2011年02月07日

栄養素5 [ミネラル]

栄養 素5 [ミネラル]



●PROFILE
ほそかわ・かずひろ
1948年、愛知県豊川市生まれ。東西医学、心身医学、食養法、民間医療等を統合 し、総合的健康法・治療法の実践的研究を40年以上行う。自分自身を自在にコント ロールするBRM(脳内体験)と食養をベースに統合的・根本的な指導をする。現在は 生活改善指導の講演会や健康セミナー、個人相談、ワークショップなど幅広く活 動している。月刊『マクロビオティツク』に「マクロビオティツクでトータ ルライ フデザイン」を好評連載中。著書に「食養読本(女性編)」「食養生大全」(共著)な どがある。



身体を構成する主成分タンパク質

ミネラルは、水とともに生命を支える重要な栄養素である。体内に存在するミネラルは、全体で体重の4.35%ほどのわずかな量であるが、重要な機能を持っている。ミネラルについて明確な定義はないが、栄養学においては有機物を形成する元素である炭素、酸素、水素、窒素を除く他のすべての元素がミネラルとされている。

人体を構成する主な元素は、約70種類。そのうち6種類が、ミネラルである。ミネラルは、過剰でも不足でも体は異常を起こす。特に必須ミネラル16種は、一つでも不足すると重大な障害が起きる。著しく不足すると、死を招くことすらある。

現代人は、ミネラル摂取量が常に不足気味

体内に存在するミネラルのうちとくに多く存在するカルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、イオウ、塩素、マグネシウムの7種を、主要ミネラルという。このうち、イオウと塩素以外のミネラルは、不足すると欠乏症が発生する。これら7種以外のミネラルを、微量ミネラルという。微量ミネラルのうち、不足すると欠乏症が発生するものは、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、モリブデン、コバルト、クロムである。不足すると障害が発生するこれらのミネラルが、必須ミネラルとされている。

ミネラルは元素であるため、体内で合成することができない。したがって、常に食物から摂取しなければならない。摂取基準については、厚生労働省の方針が明確ではなかったが、2005年に一応の「めやす」が策定されたがこれも暫定的であり、今後も変化していくであろうと思われる。

現代人は、ミネラル摂取量が常に不足気味だ。とくにカルシウムと鉄は、厚労省の調べによると、30年間にわたって毎年不足しているという結果が報告されている。亜鉛も不足気味だ。ナトリウムは、摂取過剰と言われている。しかし実際は、大半の人がナトリウム不足である。世界保健機関(WHO)では、推奨摂取量を1日6g以下とされている。これは日本の実情には合わないので、厚労省は1日摂取量を8〜10gとしている。1万、カリウムやマグネシウムは、多くとるように推奨されている。

ミネラル摂取において重要なのは、質とバランス

人の身体は非常に複雑精妙であり、個人差が大きく、状況によって変動するものだ。それを一律に決めることはできない。ミネラル摂取において重要なのは、質とバランスである。良質でバランスのよい総合ミネラルを含む食物を主にとっていれば、体内でのバランスは保たれるものである。さらには、健康条件が良ければ、自らのホメオスターシス(恒常性)の機能が、自動的に微調整を行うことができる。

ホメオスターシスとは、人の体内環境を常に一定に保ち、生命活動を円滑に維持する機能である。ホメオスターシスのレベルは、健康レベルとイコールだ。つまり、生活条件を高め、マクロビオティックに基づいた食生活を実践していれば、ミネラルバランスは自然に保たれるのである。

ミネラルの供給源として、最も重要な食物は塩である

塩は、人体が必要とするすべてのミネラルを、バランスよく含んでいる。塩は地上の食物(植物)をとる場合、ミネラルバランスを保つために不可欠なものである。地上の植物に含まれるミネラルはアンバランスで、 とくにナトリウムが極端に不足している。そのために、塩を補わなければならない。

塩は、人体のミネラルバランスに近いものが適する。最もバランスがよいのは、海水を濃縮した塩である。海水中には有毒物質も含まれているが、長時間加熱することによって有毒物質は気化してミネラルだけが残る。直接口にする塩は、このようなミネラルのみの「焼塩」が最良である。

塩を多量に含む味噌、醤油、梅干なども、ミネラルの供給源として欠かせない。味噌・醤油は、ミネラルのほか、ビタミン、アミノ酸、酵素、その他有効成分を多量に含んでいる。優れた自然薬にもなる。胃腸の機能を高め、腸内有用菌の繁殖を促し、腸内環境を整える。血液を浄化して血流を促進する。肝臓、腎臓、心臓の機能を高め、血管を柔軟にして動脈硬化を防ぎ、血圧を安定させる。活性酸素を消去し、免疫力を高め、アレルギーや炎症を改善する。

良質な焼塩、味噌、醤油、梅干などを常にとることによって、ミネラルをバランスよくとることができる。

一般食物では、海藻がもっとも多量に含まれミネラルバランスがよい。海藻に含まれるミネラルは、種類によってそれぞれ成分比率が異なるので、いろいろなものを交互にとっていくのがよい。

ナトリウムとカリウム

ナトリウムとカリウムは、重要な役割を担っている。陰陽を決定する条件の中でも、大きな要素となっている。ナトリウムは陽性の元素の代表であり、カリウムは陰性元素の代表だ。ナトリウムとカリウムのバランスが整っていないと、身体は狂ってくる。

厚労省の推奨する量にしたがっていくと、ナトリウム不足、カリウム過剰になる。こうなると陰性の影響を受け、細胞レベルで拡張し臓器をはじめ体内器官はみな弛緩して機能が低下してくる。陰性過剰になると全身細胞は機能低下して、血液とリンパの循環が悪くなり、代謝が低下する。エスカレートすれば、病気にもなる。低血圧、冷え症、貧血、内臓下垂、心臓機能低下、腎臓機能低下、認知症、ガンなど、様々な病気を引き起こすことになる。

最近では、極端な減塩をして、生野菜や果物を多量にとる食事を実践する人が増加している。中には、そういう食事で体調がよくなる人がいる。しかし、それは一時的な現象であって、しばらくすると病的な状態になっていくことは間違いない。ナトリウム不足・カリウム過剰の典型だ。しばらく、ナトリウム不足の食事を続けると、身体は順応してくる人もいる。しかしそれも限界がある。きわめて危険である。

野生の動物は、ナトリウムの再吸収機能が高いので、塩分の補給は少なくても生きられる。人のナトリウム再吸収機能(腎臓)は、99%以上だが動物よりは低い。したがつて常にナトリウムを補っていかなければ、生きていくことはできない。ナトリウムが限界を超えて不足すると、心臓は収縮できなくなり停止する。

ナトリウムとカリウムは、連携して細胞内外の水分のバランスを保っている。細胞膜は、ナトリウムを細胞外に出し、カリウムを細胞内に入れるという機能をもつている。血液中にナトリウムが過剰になると、血管内の水分が増えて血圧が上がり、器官の細胞は機能低下する。カリウムが過剰になると、細胞内の水分が過剰になり、器官の細胞は低下する。どちらの場合も、身体がむくんで冷えてくる。

末梢神経の刺激信号を中枢に伝えるときには、ナトリウムとカリウムの細胞内外の移動が電位を発生させて伝達する。

カルシウムは、なくてはならない重要な存在

カルシウムは、神経系の信号の伝達に重要な働きをしている。神経細胞は、電気信号と伝達物質とが交互に作用して情報の伝達を行っている。神経細胞は、脳細胞をはじめ全身に分布して生命活動をコントロールしている。神経細胞の伝達がわずかでも狂うと、たちまち全身の機能が障害をおこす。精神状態にも、異常をきたす。

脳で発した信号が全身に伝えられ統制をはかるとともに、身体の各部からの膨大な信号は脳に伝えられ、全組織がコントロールされている。複雑精妙な人体が、滞りなく健全に機能できるのは、脳・神経系の統制機能が重要な役割をはたしている。したがつて、カルシウムは、なくてはならない重要な存在である。

神経細胞が、次々に他の神経細胞に情報を伝達していくとき、電気信号と伝達物質とが交互に伝えていく。脳細胞も自律神経も、信号伝達は同様に行われる。信号伝達物質は、アセチルコリンなどが神経細胞の末端で分泌されて伝達される。このとき、カルシウムイオンが神経細胞に侵入して、伝達物質の放出をにすことによって次の神経細胞に情報が伝わる。これが繰りかえされて、相互に情報がやりとりされている。カルシウムがわずかでも不足するとこの伝達が滞るため、精神と身体が同時に異変を起こすのである。

また、身体を動かすために活動する筋肉細胞は、カルシウムに支配されている。筋肉細胞が活動するためには、カルシウムイオンが細胞内に入リスイッチをオンにすると細胞が収縮をする。つまり、カルシウムの作用がなければ、身体は動かすこともできないのである。心臓や動脈が伸縮活動をくりかえして血液を循環させるためにも、カルシウムが作用している。胃腸や胆のう、膀胱なども筋肉細胞でできている。

カルシウムの99%は骨格中に存在し、他は歯、筋肉、血液中に含まれている。血液中のカルシウムはイオンの形で含まれ、多くの酵素の作用に関与して生命活動を円滑にする。また、免疫細胞の活動、体液のpHの調節など、多岐にわたる役割をはたしている。

以上のように、カルシウム、ナトリウム、カリウムの機能をみると重要な存在であることが理解できる。他のミネラルも、それぞれ重要な役割を担っている。すべてのミネラルをまんべんなく、バランスよく常に摂取することが必要である。

  

2011年02月04日

インカインチ

インカインチ



結論

鮮やかな緑色をした、星の形の莢が目を引く「インカインチ」と呼ばれる不思議 な植物があります。南米ペルーのアマゾン熱帯雨林が原産地です。この星型の「 莢」の中に生るナッツを、コールドプレスで圧搾した「グリーンナッツオイル」 が、日本のマーケットに登場してから今年で5年目。女性誌や生活提案誌を中心と したマスメディアが、「体に良い油」や「美容に役立つ油」などとその魅力を紹 介する機会が増え、徐々に知名度が高まっています。一万、2008年の日本脂質栄 養学会発行『脂質栄養学第17巻、第2号』に掲載された論文では、ラットにおける 26週間混餌投与実験によ り、グリーンナッツオイルの慢性毒性に関する安全性が評価され、2010年3月の『 脂質栄養学第19巻、第1号』掲載論文では、グリーンナッツオイルが持つ優れた抗 酸化機能について、ヒト試験によるエビデンスが提示されました。オメガ3リッチ でビタミンEを多く含む、この新規食用油が、エゴマ油やアマニ油と並ぶか、また はそれらを上回る生理機能を有する可能性が明らかとなりつつあります。

インカインチとは?

インカインチは、ペルーアマゾン熱帯雨林に分布するトウダイグサ科の蔓系常緑 樹で、地域によって「サッチャインチ」と呼ばれていますが、学名は「プルケネ ティア・ボリビリスL.」と言います。1989年にペルー国立農業技術研究所がイン カインチに関する研究に着手しました。その中でブラジル、エクアドル、コロン ビア国境付近を含むペルー国内を対象にフィールド調査が実施され、52種類のエ コタイプ及び品種を収集、その後の研究で8種類が優良品種として選定されていま す。

インカインチが現在のように農産物として栽培が開始されたのは、今から10年程 前のことで、このペルーアマゾン原産のナッツにビジネスとしての価値を見出し た、自然愛好家でもありまた発明家としても知られるペルー人のホセ・アナヤ博士 が、農民にアグロフォレストリー栽培(農地に樹木を植えて森林を育てながら、 樹間で農作物の栽培をする)を奨励したのが始まりと言われています。その後、 アナヤ博士が設立したアグロインダストリアス・アマゾニカス社は、インカインチ オイルを、2004年のフランスSEAL国際見本市に出品し、オメガ3脂肪酸の含有率の 高さが注目を集めました。同年6月には、食の都パリで開催された国際食用油コン クール『パリ・ウォルル食用油サロン』において、オリーブオイル以外の植物油分 野で金賞を獲得し、これがきっかけとなり、ペルーの都市部でも注目を集めるこ ととなりました。

インカインチの伝統的利用法

国立ペルーアマゾン研究機関の資料では、紀元前後から西暦700年頃まで、ペルー 北部を中心に繁栄したモチェ文明の遺跡から、インカインチの莢を模った土器が 出土するなど、その利用の起源は古く、プレインカ時代から日常的に利用されて きたことが書かれています。インカインチの食経験としては、妙り豆(セコヤ、 カンドシ、ヤネシャ、カシボ、ダパナウア、ボラ)や若葉のサラダ(ヤグナ、コ カマ・コカミリヤス、シピボ・コニボ、チャヤウィタス)があり、また、「食」以 外の利用法としては、シャラナウア、ヤネーシャ、アラワカ、アグアルーナ、ア ラベーラ、チャラウィタ、ヤガ、シピボ・コニボ、ウィトト、ムルイ、カンパ・デ ル・グランパホナル、マチゲンガ、カンパ・アシャニンカ、マヨルナ、サンマルテ ィンやティグレのケチュアなど多くの先住民部族において、バタンなどの道具を 利用しオイルを搾り、灯明などの燃料とする利用法があったと触れられています 。さらにマヨルナ、チャヤウィタ、アシャニンカ、シピボ・コニボ、ヤガス、ボラ などの先住民部族では、インカインチから搾ったオイルと搾り粕の粉末とを混ぜ 合わせクリームを作り、それを直接肌に塗布し、肌の若返りや活性化に役立て、 また、オイルを直接体に塗り込み、炎症を鎮め、筋肉痛やリューマチの回復に利 用することもあったと、美容や健康に資する利用法が紹介されています。

インカインチの実がなるまで

ペルーアマゾンは、標高の低い「低地ジャングル」から、アンデスとの境界に至 る標高の高い「高地ジャングル」まで、世界的にも稀有な、実に多様な熱帯雨林 環境が特徴です。ペルー国内には約25000種類の植物(世界の約10%)があり、そ の内4000種類にものぼる有用植物が、日々の営みの中でさまざまな用途に利用さ れているといわれていますが、インカインチもペルーの多様な自然環境が生み出 した貴重な植物資源の一つです。インカインチは蔓性の半木質の植物で、写真に あるように雄花と雌花を持ち、虫や風により他家受粉し、結実します。種まき後 約7カ月で最初の収穫があり、 一年を通じて成長を続け、毎月収穫があり、雨季 に収穫のピークを迎えます。星型の莢の中には4〜9つの種実を付けますが、緑色 の莢が褐色に熟すると、収穫の合図です。収穫後、種実は莢を剥かずそのままの 状態で、風通しの良いところに保管しますが、そうすることで、長期間に渡く品 質の劣化を防ぐことができます。インカインチの生産地の中には、道路などのイ ンフラが整っていないところも多くあり、特に雨季には収穫物の運び出しが困難 になることから、長期保存のきくインカインチは、自然環境や社会的条件の制約 を受けることが少なく、ペルーアマゾンの広い地域において、適地適作となる可 能性を秘めています。

インカインチの成分

インカインチの種実の栄養成分は以下のリストの通りで、脂質が約5割、タンパク 質が3割強を占めています。

■インカインチのタンパク質とアミノ酸組成

インカインチのアミノ酸組成について、2002年にフロリダ州立大学の研究グルー プが興味深いデータを発表しています。これによると、インカインチには、WHO世 界保健機関が推奨するアミノ酸摂取パターンとの比較において、2歳以下の乳幼児 に対し摂取が推奨されているヒスチジンを除き、すべての必須アミノ酸について 十分な量を含有しているとされています。これは、成人のアミノ酸摂取要求に対 しては、完全なタンパク質であることを意味しますが、我々の知るところでは、 植物の種子由来としては、これほどまでに栄養的に完成度の高いタンパク質は、 他にはありません。加工を加えない生のインカインチの種実は、TPCKトリプシン 、TCKLキモトリプシン、ペプシンといった消化酵素によって完全には消化されま せんが、加熱変 性させれば直ちに消化されることが、試験管実験において確認されています。ま た、実験を行なった3種類の消化酵素のうち、ペプシンが加熱変性したインカイン チを加水分解するにあたり最も有効であることも確認されています。

●脂質、脂肪酸組成、抗酸化カ

インカインチの脂質を構成する脂肪酸組成としては、オメガ3不飽和脂肪酸(α- リノレン酸)が多く、概ね50%を占めています。オメガ3の含有量としては、日本 のマーケットで現在手に入る植物由来のオイルの中で、最も多い部類に入ります 。一方、オメガ6(リノール酸)の含有率は30〜35%ですから、必須脂肪酸(オメ ガ3とオメガ6)が全体の80%以上と高い割合を占め、かつバランス良く含まれてい るのが特徴です。ま た、酸化防止効果を有するビタミンEも200mg/100g以上含んでいます。このオイル の抗酸化性能をPAO-SO検査で測定したところエキストラバージンオリーブオイル の約2.5倍という、極めて強い抗酸化力を有する結果が示されました。これを踏ま え、昭和女子大学・福島正子教授の研究グループが行ったヒト臨床試験では、DNA の酸化損傷抑制作用が突き止められています。この研究成果は、日本脂質栄養学 会の 学会誌「脂質栄養学Vol.9 No.1」(2010年3月発行)に掲載されましたが、強い抗 酸化作用を持つ、新しいオメガ3系の健康油が出現したとして、話題を呼んでいま す。

実験データ紹介 〜活性酸素の発生抑制効果

日本脂質栄養学会第18回大会(2009)発表要旨集より抜 1)昭和女子大・生活機構、2)昭和女子大短大・食物、3)日研ザイル・老制研、
お茶の水女子大学・人間文化創成科学
○福島正子 1)、竹山恵美子 2)、志賀清悟 2)、竹内征夫 3)、小林哲幸  4)


【方法】

グリーンナッツオイルは、NPO法人アルコイリスから供与されたものを、キヤノー ラ油は市販のものを用いた。対象は20代を中心とした女性7名とし、通常の食事の 後、3日間統一した食事を摂り、早朝に採取した尿と、採血後遠心分離した血清は -80℃に保有した。引き続き、献立にグリーンナッツオイルを一日当たり10gとな るように加え7日間の摂取後に、採尿.採血をした.その後同一の献立に対しグリー ンナッツオイルをキヤノーラ油に換えて7日間摂取後に、採尿と採血を行い同様に 保存し、試料にした。尿は量と蓄尿時間を記録するとともに、DNA酸化ストレスマ ーカー(8-OHdG)と尿中クレアチニン量を測定し、体重に対する時間当たりの8- OHdG生成速度(DNAの酸化損傷を知る酸化ストレスマー力ーとなる)を求めた。ま た、血清中の抗酸化力を抗酸化能力(PAO)測定キットにより求めた。血清中のト コフェロールは、高速液体クロマトブラフィーにより測定した。

【結果・考察】

DNAの酸化損傷を示すマーカーである8-OHdGは、グリーンナッツオイル摂取前に比 ベて摂取後有意に低下した。さらに、キヤノーラ油に換えると再び価は上昇した 。一方、抗酸化力は、グリーンナッツオイル摂取後に上昇し、キヤノーラ油に換 えることによって低下した。これらのことから、グリーンナッツイルは高い抗酸 化力を持ち、DNAの酸化損傷を抑える働きを有することが認められた。

グリーンナッツオイルの美味しい使い方

ルーアマゾン産インカインチを100%使用しています。オメガ3リッチで天然の抗酸 化成分を多く含むインカインチ由来の「グリーンナッツオイル」は、妙め物など の加熱調理にも利用することができ、酸化防止剤を添加していないにもかかわら ず、比較的長い賞味期間を提供します。「グリーンナッツオイル」の風味は、油 としてはあっさりしていて食べやすく、色々な食材と合わせて調理すると、食材 の持つ美味しさを引き出すので、優れた調味料と言うことができます。オリーブ オイルのように、オ イルをパンに浸して口に入れると、最初にほのかな果実臭と圧倒的な緑の味を感 じますが、オリーブオイルよりもサラサラしていて、直ぐにシユツと舌の上から 消えて行くので、後味は爽やかです。最後に、グリーンナッツオイルの美味しい 使い方として、アンチエイジング料理レシピをいくつかご紹介します。

グリーンナッツオイルの味噌フォンデュ

【材料】 長ねぎ・・・・1本
松の実・・・・10g
くるみ・・・・10g
味噌・・・・50g
みりん・・・・大さじ2
日本酒・・・・小さじ1
ガーリックオイル・・・・適宜
(にんにく1片、グリーンナッツオイル適宜)

