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天王寺界隈の観光施設として天王寺動物園や大阪市立美術館を訪れる人は多いでしょうが、そのすぐそばに林泉回遊式近代日本庭園「慶沢園」があるのを皆様ご存知でしょうか。

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天王寺の雑多な雰囲気とは別次元の緑豊かな静かな空間です。

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慶沢園は住友財閥の主たる住友家の茶臼山本邸庭園として造園され、完成より10年を経て住友家から大阪市に寄贈されました。

昔の金持ちの道楽は、マコトに”粋”であります。

「慶沢園」の名付け親は伏見宮貞愛親王。
皇族として軍人最高位である元帥陸軍大将に就任した人物で、旅団長・師団長時代、日清・日露戦争で遼東半島に出征しています。

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小さい滝もあり、水の流れがあるちゃんとした庭園です。

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左奥に風情ある茶屋みたいな建物が見えますが、ただの休憩所です。

この日は場所柄か、汚いカッコした酒臭いオッサンがこの池に釣竿を垂らして釣りを楽しんでいました・・・。

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慶沢園を出て、少し歩くと「史蹟 茶臼山及河底池」の碑があります。

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河底池から通天閣を眺めてみます。

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河底池(通称:ちゃぶ池)は、意外と生物が豊富な池。

今は知りませんが、拙者が幼き頃は、外来害魚・ブルーギルが大繁殖していた池です。

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河底池から見た茶臼山。

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大坂冬の陣で幕府軍総帥・徳川家康の本陣が置かれ、大坂夏の陣では天王寺・岡山の戦いに臨む豊臣方の本陣が置かれたのが茶臼山。

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しかし、登ってみるとな~んもないただの山・・・。

天王寺駅から徒歩で10分もかからない距離にある慶沢園。

拙者は加賀藩の「兼六園」、福井藩の「養浩館庭園」、和歌山藩の「養翠園」などにも決して引けをとらない、落ち着いた素晴らしい日本庭園だと思います。

大阪城は近代化が進みすぎ、「西の丸庭園」も庭園とは名ばかりで、実態は花見会場と運動場に過ぎないなか、大阪市内では貴重な庭園スペースです。

天王寺公園・慶沢園・茶臼山あわせての入場料は150円。払うだけの価値は十分にあります。

あのうっとおしい「カラオケ」も絶滅してくれましたしね。