2008年08月01日12:30引っ越します
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2008年07月31日08:00人の心が連鎖して社会の色に
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 またもや、八王子で無差別殺人事件が発生した。「仕事がうまくいかず、親に相談したが乗ってくれなかった」ので、「大きな事件を起こせば自分の名前がマスコミに出て家族に犯行を示せると思った」と言うのが動機らしい。なんとも稚拙であきれかえる。

 今年春から、茨城県荒川沖駅、秋葉原交差点と矢継ぎ早に通り魔殺人事件が起きた。どの容疑者も、揃いも揃って「誰でもよかった」と供述している。

 テレビのコメンテーターが言った。「すべて社会のせいにするのはフェアじゃないが、社会のなかに原因がないのか点検しないと、連鎖は断ち切れない」

 犯人たちの共通項は、言わば現代格差社会の“底辺”に位置している若者だ。無職や派遣社員として生活している彼らは、失業や低賃金によって不安定な毎日を送り、心底には常に負の感情がマグマのように渦巻いていたに違いない。

 「派遣という立場って、正社員との境界線があって、職場に友達ができにくいし、万が一親しくなっても、こっちはいつも金を気にしているからなかなか外食もままならない」。15年ほど派遣生活を送っている男性35歳がため息をついた。「安上がりのゲームに夢中になるヤツが多くなるのもわかるさ」

 お金さえあればどんな恩恵でも享受できる日本の消費社会においてその“底辺”生活者の孤独が、どれほど深いかを、彼は一生懸命説いてくれた。「人との付き合いが少ない分だけ、余計、人とのつながりが必要なんだよ」

 悩みを打ち明けるだけで、ホッとすることもあれば、たった一言の助言で勇気が出ることもある。世知辛い世の中だから余計に人のぬくもりが欲しくなる。真剣に向き合って、彼らの心の叫びに耳を傾け、幾ばくかの夢を与えることができる人が傍にいたらこんな事件は起きなかったに違いない。

 いくつになっても、人は、誰かに「認められている」と感じたとき、心は柔らかくなる。社会は人の心の集合体だ。人の心が連鎖して、社会の色が決まるのである。


2008年07月28日08:00恋は自分のため、愛は相手のため/結婚前の「冷却」持続の秘訣?
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 前回、「恋愛の賞味期限」について書いたところ、「恋愛自体にも賞味期限ってありますよね」という書き出しで、ある女性から次のコメントが寄せられました。

 「結婚したいと思って付き合っている彼とは5年目に入りますが、今になって、彼との結婚に迷いが出てきました。2人でいてもワクワクしないし、何か物足りなさを感じてしまうのです」。

 どうやら、彼との将来に疑問符を投げかけています。

 「あれほど一緒に暮らしたいと思っていたのに、この心の変りように自分でもびっくりしています」と結んでありました。

 「恋心は、普通の暮らしの中に納まると、縮んじゃうんだよ」ともっともらしいことをいうのは、自称“恋愛心理学者”の友人です。

 「生活感がない初期段階のほうが心ときめくし、反対されればされるほど燃えるもんなんだ」

確かに振り返れば、私の恋はいつもときめきから始まり、秘密めいた恋ほど苦しくて切なかった…。それが年月もたち、周囲から賛同された途端、急に熱が冷めたなんていう経験もありましたっけねぇ。

 彼のいうとおり、恋のマジックパワーは、「鮮度」と「障害」が決め手。恋に落ちたときは、人は誰でもロマンチックな吟遊詩人に生まれ変わり、見るもの聞くもの、すべてに心が大きく揺さぶられます。愛しい人と少しでも一緒にいたい、触れていたい。離れてもいつも彼や彼女の声が聞いていたい。ときには胸を焦がして、ご飯ものどに通りません。

 好きな異性に出会ったことで引き起こされるこの摩訶(まか)不思議な諸症状は、その実、「PEA(フェニール・エチル・アミン)」という脳内ホルモンの仕業なのだそうです。集中力や快感を倍増させる作用があり、人間の五感を過敏にさせます。ただ、このPEAは、四六時中、顔を出しません。精神的に不安定なとき、たとえば、つり橋を渡るようなドキドキ感覚の時にだけ分泌されるのだそう。

 「私のことどう思っているかしら?」「付き合っている人がいるのだろうか」から始まって、「結婚できるのかなあ」などの不安な気持ちを抱えながら、好きな人からすてきに思われたいといつも最高の笑顔で接しようとする。恋の序章は、不安と緊張の連続です。障害があればなおさら、PEAにとっては絶好の条件なのでしょう。

 ところが、PEAにも寿命があるようで、2〜3年で分泌量が減少するという研究報告があります。たとえ「あばたもえくぼ」的な恋も、3年たてば冷めてくるというわけ。恋には賞味期限があるといわれるわけはここから来るのです。なあるほどねぇ。

 「私は夫が大好きよ。けんかしたことないわ」と仲むつまじさをアピールする友人がいます。結婚歴23年の彼女は、夫婦で自営業を営み、週末は2人でサイクリングに行くのが楽しみだと言います。友人たちがうらやましそうに、

 「朝から晩まで毎日一緒でよくけんかしないわよねぇ…」

 「何でそんなに仲よくできるの?」などと失礼な質問をしても彼女は小さく笑って答えます。

 「恋人気分の時に結婚に踏み切らなかったからよ。きっと」

 彼女は、恋をしているときにプロポーズを受けても、返事をしなかったそうです。少しだけ彼との間に冷却期間を置いて、将来について冷静に考えたのです。

 「恋している時期に返事をしていたら、きっと私はいつまでも恋する夢子ちゃんのまま、わがままでどうしようもなかったと思う」と振り返ります。

 恋をするとは、相手を通して自分の欲を満たしているに過ぎないという彼女のコメントに私は大いに賛同しました。

 恋は自分のために行い、愛は相手のためにささげるほど深い感情である、とでもいいましょうか。

 「恋のステージから愛のステージに入ってから結婚したら長続きするのかもねぇ」との結論に、そこにいた女性たちは大きくうなずいたのでありました。