【作り方】

1.にんにくをみじん切りしてグリーンナッツオイルを注いでおく。
2.長ねぎをみじん切にして、ローストした松の実、くるみも刻んでおく。
3.ボウルに、味噌、みりん、日本酒、「2.」 を入れてよく混ぜる。
4.鍋に「3.」の味噌ソースを入れ、ガーリックオイルを入れてのばし、弱火で 加熱する。専用ポットがあれば移し、加熱しながら季節の野菜をつけていただく 。ない場合は加熟したソースを器に入れてつけていただく。


おからマフィン

【材料】A

薄力粉・・・・100g
ベーキングパウダー・・・・小さじ1
イタリアンミックスハーブ・・・・大さじ1

【材料】B
おから・・・・100g
豆乳・・・・150cc
グリーンナッツオイル・・・・大さじ2
メイプルシロップ・・・・小さじ1
塩・・・・小さじ1/2

【作り方】
1.Aの材料はボウルに入れて混ぜておく。
2.別のボウルにBの材料を入れて混ぜ、Aを加えてゴムベラでさっくり混ぜ合わせ る。
4.マフィンカップに生地を入れて妙り大豆をトッピングして、200度のオーブン で20分焼く。

料理レシピ協力:タカコ・ナカムラホールフードスクール

  

栄養素4 [タンパク質]

栄養 素4 [タンパク質]



●PROFILE
ほそかわ・かずひろ
1948年、愛知県豊川市生まれ。東西医学、心身医学、食養法、民間医療等を統合 し、総合的健康法・治療法の実践的研究を40年以上行う。自分自身を自在にコン ト ロールするBRM(脳内体験)と食養をベースに統合的・根本的な指導をする。現 在は 生活改善指導の講演会や健康セミナー、個人相談、ワークショップなど幅広 く活 動している。月刊『マクロビオティツク』に「マクロビオティツクでトータ ルライ フデザイン」を好評連載中。著書に「食養読本(女性編)」「食養生大全」 (共著)な どがある。



身体を構成する主成分タンパク質

タンパク質は、身体をつくる主な成分である。人体から水分を除いた成分の75%を タンパク質がしめている。

生体内で生命活動の媒介として働く酵素は、すべてタンパク質である。

身体の構造を保持しているタンパク質

1.コラーゲン

2.酸素を輸送するヘモグロビン(赤血球の中にある)

3.運動機能をつかさどる筋肉の収縮タンパク質

4.免疫をつかさどる抗体(免疫グロブリン)

5.生体の働きを調節するホルモンなど


体内で営まれているあらゆる生命活動は、タンパク質によるところが大きい。

アミノ酸のみからなる単純タンパク質、糖質や塩基性有機化合物、リン酸などが 含まれる複合タンパク質、化学的・物理的に変化したものなど3種類のタンパク質 がある。

成人男性は1日60g、女性は50gのタンパク質をとらなければならないと摂取基準が 示されている。この摂取量は、単純計算によるものであり、実際はそれほど多く 必要とするものではない。その上、個人差がきわめて大きい。タンパク質は、良 質なものを少量とればよいのである。

アミノ酸

人体は、約10万種類のタンパク質からできている。すべてのタンパク質は、20種 類のアミノ酸の組み合わせで成り立っている。そのうち9種類は体内で合成できな いため、必須アミノ酸と呼ばれ食事からとる必要がある。それ以外は、非必須ア ミノ酸と呼ばれるが、とらなくてよいということではない。それぞれ重要な働き をしている。

摂取基準

18歳以上の男性は1日60g、女性は50gのタンパク摂取が必要とされている。不足す ると、体力・免疫力が低下し、成長期の子供では発育障害の原因になることがあ るといわれる。タンパク摂取が過剰になると、排せつ処理を行うために肝臓・腎 臓に負担がかかり、障害を起こすことにつながる。

供給源

タンパク質の供給源は、良質タンパクからとるのがよいとされている。良質タン パクの判断は、アミノ酸スコアが基準になっている。アミノ酸スコアは、9種類の 必須アミノ酸の量とバランスで決まる。人体に必要な量とバランスをすべて満た すもの を、「アミノ酸スコア100」とされる。

スコア100のものは、卵、牛乳、イワシ、牛肉、鶏肉(むね)などだ。マクロビオ ティックでは、避けるべきものばかりである。

動物食品は、アミノ酸のバランスはよいが、タンパク質の質が悪い。動物の組織 にまで完成されたタンパク質は、これを一旦アミノ酸に分解して生命活動が営ま れる過程で、さまざまな形のタンパク質に変えて再利用することになる。再利用 するタンパク質は、老化しやすく、疲弊しやすく、硬化しやすく、炎症をおこし やすい。

化アンモニウム、プトマイン、尿酸など不要な成分や毒素も多量に含んでいる。 そのため、生命活動の過程で円滑な代謝ができず、老廃物として組織中に滞-蓄積 する場合がある。それは、体組織が障害をおこしやすいということだ。つまり、 病気になりやすく、老化のスピードが早くなる。

人体に必要とするタンパク質は、量ではなく質が重要である。良質タンパクは、 アミノ酸バランスが優れ、消化器に負担なく処理がスムーズで、不要な成分を含 まず、良質血液をつくる素材となるものだ。その条件を充たすものは、植物の中 にしか存在しない。とくに、種子には多く含まれている。中でもあらゆる方向か ら見てもっとバランスがよいのは、玄米である。玄米には、すべてのアミノ酸は もちろん、ビタミン、ミネラル、脂質もバランスよく豊富に含まれている。一部 不足している成分を少量補えば、完全である。不足成分は、ナトリウムとカルシ ウムだ。他の種子では、豆類、ナッツ類などに多く含まれている。

体内合成

タンパク質は、体内でも合成されている。食物は、消化されて腸壁から吸収され る段階でタンパク質に変化するものが多くある。

栄養素は単体にまで分解され、絨毛細胞を通り血管内に入って肝臓に運ばれ、こ こで処理され構造が変えられる。一部の栄養素は、小腸壁の絨毛細胞に同化して 血管内に移動して血液細胞の元になる。この過程ですでにタンパク質に変化して いるのである。

大腸内でも、腸内菌によって良質タンパクがつくられている。腸内菌は、大腸内 で激しく新陳代謝して新旧交代している。新しい腸内菌が生まれ、古いものは分 解して排除されていく。このとき分解された菌は、良質タンパクの宝庫であり、 ビタミン、酵素をも多量に放出する。これらの成分は、腸壁から吸収され門脈を 通って肝臓に運ばれ、生体活動のために活用される。

タンパク質の摂取

味噌、醤油を基本にした食事をとっていれば、タンパク質をはじめ、あらゆる栄 養素はまんべんなり摂取することができる。しかも、余計な成分を入れなくてす む。消化器の負担も軽いので、生体調節がスムーズにできる。その結果、体内の 代謝が活発になり、疲労や病気をしない身体が維持できる。

マクロビオティックの食事を基本にしていればよいのである。

  

2010年10月30日

ブルークリーンアルジー

地球上最古の生物からの贈り物 天然由来のスーパーフード



農学博士 
細山浩



50種類のミネラル、13種類のビタミン、20種類のアミノ酸、 4種類の脂肪酸、2種類の色素をバランス良く含有する 天然由来のスーパーフード。 NASAも宇宙食としての利用研究を進めているほか、 欧米では健康食品として50年以上の歴史を誇ります。



地球最古生物であり動植物の起源

さて、今回ご紹介させていただ くのは、あまり耳なれないかもし れませんが、地球上で初めて遺伝 子を持った生物とされている藍藻 類についてです。地球が誕生して 46億年といわれますが、約35億年 前に誕生し、植物や動物へと進化 していきました。いわば、この藍 藻類は、地球最古の生物であり動 植物の起源(ご先祖様)ともいえ る植物です。

この植物は、「ブルーグリーンア ルジー」という藍藻類で、学術名 が【アファニゾメノン・フロス・ アクアAphanizomenon Flos Aquae】。 頭文字を取ってAFA(エー・エフ・ エー)と呼ばれギリシャ語では「目 に見えない水の中の花」という意味 を持つ非常に神秘的な植物です。

世界で唯一 アメリカ自然保護区で 天然生育するAFA

現在、AFAは、世界でただ唯 一、アメリカ北西部・オレゴン州 の中南部にあるアッパークラマス 湖だけに生育している藍藻類で、 特異な環境と生物的な特徴によっ て今も生き続けています。

アッパークラマス湖は、海抜1000mの寒冷地に位置する湖で 世界でも有数のPh9-11のアルカ リ性の湖です。面積は約200平 方血で日本の琵琶湖と同じぐらい の大きさです。地下水が豊富に湧 き出るクレーター湖で約7000 年前にマザマ山の大噴火によりミネラル豊富な火山灰が湖底に11メ ートルも堆積しました。近くには 「クリスタル・ガイザ-」で有名な ミネラルウオーターの採水地もあ り、近隣のカスケード山脈からの 17本の河川を通じて雪解け水など が流入するので、良質で清廉な水 質の湖です。

2つの有機認証機関において 認証を取得

また、アメリカでも年間300 日も晴天が続く場所で、太陽光が 降り注ぐ中で充分な光を受けて育 ってます。周-の環境は非常に素 晴らしいところです。また、この 近辺はパワースポットとしても有 名な霊峰のマウントシャスタ(海抜4300m)という富士山のよ うな形をした聖山が存在します。 はるか昔から、現地の住民はこの 湖を「神の宿る聖なる湖」として 崇めてきたという逸話もあり、ま さに心が清められる環境にありま す。また、アメリカの国鳥である アメリカ白頭オオワシの野生保護 区もあり、更にオレゴン州によっ て住宅建設や工場設置を厳しく制 限され徹底した環境保護地域でも あります。そのため、アッパーク ラマス湖で採取されるAFAは、 USDA (米国連邦農務省有機認 証)と,OTCO (オレゴン州有 機認証)といったオーガニック認 証を取得することができました。

人体に必要な栄養素を網羅、 天然由来のバランス栄養食品

AFAは非常に原始的な構造で すが、生物としては完成しており 生体維持のためにバランスの良い 組成をしております。また、動植 物すべての起源生物ですので、他 の植物とは異なり、動物的な神経 伝達物質を有しています。その上、 AFAは、植物性の食品にはほと んど含まれず、午や豚のレバー、 卵、乳製品、カキといった動物性 食品に豊富に含まれるビタミンB 12を多く含んでいます。さらに、 他の藍藻類にはほとんど含まれて いない「コリン」(choline:アミノ 酸から合成される水溶性ビタミン 様物質です。肝臓に脂肪がたまる のを防ぎ、神経系の伝達を促しま す。)を豊富に含有しているのが大 きな特長です。

AFAの含有成分は 甜種類

我々の生命維持には、アミノ酸、ミネラル、ビタミンが必須で、どれが欠けてし まっても健康的な生活は送れません。AFAは50種類 のミネラル・13種類のビタミン・ 劫種類のアミノ酸・4種類の脂肪 酸・2種類の色素の89種類の成分 が含まれ、体内に必要な栄養素を もれなく含有し、そのバランスは 偶然にも人体に必要とされる理想 値にとても近いものです。

また、消化されやすいのも特徴 です。AFAの細胞膜は柔らかい グリコプロティン複合物(炭水化 物と結びついたタンパク質)でで きています。それゆえ体内で消化 されやすく、すばやく栄養素を吸 収することができます。

ヒトの理想値に近い 必須アミノ酸9種類を含む 全知種類のアミノ酸を持つ

さて、栄養の上では、エネルギー となる炭水化物、体を作るタンパ ク質、ホルモンや酵素の働きを助 けるビタミンやミネラル等があり ますが、タンパク質は20種類のア ミノ酸からなります。そのうち9 種類(トリプトファン、リジン、メ チオニン、フェニルアラニン、ス レオニン、バリン、ロイシン、イソ ロイシン、ヒスチジン)は、体内で 合成できないので、食物から摂る 必要があります。AFAは9種類 の必須アミノ酸を全て含有し、そ の構成比率は人の理想値に非常に 近いためスーパーフードとも呼ば れ、アメリカ航空宇宙局(NASA) でも注目され、長年にわたり宇宙 食としての研究がされています。

また、私たちの体をつくってい るミネラルは少なくとも60種類あ るといいます。つまり、健康を維 持するには最低でも60種類のミネ ラルを体に補給しなければなりま せん。それにはたっぷりミネラル を含んでいる食物を通して摂取す るのが一番良い方法です。しかし、 近年深刻な問題が報告されていま す。というのも、農作物からはど んどんミネラルが減少しているの です。例えば2000年の調査で は、野菜に含有される鉄分が、50 年前に比べて、大根で5分の1、 ニンジンで10分の1、ホウレン草 で65分の1に減っていたのです。 人糞や家畜の糞を堆肥として利用 することで田畑にはミネラルが豊 富にあり循環していましたが、近 年では化学肥料(窒素、リン、カ リウム)を多量に用いるためミネ ラルバランスが崩れ、その結果、 土壌のミネラルは偏り乏しりなり ました。たとえ肥沃な土壌であっ ても50年程でミネラルが枯渇する といわれています。

AFAは、欧米ではミネラルが 減少し始めた1950年代から愛 飲され続けているサプリメントで ハリウッドスターやトップモデル にも親しまれて、最近は大手飲料 メーカーのドリンクにも配合され る注目の素材です。

また、栄養的なメリットだけでな く「フェニルエチルアミン」 (Phenylethylamine)や「フィコシア ニン」(Phycocyanins)という通常 の食品からは摂取しにくい神経物 質などの機能性が期待される成分 が含まれているのは分かり始め、 研究も盛んになってきておりま す。今後健康食品の素材として期 待されています。アミノ酸・ミネ ラル・ビタミン等をバランス良く補給するために天然由来のスーパー フードであるAFAのサプリメント を試してみてはいかがでしょうか?

  

栄養素3 [脂質]

栄養素3 [脂質]



●PROFILE
ほそかわ・かずひろ
1948年、愛知県豊川市生まれ。東西医学、心身医学、食養法、民間医療等を統合 し、総合的健康法・治療法の実践的研究を40年以上行う。自分自身を自在にコント ロールするBRM(脳内体験)と食養をベースに統合的・根本的な指導をする。現在は 生活改善指導の講演会や健康セミナー、個人相談、ワークショップなど幅広く活 動している。月刊『マクロビオティツク』に「マクロビオティツクでトータルライ フデザイン」を好評連載中。著書に「食養読本(女性編)」「食養生大全」(共著)な どがある。



脂質

脂質には、組織の構成成分となる 複合脂質、細胞膜やホルモンの素材 となる誘導脂質、エネルギー源とし て使われる単純脂質の3種類があ る。

複合脂質は、リン脂質、糖脂質の 2種があり単純脂質にリンや糖質、 塩基などが結合したもの。脳や神経 細胞の細胞膜の素材として重要な機 能をもっている。誘導脂質は、ステ ロール類(ステリン)であり、脳細 胞、脊髄などに多く存在し、細胞膜 の素材となる。また、ホルモンの素 材となる。単純脂質は、中性脂肪や ろうなど。体内でエネルギー源が余 ると、中性脂肪に変えて蓄えられる。 これらの貯蔵された脂肪は、身体を 外部環境から保護し、体温の保持に も役立っている。

体内でエネルギー源が不足する と、中性脂肪が燃焼してエネルギー として使われる。脂質のエネルギー は1gあたり9kcalのエネルギーを 産生する。これは、糖質やタンパク 質の2倍以上であり、効率のよいエ ネルギー源といわれている。1日の 摂取エネルギーのうち、20〜25%は 脂質として摂り入れるとよいとされ ている。しかし、これは間違いであ る。

エネルギー源

身体活動のためのエネルギー源 は、糖質、脂質、タンパク質である。 このうち、糖質がもっとも効率よく 燃焼することができ、老廃物を多く を残さない。しかし、脂質やタンパ ク質は、エネルギー源にするために 一旦、糖質に変えるというプロセス を経る必要がある。このとき分解行 程がスムーズに進めば問題はないの だが、エネルギーに変わるまでに余 計な代謝産物を産み出してしまう。 脂質からはケトン、タンパク質から は尿酸、尿素窒素などが産生される。 これらの老廃物は、排泄するために 循環器、腎臓、肝臓に大きな負担を しいることになる。排泄が円滑にで きなければ、様々な組織の結合織の 間に蓄積してしまう。これは、病気 の最大原因になる。

一方、炭水化物から得られる糖質 は、燃焼も排泄もスムーズなため、 体内器官の負担も軽く、老廃物の蓄 積もおこりにくい。したがってエネ ルギー源としては、炭水化物(糖質) がもっとも合理的である。

脂質の吸収

食事で摂取された脂質のうちリン 脂質とコレステロールは、そのまま 小腸で吸収される。中性脂肪は、い ったん脂肪酸とグリセリンに分解さ れて小腸から吸収される。吸収され た後、小腸内で再び中性脂肪に合成 され、タンパク質と結合したリポタ ンパク質になってリンパ管に入る。 リン脂質やコレステロールも、リポ タンパク質となり、リンパ管に吸収 される。次に静脈を経て肝臓に入る。 小さな分子の脂肪酸は、直接静脈に 入り肝臓に運ばれる。肝臓に入った 脂質はここで処理され様々な形にな って全身に送られ、それぞれの役割 をはたす。

脂肪酸

脂肪酸は、脂質の構成要素であり、 その構造によって性質が異なる。主 に炭素と水素で構成され、そこへ酸 素原子が2〜3個結合した形になっ てる。

脂肪酸は構造の違いから、飽和脂 肪酸と不飽和脂肪酸に分けられる。 鎖状につながった炭素のすべてに水 素が結合しているのが飽和脂肪酸、 炭素と水素が結びついていない部分 をもっているのが不飽和脂肪酸であ る。炭素と水素が結びつかない部分 は、炭素が二重結合をしている。二 重結合を1つもつものを一価不飽和 脂肪酸、2つ以上もつものを多価不 飽和脂肪酸という。炭素原子のn末 端から6番目に二重結合があるもの をn-6系、3番目にあるものをn- 3系とされる。

n-6系は、リノール酸、γリノ レン酸、アラキドン酸など、n-3 系は、α-リノレン酸、EPA (エ イコサペンタエン酸)DHA (ドコ サヘキサエン酸)などである。

近年、n-3系脂肪酸が循環器の 健全化に効果があるとされ、重視さ れている。しかし、n-3系脂肪酸 にも、プラス・マイナスがある。多 価不飽和脂肪酸は、酸化しやすい。 体内でも酸化する。酸化した脂質は、 肝臓や循環器、皮膚を傷める有害物 質である。脂質は、熱、酸素、光 (とくに紫外線)などの作用を受け ると、急速に酸化する。

必要不可欠な脂肪酸のうち、体内 で合成できない脂肪酸を必須脂肪酸 という。多価不飽和脂肪酸のリノー ル酸、α-リノレン酸、アラキドン 酸の3種だ。これらは、食べ物から とらなければならないとされてい る。

脂質の供給源

脂質は、肉、魚介類、牛乳、卵な ど動物食品と、穀類、豆類、ナッツ 類など種子類に様々な形で多く含ま れている。

これら、油脂の原料となる種子か ら搾油によって得た油が食用油とし て用いられてきた。

昔は、原始的な搾油方法でゆっく り時間をかけて油を絞っていた。ゴ マなどをつぶして麻袋にいれ、圧力 をかけて何日もかけて油を分離し た。近年になって搾油法は飛躍的に 発達した。短時間で効率よく搾るこ とができるようになって、食用油が ふんだんに使えるようになった。そ のため、日常的に多量に油を使うよ うになった。その結果、現代人には 油による弊害が激増してきた。自然 食やマクロビオティックの料理に は、油を多く使いすぎる傾向がある。 油は、質をよく吟味して、保管も細 心の注意をはらわなければならな い。料理に使うときは、酸化や変性 をさせないよう気を使うことだ。高温や長時間の加熱をさける。調理後 は早めに食べる。一度加熱した油は、 捨てる。油の容器を開封したら、一ヶ月以内に使い切る。買うときは、 できるだけ新しいものを選ぶ。保管 は、冷暗所に置く。など、神経質と 言われるくらいの注意が必要であ る。

肝臓、膵臓、循環器などに負荷を かけないようにするためには、次の 食物3種類以上を一緒にとるとよ い。ハトムギ、フノリ、ダイコン葉、 ニンジン薬、ニラ、ネギ、タマネギ、 ワケギ、アサツキ、ラッキョウ、モ ヤシ、パセリ、ヨモギ、みそ、しょ うゆ、梅干など。

油脂の害

肥満による糖尿病、高血圧、心臓 病、血管障害、アレルギー、関節炎 など生活習慣病の大半は、脂質過剰 が関わっている。しかも、現在入手 できる油脂類は、粗悪なものばかり である。

