2008年04月19日
岡田斗司夫の『遺言』第五章
岡田斗司夫が過去にした仕事から最近のおもしろ出来事まで、4時間以上にわたって一人でトークし続ける「岡田斗司夫の「遺言」」イベントもついに第五回目となった。
第一章から参加し続けているものの、正直今月は大忙しなのでスルーしようかとも思ったのだが、運良くチケットが手に入り、会社も早退することができたので行ってきた。一週間ほど三時間睡眠ライフが続いていたので体調がヤバいかもしれんと予想していたのだが、今回は「ふしぎの海のナディア」の話がメインで、最後まで楽しく聞くことができた。
ふしぎの海のナディア DVD-BOX I
鷹森淑乃 日高のり子 滝沢久美子


そういや「ナディア」本放送時は中学生だったのだが、高校に入学したらオタ臭のする奴の自宅を訪問するとどいつもこいつもこれとパトレイバー劇場版のLDもしくはビデオを所有していて、皆面白いと思うものは同じなのだなぁ、と感慨深かったものだ。島本和彦が「アオイホノオ」で80年代オタ話を物語化しているように、もうしばらくしたら90年代オタ話を面白くやる人が出てくるのかもしれんな。え?それが「げんしけん」だって?……失礼しました。
いつも通り、興味深かった話題についてメモとしてまとめるのだが、これもいつも通りイベントで岡田斗司夫が話した内容そのままというわけではない。括弧内は私の勝手な感想なのだが、それ以外についても私のバイアスが入っているということで御注意を。
第一章から参加し続けているものの、正直今月は大忙しなのでスルーしようかとも思ったのだが、運良くチケットが手に入り、会社も早退することができたので行ってきた。一週間ほど三時間睡眠ライフが続いていたので体調がヤバいかもしれんと予想していたのだが、今回は「ふしぎの海のナディア」の話がメインで、最後まで楽しく聞くことができた。
ふしぎの海のナディア DVD-BOX I
鷹森淑乃 日高のり子 滝沢久美子

そういや「ナディア」本放送時は中学生だったのだが、高校に入学したらオタ臭のする奴の自宅を訪問するとどいつもこいつもこれとパトレイバー劇場版のLDもしくはビデオを所有していて、皆面白いと思うものは同じなのだなぁ、と感慨深かったものだ。島本和彦が「アオイホノオ」で80年代オタ話を物語化しているように、もうしばらくしたら90年代オタ話を面白くやる人が出てくるのかもしれんな。え?それが「げんしけん」だって?……失礼しました。
いつも通り、興味深かった話題についてメモとしてまとめるのだが、これもいつも通りイベントで岡田斗司夫が話した内容そのままというわけではない。括弧内は私の勝手な感想なのだが、それ以外についても私のバイアスが入っているということで御注意を。
○ イベント開始前に新刊「オタクはすでに死んでいる」を壇上で販売(40冊しかないというのに大人数が列に並んでいたのと、明後日発売になるというので買わなかったのだが、「一足先にここで買ってブログに感想をアップすると良いよ」というオタキングの甘言に心揺さぶられる。後日、アマゾンで購入し、今読んでいるのだが同人誌「オタク・イズ・デッド」を「昭和の日本デッド」に拡大したような内容で、なかなか面白い)。
オタクはすでに死んでいる (新潮新書 258)
岡田斗司夫


○ 「王立」制作時に山賀くんと、映画というものはどれぐらいの長さがちょうど良いか?という話になった。 結論として、映画の限界は2時間20分。それ以上になると、何か別の意味が発生しそうで怖い。だが、そう考えると、この「遺言」イベントは凄い!
