent Comments
Profile

quackey

♪体は40(以上)〜
♪でもハートは中2さ〜
quackeyは、オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)と中日ドラゴンズとナインティナインさんを応援しています!
いちおう金沢検定中級保持者です。

「ワチャゴナ!」
ブログ名「ワチャゴナ!」の由来は、ナイナイさんも大好きな知念里奈さんの「DO-DO FOR ME」です!
♪ワチャゴナドゥーフォーミー!

Passage〜Best Collection〜
Passage〜Best Collection〜
知念里奈
twitter




あわせて読みたい
  • ライブドアブログ