一般市販の油脂は、ほとんどが溶 剤で溶かし出す方法で搾油してい る。ノルマルヘキサンなどの溶剤に 原料を浸け、溶解した油脂を分離し て食用油にする。そのため、脂質とともに含まれている多くの栄養素は 破壊される。脂質の分子構造も変性 する。そのような食用油は、有害食 品である。消化器、肝臓、膵臓、血 管、心臓などに大きく負担をかける。 活性酸素や過酸化脂質を発生して、 様々な障害をひきおこす。長年の間 には、身体中の組織にやっかいな老 廃物となって蓄積する。これは、老 化と生活習慣病の大きな原因とな る。

油脂の害をあげると、以下のよう に多くある。
■胃、腸、肝腺、脾臓、膵臓、心臓、血管、皮膚などに障害が出る。 特に、肝臓、心臓、血管、皮膚の ダメージが大きい。
■乳房、卵巣、子宮、前立腺などに、 脂質の代謝産物が蓄積する。 しこりやガンの原因になる。
■細胞膜がもろくなる。 炎症や破壊(潰蕩)がおこりやすい。
■脳、神経系に障害がおこる。 精神障害、神経障害、認知症など になりやすい。
■目、耳の障害。 白内障、緑内障、難聴、耳鳴り
■おできなど、化膿性の灸症が できやすい。
■脂質代謝が狂う 肥満か痩せすぎのどちらかになり やすい。
■老化が早く進む シミ、シワ、たるみができやすい。 組織、器官が硬化しもろくなる。

理想的な脂質

自然食の油脂類は、加熟して搾油 するものがほとんどのようだ。一部 冷圧法のものもある。しかし、これ とて数十年前の油と比べると質が大 きく低下している。原料の質が良く ない。搾油法も昔の原始的な方法で はなく、金属の機械ですりつぶして 強力な圧力で一気に搾ってしまう。 このとき、機械の圧力と摩擦によっ て温度がかなり上昇する。これでは、 冷圧法と言えるかどうか疑問だ。

良質油脂の条件は、原料が、国内 産・自然農法。伝統的搾油法で搾っ たもの。原料や搾った油が触れる機 器類は、つねに洗浄が念入りに行わ れている。洗浄に有害な洗剤を使用 してない。容器は遮光ビンで、鮮度 のよいもの。などの条件を充たすも のが良い。価格は、自然食油脂の5〜10倍になるだろう。それでも、使 う量と頻度を少なくすれば問題はな い。

最も理想的な脂質は、体内で合成 されるものである。主要な脂質は、 肝臓内で合成される。中性脂肪など は、全身組織で合成される。

脂質は、炭素と水素が主で、一部 に酸素が結合して分子が構成されて いる。これは、炭水化物の分子と共 通の元素だ。米、麦などのデンプン が、腸内で糖質に変って吸収され、 エネルギー源と脂質の原料になる。 つまり、肝臓を健全に保ち、米を食 べていれば、必要な脂質は充分供給 されるのである。しかも、原材料の 炭水化物から肝臓内で造られる鮮度 のいい脂質は、最良の質である。食 生活が調和し、健康な肝臓を保って いれば、必須脂肪酸も体内生成でき る。できあがっている油脂を摂り入 れて、自身の脂質に作り変えリサイ クルして使うのは、負荷が大きく、 しかも理想形にはならない。

体内生成の次に良質な脂質は、分 離されておらず変性していない油脂 だ。つまり、米、麦、そばなどの穀 類、豆類、ナッツ類などの種子類で ある。米をご飯にして食べれば、そ こには良質な油脂がたっぷり含まれ ている。煮豆を食べても、松の実を 食べても同様である。

米やそばを粉末にすると、その直 後から脂質の変性が始まる。だから、 製粉して1〜2時間もたつともう味 が変わっている。粉末は、極力鮮度 のいいものを使うことだ。そして、 使いすぎないこと。病気をもってい る人は、健康になるまでは、パンや 麺類、菓子など粉食を食べないこと だ。

油脂類

油脂類は、多くの種類がある。一般的に、製品化までの条件が同じで あれば、総合的にとらえた場合、以 下は良質レベルの順位である。

1.椿油、ゴマ油
2.菜種油、オリーブ油、亜麻仁油、 麻の実油、シソ油、茶油、ヒマ ワリ油、グレープシードオイル
3.大豆油、米糠油、綿実油、コー ン油
4.サフラワー油、ピーナッツ油、 ヤシ油(ココナッツ油、パーム 油)

  

2010年09月15日

味噌

味噌



●PROFILE
ほそかわ・かずひろ
1948年、愛知県豊川市生まれ。東西医学、心身医学、食養法、民間医療等を統合 し、総合的健康法・治療法の実践的研究を40年以上行う。自分自身を自在にコント ロールするBRM(脳内体験)と食養をベースに統合的・根本的な指導をする。現在は 生活改善指導の講演会や健康セミナー、個人相談、ワークショップなど幅広く活 動している。月刊『マクロビオティツク』に「マクロビオティツクでトータルライ フデザイン」を好評連載中。著書に「食養読本(女性編)」「食養生大全」(共著)な どがある。



味噌は保存食の傑作

味噌は日本人が作り出した保存 食の傑作です。味、栄養素、有効 性、活用の多用性など、どの面か らみてもトップレベルなものです。 味噌の恩恵ははかり知れないほど です。

日本の食卓に味噌がないのは考 えられないほどです。どこの家で も味噌はさまざまな料理に活用さ れているからです。みそ汁、みそ 和え、みそ煮込み、みそだれ、み そペースト、みそ菓子、みそアイ スクリーム、みそパンなど、その 活用範囲は食品中最も多いのです。 また、みそスープ、みそ灸、みそ 湿布などの治療にも多用されてい ます。このように味噌は日本人の 生活になくてはならない存在です。 味噌の起源は中国にあるようです が、その一端をヒントに日本独自 の味噌文化が生み出されています。 諸説さまざまですが、保存食品が 自然に発酵して変化したものがル ーツのようです。東北地方の冬の 厳しい寒さの中で、越冬期間の食 糧を確保しているうちに、さまざ まな発酵食品が自然に生まれてき ました。その中から良質で美味な ものが残ってきました。進化の過 程で中国や韓国からの発酵食品の 情報なども加わって進化してきた のだと考えられます。

歴史の事実から推測すると、味 噌の起源といえるような発酵食品 は1300年ほど前に存在してい たようです。奈良・平安時代の記 録に、味噌の原形らしきものがあ るようです。長い歴史の中で、多 くの人々の試行錯誤によって現在 のような形に改良されてきました。

味噌の種類

味噌は原料の種類、醸造方法、 熟成期間などによってへそれぞれ さまざまな特徴があります。また その種類によって味や機能が異な ります. 一般的には料理や好みに よって種類を選ぶことが多いので はないでしょうか。

概して白味噌系より赤味噌系の 方が栄養価と薬効が高くなります。 また、白味噌より赤味噌の方が陽 性です。自味噌と赤味噌のトータ ルの栄養素を比べてみると、赤味 噌の方がおよそ5倍多くなります。

自味噌は熟成期間が短く、赤味 噌は熟成期間が長くなります。味 噌は熟成中におよそ160種の微 生物が繁殖して素材を分解し、さ まざまな栄養素や有効成分をつく り出します。したがって、熟成期 間が長いほど有効成分が増えるこ とになります。しかし、あまり長 すぎると微生物の繁殖が衰えて、 味・質とも低下します。味と質を 考えると、2〜2年半がベストで はないでしょうか。

麹の種類

麹の種類は、米、麦、大豆の3 種類です。米と麦は精白したもの で麹を造ります。麦は胚芽が内部 に入り込んでいるため精白しても 肱芽部分がかなり残っていますが、 白米は肱芽はほとんど失われてし まいます。そのため麹の栄養価は 麦の方が高-なります。大豆の麹 は豆を丸ごと使うのでもっとも栄 養価が高くなります。

したがって体質改善が必要な場 合は、麦味噌や豆味噌を選ぶのが 良いのです。陰性の体質や難しい 病気の場合は、豆味噌の赤味噌が ベストです。

味噌の醸造

味噌を仕込んでか20日位経つ と、麹菌の作用で炭水化物の80% が還元糖に変わり、タンパク質の 30%前後がアミノ酸に分解します. ビタミンB2が増加し、ビタミン B12が合成されます。大豆、麦、 米に含まれるフィチン酸は分解さ れ、腸壁細胞の機能を高め、活性 酸素を中和し、ガン予防効果を発 揮する成分になります。

熟成が進むと乳酸菌が繁殖して 余計な雑菌の侵入を阻止します。 さらに進むと好塩性の酵母が繁殖 し、アミノ酸や糖分を分解して、 アルコール、脂肪酸、エステルな どを合成Lt味噌独特の芳香物質 やうま昧成分を作り出します。

発酵過程を円滑に運ぶには、木 樽の中でいい環境に置かれている ことが望ましいのです。

多くの味噌は熟成の最終段階で 加熱処理をするため有効微生物は 死滅してしまいます。味噌の特性 を最高度に括かすには酵母などが 生きている「生みそ」が最良です。

味噌の栄養

味噌は栄養豊富でバランスがと ても良いのです。とくにビタミン、 ミネラル、アミノ酸が豊富に含ま れています。ビタミンE ・K ・B1・B2 ・B6 ・B12、ナイアシ ン、葉酸、パンーテン酸などのビ タミン。ナトリウム、カリウム、 カルシウム、マグネシウム、リン、 鉄、亜鉛、鋼などミネラル。ロイ シン、イソロイシン、バリン、ス レオニン、リジン、メチオニン、 フェニルアラニン、トリプトファ ンなど必須アミノ酸をはじめ、豊 富なアミノ酸を含んでいます。

適度な炭水化物と数十種類の脂 肪酸。その他、有効成分が多量に 含まれています。「総合栄養剤」と いっても過言ではあ-ません。

味噌には玄米に不足がちといわ れるリジンやスレオニンなどの必 須アミノ酸やビタミンB12が含ま れています。そのため、玄米とと もに味噌を食べると大変合理的な のです。この場合も赤味噌がベス トです。

味噌の効用

味噌の効用はガン、潰場、動脈 硬化、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病、 認知症、アルツハイマー、食中毒 などの予防に大きな効果がありま す。脳、胃腸、肝臓、心臓、血管、 皮膚などの機能を高めます。高血 圧・低血圧のいずれも調整して安 定させます。味噌の多様な効果で 老化防止には最適な食物です。

また、母乳の分泌を促します。 内分泌腺の働きを高めるので女性 特有のトラブルにも有効です。

味噌は麹菌で発酵させます。そ の発酵過程で乳酸菌や酵母類など、 微生物が約160種に増加します。 これら微生物が多くの恩恵をもた らすことになります。微生物は繁 殖の過程で良質なアミノ酸、ビタ ミン類などの他多くの有効成分を 生み出します。

多種多量に存在する微生物は腸 の機能を高め、腸内善玉菌を増や し、腸内環境を調えます。微生物 類を十分活用するには加熱処理を していない味噌を生で摂るのがも っとも効果的なのです。生味噌は ティースプーン1〜2杯でヨーグ ルト100g以上の整腸作用があ ります。

味噌にはビタミンEやレシチン が含まれ、脳内の血流を促し、脳 の回路でシグナルが円滑に流れる のを助けます。脳内には新皮質だ けでも1000億個の細胞があり、 それぞれが数千本の神経繊維で結 ばれています。これらの神経繊維 内は常に電流が流れています。そ の電気的シグナルがショートしな いように絶縁体の「さや」でカバ ーされています。この重要な「さ や」の主要な構成成分がレシチン です。そのためレシチンが不足す ると脳の機能に支障が発生します。 また、レシチンは体内で重要な機 能を果たしている脂質の代謝に欠 かせない成分なのです。不足する と動脈硬化、関節障害、皮膚障害 など、多くの慢性病につながりま す。

味噌はガンの予防にも有効です。 これは国立癌センターで26万人を 13年間にわたり疫学調査を行って 得られた結論なのです。1981 年、朝日新聞に掲載され話題にな りました。味噌に含まれる特定成 分の働きではなく、数百種にのぼ る多種多様の物質による相乗効果 なのです。

味噌の解毒作用は強力で、農 薬・薬物など化学物質、放射性物 質、たばこの有害物質などを中 和・分解します。たばこには10 0種以上の有毒物質が含まれてい ます。その内の40種は発ガン性が 明らかになっています。

土壌中にはセシウム137など の放射性物質が含まれており、農 産物がこれを吸収しています。味 噌に含むジピコリン酸は放射性物 質を吸着し排出する作用がありま す。さらに、味噌の強陽性物質が 強陰性の放射性物質を中和するの です。

味噌を適度に焼くと牌臓、すい 臓の機能を高め、リンパ系や血糖 のコントロールを安定化する作用 があります。

味噌に含まれるチロシン、トリ プトファンは、脳内で生成される ドーパミンの主原料となります。 ドーパミンが十分分泌されている と自律神経が安定し、精神が安定 し高揚して、ストレスの影響を受 けにくくなります。それは身体の 機能向上にもつながるのです。

味噌の活用

味噌は外用に使っても効果があ ります。コリや炎症の際、味噌で 湿布を行うと有効です。味噌をガ ーゼに薄-のばして患部に貼るの です。そうすると味噌の成分が皮 膚から浸透して炎症が治まってい きます。この場合は赤味噌が最適 です。

味噌灸も効果的です。「ツボ」 (経穴)に味噌を置き、その上にも ぐさを置いて灸をすえるのです。 これは灸の跡を残さずに効果をあ げることができます。

調理においてはみそは万能です。 味噌で野菜を調理することによっ て野菜に不足している成分を補う だけではなく、栄養素を活性化し、 バランスを良くし、消化を良くし、 味を調え、陰性成分を中和します。 野菜の和え物やみそ漬けは、味噌 を生のまま使うことができるので より効果的です。味噌は熱によっ て破壊する成分が多いため生で使 うのが望ましいのです。

味噌の選択

製品化され市場に出ている味噌 は膨大な種類があります。味噌の 効果を充分に得るには良質なもの を選ばなければなりません。

市場にある大部分のものは原料 が悪く、製法が不自然で、有害な 添加物を多量に入れているのが多 いのです。こういう物では効用ど ころか有害となります。

有害となる味噌には、遺伝子操 作をして農薬を大量に使い、化学 肥料で育てた大豆や小麦を使った もの。大豆は有害な溶剤のノルマ ルヘキサンで油脂分を絞りとった 脱脂大豆を原料にしているものも あります。質の悪い小麦を使い手 抜き作業で作った麹を使い、化学 塩を加えたり、味をごまかしたり、 製造をしやすくするためにさまざ まな化学物質を添加しています。 それを短期間の熟成で味噌らしき 物にしているのです。ここに防腐 剤や酸化防止剤を加えて製品化し ています。店に並んでいる大半の 味噌は、このような「みそもどき」 です。こんな物を食べていたら、 効用どころか病気をつくることに なってしまいます。

完全自然農法で育てた大豆を使 い、良質な麹と本物の塩を加え、 木の樽に漬け込んで1年以上はじ っくり熟成させます。もちろん添 加物など余計な物は一切加えませ ん。それを「火入れ」もせず、生 のままで製品化したものが最高で す。そういう味噌でなければ効果 は期待できません。

味噌のカビ

味噌がカビた時どうしたらいい かという質問をよく受けます。良 質な味噌は酵母が生きています。 その酵母が繁殖しやすい温度や酸 素などがそろった環境に置かれる と、白いカビ様のものが表面に浮 いてくることがあります。これは よく勘違いされますが、カビでは なく酵母の繁殖によって役割を終 えた酵母の集団なのです。好気性 の酵母は酸素を好むので味噌の表 面でよ-繁殖します。醤油の場合 も同じです。

この繁殖を防ぐには空気が入ら ない密閉容器に入れ、低温の場所 に置くのが良いです。冷蔵庫の中 ならベストです。白く繁殖してし まったらその部分だけを取り除け ば大丈夫。白い部分は豊富な栄養 素を含んでいるので、食べると身 体にはプラスになるが美味しくは ありません。中に混ぜ込んでもよ いですが味噌全体の味が少々おち ます。

赤、青、緑色などカラフルで、 細い拭たん様のカビがつくことも あります。これらのものは、まさ しくカビで有毒成分を含んでいま す。このカビは味噌の奥の方まで 侵入しているので表面だけ取り除 いてもムダです。いさざよく捨て るしかありません。しかし本当に 良い素材を使い、良い条件で醸造 された良質な味噌であればカビが 出ることはありません。

  

2010年09月14日

栄養素2 [ビタミン]

栄養 素2 [ビタミン]



●PROFILE
ほそかわ・かずひろ
1948年、愛知県豊川市生まれ。東西医学、心身医学、食養法、民間医療等を統合 し、総合的健康法・治療法の実践的研究を40年以上行う。自分自身を自在にコント ロールするBRM(脳内体験)と食養をベースに統合的・根本的な指導をする。現在は 生活改善指導の講演会や健康セミナー、個人相談、ワークショップなど幅広く活 動している。月刊『マクロビオティツク』に「マクロビオティツクでトータルライ フデザイン」を好評連載中。著書に「食養読本(女性編)」「食養生大全」(共著)な どがある。



ビタミンとは

ビタミンは、体内の代謝(生命活動)に無くてはならない媒体として働く物質である 。体内では、合成することができないので、食物などによって外部からとり入れなけ ればならない不可欠な成分で、5大栄養素の一つに含まれる。

ホルモンもビタミンと類似の作用をするが、内分泌線で生成されるため、ビタミン とは区別される。

ビタミンは、1910年に鈴木梅 太郎が米糠から抽出し、オリザニン と名づけられた。しかし、この時に は認められず、翌年1911年、カ ジミール・フンクによってその存在 が世界に知らされた。フンクは、vita (ピタ・・・生命)のamine(アミン・・・窒 素を含む有機物)という意味で、 vitamine(ビタミン)と名づけた。

ビタミンの種類

ビタミンは、水に溶ける水溶性ビ タミンと、油脂に溶ける脂溶性ビタ ミンとに大別され計13種類ある。

ビタミン様物質

ビタミンの定義には当てはまらな いが、ビタミン同様の媒体的な作用 をもっている物質をビタミン様物質 という。

一部は体内生合成が可能であり、 欠乏症が未解明であり、生体構成成 分であるものもある。

ビタミンの特質

ビタミンにはそれぞれの機能・特 質があり、不足すると様々な障害が おこってくる。また、過剰になると、 害がおこるものもある。したがって、 常にバランスを保つことが大切。

ビタミン過剰症

水溶性ビタミンは体内に蓄えるこ とができないので、常にとる必要が ある。過剰にとっても、大半は尿と して排出されるので、とり過ぎには なりにくい。但し、つぎのビタミン は、上限摂取量が定められている。 ビタミンB6・・・100mg、葉酸1mg、 ナイアシン30mgを超えると害がでる 恐れがある。ビタミン別B6は、末消神 経の障害。葉酸は、亜鉛の吸収阻害 などの害が出る可能性がある。ナイ アシンは、循環器、肝臓などの機能 低下、血糖値、尿酸値の上昇。以上 の障害は、合成ビタミン剤を過剰摂 取した場合であって、食物からとっ たビタミンで過剰になることはない。

脂溶性ビタミンは、過剰にとると 脂肪組織に溶け込んで体内に蓄積す る。ビタミンAは、過剰にとると頭 痛、吐き気など老廃物過剰の症状が おこることがある。ただし、β-カ ロテンなどの色素成分は、プロビタ ミンAとよばれ、体内でビタミンA に変わる。カロテン類は、多量にと ってもほとんど問題はない。カロテ ンは、カボチャ、トマト、ニンジン、 サツマイモ、タンポポの花、菊の花 などに多く含まれている。

ビタミンDを過剰にとると、血液 中のカルシウム濃度が上がり過ぎ、 血管、腎臓、心筋、肺などにカルシ ウムが沈着して、障害を起こす。

ビタミンEとKは、食品からとる 場合は過剰になることはほとんどない。

脂溶性ビタミンは、ビタミン剤と してとると、過剰になりやすい。合 成ビタミンは、体内利用率が低いた め多量にとることになる。合成成分 が多量に体内に入ってくると、大半 は異物として処理されるため、肝 臓・腎臓などに負担が大きくなる。