<「徹子の部屋」出演について>
○ 今日「徹子の部屋」の収録に行ってきた。あれは怖い部屋だよ!ブレードランナーのクライマックスで、ビルのてっぺんの部屋でデッカードがルトガー・ハウアーに「思い通りにならないのは怖いぞ!」とボコられるのだが、あのレベルくらい怖い部屋だった。
○ 事前にこの前放送されたアメトークのスペシャル(丁度、「徹子の部屋惨敗芸人」と称した企画を放送していた)を観たのだが、背筋に冷たいものが走った。とにかく、徹子はどんな話題でもオチから先に言う。でも、徹子は僕に興味があったといよりも、レコーディング・ダイエットに興味がったので、岡田斗司夫が「徹子の部屋」に出演するというよりも、「レコーディング・ダイエット」についておばちゃんに説明ていたらそこにTVカメラがあったという感じ。
○ プロデューサーのさいとうさんから要望があったので、あとでまた話します。
<「ふしぎの海のナディア」製作について>
○ 日本アニメの黎明期ではなく、青春期に立ち会えたのは幸運だった。「俺達の熱い思いが伝われば、視聴率なんてどうでもいいぜ!」みたいな考えが受け入れられた。そして、アニメが生活の手段になる前に辞めることができた。業界内でそのスタジオが新作を作るのが当たり前というポジショニングになると、何も出来なくなる。
○ 作品作りが生活の手段になるとはどういうことかというと、「男はつらいよ」なんてそうかもしれない。僕はあれが苦手で、TV放送を観ていたら、15分が限界で、チャンネルを変えた。あれを観るくらいなら「創生のアクエリオン」の三週目を観た方が良い。
○ アクエリオンみんな観た?最初の数話はつまらないけど、それを抜けるとあんなにバカで面白いアニメはない。何が凄いかって、あんなにキャラクターに魅力が無いのに、あんなにも馬鹿で面白いって所が凄い。河森くんが透けてみえる(私はいつも最初の数話で挫折してしまうのだが、次のスパロボにも登場することだし、今度ちゃんと観てみるかと思った)。
<前回までの話のおさらい>
○ 「ナディア」製作は井上博明くんが社長の僕を初めとするガイナックス中核スタッフに秘密裏で進めていた計画だった。なかなかアニメを作ろうとしないガイナックスの状況を見かねておこしたクーデターだった。
○ 井上くんは「NHKで放送されるアニメ」「絵が上手い貞元義行と前田真宏ならスタッフもついてくる」の二点から勝算ありとみこんだのだろう。
○ だが、当時の貞元くんと前田くんには、才能はあったが、監督を引き受けられる資質がなかった。
○ ガイナックスの庵野・山賀・赤井の三名や、マクロスを手伝いに行った時に出会った河森正治や美樹本晴彦のような圧倒的な才能を目にして萎縮していた部分もあったのかもしれない。とにかく、ラピュタ海底編みたいなプロットに二人とも文句を言うけれど、どこを変えて良いか分からなかった。
○ どうにもならなくなり、クーデター発覚というよりカミングアウトしたのが実際の顛末であった。
<プロデューサー論>
○ 井上博明くんはプロデュースする内容にあまり興味が無い。企画会議の時に寝る。これは武田康廣も同様。
○ 対して、西崎義展などは内容に深く関わる。つまり、プロデューサーには2種類いる。
○ どちらが良いというわけではなく、状況によって適不適がある。監督に強固なイマジネーションがあり、やりたいことがはっきりと決まっているときは井上・武田タイプが良い。だが、前述の貞元・前田のように監督が迷っている時はそうではない。
○ その場合、プロデューサーと監督には色々な関係が考えられる。二人の関係はSM的だったり友人のようなものだったりする。
○ 富野由悠季の場合は特殊。日によってSだったりMだったりして捉えどころが無い。果たしてトミノさんと組むプロデューサーはどういう心持ちなのだろう?ああいう全共闘世代は一筋縄ではいかない二面性がある。
○ サラリーマン・プロデューサーというものは存在しない。どんなプロデューサーにもいくばくかの野心や夢がある。以前に話をした、「ナディア」と「ラピュタ」のプロットの相似を指摘したら口から泡を吹いて倒れたNHK側のプロデューサーにもそれはあった。
○ それは“いかにもNHK的なアニメは作りたくない”というものだった。そこから“最近元気なガイナックスと組もう”になり、“でもガイナだけでは心配だから「タッチ」等で安心感のあるグループタックも巻き込もう”になった。
○ プロデューサーにはスタッフ組みでなんとかなると考えてしまう心理がある。フレームワークで安心してしまう。僕もそうなので分かる。
(次回に続きます)
オタクはすでに死んでいる (新潮新書 258)
岡田斗司夫

○ 「王立」制作時に山賀くんと、映画というものはどれぐらいの長さがちょうど良いか?という話になった。 結論として、映画の限界は2時間20分。それ以上になると、何か別の意味が発生しそうで怖い。だが、そう考えると、この「遺言」イベントは凄い!