ビタミンはデリケート

ビタミンは大変デリケートで、破 壊されやすいものが多い。熱、光 (紫外線)、酸素、アルカリなどによ って破壊されると、機能を失ってし まう。

野菜を細かく刻みすぎると空気に 触れる面積が広くなり、酸素によって破壊されやすくなる。また極端に 長時間煮込むと、熱によって破壊さ れやすい。ビタミンCは、鉄なべで 煮ると、溶けだした鉄イオンと化合 して大半が破壊される。ステンレス なべで煮る場合も、鉄が溶けてイオ ンとなり、ビタミンCが破壊される 可能性がある。また、ステンレスか らクロムが溶け出して害を及ぼす恐 れもある。

ビタミンの摂取

ニコチン酸などは肝臓内で合成さ れるが、必要量には満たないので不 足分を食物からとり入れなければな らない。ビタミンCは、大部分の動 物では体内でブドウ糖から生合成さ れる。しかし、人や猿、モルモット などは、ビタミンC合成酵素の一つ 「グルコノラクトナーゼ」がないた め、体内合成ができない。したがっ て食物から摂取しなければならない。

ビタミン類は、穀類から摂取する のが最良である。とくに玄米がもっ とも優れている。玄米は、中庸であ り、栄養バランスは理想的で、加熱 しても栄養素は壊れにくく、長く食 べ続けても飽きがこない。そして、 おいしい。玄米がおいしくない人は、 身体の側に問題がある。あるいは、 栄養が十分満ち足りていて、もっと 食事の量を減らしてもよいという、 内側からのメッセージである。

玄米の中に不足している栄養素 は、ビタミンD、ビタミンK、ピタ ミンB12、ナトリウム、カルシウム、 鉄、亜鉛などだ。これらは、野菜、 海藻、みそ、しょうゆなどを適度に とれば、十分補うことができる。ビ タミンCは、穀類や芋類に含まれる プロビタミンCによって摂取でき る。これは、ビタミンCの前駆体で あり、体内でビタミンCに変わるも のだ。プロビタミンCは熟に強いの で、玄米を炊いてもほとんど失われ ることはない。ビタミンCは、穀類 や芋類からとるのが合理的だ。つま り、マクロビオティックの食事をベ ースにしていれば、栄養のバランス は完全であり、余計な成分が入るこ とがないので身体の負荷が少なく、 疲労、病気、精神不安定、老化など の要素が少なくなる。

  

2010年08月25日

乳酸菌発酵野菜のチカラ

乳酸菌発酵野菜のチカラ



●PROFILE
水道裕久(すいどう・ひろひさ)
技術士(農業・農芸化学)。
労働安全・衛生コンサルタント(化学・保健衛生)。
研究・専門分野:口腔衛生(歯周病・口腔細菌学)。
食品の機能性研究(整腸、腸内細菌、生活習慣病関連)。
労働安全衛生。
●PROFILE
田中絵里香(たなか・えりか)
管理栄養士。



乳酸菌とでえば代表的なのは「整腸作用」。でも、それだけではないのです。

乳酸菌の働きといえば、おなかの中をきれいにしてくれる、免疫力を強くしてくれる、などが一般的に知られている乳酸菌。20世紀初頭、ロシアのメチェコフという学者が、ヨーグルトを常食している地方の人たちに長寿の人が多いことから「乳酸菌=不老長寿」説を提唱しました。ところが、当時は科学的証明が乏しかったため、学会での評価は低かったそうです。それから約一世紀が過ぎた現在までに、乳酸菌が整腸作用、免疫賦活作用、血中コレステロール低下作用など生 理的に優れた機能を持っていることが実証されてきました。

発酵によって糖類から多量の乳酸を産生し、腐敗物質を作らない菌を総称して乳酸菌と呼んでいます。乳酸菌は、ヨーグルトや乳酸飲料など、さまざまな発酵食品の製造に用いられています。

一方、ヒトの腸内には多くの種類の微生物が生息しており、ほぼ全ての人の腸内からは、ビフィドバクテリウム属やラクトバシラス属の乳酸菌が検出されます。これらの乳酸菌は、俗に言う「腸内の善玉菌」の一種として、病原菌や腐敗菌など悪玉菌から生体を守る有益なバリヤーとして機能していると考えられています。

実は、この腸という部位は消化吸収だけでなく「免疫システム」もコントロールしており、小腸が健康な状態であれば、病原菌やウイルスなどの感染を防止する機能も持っています。この腸による「免疫システム」の働きは、腸内の免疫力だけでなく全身の免疫力も向上させていきます。乳酸菌による整腸作用というのは、お通じがよくなるという程度ではなく、このような素晴らしい作用を意味していたのです。

腸内常在細菌叢(腸内フローラ)において、これらの善玉菌の数および割合を増やすことが健康の維持・増進に役立つと考えられています。

乳酸菌発酵食品なら手軽においしく乳酸菌を摂取できる

乳酸菌を手軽に摂取する方法は、乳酸菌を含んだ食品からの摂取です。日本人が昔から伝統的に食してきた漬け物などは乳酸菌発酵食品の代表的なもので、味噌や醤油も乳酸菌が関与しており、知らないうちに乳酸菌とは昔から親しんできているのです。

その他、ヨーグルト、チーズ、発酵バター、ドライソーセージなども乳酸菌発酵食品です。さらに、日本酒、ワイン、ウィスキーなどのお酒類やパンでも乳酸菌が活躍しているのです。アルコール発酵する酵母だけでなく乳酸菌が共生しているおかげでカビ臭く感じてしまうのを防ぎ、おいしい風味に仕上がります。

乳酸菌による野菜の発酵

乳酸菌の発酵食品というとヨーグルトのような食品が想像されると思いますが、日本に古くから伝わる伝統的な発酵食品に漬け物があります。漬け物の発酵に関与する乳酸菌の役割は、乳酸菌の酸精製によるpHの低下によって腐敗微生物の増殖抑制と酸味や風味の生成などです。

また、野菜を乳酸菌で発酵すると、酸味や風味が生成され、野菜の臭みがなくなり、まろやかでおいしくなります。このように乳酸菌は、発酵させることにより保存性をよくするだけでなく、おいしさの生成にも一役買っているのです。食生活のバランスを整え多くの食品を摂取する工夫をすれば、ヨーグルトや乳製品からだけではなく、潰け物などの野菜からも乳酸菌を上手に摂取できるのです。

野菜汁の乳酸菌増殖促進作用

腸内の細菌は、ヒトが摂取した食物やその代謝産物を餌として生育します。従って、ヒトが搾取する食物の内容により腸内細菌叢の構成にも影響を及ぼすものと考えられます。

そこで著者らは、ビフィズス菌とラクトバシラス菌の増殖に及ぼす各種野菜汁の影響を検討してみました(次頁図)。その結果、野菜汁無添加のコントロールに比べ、検討したすべての野菜汁の添加により濃度依存的にこれら乳酸菌の増殖が促進されることがわかりました。特にラクトバシラス菌においては、ブロッコリー、キャベツ、セロリ、レタス、パセリ汁の添加は乳酸菌増殖促進効果があるといわれているラクチユロース(オリゴ糖の一種)の同濃度添加を上回る効果がありました。

以上のことから、これらの野菜をたくさん摂取することは、腸内の乳酸菌の増殖を促進し、腸内フローラの改善を通じて健康の維持・増進に役立つものと考えられます。

このように整腸作用はもちろん、この腸による「免疫システム」の働きを向上させたり、食品をよりおいしくしたりと、素晴らしい作用をもった乳酸菌ですが、この乳酸菌だけ摂取していれば健康というわけではありません。バランスのよい食生活こそ最も大切です。特に現代人の食生活は野菜不足が問題視されています。

特に現代人の食生活は野菜不足が問題視されています。

野菜摂取を心がけ朝食に野菜飲料をプラスするなど工夫して、手軽に毎日続けることが大切です。いろいろな栄養素が含まれているものを適量に選んで食べる。その上で、日常的に継続して乳酸菌を摂取することによって、健康的で素晴らしい暮らしを実現することができるのです。

  

栄養素1[炭水化物]

栄養 素1[炭水化物]



●PROFILE
細川順讃(ほそかわ・かずひろ)
1948年、愛知県豊川市生まれ。東西医学、心身医学、食養法、民間医療等を統合 し、総合的健康法・治療法の実践的研究を40年以上行う。自分自身を自在にコント ロールするBRM(脳内体験)と食養をベースに統合的・根本的な指導をする。現在は 生活改善指導の講演会や健康セミナー、個人相談、ワークショップなど幅広く活 動している。月刊『マクロビオティツク』に「マクロビオティツクでトータルライ フデザイン」を好評連載中。著書に「食養読本(女性編)」「食養生大全」(共著)な どがある。



エネルギー代謝

人が生きていくためには、エネルギーが必要だ。人の生命活動には、植物によっ て作られた有機物が蓄えているエネルギーが使われる。エネルギー生成には主に 糖質が利用され、糖質が不足したときには脂質が使われる。糖質1gから4kcal、脂 質1gからは9kcalのエネルギーが得られる。

体内でエネルギー源になる糖質はブドウ糖だ。ブドウ糖が体内で何段階かにわた って分解を重ねて、エネルギー源になる。

ブドウ糖は、細胞内に入ると、酵素、ビタミン、酸素などの作用で分解され、こ の反応過程でエネルギーが産出される。分解がスムーズに進むと、最後には水 (H2O)と炭酸ガス(CO2)になって体外に排壮される。ブドウ糖が分解されることで エネルギーが放出されるこの過程を、TCAサイクル(クエン酸回路・クレブス回路) という。ブドウ糖が不足してくると、脂質が脂肪酸に分解され、TCAサイクルの分 解過程を経てエネルギーに変換される。

糖質の燃焼

口から摂り入れられた炭水化物(デンプン)は、腸でブドウ糖に分解されて吸収さ れる。吸収されて血液中に入ったブドウ糖は全身の細胞に運ばれ、細胞内のミト コンドリアで分解されエネルギーを放出する。このとき、ブドウ糖の分解には酵 素が作用する。酵素が機能するには、ビタミンが必要になる。この過程で使用さ れるビタミンは、補酵素と呼ばれる。そこに酸素が加わってブドウ糖が分解され 、この分子を形成するエネルギーが放出される。炭素の化合物が酸化して分解す るので、この現象を燃焼という。ブドウ糖は段階的に分解され、エネルギーに変 換されて最小の分子、C02とH2Oに戻る。C02とH20になれば、肺と腎臓からスムー ズに排出され、体内には余計なものが残らない。

糖質は、植物がC02とH20を基に、日光のエネルギーを吸収して作られたものだ。 これを、元に戻してエネルギーを放出させることにより、人は活動することがで きる。このエネルギー代謝が円滑に進まないと、糖質は乳酸やピルビン酸などの 酸性物質になったまま滞って、健康生活を妨げる。

ビタミンの役割

細胞内でブドウ糖が分解し燃焼するには、酵素の作用が不可欠だ。このとき、酵 素が作用するには、これを助ける補酵素が必要になる。その補酵素として働くの が、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB12、ナイアシン、ビオチン、パントテン 酸、葉酸などである。ビタミンが不足すると、エネルギー代謝が円滑に行われな いので体力が落ち、疲労しやすくなり、疲労の回復が遅くなる。

脳が働くためにも、ブドウ糖がエネルギー源となる。しかし、ビタミンが不足して いると、ブドウ糖は脳細胞に入ることもできない。脳細胞に入ったとしても、燃 焼がスムーズに行われないため、脳が十分に働くことができない。

ビタミンの供給

ビタミンは、種子類にもっとも多く含まれている。米、麦、あわ、ひえ、きび、 そばなどの穀類。大豆、黒豆、小豆、そら豆などの豆類。クルミ、松の実、カボ チャ種、ヒマワリ種、ギンナンなどのナッツ類。その他、ゴマ、亜麻仁、ケシの 実などの種子。中でも、米の栄養バランスが最もよい。

ビタミンB12は、みそ、しょうゆなどの発酵食品に多く含まれる。葉酸は、緑黄野 菜に多く含まれている。マクロビオティックの基本食、玄米、野菜、海藻、みそ 、しょうゆなどを普段の食事で摂っていれば、エネルギー代謝は、円滑に進むの である。

白米を主食にした場合は、ビタミンを他の食品から摂らなければならない。しか し、必要なビタミンを副食からバランスよく摂るのは、大変難しい。ほとんどの 人はビタミン不足になり、代謝が低下して様々な障害をおこすことになる。副食 からビタミン類を充分とることができた場合でも、小腸から吸収される段階で完 全な処理ができないことや、吸収の時間差があって、細胞レベルでの代謝がスム ーズに進まないことが多い。動物食でビタミンを摂る場合は、さらに余計な物質 を発生させて、代謝の大きな妨げになる。

炭水化物

搾取した後、体内の酵素で分解できる糖質(デンプン)と、分解できない食物繊維 とを合わせて炭水化物という。食物繊維は消化吸収できないので、不要なものと 思われていた時代があった。現代では、不消化物も腸内の健全な環境を維持する ため、大切な役割があることが分かってきた。

食物繊維は、腸のぜん動を活発にして便通を促す。重金属類などの有害物質を吸着 して体外へ排壮する。血糖の吸収を緩やかにして急激な血糖値の上昇を抑える。 腸内の善玉菌の繁殖を促し腸内環境を改善するなどの機能を持っている。食物繊 維を多く摂っている人の、大腸ガンの発生率が低いという報告があって以来、注 目されるようになった。

糖質

される有機化合物である。人は主に、植物が光合成でつくり出したデンプンなどの 糖質をエネルギー源として摂取し、利用する。

【単糖類】

糖類は、糖分子の結合数によって分類される。1個の糖からなるものを、単糖とい う。人の栄養素としての単糖は、炭素原子を6個含む「6単糖」が重要。

●ブドウ糖(グルコース)

穀類や果物に多く含まれる。血液中に0.1%含まれ、エネルギー源として使われる ほか、多くの生理作用に関与する。

●果糖(フルクトース)

果物に多く含まれることから、果糖と呼ばれる。

●ガラクトース 乳糖の構成成分で、乳汁に多く含まれている。植物には、存在しない。

【小職類】

●ショ糖(スクロース)

ブドウ糖と果糖が結合した二糖類。砂糖の主成分。サトウキビやテンサイに多く 含まれる。

●麦芽糖(マルトース)

ブドウ糖が2個結合した二糖類。デンプンが分解したときに、麦芽糖になる。

●乳糖(ラクトース)

ブドウ糖とガラクトースが結合した二糖類。乳汁に含まれる。母乳には5〜7%、牛 乳には約4%含まれる。

●オリゴ糖

ブドウ糖や果糖などの単糖類が2〜20個結合したもの。フラクトオリゴ糖、ガラク トオリゴ糖、大豆オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、キシロオリゴ糖など、20種類 がある。消化されずに大腸まで移行するものは、腸内で善玉菌のエサになってこ れを増殖させ、悪玉菌を減らす。米飯を食べると、消化過程でオリゴ糖が生じて 一部はそのまま大腸にいたる。従って、あえてオリゴ糖を特別にとる必要はない。

【多糖類】

●デンプン

ブドウ糖が多数結合した植物性の多糖類。穀類やイモ類に多く含まれている。

●グリコーゲン

ブドウ糖が多数結合した動物性の多糖類。肝臓や筋肉に多く含まれる。

●デキストリン

デンプンが分解したときに、生じる。

●その他

植物の細胞膜の主成分であるセルロースや果物や野菜に多いペクチンなどの食物 繊維。消化酵素で分解せず、大腸まで移行する。

炭水化物の供給

炭水化物の摂取は、玄米ご飯がベストだ。米の表皮を付けたまま保存しておくこ とによって、内部の栄養素が変性せず鮮度のいい状態で保たれる。鮮度がよい活 性の高いデンプンの状態で摂取すると、消化酵素の作用が円滑で、良質な血液細胞 をつくることができる。血液細胞の質は、体細胞の質に直接反映する。そのため 、体質改善が速やかに行われ、高いレベルで健康保持することができるのである 。

また、玄米は栄養バランスが理想的であり、摂取したデンプンが効率よくエネル ギー化する。

  

2010年08月20日

アロマテラピー心や体を健やかにする自然療法

アロマテラピー心や体を健やかにする自然療法



●PROFILE
吉田智(よしだとさとし)
薬剤師。
(社)日本アロマ環境協会認定、アロマテラピーアドバイザー。
(財)日本犬高栄養食品教会認定、食品保健指導員。
(財)日本薬剤師研修センター、生薬・漢方認定薬剤師など。



アロマテラピーとは?

ハーブなどの植物が生み出す芳香成分(精油=エッセンシャルオイル)を利用して、体や心を健やかにする自然療法のひとつです。私たち人類は古くから植物の香りや精油を祭祀・儀礼・治療・美容などに利用してきました。エジプト時代のミイラ作りに防腐効果のある乳香(フランキンセンス)や没薬(ミルラ)などの植物が使われていたのは有名な話です。

近代に入り、アロマテラピーの薬理効果について本格的に研究を始めたのが、フランスの科学者であり調香師でもあったルネ・モーリス・ガットフォッセ(Rene Mourice Gattefosse 1881〜1950年)であるといわれています。彼は実験中に手に火傷を負い、咄嗟に近くにあったラベンダー溶液に手を浸したところ傷の治りが良かったことから、本格的な研究に取り組み始め、香りの治療的効果に着目、1928年、「aromatherapie」という言葉を科学論文の中で初めて使用しました。この中では精油の防腐性、抗菌性、抗炎症性について述べられています。なお1937年には、書籍「芳香療法(aromatherapie)」が出版されています・そのため「アロマテラピーの父」とも云われています。

精油とは?

精油は、植物の花や葉、果皮、樹皮などから抽出された揮発性のある有機化合物が混ざり合った集合体です。これらの化合物は植物が生存するために必要な働きを持ち、例えば受粉のために虫などを引き寄せる、害虫から身を守る、カビなどの発生を防ぐなど多岐に渡ります。精油(エッセンシャルオイル)は油(オイル)という言葉から植物に含まれる油分と思われがちですが、菜種油やオリーブ油のような油脂とは全く異なった化合物です。その共通する特徴として「芳香がある」「揮発する」「新油性」などがあります。

その製法は、主に3つあります。もっとも一般的な方法として水蒸気蒸留法があります。精油の原材料となる植物を蒸留釜に入れ、蒸気を吹き込み、蒸気の熱によって精油を気化させます。この精油成分を含む水蒸気を冷却して液体に戻し、精油と水を分離抽出する方法です。なお、分離した際に生じる水はフローラルウォーター(芳香蒸留水)と呼ばれ、ローズウォーターやラベンダーウォーターなどがあります。

次に圧搾法です。オレンジやグレープフルーツなどの柑橘系の果皮などから精油を抽出する方法です。昔は手作業でしたが、現在では機械を用いて果皮と果実を分けた後、ローラーや遠心分離機などを利用して圧搾・抽出します。水蒸気蒸留法と異なり、精油を低温状態で抽出できるので自然の香りを楽しむことができます。

最後に溶剤抽出法です。水蒸気蒸留や圧搾法などで抽出できない精油の抽出に用いられます。ヘキサンやエーテル、ベンゼンなどの有機溶媒に原材料となる植物を入れ、精油を含む脂溶性のワックスなどを溶かし出します。その後、いくつかの行程を経て最後にエチルアルコールで精油のみを抽出します。この方法で抽出されたものをアブソリュード(abs)と呼びます。

アロマテラピーのメカニズム

香りが心と体に作用する経路として「花から脳」「肺から血液」「皮膚から血液、リンパ」があると考えられています。空気中に蒸散した精油成分は、鼻腔を通って嗅細胞に付着、線毛と呼ばれる器官に精油成分が触れると電気信号として嗅覚神経を通り、記憶や感情に深い関わりを持つ大脳辺縁系に「におい」として伝わります。その後、自律神経系や内分泌系を調整している視床下部へ情報が伝えられ、その香りの種類に対応する神経活性物質が放出され、心や体に様々な作用をもたらします。

また、呼吸の際に揮発した精油成分が肺に入り込み、肺胞という酸素と二酸化炭素の交換をする器官からの血液に入り作用をもたらします。この時、わずかではありますが、鼻腔粘膜からも血液に吸収されます。さらにマッサージの時など精油成分が皮膚に触れる場合、精油は小さな物質であるため皮膚の表皮を通過します。表皮を通過した精油成分は皮膚だけでなく血液やリンパを通って全身に広がり様々な作用をもたらします。なお吸収された精油成分は尿や汗として体の外に排出されます。

生活の中のアロマテラピー

空気中に精油を拡散させ、その香りを鼻から吸引する芳香浴は、もっとも一般的な方法であり、手軽にアロマテラピーを楽しむことができます。お部屋など比較的狭い空間で香りを楽しむならオイルウォーマー、ショップや待合室など広い空間ではディフューザーを使うのが便利です。また、お風呂に精油を数滴垂らして香りを楽しむ全身浴・半身浴は、香りを楽しむだけでなく入浴によるリラックス効果を高めます。少し大きめの洗面器や40〜43度のお湯を入れ、精油を数滴垂らして、手浴や足浴など部分浴を楽しむのも手軽で効果的です。

また少し手間はかかりますが、マッサージオイルを作って楽しんでみてはいかがでしょうか。気分や体調に合わせて気に入った精油を選び、キャリアオイル※で希釈してマッサージをたのしむのも良いものです。なお原液のまま直接肌につけるとトラブルの原因となりますので気をつけて下さい。

※キャリアオイル:スイートアーモンドやホホバ、オリーブなど植物由来の油で、精油を希釈して使用する場合に使います。食用ではなくマッサージ用に販売されているものを使用して下さい。

アロマテラピーに期待すること

アロマテラピーによる様々な効果は長年の経験によるものが多く、必ずしも科学的根拠が十分であるとはいえません。しかし、最近では、これらの効果について少しずつ証明され始めています。

【空気をリフレッシュ】 精油はお部屋の香りを変えるだけでなく、空気を一緒にリフレッシュすることができます。もともと精油には植物の防御因子としての働きがあるため、強弱に違いはあれど殺菌・静菌効果が期待できます。例えば、シナモンオイルやレモングラスオイルなどの香りが、空間に存在する細菌の発育を抑制するとの報告があります。(1)

またティーツリーオイルやレモングラスオイルなどには、カビの仲間であるカンジダ菌に感染した患部に塗ることでカンジダ症の改善に働くとの報告があります。(2)(3)

【アロマテラピー・ダィエット】

香りが直接、自律神経に影響を与えることで体の代謝を調整することが報告されています。(4)報告ではグレープフルーツの香りは交感神経を興奮させ、脂肪分解を促進、さらに食欲を抑制させることから体重減少が期待できるそうです。反対にラベンダーは交感神経を抑制するため脂肪分解を抑制し、食欲を亢進させて体重増加を引き起こすとの報告があります。(5)

【女性とアロマ】

出産は人生の大イベントのひとつ。そして体にとっても大きく変化する時期でもあります。特に産褥期は出産による体力低下だけでなく、授乳などによる睡眠不足、急激なホルモンバランスの変化、育児に対する不安感などから自律神経へ影響をきたしやすく、ストレスから直後授乳が困難となることがあります。芳香浴は睡眠の質の向上させ(6)、さらに疲労感軽減から早期授乳困難を改善することが期待されます。(7)

また芳香浴は更年期症状の緩和にも期待できます。芳香浴をホルモン補充療法と共に行った結果、ローズオイルが頭痛や肩こりなどに、ローズマリーオイルがイライラ感などに緩和に有効であったとの報告があります。(8)

【現代社会のストレス緩和に】

現代社会はストレス社会ともいわれ、仕事でストレスを感じない人はほとんどいないといわれています。特にパソコン業務などは、精神面で疲労感を強く感じるものです。芳香浴は現代社会のストレス解消にも役立ちます。例えばラベンダーやローズマリーの香りはストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの分泌を抑制し、ストレス緩和に役立つとの報告があります(9)。またラベンダーやゼラニウム、グレープフルーツなどの香りは短時間でパソコン業務の作業効率を高め(10)、さらにレモンは単純作業などによる疲労感を軽減する(11)ことが期待できます。

【高齢社会とアロマ】

加齢と共に身体機能は徐々に低下していくものです。食べ物を飲み込む嚥下機能も例外ではありません。嚥下機能の低下は「むせる」などの嚥下障害症状が出やすくなり、誤嚥性肺炎などを招く危険性があります。この嚥下機能の改善にブラックペッパーの香りが有効であるとの報告があります。(12)(13)またローズマリーやレモン、ラベンダーなどを用いたアロマテラピーがアルツハイマー患者の感情や行動、知的機能を改善する可能性が示されています。(14)(15)(16)

香りを楽しむ

香りについて学び、経験を積んでくると自分の体調と気分にあったオリジナルブレンドをつくりたくなるものです。適切な香りのブレンドは相乗効果を生み、より高い効力が期待できます。そのためには、どのようにブレンドすればよいのか 、基本となるルールを知っておくことが大切です。

市販品では専門家が目的に合わせて既にブレンドされたものがあります。もし、ブレンドされたものが自分の好みに合うのであれば、これら市販品を利用するのも簡単で効果的です。注意点として、最近では技術の進歩により、天然の精油に似た香りを持つ合成のフレグランスオイルがお手頃な価格で販売されています。これらの合成香料は香りは似ていてもアロマテラピーの効果を期待できるもので はありません。アロマテラピーを楽しむなら間違えないよう気をつけましょう。

参考文献

1)井上重治:"芳香拡散による抗菌効果",amatopia No.50,30-35,2002
2 ) 安部茂: "マウスロ腔カンジダ症モデルの開発とその応用" Jpn.J,Med,MycoliV01.45,22273-1,2004
3)安部茂、佐藤祐一、井上重治、石橋弘子、丸山奈保、滝沢登志雄、大島治之、山口英世:"植物精油,とくにレモングラス精油および構成テルペノイドcltralの抗Candida albicans 作用"真菌誌43、285-291,2003
4)新島旭:"アロマセラビーの生理学的基礎"、日本アロマセラビー学会議,6(1):13‐21,2007.
5)永井克也:"匂い刺激のエネルギー代謝に対する影響とその機構-グレープフルーツとラベンダーの芳香の効果",肥満研究11:1206-208,2005
6)中村登志子、有吉浩美:"アロマテラピーによる褥婦の睡眠ヘの検討-精油の主成分に着目して-"、日本アロマセラビー学会誌,6(1):41-47,2007.
7)村上明美、喜多里己、神谷桂:"産褥早期の母親に対する癒しケアが産後の疲労と母乳育児に及ぼす影響"、日本助産学会誌,Vol.22,No.2,1361-145,2008
8)梅川宏司、梅川孝、豊日長康:"更年期障害とアロマセラピー,ロ―ズとローズマリーを中心に"、産科と婦人科,66(10):1350-1354,1999.
9)熱海智子,外崎肇一:"ラベンダーおよびローズマリーによる唾液中フリーラジカル消去効果とコルチゾール量の変化",日本味と匂学会議,12(3):449-452,2005.
10)渡邉映理、木村真理、今西二郎:"5種類の精油による芳香浴がコンピュータ作業に及ぼす効果",アロマテラピー学雑誌VoL10,No.1,33-45(2010)
11)川本利恵子、村瀬千春、石原逸子、生嶋美春、中谷淳子、原賀美紀、清水遵:"レモンの香りが単純精神作業および心身におよぼす効果"JOURNAL OF UOEH,27(4):305-313,2005.
12) Ebihara T, et al;A randomized trial of oifactory stimulation using black pepoer oil in older people with swallowing dysfunction. J Am Geriatr SOC, 54:1401-1406,2006.
13) Munakata M, Kobayashi K Nlisato-Nezu J, Tanaka S, Kakisaka Y, Ebihara T, Ebihara S, Haginoya K, Tsuchiya S, Onuma A Olfactory stimulation using black pepper Oil facilitates oral feeding in pediatric patients receiving long-term enteral nutrition. Tohoku J Exp Med. 214(4):327-32,2008,
14) Ballard CG, O'Btten JT, Reichett K, Perry EK:"Aromatherapy as a safe and effective treatment for the management of agitation in severe dementia: the results of a doubleb-blind, placebo-controlled trial with Melissa", J Clin Psychiatry, 63,553-558,2002
15)網分信二、木村有希、中村真由子、室谷裕子、紙野幸子、谷日美也子、浦上克哉:「痴果症へのアロマセラピーの有用性の検討」, Dement Jpn,17,182,2003.
16)木村有希ら:"アルツハイマー病患者に対するアロマセラピーの有用性", 日本痴呆学会誌第19巻第1号,1-10,2005
17)塩屋紹子(2005). アロマセラピー・バイブル, 成美堂出版
18)山路洋子(2005). メンズアロマセラピー, オフィス棟
19)佐々木薫(2004). 今日からはじめるアロマセラピー、株式会社双葉社
  

ハイパーセラミック鍋

ハイパーセラミック鍋



●PROFILE
細川順讃(ほそかわ・かずひろ)
1948年、愛知県豊川市生まれ。東西医学、心身医学、食兼法、民間医療等を統合し、総合的健康法・治療法の実践的研究を40年以上行う。自分自身を自在にコントロールするBRM(脳内体験)と食養をベースに統合的・根本的な指導をする。現在は生活改善指導の講演会や健康セミナー、個人相談、ワークショップなど幅広く活動している月刊「マクロビオティツク」に「マクロビオティツクでトータルライフデザイン」を好評連載中。著書に「食養読本(女性編)」「食養生大全」(共著)などがある。



料理の必需品・・・・・・鍋

鍋は料理をする際になくてはならない存在だ。

煮る、茹でる、炊く、揚げる、蒸す、炒めるなど、様々なシーンで鍋が活躍する。加熱料理には、熱に強い器が欠かせない。

鍋には、様々なタイプがある。

材料で分けると、アルミニウム、鉄、ステンレス、銅、チタン、ガラス、ホーロー、陶器(土鍋)、セラミックス、石、フッ素樹脂加工など、実に多種多様である。形も大きさも様々である。通常、目的によって使い分けられている。

使い勝手や耐久性にこだわらなければ、セラミック製がベストだ。金属は軽くて丈夫だが、問題点が多い。土鍋や石鍋は、重くて使いづらい。フッ素樹脂加工は、高温になると有毒物質が溶け出してくる。ホーローは、傷つきやすい。それぞれ一長一短だ。

金属は、塩分や酸性物質があると多量に溶け出してくる。ほとんどの金属は単体で水に溶けると、有害物質になる。アルミニウムは、脳細胞に蓄積してアルツハイマーの原因になることが明らかになった。鉄はビタミンCなどを破壊する。ステンレスから溶けるクロムは、神経系に傷害を与える。調理の際、鍋の中に単体の金属があると、素材の栄養素と結合して活性を失うおそれがある。さらに、素材の味を悪くする。

溶け出すものがないのは、セラミックス、陶器、ガラス、ホーローなどお鍋だ。これらの鍋は、調理する素材に影響を与えないので、栄養素の不活性化の恐れがなく、味を悪くすることがない。

ハイパーセラミック

セラミックスや陶器は、高温で焼き上げるとき、釉薬は融解して表面はガラス質になる。そのため、表面はなめらかでツヤが出て、独特の風合いを示す。硬度が高く、傷がつきにくく、酸にも溶けにくくなる。釉薬がいったん融解して固まるとき、原子の配列が不規則になり、結晶構造がなくなる。結晶構造でない鉱物は、光の放出が少なくなる。石や砂のような鉱物は、結晶構造になっているため、光の放射が強い。

結晶構造を持つ鉱物は、周囲に遍満するエネルギーを吸収して、固有の振動による一定波長の光を放出する。この光は、植物・動物などの生物の代謝を高め、その機能を向上する働きをもつ。ハイパーセラミックスは、表面構造が自然界の鉱物と同様の結晶構造を残している。そのため、石の鍋と同様に強力な光を放つ。この光は、波長が長いため肉眼では見えない。

石の結晶から発する光は、植物と同調し共鳴して栄養素を活性化し、おいしさを増す。また、実際に調理をすると、他の鍋より煮あがりが早く、型くずれを起しにくい。調理後、傷みにくいなど、メリットが多い。

栄養素の活性化

穀類、野菜など食物に自然な状態で含まれている栄養素は、複数の成分が結合して存在する。これを口に入れてかんでいると、唾液の消化酵素によって結合している栄養素の一部が分断される。さらに、胃で分断され、腸で最終の分離が行われる。それぞれの成分は、結合から離れて単体に分離されて体内に吸収される。その分離は、消化酵素の分解作用によって行われる。ところが、現代人の大半は消化器の機能が衰えている。そのため、食べた食物は十分処理されず、消化器に負担だけかけて栄養素がムダになってしまう。

ハイパーセラミック鍋で野菜などを調理すると、鍋の中で複数の栄養素の結合の手が離れる。鍋で活性化された栄養素は消化器で処理されやすいため、吸収・利用率が高-なる。主食としてとる玄米も、栄養活性化された状態で食べると、体質改善の効率が高まる。圧力鍋に、ハイパーセラミックの内鍋を入れて炊けばよいのである。ハイパーセラミック鍋のみ単体で、炊いてもよい。

ハイパーセラミックの特質

自然界にある物質の多くは、自然に微弱な光を放出している。人、動物、植物、石、砂、炭などは、それぞれ特有の波長の光を放っている。これらの物質は、空間に無限に存在するエネルギーを吸収して、固有の波長の光に変換して常に放出している。と-に、石や砂、炭などは、強力な光を放つ。石鍋で調理したものや、石板で焼いたものがおいしいのは、石から放出される光の作用だ。石からの光は植物の成分と共振するため、分子の活動が盛んにな-活性化が起。

ハイパーセラミック鍋の表面構造は、石と同様にできている。焼成の際、釉薬として付着させた石の粉の結晶構造をそのまま残している。他の陶器と焼き方が違う。そのため、石と同様光の放射効率が、石と同様に高いのだ。

石の良さを残して、使いやすさが増した鍋だ。石は、重くて割れやすい。熱した石鍋を、少し水があるシンクの上に置くだけで、簡単に割れてしまう。ハイパーセラミックスは、軽くて扱いやすい。500℃ の温度変化にも耐えることができる。したがって、空炊きもできる。急激な温度変化にあっても割れることはない。

ハイパーセラミック鍋の活用

ハイパーセラミック鍋は、様々な活用ができる。煮炊きはもちろん、蒸す、焼く、漬ける、揚げるなど、どんな調理をしてもおいしく栄黍価も高く仕上がる。

ハイパーセラミック鍋で野菜などを蒸すと、生のさわやかな歯ごたえを残し、おいしさが増し、きれいな色に仕上がる。野菜や芋類を焼くと、石焼きと同様においし焼きあがる。漬物は、塩のなじみがよく、歯ごたえや味がよくなる。揚げ物は、カラッと揚がりサクサク感が心地よく仕上がり、時間がたってもそのおいしさが長もちする。

玄米を炊くとき、セラミック内鍋(旧タイプ黒色カムカム鍋)を入れて二重にして炊くと、おいしく栄養偲も高く、失敗なく炊ける。炊いた後の劣化も遅い。

  

2010年07月13日

食養健康茶(ハトムギ茶、三年番茶、タンポポ茶、ヨモギ茶)のベストブレンドを 水出しで血液をきれいに、お肌を美しく

食養健康茶(ハトムギ茶、三年番茶、タンポポ茶、ヨモギ茶)のベストブレンドを水出しで血液をきれいに、お肌を美しく



●PROFILE
細川順讃(ほそかわ・かずひろ)
1948年、愛知県皇)ll市生まれ。東西医学、心身医学、食養法、民間医療等を統合し、総合的健康法・治療法の実践的研究を40年以上行う。自分自身を自在にコントロールするBRM(艇内体験)と食養をベースに統合的・根本的な指導をする。



健康茶の目的

人体を養う栄養素として最も重要なものは、水分です。水がなければ人は生きていくことが出来ません。体内で営まれる複雑な生命活動のすべてにおいて、水は不可欠です。栄養素を取り入れるにも、これを処理する上でも、吸収、運搬、燃焼、排泄の過程でも水が介在しています。呼吸、循環、伝達、知覚、思考、運動等あらゆる活動に水の役割は極めて重要です。

人は、様々な形で水分を取り入れています。生水、茶、紅茶、コーヒー、ジュース、アルコール飲料等、世界中に多様な飲み方があります。

日本では、長い間お茶が飲み物の中心にあって、多くの人が飲んできました。日常的に誰でもが気軽に飲めるお茶は、味も成分もバランスの良いものが適しています。食養家の間では、昔から三年番茶がもっとも多く用いられてきました。

三面番茶は緑茶よりも陽性で、有効成分も濃度が高く、病気の人にも適するお茶です。味も万人向きで、どんな料理にもマッチするベーシックなお茶と言えます。

また、血液浄化、血流促進、抗酸化をはじめ、胃腸、心臓、肝臓、腎臓、膵臓道の機能を高め、代謝を促進する総合的効果があります。

基本茶の条件は、体質、体調、病状、年齢、性別、気候を問わずいつでも飲め、おいしく簡単に飲むことができて、経済的ということでしょう。その上で、身体に基本機能を高め、健康レベルを向上させるために、複数素材のブレンドがより効果的です。

身体の基本機能を向上させるためには、血液の質がもっとも重要なカギとなります。血液を浄化し、血液細胞の質を高めることによって、全身組織の細胞の機能を向上させることができます。

血液の質を高めるために体内においては、肝臓と腎臓がもっとも要になります。肝臓の働きは五〇〇種類以上ありますが、一言で言えば、血液の性状を常に一定に保つ浄化器であり、化学コントロール装置です。肝臓の機能がわずかでも衰えれば、たちまち血液は汚れ、質が悪化します。これは直ちに全身組織に波及し、すべての細胞は機能低下します。たとえどんなに良い食事を摂っても、その栄養素が充分活かされなくなってしまいます。肝臓レベルは、血液レベルとイコールといってもいでしょう。

一方、腎臓は血液中の不用物質をろ過して排除する浄化装置です。血液中には、常に全身の組織から代謝産物が流れ込んでいます。この不用物質(老廃物)を体外に排出して、血液を常にきれいに保つという重要な役割をになっているのが腎臓です。腎臓の機能が少しでも衰えると、たちまち血液中に老廃物や毒素が増加して、全身の細胞は機能が落ちてしまいます。これがエスカレートすると、細胞は極度に衰弱します。

このように、血液の状態を常に一定条件に保つための重要な体内条件は、肝臓・人そうの機能レベルです。したがって、日常飲むお茶は肝臓・腎臓の機能を向上させるものを摂るのが合理的と言えます。

肝臓・腎臓の機能を高める

肝に広範囲の効用があり、しかも飲みやすい素材は、三年番茶の他に、ハトムギ、タンポポ根、ヨモギ等があります。これら四種類をミックスしてお茶にすることで、三年番茶は数段グレードアップします。

ハトムギは、肝腎の強化とともに、脾臓、膵臓、心臓の機能を向上させ、免疫力増強、活性酸素除去、老廃物排出、結石除去、水分代謝促進、脂質代謝促進、異常細胞排除等々、広範囲にわたる効能を持っています。ハトムギには、タンパク、脂質、ビタミン、ミネラル等豊富な栄養成分と、コイクセノライドをはじめ多くの有効成分が含まれています。

タンポポは、肝臓強化をはじめ、血流促進、保温、ホルモン安定、免疫力増強、胃、腸、心臓、勝耽、生殖器等の機能を向上させます。タンポポを煎じるとタラキサコシド、クルイチアノール、フェノール等多くの有効成分が溶出して効果を発揮します。

ヨモギも、効果の帽が広い植物です。血液浄化、増血、止血、消炎、免疫、内分泌腺、肝臓、腎臓、心臓、胃、腸等の機能を高めます。

以上四種類、ハトムギ、タンポポ、ヨモギ、三年番茶は、効果の範囲が極めて広く、長い歴史の中で効果と安全性が確認されている優れた植物です。これらをお茶として飲む場合は、セラミック鍋や土鍋で煎じて飲用します。もう一つの方法は、水で浸出させるやり方です。水出しの方法は、手間がかからず、簡単でおいしく効果的というメリットがあります。

また、これらのブレンドされたお茶をある程度粉砕し、ティーバッグに3g程度入れます。市販の500mlペットボトル入ろミネラルウォーターにこのティーバッグを入れ、キャップを閉めて振ると、簡単においしい水出しのお茶が出来上がります。振るときは、ティーバッグの内容物が出てこないよう注意してください。

通常、お茶は湯で浸出させて飲みます。この場合、二つの問題点があります。有効成分は、高温によって変性や破壊するものがあります。熱水でなければ抽出できない成分もありますが、大部分は冷水で溶出します。

水の質

次に、水分の質の問題です。熱水で抽出した素材の成分は体内で活用されますが、水分は利用効率が低下しています。陰性体質や水分代謝の低下した人、泌尿器に障害のある人は、負荷が大きく加わることになります。水はいったん煮沸すると、大きく変性して本来の機能を失ってしまいます。

自然の生きた水は、体内にはいると組織に浸透し、細胞内外を移動し、あらゆる生命活動の媒介として働きます。水が体内で効率よく機能するには、分子構造、クラスター、含有ミネラルのバランスと活性、溶存酸素、電子量等多くの要素が適正な状態でなければなりません。良質な水は、あらゆる条件が高いレベルで整っているものです。高いレベルの水は、体内では全身組織の細胞を活性化します。