<「徹子の部屋」出演について>
○ 今日「徹子の部屋」の収録に行ってきた。あれは怖い部屋だよ!ブレードランナーのクライマックスで、ビルのてっぺんの部屋でデッカードがルトガー・ハウアーに「思い通りにならないのは怖いぞ!」とボコられるのだが、あのレベルくらい怖い部屋だった。
○ 事前にこの前放送されたアメトークのスペシャル(丁度、「徹子の部屋惨敗芸人」と称した企画を放送していた)を観たのだが、背筋に冷たいものが走った。とにかく、徹子はどんな話題でもオチから先に言う。でも、徹子は僕に興味があったといよりも、レコーディング・ダイエットに興味がったので、岡田斗司夫が「徹子の部屋」に出演するというよりも、「レコーディング・ダイエット」についておばちゃんに説明ていたらそこにTVカメラがあったという感じ。
○ プロデューサーのさいとうさんから要望があったので、あとでまた話します。
<「ふしぎの海のナディア」製作について>
○ 日本アニメの黎明期ではなく、青春期に立ち会えたのは幸運だった。「俺達の熱い思いが伝われば、視聴率なんてどうでもいいぜ!」みたいな考えが受け入れられた。そして、アニメが生活の手段になる前に辞めることができた。業界内でそのスタジオが新作を作るのが当たり前というポジショニングになると、何も出来なくなる。
○ 作品作りが生活の手段になるとはどういうことかというと、「男はつらいよ」なんてそうかもしれない。僕はあれが苦手で、TV放送を観ていたら、15分が限界で、チャンネルを変えた。あれを観るくらいなら「創生のアクエリオン」の三週目を観た方が良い。
○ アクエリオンみんな観た?最初の数話はつまらないけど、それを抜けるとあんなにバカで面白いアニメはない。何が凄いかって、あんなにキャラクターに魅力が無いのに、あんなにも馬鹿で面白いって所が凄い。河森くんが透けてみえる(私はいつも最初の数話で挫折してしまうのだが、次のスパロボにも登場することだし、今度ちゃんと観てみるかと思った)。
<前回までの話のおさらい>
○ 「ナディア」製作は井上博明くんが社長の僕を初めとするガイナックス中核スタッフに秘密裏で進めていた計画だった。なかなかアニメを作ろうとしないガイナックスの状況を見かねておこしたクーデターだった。
○ 井上くんは「NHKで放送されるアニメ」「絵が上手い貞元義行と前田真宏ならスタッフもついてくる」の二点から勝算ありとみこんだのだろう。
○ だが、当時の貞元くんと前田くんには、才能はあったが、監督を引き受けられる資質がなかった。
○ ガイナックスの庵野・山賀・赤井の三名や、マクロスを手伝いに行った時に出会った河森正治や美樹本晴彦のような圧倒的な才能を目にして萎縮していた部分もあったのかもしれない。とにかく、ラピュタ海底編みたいなプロットに二人とも文句を言うけれど、どこを変えて良いか分からなかった。
○ どうにもならなくなり、クーデター発覚というよりカミングアウトしたのが実際の顛末であった。
<プロデューサー論>
○ 井上博明くんはプロデュースする内容にあまり興味が無い。企画会議の時に寝る。これは武田康廣も同様。
○ 対して、西崎義展などは内容に深く関わる。つまり、プロデューサーには2種類いる。
○ どちらが良いというわけではなく、状況によって適不適がある。監督に強固なイマジネーションがあり、やりたいことがはっきりと決まっているときは井上・武田タイプが良い。だが、前述の貞元・前田のように監督が迷っている時はそうではない。
○ その場合、プロデューサーと監督には色々な関係が考えられる。二人の関係はSM的だったり友人のようなものだったりする。
○ 富野由悠季の場合は特殊。日によってSだったりMだったりして捉えどころが無い。果たしてトミノさんと組むプロデューサーはどういう心持ちなのだろう?ああいう全共闘世代は一筋縄ではいかない二面性がある。
○ サラリーマン・プロデューサーというものは存在しない。どんなプロデューサーにもいくばくかの野心や夢がある。以前に話をした、「ナディア」と「ラピュタ」のプロットの相似を指摘したら口から泡を吹いて倒れたNHK側のプロデューサーにもそれはあった。
○ それは“いかにもNHK的なアニメは作りたくない”というものだった。そこから“最近元気なガイナックスと組もう”になり、“でもガイナだけでは心配だから「タッチ」等で安心感のあるグループタックも巻き込もう”になった。
○ プロデューサーにはスタッフ組みでなんとかなると考えてしまう心理がある。フレームワークで安心してしまう。僕もそうなので分かる。
(次回に続きます)
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レポートを掲載しているサイトを紹介
(08/03/24 18:39 レコーディング・ダイエットのススメ)
「遺言」第五章のお知らせ
(08/03/24 新宿ロフトプラ??.
岡田斗司夫の『遺言』第五章 4月14日開催【「エヴァ板とガイナスレ用だよ」Blog】at 2008年04月19日 22:15
この記事へのコメント
頻繁にマクガイヤーBlog訪問してるけど?判らんのが多いな。
何より金は無いけど元気だから良いですね!
-現実ブログ遺品整理屋は見た「現実にある出来事の紹介」
訪問してみたら・・・・!かなり考えさせられますよ。
ところで、29日SDC新歓参加するのですか?教えてください。
よねサンより
何より金は無いけど元気だから良いですね!
-現実ブログ遺品整理屋は見た「現実にある出来事の紹介」
訪問してみたら・・・・!かなり考えさせられますよ。
ところで、29日SDC新歓参加するのですか?教えてください。
よねサンより
Posted by よねサン at 2008年04月23日 23:52
どうも。
ちゃんと分かってくれている人はいるので、そこら辺は安心しています。
29日ですが、翌日仕事があるのと、子供の面倒をみなくてはいけないのとで、今のところ行く予定にありません。
ちゃんと分かってくれている人はいるので、そこら辺は安心しています。
29日ですが、翌日仕事があるのと、子供の面倒をみなくてはいけないのとで、今のところ行く予定にありません。
Posted by マクガイヤー at 2008年04月24日 09:07