良質な生きた水も、一旦沸騰すると分子構造は変性し、クラスターは拡大し、ミネラルは不活性化し、溶存酸素と電子は放出して、その性質を大きく変化させます。水本来の機能を失います。体内で働く水はH2Oのみで機能できるものではないのです。

機能性植物の成分を生水で抽出して飲むことで、溶出成分の効果を水の効果とがダブルで得られることになります。この飲み方は大変合理的です。

寒い季節では、水出ししたお茶を湯煎で温めて飲むと良いでしょう。高温にしなければ、水の性質は変化しません。陰性体質で体が冷えている人は、体温に近い温度が最適です。湯煎で水温を上げる場合は、高温にしない限り水の活性は失われません。

下図のような方法ですと、簡単・短時間で湯煎ができます。一分間で約20℃になります。高い温度にしたいときは同じことを二〜三度繰り返します。

どれほど優れた水でも、いかに有効なお茶でも、適正な量を大幅に超えた飲み方をすると、身体には余計な負担をかけることになります。適量は体質、体調、時期によって異なっていきます。その時々の身体の必要量にしたがって飲むことが賢明です。

食養健康茶の作り方

1. ハトムギ、樹生三年茶、タンポポ根、ヨモギ、それぞれ生の素材からお茶として飲めるよう加工するには大変労力がかかりますし、素材の入手も困難ですので、市販の焙煎ハトムギ茶、三年番茶、タンポポ根茶(タンポポコーヒー)、ヨモギ茶(ヨモギ粉末)を利用するのが便利です。それぞれのお茶は、安全性から有機栽培や無農薬の野生品などが良いでしょう。

2. 市販のお茶は、大きさや形状が異なりますから、できるだけ粒度をそろえておくとブレンドする場合混ざりやすく、成分も比較的均一に抽出されやすくなります。できればブレンドしたお茶をミルなどで軽く粉砕すると、水出しの場合でも早く出来上がります。

3. お茶の配合割合は、焙煎ハトムギ茶30〜50%、三年番茶20〜40%、タンポポ根茶20〜40%、ヨモギ茶10〜30%くらいでお好みに応じてブレンドしてください。このブレンドしたお茶8gを市販のティーバッグに入れ、1リットルの水またはお湯で抽出してお召し上がり下さい。ミルなどで粉砕した場合は、3gを市販のティーバッグに入れ、それを500mlペットボトル入りミネラルウォーターに入れ、よく振ってお召し上がりください。

4. 夏場はガラスのポットにミネラルウォーター1リットルとティーバッグ一袋を入れ、冷蔵庫に一晩置いておくと、おいしいお茶ができあがります。ミルなどで粉砕した場合は、前記の方法ですぐにおいしくお召し上がりいただけます。お茶を携帯するのにも便利です。また、飲み終わったら、ペットボトルのティーバッグはシンクの上で振ると簡単に取り出すことができます。

冬場は、前記のようにして作ったお茶を湯煎で温めると、体が冷えているときも大丈夫です。急須で出してホットでもおいしくお召し上がりいただけます。

  
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2010年07月11日

食物の効用17「キクラゲ」

食物 の効用17「キクラゲ」



●PROFILE
細川順讃(ほそかわ・かずひろ)
1948年、愛知県豊川市生まれ。東西医学、心身医学、食 兼法、民間医療等を統合し、総合的健康法・治療法の実 践的研究を40年以上行う。自分自身を自在にコントロ ールするBRM(脳内体験)と食壬をベースに統合的・根 本的な指導をする。現在は生活改善指導の講演会や健 康セミナー、個人相談、ワークショップなど幅広く活動し ている。月刊rマクロビオティツク」に「マクロビオティツ クでトータルライフデザイン」を好評連載中。箸雷にr食 巷読本(女性編)Jr食養生大全J(共著)などがある。



キクラゲの特徴

キクラゲは、熱帯・亜熱帯に広く分布する担子菌類に属する茸の一種である。夏か ら秋にかけて、針葉樹・広葉樹の朽木・倒木などの幹に群生する。人の耳のような 形と柔らかさがあるため、「木耳」という字が用いられている。上面は紫褐色で、 微細毛(0.1〜0.2mm)が密生する。下面は平滑で多くの胞子をつけ、乾くと黒褐色 になり軟骨質になる。

栽培は、ナラ、クヌギ、クリ、ナシなどの木を「ほだ木」として使い、4〜5年 かけて育てる。肥料、農薬は必要としない。露天に放置しておけば、自然に育って いく。枯れた木が崩壊していく家庭で分離するミネラルを、長い時をへてゆっくり 育つ間に充分吸収していく。そのため、キクラゲにはミネラルが驚くほど豊富に含 まれている。

キクラゲの栄養

キクラゲには、現代人に不足しがちな栄養素が豊富に含まれている。

キクラゲは、ビタミンDの宝庫だ。干しシイタケの20倍、シメジ、マツタケ、マッ シュルームなどの100倍、ナメコの1000倍もの量が含まれている。現代人の大半は 、ビタミンDが不足している。ビタミンDが多く含まれている商品をあまり食べない 上に、日に当たる機会が極端に少ない。

食物から得られるビタミンDの多くは、ビタミンD12(プロビタミンD)の形で取り入 れられる。ビタミンD2は、多くは皮膚にあって、日光の紫外線を受けるとビタミン D3に変化する。ビタミンD3は、体内でカルシウムが働くために無くてはならない ものだ。したがって、ビタミンが不足すると、カルシウムも不足することになる。 カルシウム不足は、歯や骨がもろくなるだけではなく、脳や神経までも衰えること になる。キクラゲにはカルシウムも多く含まれているため、ビタミンDとの相乗効 果が得られる。ビタミンDのガン予防効果は、2004年にハーバード大学の研究で明 らかになっている。

キクラゲには、鉄分も多く含まれている。鉄は血液をつくるために欠かせない成分 だ。白キクラゲより黒キクラゲの方に多く含まれている。

マンガンは糖、タンパク質、脂質などの代謝に必要な酵素の作用に欠かせない。骨 、膵臓、生殖器、皮膚などを正常に保つためにも必要なミネラルだ。マンガンが不 足すると、関節炎や糖尿病をおこしやすくなる。

キクラゲには食物繊維とムコ多糖類が多量に含まれている。食物繊維は、腸のぜん 動を活発にして便通を促し、重金属類などを排推し、血糖の急激な上昇を抑え、腸 内の善玉菌を増やすなど、重要な役割を担っている。ムコ多糖は、体内で様々に形 を変えて組織の構成素材となって身体を支えていく。ヒアルロン酸、コンドロイチ ン硫酸、コラーゲンは関節の動きを滑らかにし、細胞と細胞をつなぐ結合織を健全 に保ち、全身の組織をしっかり支える。皮膚を柔軟で強靭にし、水分を充分に保ち 、シミやシワの予防になり、透明感のあるきれいな肌にする。また、血管や心臓を 柔軟で強靭にして、障害の予防と改善に大変有効である。

結合織は、全身の組織の構造が健全に保たれるために、重要なポイントになる。そ れは、体内・体外の老化防止に、深くかかわってくる。

キクラゲの効用

キクラゲは、サルノコシカケや霊芝などと同種の茸であり、有効成分も似たものが 含まれている。ガンや循環器の予防・改善に効果がある。心臓病、高血圧、動脈硬 化、血栓、脳卒中の予防にもなる。その他、血液浄化、血流促進、造血、肝臓機能 向上、免疫力向上、整腸、皮膚の強化など。潰瘍、痔、便秘、下痢、咳、出血など を治める。関節の炎症や変形を改善する。また、結核、糖尿病、子宮、卵巣、月経 障害などの改善をする。

とくに、組織がもろくなって炎症や変形がおこす類の病気を予防・改善する効果は 大きい。動脈硬化、脳出血、眼底出血、リウマチ、膝関節症・五十肩など多くの関 節症、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、結膜炎、気管支炎、痔、腸ヘルニア、椎間板ヘルニ ア、腰痛症、口内炎、皮膚炎、歯周炎等々、関連する病気は大変多い。

キクラゲの食べ方

乾燥キクラゲを買う場合は、良質なものを選ぶようにする。よく乾燥していて軽く 、肉厚のものがよい。防徴剤、防腐剤などの処理をしているものなどは、避けなけ ればならない。カビ臭のあるものなどもさける。

生のキクラゲは、プリプリしてヌルヌルしてないものがよい。

乾燥キクラゲを調理する場合は、あらかじめ水につけてもどす。たっぷりの水に15 分くらいおくと、10倍くらいにふくれあがる。これをよく荒い、石づきは取り除く 。刻んで、煮物、みそ汁、和え物、炒め物など、味が濃厚ではないので、たいてい の料理に加えることができる。

水にもどして密閉容器に入れておけば、冷蔵庫で10日間くらいは保存できる。

  

2010年06月19日

太古の地層から見つかった 奇跡の植物ミネラル 70種類以上の植物ミネラルを含有

●PROFILE
(小玉俊彦)こだま・としひこ
コダマカイロプラクティックセンター院長
世田谷区三軒茶屋2-20-17三軒茶屋シティーハイツ1
日本カイロプラクティックカレッジ卒
LosAngelesCollegeofChiropractic短期留学
人体解剖実習82時間・カイロプラクティック学を習得
日本指圧専門学校卒
医療専門士・厚生大臣認定指圧師・マッサージ師
内閣総理大臣認定NPO法人TCSA認定カイロプラクー
元学校法人専門学校理事
マニュアルメディスン研究会 正会員
東洋カイロプラクティック協会 正会員
日本カイロプラクティック徒手医学会 正会員



健康とは?

私は東京都世田谷区でカイロプラクティックの治療院を開業しています。当治療院の考える治療の基本的な目的は、「患者様に健康になっていただく」ということです。では健康とは何でしょうか?

WHO(世界保健機構)の定義では「健康」とは「単に疾病・虚弱でないということを指すのではなく、身体的・精神的・社会的に完全に健やかに活動できる状態をいう」となっています。また、中医学(中国伝統医学)ではバランスが大切だといいます。

カイロプラクティックでは1.構道と2.精神と3.栄養のバランスを考えます。

1.筋骨格系(構造)の問題なら指圧やカイロプラクティックで歪みや関節の可動性をつけるように治療して背骨からでている運動神経、知覚神経、自律神経3つの神経を正常にする事をします。

2.心因性(精神)の問題ならセッションをする時もあります。

3.食事(栄養)に問題があればアドバイスをいたします。ここ数年は患者さんに、栄養に関して相談されたときは、生きていくために必要な5大栄養素の1つであるミネラルが不足しているという事実をお話ししています。ここでいうミネラルとは野菜や果物が大地のミネラルを吸収した状態のもので植物ミネラルのことです。

植物ミネラル摂取の限界

お恥ずかしい話ですがミネラル摂取に関して、カルシウムが不足しているということは知っていましたが、その他のミネラルが不足しているとは、知りませんでした。私自身、健康について考え始めた20年前より、安全な水と、野菜中心のバランスの良い食事を心がけることで植物ミネラルとビタミンの補給をしようと思いました。しかし数年前より野菜の中にどのくらいの植物ミネラルやビタミンが含まれているか不安に思い調べてみたところ、例えば、小松菜で1日の必要量のカルシウムを摂るには10キロも必要ですし、ほうれん草で1日のマグネシウムの必要量を摂るには90キロも必要なこと。また、植物に含まれるビタミンA・Cや亜鉛も減少していることなどが分かり、野菜から植物ミネラルやビタミンの必要量を摂る事は現実的に難しい事が発覚したのです。

ミネラルの重要性

ミネラルは5大栄養素の1つで、食事や飲みものから補給しなければ体内では合成できず、極端な話になりますが、摂取量Oだと心臓が止まることもあるわけですから生死に関わることがあります。そこで父親として又治療家として、自分の家族も含めて患者さんたちにもミネラルが不足している現実を知ってもらい、植物ミネラルが必要であることを伝えなくてはいけないと思ったのです。

治療とミネラル

治療では筋骨格系の調整をして神経系の流れを良くし栄養(食事)のバランスをとることで免疫を上げることが目的です。

筋骨格系とマグネシウム

患者さんから「何故足がつるのか?」良く聞かれます。冷えなどの血行不良、筋肉疲労、水分不足などが考えられますが、「足がつる」、「こむら返り」の原因の多くは「ミネラル不足による筋肉の異常収縮」です。筋肉の収縮及び弛横のバランスをとっているミネラル分が不足して筋肉が異常収縮を起こし痛みが起こします。

足がつるのを防止する栄養素として最も不足しがちなミネラルは、マグネシウムです。マグネシウムは体内で不足しがちなミネラルで、薬やアルコールなどでも消耗するため、様々な要因で不足しがちです。また、マグネシウムは、細胞の活動に必要なカルシウムやカリウムが出入りできる状態にする働きを持っています。そのため、マグネシウムが不足すると、筋肉が過敏になってしまいます。

神経系とカリウム

カリウムは、必須ミネラルの1つで「神経・筋肉ミネラル」とよばれ神経が刺激を正しく筋肉に伝えられるようにし、心臓・筋肉の機能調整をしています。細胞内の余分なナトリウムを排他し、水分バランスや血圧を正常に保ちます。また、高血圧や脳卒中への効果があります。実際にはカリウムが足りていても、ナトリウムを多く取りすぎているケースが多いため、カリウムが不足になりがちなのです。

酵素と免疫とミネラル

酵素は体内に何千種類もあり、それぞれ違った化学反応を行っています。現在約3000種類の酵素が分かっており、生命の中心的活動を行っています。その中でも有名な酵素としては、ダイエットなどで話題になる「代謝酵素」や「消化酵素」などがあります。食事による栄養が偏ると酵素は本来の働きをできません。ひとつの細胞には平均5000個の酵素があるといわれ、特定のミネラルが入ったときに初めて働くものが多いのです。

アンバランスな食生活は、ビタミンやミネラルとの連携で働く酵素にとって、その活動を鈍らせ、あるいは停止させることになります。その結果、細胞の働きが十分でないと思われる患者さんが増えています。

もちろん免疫系も細胞で構成されています。細菌などの比較的大きい異物をアメーバのマクロファージや穎粒球(好酸球・好中球など)、ウイルスや小さい微粒子などの異物を特定の形で捕らえるリンパ球(B細胞・NK細胞・T細胞)などの免疫細胞が正常に働いていないと、様々な病気の要因に対して十分な抵抗力を発揮できません。

ミネラルバランス

カルシウムとマグネシウムを2:1の割合で摂取すると、マグネシウムがカルシウムの吸収を促進して、代謝を効果的にコントロールしてくれています。ミネラルは身体の中でそれぞれの相互関係によって成り立っていて例えば、カリウムが必要量より不足すれば、他のミネラル畳も不足したカリウムの量に合わされてしまいます。つまり、カリウムが不足しているとナトリウムも正しく働かないのです。一般の日本人は塩分を多く摂る傾向があるので、ほとんどの人がナトリウム過剰の状態になっています。ところがカリウムを十分に摂取すれば、腎臓はナトリウムを処理し始めるのです。したがって塩分過剰の食事に注意するだけでなく、カリウムも正常に摂取しなければ、せっかくの努力が意味のないものになってしまうのです。

こうしてミネラルはひとつの単体だけでなく、二つ以上のミネラルの相関作用で人体の細胞の働きを助けてくれるのです。

多くの清涼飲料水や加工食品には、添加物として「リン酸塩」が加えられています。リンもミネラルですが、むしろ過剰摂取が問題になっている栄養素で、多く摂り過ぎるとカルシウムの吸収を妨げてしまいます。カルシウムとリンは1:1の割合で摂るのが理想的です。(ちなみに犬は2:1)しかし、現代の食事はリンの摂取量が多く、カルシウムの摂取量が追いついていない状態です。手軽で便利な加工食品は現代の食事には欠かせないものとなっていますから、加工食品が多い食事のときには、加工食品のリンを減らすかカルシウムを増やすかということになります。

和種類の植物ミネラル

何十種類もあるミネラルのバランスを日々意識して摂取するのは大変です。そこで自然の形で70種類以上入っている植物ミネラルを私は摂取しています。

植物ミネラルの重要性

人において必須性が認められたミネラルとして、一日の摂取tが概ね100mg以上となるミネラルは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム及びリン、100mgに満たないミネラルは、鉄、亜鉛、銅及びマンガンである。ゴマや大豆にはこれらのミネラルが豊富に含まれていることがわかる。特に亜鉛は肉や魚介類から摂取することが多いので、菜食中心の人達は特に不足しがちな可能性が高い。また、厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告(2010年版22年度4月より適用)より上記9種類のミネラルのほかにセレン、モリブデン、クロム、ヨウ素などの微土ミネラルについても摂取目安や推奨値が公表されていることなどから、ミネラルは数多くの種類を摂取することが大切だと言えます。

お料理にミネラル

調理中に調味料と一緒に植物ミネラルを入れても、出来がったお料理にスプレーしたりすることでミネラル豊富なお料理に早変わりです。

ご飯にミネラル

ご飯を炊くときに植物ミネラルを入れます。お米を研いだときにミネラルを入れて、お米にミネラルを吸収させてからご飯を炊くと、よりふっくらとミネラル米としておいしくいただけます。

  

2010年06月17日

食物の効用16「レンコン」

食物の効用16「レンコン」



●PROFILE
(細川順讃)ほそかわ・かずひろ
1948年、愛知県豊川市生まれ。東西医学、心身医学、食養法、民間医療等を統合し、総合的健康法・治療法の実践的研究を40年以上行う。自分自身を自在にコントロールするBRM(脳内体験)と食養をベースに統合的・根本的な指導をする。現在は生活改善指導の講演会や健康セミナー、個人相談、ワークショップなど幅広く活動している。著書に『食養生夫全』『食養読本(女性編、生活習慣病編)』(共著)、「新型インフルエンザに負けない体内環境革命」(メトロポリタン・プレス)、「症状別マクロビオティックDVD一時間で分かる:新型インフルエンザ対策」(株式会社JVD)などがある。



レンコンの沿革

スイレン科ハス属の多年生水草・ハスの地下茎をレンコンという。古くは中国から日本に渡来Lt各地の池、沼、水田などで栽培されてきた。最近ではほとんど水田で栽培されるようになり、ビニールハウス内で促成栽培も行われている。

レンコン栽培は、江戸時代から盛んに行われるようになったようだ。熊本港(細川家)と加賀藩(前田家)では、特産品として栽培に力を入れてきた。現在でも、熊本県と石川県はレンコン栽培が盛んだ。

レンコンは、1億年以上前から存在している化石的植物だ。泥の中から生まれて、ダイナミックで華麗な花を咲かせる蓮を、仏教の教えの象徴とされてきた。釈迦の像が、蓮台の上にあるのはそのためだ。汚れた娑婆世界を泥中に例え、水の上に現れた美しい蓮の花は極楽浄土の象徴とされた。そのため仏事には、蓮が描かれているものが多い。

また、蓮の根と実は健康長寿の食べ物としても重視されてきた。これは、昔の人が直感的に健康増進にいいことを感じとっていたのであろう。また、レンコンを食べることで、いろいろな効果の体験を積み重ねていったのであろうと思われる。漢方では、生薬としても使われている。

レンコンの栄養

レンコンは、大変栄養価に富んでいる食物だ。とくに、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれている。また、ムチンや食物繊維が豊富に含まれている。ムチンは糖タンパクの一種で、皮膚、粘膜、血管などを強化する。食物繊維が多く含まれているため、腸内環境を整え、有害物質や脂質などの吸収を抑える作用もある。レンコンは、深い沼地の泥の中にあって圧力を受けながら育っているので、陽性食品の代表だ。陰性の体質に偏っている人は、常食するとよい食物である。

レンコンの効用

全草にネルビン(アルカロイド)を含み、止血、強心剤として用いられる。

タンニン(ポリフェノール)は、炎症を改善し、止血作用があるので、胃潰蕩、十二指腸潰蕩、潰癌性大腸炎、痔による血便などを改善する。また、強力な抗酸化作用がある。切ったレンコンが、時間がたって茶色に変色するのは、タンニンのためだ。

レクチン(タンパク質)は、マクロファージ(免疫細胞)の活動を助ける働きがある。

その他、血流促進、消化促進、利尿、痔、下痢、咳、口渇、二日酔いなどに効果がある。

レンコンの花には、鎮静、下痢、咳、身体のほてり、肝臓、痔などに効果がある。花托(花床)は、不眠、あかぎれ、しもやけに効果がある。蓮の実は、利尿、口渇、吐気、浮腫、腎炎、糖尿病、婦人病などに効果がある。葉の汁や煎じたものは、下痢止、止血、解毒、水分代謝、脂質代謝、血流促進、便通促進の作用がある。

レンコンの選び方

レンコンは質の差が大きいのでよく吟味する。

細く、短く、泥つき。切り口を離すとき、糸を長く引くものほどよい。穴は、丸く、小さいもの。太すぎたり、穴が楕円や三角のものは芳しない。化学肥料を使っていないもの。沼で栽培されたものがもっとも良質である。田で栽培されたものは水深が深いところはどよい。

レンコンの使い方

■咳止め

◆蓮根湯
1.レンコン100〜150gをすりおろす。
2.醤油2〜4g、葛3〜5g、水50ml
3.1.と2. を鍋に入れ、5〜10分、弱火で加熱する。
※ これを2回に分けて飲む。
※ 発熱や化膿がある場合は水を入れず生で飲む。

◆「コーレン」----生レンコンがない場合は粉末を用いる。
1.コーレン3〜5g、塩0.2〜0.3g、葛2〜3g、水500mlを鍋に入れ、
弱火で40〜60分加熱する。 2.2回に分けて飲む。
※煮込みの鍋はセラミックか土鍋を使う。

◆咳止ドリンク

生レンコンをすりおろし、その削汁を大さじ1杯、
生美のおろしと塩を少々加えて湯を注ぎ、ハチミツを加える。
※陰性症状が出ている場合は飲んではならない。

■鼻詰まり

レンコンのおろし汁を脱脂綿などに含ませて鼻につめる。
または、綿棒で鼻の内側に塗る。

■むくみ レンコン湯100mを1日1〜2回飲む。

■おでき(化膿) しぼり汁を塗る。


※調理の注意
レンコンは皮に有効成分の多くが含まれているので、皮をむかずに刻む。 レンコンを切ってしばらく置くと色が黒くなる。これを灰汁(アク)と称して捨てるのが一般的だが、ここに含まれる成分が有効成分だ。したがって、アク抜きはせずにそのまま調理する。

  

2010年04月05日

食物の効用15 「ゴボウ」

食物の効用15 「ゴボウ」



●PROFILE
(細川順讃)ほそかわ・かずひろ
1948年、愛知県豊川市生まれ。東西医学、心身医学、食養法、民間医療等を統合し、総合的健康法・治療法の実践的研究を40年以上行う。自分自身を自在にコントロールするBRM(脳内体験)と食養をベースに統合的・根本的な指導をする。現在は生活改善指導の講演会や健康セミナー、個人相談、ワークショップなど幅広く活動している。著書に『食養生夫全』『食養読本(女性編、生活習慣病編)』(共著)、「新型インフルエンザに負けない体内環境革命」(メトロポリタン・プレス)、「症状別マクロビオティックDVD一時間で分かる:新型インフルエンザ対策」(株式会社JVD)などがある。



ゴボウの渡来

ゴボウはキク科の越年草で、ヨーロッパ原産といわれている。ヨーロッパから中国に渡り、千数百年前に中国から日本に伝えられた。日本では品種改良され、食べやすい多くの品種が栽培されている。中国やヨーロッパでは、主に薬用として用いられてきた。ヨーロッパでは、ゴボウは解毒作用がもつとも強力なハーブの一つとされている。食用として主に用いられてきたのは、日本と韓国だ。

ゴボウのもつ驚異の浄化力

ゴボウの浄化機能は大変優れている。虫垂炎(盲腸炎)は、ゴボウの汁を飲めば1〜2回で治ってしまう。ゴボウの種(牛努子、ゴボウシ)の浄化力はさらに強力で、胆石や腎臓結石も溶かしてしまう。葉にも有効成分が多く含まれている。

牛蓼子は母乳の分泌促進にとくに有効であることが知られている。産婦人科の病院で妊婦に牛蒡子を飲ませているところもある。

ゴボウを日常的に食べていると腸内が浄化され、善玉菌が増え、悪玉菌が減っていく。その結果、大腸内では食物の最終処理がスムーズに行われるため有害物質が生み出されないので血液が浄化される。善玉菌が盛んに繁殖すると、腸内ではビタミンやアミノ酸など様々な栄養素や有効成分が産生される。これらの成分は体内に吸収され、代謝を活発にする。

ゴボウの成分は、腎臓や肝臓の機能を高める作用がある。肝腎の機能が高まることによって、目、胃腸、膵臓、心臓、血管、皮膚、免疫力、自律神経系、内分泌(ホルモン)など、全身的に機能が向上する。咳、痰、利尿、口内炎、虫さされ、中耳炎、痛風、関節炎、潰瘍、高血糖にも効果がある。抗菌作用があるので、発熱がある感染症にも有効だ。

ドイツ(1967年)と日本(1986年)における研究で、ポリアセチレンに抗生作用があることが明らかになった。ポリアセチレンは、ゴボウの新鮮な根に多く含まれている。

アルクチインは硬化した組織を柔軟にする作用がある。関節が硬くなって痛みがある、転びやすい、腹部が硬い、動脈が硬化気味などを改善する。人は加齢とともに身体全身の組織が硬くなって、動きがぎこちなくなり、機能が低下してくる。アルクチインはこれらの障害を予防・改善する。イヌリンは腎臓機能を高める。リグニンはガン予防効果があることが明らかになった。

ゴボウに含まれる成分は、リグニン、アルギニン、アルクチオピクリン(苦味配糖体)、アルクチイン(フラボノイド)、ポリアセチレン、セスキテルペン、タンニン、イヌリン(多糖体)など。食養料理の主役 食養料理ではキンピラゴボウは定番料理だ。ゴボウを千切りにし、油で炒めて高温をかけることで陰性成分を分解し、醤油のナトリウムを加えて陽性にする。陰性の病気の治療食にもなるということで、頻繁に食卓にのる。

ところが、ここでーつ問題がある。近ごろ、油の質が非常に悪くなっている。素材も搾油法も、昔とはかなり違ってきた。国内産の良質な素材が高価過ぎて使えないということで、輸入品で妥協しているのが現状だ。油はとてもデリケートだ。熱、酸素、光で簡単に酸化する。酸化した油は、毒物になる。初めから質の悪い油を、さらに変性・酸化させて無造作に使っている人が大半である。肝臓が強靭な人はよいが、普通の人はダメージを受ける。まして、病気をもっている人はさらに負荷がかかる。体内に入った油が完全に処理・代謝していれば問題ないが、わずかでも代謝産物として組織内に残れば、様々な障害を起こすことになる。キンピラは油抜きで作るのが賢明である。

ゴボウをいろいろな根菜やコンニャクなどと煮しめると、おいしくて栄養的にも合理的だ。ゴボウ独特の成分と、他の根菜類の栄養素が融合し合って成分バランスが整い、効果的だ。

ゴボウを豆味噌(赤味噌)で漬けると効果がさらに増す。ゴボウの有効成分と豊富なミネラルが味噌のアミノ酸やビタミンと一体になり、味・効能ともに上がる。とくに、腸内環境を整える効果はヨーグルトや乳酸菌発酵エキスなどの比ではない。醤油漬けも味噌と同様の効果がある。

また、浅漬けにするのもよい。手軽な健康食品となる。薄く輪切りにし、そのまま食べられる程度の塩をまぶして、半日から一昼夜漬財ておく。塩のミネラルがゴボウの組織内に入って、ゴボウのそれぞれの成分と結合し、とてもおいしい有効食物となる。

「鯉こく」は、貧血、冷え性、低血圧、リウマチ、肝臓、母乳分泌などに大変有効だ。

「鯉こく」は素材を充分吟味しなければならない。とくに、鯉は天然の良質なものでなければならない。または、天然と同等の条件・環境で飼われているものだ。そこにゴボウを入れると鯉の動物成分が中和され、成分のバランスが整ってより効果が増す。さらに効果を増し、味を良くするために、ダイコン、大豆、小豆、昆布、梅干、味噌、ショウガ、三年番茶などを加える。これを、土鍋で1.5時間位煮込む。こうして作ると、とてもおいしくて、効果も高い「鯉こく」ができあがる。

ゴボウの使い方

ゴボウは、皮の部分にもっとも多くの有効成分が含まれている。調理の際、皮をできるだけ多く残すよう、ブラシでこするだけにする。刻んでから、水に浸けてアク抜きなどをしてはならない。灰汁(アク)といわれる茶色の成分は、すべて有効成分だ。切り口を空気に触れてさせている時間が長いと、成分が酸化して減少する。刻んだらすぐに調理することが必要だ。

加熱時間が長いほど、陰性成分が破壊されて相対的に陽性化する。反面、栄養素は減っていく。したがって、加熱はほどほどにしておくのがよい。ゴボウは生で食べても支障が出るほどの陰性ではない。有効成分を、充分に活用することが賢明である。

ゴボウを薬用として使う

虫垂炎(盲腸炎)
◆生ゴボウの根を、皮ごとすりおろす(おろし器……セラミック、陶器)
◆汁を絞って飲む。おろしたもの全体を食べるとより効果的。
◆1回70〜100mlを、1〜3回飲む。
◆汁を飲んで安静にする。
◆3〜6時間たって症状の変化が春ければ、もう1度飲む。
◆患部(右下腹部)を押さえて、違和感や痛みがなければそのまましばらく様子をみる。
◆水分補給……生水を湯煎で20〜35℃に温め、少しずつ飲む。
◆1〜2日は絶食。
◆食欲が出てきたら、葛を少量食べる。(味付け……梅醤)

母乳の分泌促進
◆牛蒡子・ 10〜20粒を水で飲む。
◆1日1回。いつ飲んでもよい。

おでき、ニキビ、湿疹、痒み、コリ、神経痛、関節痛、咳、痰

◆根と葉を煎じて飲む。
●材料
根……100g
葉……100g
水……500g
全てセラミックまたは土鍋に入れ、弱火で30〜40分煎じる。
▼1日2回に分けて飲む。

◆生ゴボウの汁を、飲む。
50〜70mlを、2回に分けて飲む。

◆ゴボウの浅漬けを食べる。
1日30〜60g

ゴボウの栽培

ゴボウは、ベランダでも簡単に栽培することができる。

  1. 20辺のビニール袋を使う。袋の下方に、箸などで20カ所位穴をあけ水抜き口を作る。
  2. 腐葉土を1〜2割混ぜた土を袋に8割ほど入れる。
  3. 30〜40cm位の品種の種を使う。長いものは、袋からはみ出してしまう。
  4. 3月上旬から9月上旬に種まきをする。5cm間隔で、深さ1cmの穴に2〜3粒の種を入れて土をかぶせる。
  5. 日当たりの良いところに置く。

◎水やりは土が乾いたら行うくらいでよい。
◎ゴボウは比較的乾燥に強く、過湿に弱い。80〜120日で収穫できる。

  

フコダイン石鹸

フコダイン石鹸



●PROFILE (三位敏子)みつい・としこ
中医師
1985年中国、上海中医薬夫学医学部卒業
現在、上海中医薬大学首都医校客員教授、医療法人千程会代表、千代田漢方クリニック副院長を務める。


「肌トラブルの原因は洗顔にあり」日本女性の80%は自称乾燥肌!今こそ洗顔を見直して健康的な肌へ

無添加石鹸も玉石混合 皮膚の老化を左右する洗顔料選び

現代人の多くが何らかの肌トラブルをかかえています。皮膚科に通うまではいかないけれど、肌がかゆい・かさつく・敏感など…。これら肌トラブルの要因には、日常生活の中での食事やストレス、紫外線、エアコンによる乾燥、排気ガスなど様々なものがあります。しかし、肌トラブルの元凶となっているのが洗顔・洗浄料であることは余り知られていません。

正しい洗顔料選びは、肌の老化を左右します。

肌(皮膚)は、心臓や肺と同じように、複雑なしくみを持ち体を健康に保つうえで重要な働きをしている臓器の一つです。肌(皮膚)は、体の表面を覆い外部からの物理的な衝撃から体を守りますので、環境の影響を受けやすいことは明らかです。肌(皮膚)は本来、特別なケアをしなくても自然に機能を果たすようにできていますが、唯一皮膚自身ができないことが「汚れを落とすこと」。

だからこそ、肌を清浄する「石鹸」は慎重に吟味する必要がある、のです。

市販の石鹸事情

石鹸も多様になり、無添加と調われていても、合成化学薬品が配合されている洗顔料は少なくありません。汚れを落とす作用を担う成分は、界面活性剤です。界面活性剤とは油を水と混ぜる成分のことです。通常は水と油は決して混ざりません。その水と油を混ぜる役割をするものが界面活性剤です。

酢と卵を混ぜるとマヨネーズができるように、卵などに含まれる界面活性剤レシチン等の天然の成分もありますが、市販のクレンジングや洗顔料・ボディソープに含まれる界面活性剤の多くは、合成の界面活性剤、すなわち合成洗剤です。

合成界面活性剤の害

合成の界面活性剤は、非常に肌の油分を奪う力が強く、また浸透力が強いので角質内部まで浸透します。性質上水とくっつきやすいので、お肌の水分とくっつき、蒸散させてしまいます。洗顔時にしっかり洗い流したつもりでも、合成の洗浄剤は肌表面に残っています。合成の成分で肌内部の水分を奪われ、肌は次第にバリア機能を失っていき、どんどん乾燥します。そして、化粧水・美容液・乳液・クリームやオイルでこってりと保湿しなければ乾燥すると感じてしまうのです。インナードライといわれる現象で、現代女性の乾燥肌・敏感肌はその要因が大きいのだと考えます。簡単に水で洗い流せるクレンジングオイルや、拭くだけで化粧落としができるコットンなどを恒常的に使用している女性に限って乾燥に悩まされている方が多いのも特徴といえるでしょう。

また、人間の身体には様々な菌が生息しています。お腹の健康を守るビフィズス菌などが善玉菌として有名ですが、皮膚には、皮膚常在菌という善玉菌がいます。この皮膚常在菌の活躍が美肌の鍵を握っています。しかし、市販の洗顔料の多くは防腐剤が含まれており、この防腐剤によって皮膚常在菌は死滅してしまい、天然のクリームである皮脂を作り出すことが困難になるのです。

真の無添加石鹸

肌にとって理想的な洗浄剤は石けんです。防腐剤無添加で弱アルカリ性の石けんは、紀元前3000年という太古の昔から5000年の歴史でその安全性が確認されている天然の洗浄剤です。

無添加石けんの代表的な原料の一つオリーブオイルから作られた石鹸で皮膚を洗浄すると、洗い流した後に脂肪酸と原料のオリーブオイル由来のグリセリン・スクワレン等の美肌成分が肌表面を覆いますので、洗浄により洗い流された皮脂の役割を果たしてくれます。脂肪酸は皮脂の40%、グリセリン・スクワレンも皮脂に含まれる成分ですから、これが洗顔直後でも肌が乾燥しない所以です。また、脂肪酸は弱酸性ですから脂肪酸が皮膚を覆うことで、洗顔後すぐに雑菌の繁殖しにくい弱酸性の健康な肌の状態を作り上げるのです。防腐剤無添加ですので、美肌を保つ皮膚常在菌の働きを妨げず、キメの整った肌を保つことができます。(下参照)

様々な石鹸製造方法

石鹸には、「中和法」・「鹸化塩析法」・「コールドプロセス法」という3つの製造方法があります。中でも90%以上のシェアを占める中和法は、短時間で価格的にも安価できる大量生産に向く製造方法です。

2つ目の鹸化塩析法は、塩を加えて純度の高い石鹸をつくる製造方法ですが、塩析の過程で、グリセリンなどの天然保湿成分の大部分を捨ててしまいます。

3つ目のコールドプロセス製法は、冷製炊込み法とも呼ばれ、石鹸を鹸化する際の反応熱だけで熟成させて製造する方法です。余分な熱も塩も加えないので、原料油脂に含まれる美肌成分をそのまま残すことができます。この製造方法は非常に技術を要するので、日本でも数社しか行っていません。熟練の石鹸職人が、60日かけてゆっくりと熟成させた石鹸は、指で押すと形が変わるほど柔らかく、保湿成分が凝縮していることがわかります。また、一切の廃液も出さず石鹸を作り上げるので、環境にも配慮したエコ石鹸といえます。(下参照)

中位学的見地から見た美肌成分「ガゴメ昆布フコイダン」とは

昔から中国では、昆布が肌や髪の毛に良いと食されてきました。海藻や海水などの海の資源を用いて体の中から活性化させ機能を高めていく自然療法などもあり、人々の美と健康に非常に身近な存在です。近年、海藻エキスに含まれる「フコイダン」に美肌作用があることが分かり化粧品等に配合されるようになりました。

フコイダンとは、もずくやワカメ、コンブなどの海藻独特の「ヌルヌル成分」です。海藻の葉にある粘膜管から分泌され、葉や茎が潮の流れや砂などで痛んだときに、そこから細菌が進入しないように防御してくれる役割があります。

その中でも、ガゴメ昆布から抽出される「ガゴメ昆布フコイダン」は、褐藻類の中でも極めてヌメリが強く「フコイダン」の量が多いのが特徴です。

ガゴメ昆布は北海道函館沖近海でしか生育していません。水温や水深などの生育条件に非常にデリケートで、生育場所が極めて限られており、非常に貴重な昆布なのです。

そのガゴメ昆布から抽出したフコイダンは、私たちの健康に良いと注目されていますが、実は肌にも良い作用を持っています。フコイダンを研究している研究員が、ガゴメ昆布からフコイダンを抽出する際あまりにもフコイダンのヌメリが強いので、素手で抽出作業を行っていました。すると、抽出作業を担当していた研究員に限って手肌がスベスベになっているのに気づいたことから、フコイダンの美肌作用の効果が発見されました。

フコイダンの美肌効果

■保湿力が高く肌の潤いを長時間にわたって保つ。
■皮膚表面にとどまって天然の薄い被膜を形成して皮膚を保護する作用が期待できる。

肌に残ることを前提に

肌を洗うという行為は、老若男女毎日行われます。毎日のことだから、肌に刺激のない石鹸を使いたい。でも石鹸である以上、皮膚に残ることや浸透することは避けられません。

それならば発想を逆転して、洗い流した後にも皮膚表面にとどまり皮膚を保護することができる無添加プラス美容成分が含まれる石鹸で毎日の洗顔をすることが理想的です。

スキンケアの基本は洗顔です!正しい洗顔のすすめ

  1. 髪の毛はおでこや頬に付かないように、まとめておきます。手はきれいに洗っておきましょう。
  2. 最初に、ぬるま湯(水より少し温かい程度)で顔をぬらします。お湯の温度が高いと必要な皮脂まで落としてしまい、肌を乾燥させてしまう事があります。
  3. 泡立てネットなどで石けんを泡立て、たっぷりのキメ綱かい泡を作ります。軽くゆびを使ってゆっくり・丁寧に。泡のクッションで肌をマッサージするように、Tゾーン(顔やおでこ)の皮脂の気になるところから洗います。
  4. 髪の生え際、小鼻の横、フェイスラインも忘れずに。決して跳を強くこすらず優しく洗い上げたら、洗顔料が残らないように、よくすすぎましょう。
  5. 洗顔後は、清潔なやわらかいタオルで、お跳を包み込むように水分のみをふき取ります。けっしてこすらないようにしましょう。
  

2010年03月05日

食物の効用14 「キクイモ」

食物の効用14 「キクイモ」



●PROFILE
ほそかわ・かずひろ
1948年、愛知県豊川市生まれ。東西医学、心身医学、食養法、民間医療等を統合し、総合的健康法・治療法の実践的研究を40年以上行う。自分自身を自在にコントロールするBRM(脳内体験)と食養をベースに統合的・根本的な指導をする。現在は生活改善指導の講演会や健康セミナー、個人相談、ワークショップなど幅広く活動している。著書に『食養生夫全』『食養読本(女性編、生活習慣病編)』(共著)、「新型インフルエンザに負けない体内環境革命」(メトロポリタン・プレス)、「症状別マクロビオティックDVD一時間で分かる:新型インフルエンザ対策」(株式会社JVD)などがある。



キクイモは、北アメリカ原産の多年草キク科植物である。花が菊に似ていて、地下茎(塊茎・イモ)が多くできるので「菊芋」と呼ばれるようになった。

キクイモの生命力は、すさまじい。たった一つの種イモが、収穫期には数十倍の量に増えている。春に植え付けて、初夏の頃になると可憐な葉が出てくる。これが、そのうちに見る見る成長してくる。暖かい時期に一気に成長して太い軸と大きな葉をつけるようになる。初めの姿からは想像できない迫力だ。秋になると、僅まるで何かの木が生えているかのように堂々と立っている。先端部に1.5〜20cmもある大きな黄色い菊に似た花が咲く。茎の根本は4〜5cmの太さがあり、高さは2〜2.5mにもなる。根は地下深く張り巡らされており、地中の養分を貪欲に吸収する。

そのため、キクイモの周囲には、他の植物が育つことができなくなるほどだ。

キクイモを生で食べると、ミネラルの味を濃厚に感じる。地中のミネラルをたっぷり吸収しているためだ。土のミネラル組成によって、さまざまな味になる。キクイモには、ミネラルが豊富に含まれているのが味を介しても分かる。主成分は、イヌリンという多糖体が?%でデンプンはほとんど含まれていない。ビタミンC、E、B、哉、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、カルシウム、リン、鉄、亜鉛、セレンなど豊富な栄養素が含まれている。β-カロテン、サポニン、フラボノイドなどの有効成分も多量に含まれている。戦時中には、食糧不足を補うために、日本各地で栽培され食用にされていた。アメリカでは、昔から糖尿病の薬として予防と改善に多用されてきた。

現代人は、砂糖、油脂などが好きでよく食べる人、また、過食癖の人が多い。さらに、運動不足が加わって、栄養素と疲労物質(老廃物)が身体中に停滞している人が多い。そのような生活習慣の人は、糖尿病、肝臓病、循環器傷害をおこしやすい。こういう人は、キクイモを頻繁に常食するとよい。

キクイモの効用は、次のように広範囲である。

  1. 膵臓機能向上(最も効果がある)
    イヌリンの作用で血糖の上昇が抑えられ、細胞膜のインスリン受容体(細胞内へ糖を吸収するポイント)が機能向上する。さらに、膵臓の機能を高める作用もある。

  2. 肝臓・腸・循環器・副腎の機能向上
    肝臓と腸の機能が高まると血液が良くなり、全身の組織・器官の機能が向上する。血液質が向上すると、血管・心臓の負荷が軽くなって、機能が向上する。

  3. 老廃物排泄・血液浄化
    キクイモの作用で腸・肝臓の機能が上がり、老廃物の中和・排泄がスムーズになって、血液がきれいになる。

  4. アレルギー改善
    アレルギー体質を完全に変えるには、血液を浄化し、腸、肝臓、副腎の機能を上げ、脳幹の機能を安定させることがポイントだ。キクイモはその条件を整えるのに、大きな効果・期待できる。

  5. 脂質代謝促進
    脂質は、細胞膜、脳細胞、ホルモンの素材など、重要な栄養素である。リン脂質、コレステロール、EPA、DHA、中性脂肪など、さまざまな脂質がある。必要に応じて、生成、分解、排泄が行われ、常に体内の脂質のバランスが保たれている。脂質コントロールの主役は、肝臓と脳幹だ。キクイモは、双方の機能を向上させる。

  6. 水分代謝改善
    水は、もっとも重要な栄養素だ。身体を構成する組織のすべては、良質な水分が満たされ、スムーズに循環していなければ、たちまち正常に機能できなくなる。不足も過剰もあってはならない。キクイモは、水分の循環と供給を円滑にする働きがある。

  7. 便通促進
    キクイモに豊富に含まれているイヌリンは、水溶性食物繊維で大きな分子を形成している。人の腸内には、これを細分化して吸収するための酵素が少ないため、そのまま大腸に移動してぜん動運動を促す効果がある。イヌリンが腸を移動するとき、余分なコレステロール、飽和脂肪、脂質などをくるんで排泄する。クリーニングの役割も果たす。

[食べ方]

  1. 生のまま
    輪切り、短冊切りなどにして、他の野菜と混ぜてサラダにする。スライスして他の料理に、トッピング。

  2. 漬ける
    塩漬、味噌漬、醤油漬、梅酢漬。味噌漬、醤油漬の場合は、予めキクイモを2〜3個に切り、日に干してある程度水分を抜いてから漬ける。生を切っていきなり漬けると、水分が多量に出てかびることがある。

  3. 煮る
    やや大きめに切って、加熱時間は短くする。長く煮ると、しぼんだスポンジのようになって、食感が良くない。

  4. 蒸す
    野菜は、蒸して加熱すると栄養素が逃げず、色は保たれ、おいしくなる。蒸してから、和え物やサラダにする。

  5. 焼く
    セラミックや石のプレートなどで、低温で焼くと栄養素が活性化し、とてもおいしくなる。これを、さまざまな料理に使う。

  6. 乾燥
    キクイモを長く保存するには、乾燥させるのも合理的だ。いくつかに切って、日に干して乾燥させる。植物は、天日乾燥すると有効成分が増えて味もよくなる。使うときには、水でもどして煮物などにする。粉末にして、料理、おやつ、パンなどに入れて使うこともできる。

[キクイモの栽培]

◆植え付け
植え付けは、春に行う。地中10cmくらいのところに、種イモを埋める。肥料は、不要。

◆手入れ
水やりは、不要。地上部が1m位に成長したところで、刈り込む。地上部があまり大きくなると地下茎の養分が吸収されて、育ちが悪くなる。

◆取り入れ
11月上旬、地上部が枯れる前に根元から切り取る。枯れると地下茎に「ス」が入って、味が悪くなることがある。必要な分ずつ掘り出して、素材に使う。

◆種イモ
種イモは、掘り出さず地下に残したまま越冬するのがベスト。とくに寒い時は、土の上にむしろなどをかぶせて、種イモが凍らないようにする。

◆移植
移植する場合は、芽が出る前、2月下旬から3月上旬ころに行う。

  

クヮンソウ

クヮンソウ



同志社女子大学薬学部教授
小西天二



沖縄地方に自生しているクヮンソウの正式な植物名はアキノワスレグサ(Hemerocallis fulva var.sempervirens)という。アキノワスレグサ(クヮンソウ)は、ユリ科Liliaceaeワスレグサ属の一種で、国内では沖縄県を中心とする南西諸島、さらには台湾に分布している多年草である。北限は鹿児島県で、同様な分布域にハマカンゾウHemerocallis fulva var.littoreaも生育しているが、ハマカンゾウは北限が関東地方まで及ぶ。ワスレグサ属は、日本に10〜20種類あるといわれ、分類が非常に難しい植物とされている。ワスレグサ属の中国名は「萱草」で、日本ではカンゾウと発音し、生薬で使用される「カンゾウ(甘草)」と混同されることがあるが、両者は全く別の植物である。ちなみに、甘草(カンゾウ)はマメ科の植物である。「ワスレグサ」という名前は「ワスレナグサ(忘れな草)」と間違われる場合が良くある。「ワスレナグサ」は、ムラサキ科の一年生植物である。「ワスレグサ」は植物名ではなくグループ(属)の名前で、ワスレグサという植物は存在しない。ワスレグサ属のうち何種類かは、中国、日本で昔から薬草として利用されて来た。そのうちホンカンゾウ(本萱草)Hemerocallis fulva var.fulvaは、中国に分布しており、日本には自生していない。根の紡錘根(根の途中のふくらみのある部分)を萱草根(ケンソウコン)といい、利尿、消炎、止血薬に利用する。また、花(つぼみ)の部分は、金針菜(キンシンサイ)とよび、利尿、不眠、黄疸の治療や体内の熱を鎮めるのに用いるほか、近年中国料理に広く利用されている。日本国内に広く分布するヤブカンゾウHemerocallis fulva var.kwansoノカンゾウHemerocallis fulva var.distichaは、根をホンカンゾウと同様に薬用として用いたが、現在は利用していない。しかし、柔らかい春の芽映えの葉を食材(山菜)として利用している。

沖縄地方に生育しているアキノワスレグサ(クヮンソウ)は、昔からつぼみ、葉さらには根を不眠症、興奮(いらいら)などに効く薬草として、また食材として古くから家の周辺で栽培され、利用している。琉球の尚王の侍医であった渡嘉敷通寛(1794〜1849)は、1816年に中国で医学を学び、帰国後『御膳本草』(1823)を著した。『御膳本草』は琉球王朝時代の薬用食物を解説した書物である。その中でクヮンソウについて「若葉及び花は食用に供せられる。つぼみは気味、涼、毒はない。胸を開き、五臓を案じ、歓楽して、患いなからしむ。故に、忘憂草という。小便赤く、渋って身体の煩熱するを治し、黄疸を除き、食を消し、不眠を治す。久しく食べれば、身を軽くして、目がよく見えるようになる」などと記している。また、近年出版された沖縄の薬草関係の書物には、根や葉に不眠症に効果があると記載されている。(注1)

現在、沖縄地方では、床についたけれどなかなか眠れない、眠ったと思えばすぐに目が覚める、そのようなときにアキノワスレグサ(クヮンソウ)を食べると、その夜はぐっすりと眠りにつくことが出来るといわれ、大いに利用されている。市内の八百屋でアキノワスレグサ(クヮンソウ)の葉の部分を野菜として販売している。

最近の研究で、アキノワスレグサの葉、花および根の水エキスは、マウスを用いた実験で、これらの水エキスはマウスの運動量を減少させ、鎮静効果を示すことが報告されている。(注2)また、我々はアキノワスレグサの新鮮な葉のエキスに睡眠作用があり、その睡眠作用成分の一つがオキシピナタニンであることを、マウスを用いた脳波測定実験で明らかとしている。(注3)睡眠作用物質の一つであるオキシピナタニンは、特殊なアミノ酸類縁化合物で、ある時期のアキノワスレグサの葉に多量含まれていることも明らかにしつつある。(注4)さらに、アキノワスレグサにはオキシピナタニンとよく似た化合物が含まれていることが次第に明らかになってきており、睡眠作用を示す成分を含んだ植物として、非常に有用であることもわかってきた。また、日中の運動量には影響を与えず、夜間の睡眠量のみを優位に増加させる報告もある。(注5)

アキノワスレグサ(クヮンソウ)は沖縄の有用薬用植物であり、アキノワスレグサ(クヮンソウ)が沖縄地方で普段から食用として利用されていることを考えると、人間の知恵には驚かされる次第である。このようなことから、現代社会におけるストレスあるいは夜遅くまでの作業による睡眠不足の解消に、クヮンソウを大いに利用したいものである。

[注1]健康と薬草 吉川敏生,月刊沖縄社(1983);沖縄の薬草百科 多和田真淳,太田文子,新星図書出版(1985);沖縄民族薬用植物 前田光康,野瀬弘美,ニライ社(1989);健康を作る沖縄食の大百科 池原直樹,沖縄出版(1991).
[注2]Sleep Biol. Rhythms,5, Supplement 1 (2007):Uchiyama, N.;Nakamura, N.;Wada, M.;Huang, Z-L;Konishi, T.;Urade, Y;EI本薬学会第128年会(横浜)(2008)小川優子,内山奈穂子,中村憲夫,和田雅史,裏出良博,小西天二;日本睡眠学会第22回学術負会(1997)上江洲栄子.
[注3]日本薬学会第129年会(京都)(2009)小川優子,東朋子,松本直美,内山奈穂子,裏出良博,小西天二;第3回食品薬学シンポジウム(大阪)(2009)小川優子,松本直実,内山奈穂子,裏出良博,小西天二.
[注4]目本生薬学会第56回年会(大阪)(2009)山崎麻里,小川優子,小西天二.
[注5]琉球大学教育学部紀要 第66負(2005)上江洲栄子.

クヮンソウを使った料理レシピ

クヮンソウの花入りもずく酢

◎材料(3〜4人分)
沖縄産もずく(500g)、お酢(120cc)、醤油(120cc)、黒糖(120g)、クヮンソウ花(8〜10枚程度)

◎作り方
{1)塩もずくの場合は30分間水につけ、3〜4回洗い塩を抜く。
(2)塩抜きしたもずくはザルにあげ、水をよくきる。
(3)お酢、醤油、黒糖をよく混ぜ三杯酢をつくり(2)と和える。
(4)クヮンソウの花を30秒湯通しし、水気をよく切って1cmの大きさに切り、(3)と合わせれぱできあがり!
※お好みで、しょうが・にんにくみりんを少々入れたり、だし汁(かつおだいやもろみ酢を入れれぱ、より美味しく召し上がれます。

シラクチ(クヮンソウの根)のにんにく炒め

◎材料(2-3人分)
クヮンソウの根(300g)、にんにく(1かけ)、醤油(10cc)、泡盛(10cc)、滴(道量)

◎作り方
(1)クヮンソウの根の白い部分のみを1cm程度に切り、にんにくはみじん切りにする。
(2)フライパンに油をし乱にんにく、クヮンソウの根の順に紗める
(3)醤油、泡盛で味を整えてできあがり!
※お好みで胡椒やコーレーグース(沖程の香奉料)を加えて炒めるとビリッとした味が楽しめます。

スッキリした朝を迎えるために

次の日に備えるために、何をしていますか?忙しい毎日と不規則な生活リズム。「休みたくてもやすめない」「加齢とともに生活リズムが変わった」「家族の健康も気にかかる」など、幅広い年代で毎日の健康への関心が高まっています。健康的な生活を送る基本について考えてみましょう。健康的な生活には食事、運動とともに休息が欠かせない要素であり、忙しい現代人にとって、切実なものになっています。体だけでなく心も休めることが大切。心身ともにリフレッシュして新しい一日に備えましょう。

[豆知識]

体の冷えは禁物。特に足元の冷えには注意。
体の冷えを防ぐには身体を動かす事によって、全身の血行を促進させます。寝る前に道度なストレッチを心がけ、血行を良くして体を温めましょう。

寝る前の食事には注意。胃を休めることも大事です。
消化器系が活発に活動した状態で眠ることは、胃腸にも負担がかかります。よって寝る前の2〜3時間以上前に食事は済ませ、夜食をとる場合も消化に時間のかかる脂肪の多い食べ物は、極力避けるようにしましょう。

部屋を暗くし、朝は自然の光で目覚める。スッキリ目覚める為にリラックスしていますか?
子供の頃、寝る前に強制的に部屋を暗くされ「もう寝なさい!」と言われたことはありませんか?実は部屋を暗くするのは「休息」に深く関係します。人間は、周囲が暗くなってきたことを脳が感知すると体を休息へと誘う仕組みになっています。また、光は覚醒(目覚め)を促すので、起きる少し前から光を感じることで心地良い目覚めを実行するのも意識しましょう。例えば、寝る前にノーテンを少し開けておき、日が昇るにつれ徐々に明るくなる中で目覚めるのもひとつの方法です。スッキリ目覚める為にリラックスした環境で休み、心地良く起きたいものですね。

  

2010年02月05日

食物の効用13 「ユリ科植物」

食物の効用13 「ユリ科植物」



●PROFILE
ほそかわ・かずひろ
1948年、愛知県豊川市生まれ。東西医学、心身医学、食養法、民間医療等を統合し、総合的健康法・治療法の実践的研究を40年以上行う。自分自身を自在にコントロールするBRM(脳内体験)と食養をベースに統合的・根本的な指導をする。現在は生活改善指導の講演会や健康セミナー、個人相談、ワークショップなど幅広く活動している。月刊『マクロビオティック』に「マクロビオティックでトータルライフデザイン」を好評連載中。著書に『食養読本(女性編)』『食養生大全』(共著)などがある。



ユリ科の植物は全世界に広く分布しており、熱帯、寒帯、高山帯、乾燥地帯にいたるまで全域にみられる。全体で約250属4000種類が知られている。地下茎がよく発達し、根茎、球茎、鱗茎などを持つものが多い。葉や種子の形態は、じつに多様だ。

ユリ科植物は、観賞用のユリをはじめチューリップ、ヒヤシンス、アロエ、ユッカ、リュウケツジュ、カタクリ。ネギ、ニラ、タマネギ、ラッキョウ、ニンニクなど、多種多様のものがある。ネギは、根深ネギと葉ネギとある。根深ネギは、シロネギ、リーキ。葉ネギは、青ネギ、九条ネギ、ワケギ、メネギ、アサツキなどがある。

ネギは古来から食用として親しまれてきた

ネギ類の原産地は、シベリア、バイカル、アルタイ地方とされるが、中国西部とする説もある。

日本へは、朝鮮を経て渡来したといわれている。ネギに代表されるネギ属はユリ科に入れず、独立してネギ科として分類される場合もある。

刻んだ生ネギは薬味として使われる。ネギは加熱すると甘味があり、和食には欠かせない食材である。東洋では古くから多用される主要な野菜となっている。

ネブカ、フカネギなど、自い葉鞘部を株分れのほとんどないものと、ハネギ、センボンネギなど、株分れをくりかえし多くの葉をつけ、葉と葉鞘部を食用にするものとに大別される。

ネギの効用

ネギに含まれる栄養成分は、ビタミンA、D、K、E、C、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、葉酸、カロテノイド、鉄、銅、亜鉛、マンガン、マグネシウム、カルシウム、カリウム、セレンなどが含まれる。

有効成分は、アリイン、ケルセチン、アルケニルシステイン、フラボノイド、ケルセチン、ジスルフイド、多糖体(ネバネバ)などが含まれる。

ネギ類は、代謝促進、血流促進、利尿、駆虫、鎮静、殺菌など共通した効用がある。そのため、風邪の予防・改善に効果がある。また、動脈硬化をおこしている血管壁のプラーク(よごれ)を溶かして循環をスムーズにする働きがある。とくに脳内の循環が良くなる。ネギの殺菌作用は強力で、病原菌がネギの成分に触れると、ほとんどは死滅する。寝つきが悪いときには、ネギの刻んだものを小皿に入れて枕元に置いて寝るとよく眠れる。ふだんからネギを道度にとっていると、腸内に寄生虫が住みつくことがなくなる。

タマネギ

タマネギに多く含まれる甘味成分のプロピルメチルカプタンは、善玉コレステロール(HDL)を増やし、悪玉(LDL)を減らす。

フラボノイド(色素)は、活性酸素を中和して無害なものに変える。ムラサキタマネギには、とくに多く含まれている。

プロピル・アリル・ジスルフイド(匂い成分)は、血糖と血中脂質の代謝を安定させる。その結果、高血糖や脂質異常などメタボリックシンドロームの予防に効果がある。タマネギの皮には、ケルセチンが多く含まれている。100g中に200mg、実の400倍だ。ケルセチンは、腫瘍細胞の増殖を抑えることが確認されている。また、血管を柔軟にし、活性酸素を除去する。

ニラ

ニラは、肝臓、腸、循環器(心臓、血管)の機能を高め、血液を浄化し、免疫力を増強する。ホルモンの分泌を促し、生殖器のはたらきを高める。また、強力な殺菌力があり、食中毒や感染症の予防に効果がある。精神安定作用もある。

ニンニク

ニンニクは、体力増強の効用が知られており古くから世界中で多用されてきた。最近では、がんに対しての効果が確認され、注目されている。その効能は、大変広範囲におよび身体の全器官の機能を高める。

主な効果を上げると、肝臓、腎臓、胃腸、心臓、血管などの機能向上。免疫力、血液循環、糖代謝、脂質代謝、抗酸化、自律神経などを安定させる。インフルエンザや結核など感染症の予防と治療に、大きな効果がある。

含まれる成分は、アホエン、スコルジニン、アリキシン、セレニウム、ゲルマニウム、S-アリルシステイン、Sーメチルシステイン、アリイン、アリイナーゼ、アリルスルフィド類である。

ネギ根

ネギの根は、脾臓、膵臓の機能を高める。そのため、糖尿病の予防、改善に効果がある。

ラッキョウ

ラッキョウは、腸内環境を整える作用が大きい。その他、ネギと同様の効能がある。

ユリ根

ユリの根は、胃腸、循環器(心臓、血管)の機能を高め、自律神経を安定させる。血糖と血中脂質を下げ、メタボ予防に効果がある。

ユリマンナン(粘質の多糖体)は、胃壁から粘液の分泌を促し胃粘膜の保護に効果がある。血糖の急激な上昇を防ぐ。アルカロイド(苦味)は、胃腸のぜん動を活発化し、消化と便通を良くする。


素材の利用法

◆ニラ
細かく刻んで、味噌汁や煮物の薬味にする。

◆タマネギの皮
皮を軽く乾煎りし、煎じる。 お茶代わりに飲む。 煮物やスープに入れる。

◆ユリ根
蒸して和え物やサラダに入れる。 煮物に入れる。

◆ネギ根
1〜2mmに細かく刻んで、薬味にする。全体を扇状に広げ、衣をつけて天ぷらにする。

◆ラッキョウ
塩漬け、みそ漬け、しょうゆ漬け、酢漬け。若いラッキョウの生を、サラダに。

◆ニンニク
しょうゆ漬け、みそ漬け、黒焼