2008年06月30日

マクロビオティックでトータルライフデザイン〜TLD〜

自己治癒力(1)

●PROFILE
ほそかわ・かずひろ
1948年、愛知県豊川市生まれ。
東西医学、心身医学、食養法、民間医療等を統合し、総合的健康法・治療法の実践的研究を30年間行う。
自分自身を自在にコントロールするセルフコントロールと食養をベースに統合的・根本的な指導を行う。現在は生活改善指導の講演会や健康セミナーで活躍中。
著書に『自然健康法』『気と食・驚異のバランスパワー』『梅醤たんぽぽ茶健飲法』(共著)『食養生大全』(共著)などがある。
日本Cl協会にて、トータルライフセミナー、ブレイン・リアリティ・メソッド、個人別健康相談も行う。



自己治癒力の要・・・代謝

人が本来持っている自己治癒力が十分機能するなら、外傷も病気も自然に治癒するものである。自己治癒力を妨げるものがあれば、治癒は遅く不完全になる。条件が悪ければ、死に至ることもある。

自己治癒力を最大限に機能させる条件は、(1)代謝 (2)コントロールシステムである。腫瘍の場合は、(3)遺伝子の正常化が不可欠である。

自己治癒力を完全に発揮するには、代謝がもっとも重要である。代謝機能の如何は、自己治癒力を大きく左右する。

代謝を高めるには、(1)内部環境(細胞環境)の正常化 (2)体内組織の負荷を除去することが要である。細胞環境を整えるには、血液の質と循環を高めることである。

代謝とは

生命維持活動のために体内で絶え間なく営まれている生化学反応を総称して、代謝という。

細胞は絶えずその環境から必要物質を取り入れ、生成と分解を繰り返して活動している。アミノ酸、脂肪酸、ステロイド、プリン体、核酸、タンパク質、核酸などを産生し、生余活動の素材とする。また、炭水化物や脂肪酸を分解しエネルギーを得て、活動する。

また、ビタミン、ミネラル、水分、脂質などの、供給、循環、分解、排泄を行い、常に一定のバランスを保っている。

体液のPHのバランスを一定に保ち、内部環境条件を安定させる。PHがわずかでもバランスをくずすと、生命維持ができなくなる。PH7.35〜7.45の範囲で、正常な代謝が行われる。

広義にみると、細胞の新旧交代も代謝とみることができる。人体を構成する細胞の多くは、時期が来ると新しい細胞と入れ替わる。1日に数千億個の細胞が分解し、同数の細胞が新たに生まれている。毎日新生する細胞は、健全で完全な機能を持っていなければならない。ところが、現代入は新生細胞が始めから不完全な状態で生まれていることが常だ。

そのため、年とともに肉体は衰えていく。本来、健全な体内環境であれば、新生細胞は常に健全なものであるため、衰えはわずかである。常に新鮮な細胞が新生しているなら、いかなる障害があっても元通り正常な身体に修復されるはずである。現実には大半の病気が治癒しないのは、代謝が正常に営まれていないためである。確実な治癒のカギは、代謝の如何である。

代謝の条件

代謝を正常に保つためには、血液の質を高く保つことが必要である。血液の質を良くするには、食物の質と、処理能力を高く保つことが必要である。

そのためには、マクロビオティックの原則を守ってベースを整えたうえで個々の体質と身体状態に則した食事を摂るようにする。そうすることによって、細胞環境が高上して代謝が上がる。そのうえで、適度に身体を動かすと、血液は全身を円滑に流れてさらに代謝が高まる。一方、細胞の機能を最大限に高めるのは、負荷をゼロに近づけることである。

細胞にわずかでも余計な負荷がかかっていると、内部環境を高めても細胞機能が十分に高まらない。

細胞の内外に余計な老廃物や余剰栄養があることで、細胞には大きな負荷がかかってくる。これらの余剰物質を速やかに排除しなければならない。そのためには、絶食がもっとも効率よく内部環境から不要物質を排除することができる。しかし、現代人のように異常体質になっていると、絶食による急激な体内の変化に対処できない。場合によっては、危険な状態になることもありうる。その危険を避けるには、葛または玄米をわずかずつ摂取するようにする。

生体負荷をなくす

摂取する水や栄養素を最小限にすると、身体は排泄と修復のための機能が最大限に発揮される。摂り入れた食物を体内で処理するには、時間と大きなエネルギーが必要である。

機能が進行している間は、身体はそこに集中するようにできている。その他の機能は、処理が終わるまで本来は休息するものである。そのときには、排泄・修復の機能は働かない。処理が終わってから初めて機能できる。1日3食、十分な量をとりこむと、処理機能が休息するときがほとんどなくなってしまう。その状態では、身体の調整を十分行うことができない。

そのため、摂取栄養を最小限にするのである。身体にある程度の調整能力があれば、水だけをとり入れるのがもっとも修復の効率がよい。身体の対処能力に応じて、最適な摂り方をする。以下は、対処レベルによる摂取の内容と量である。

身体活動も少なくし、肉体負荷を軽くする。運動などで肉体的負荷をかけるとエネルギーは活動に使われ、内部環境の改善が不十分になる。病気が重症化するほど活動を減らし、安静にしなければならない。

身体内外の負荷が軽くなると、細胞レベル、臓器レベルで排出現象がおこってくる。

腸壁は通常、栄養素の吸収を行っている。これは、腸壁に食物が存在しているときのみである。食物の存在がなくなると、体内の不要物質が腸壁を通して内部に排泄されてくる。これは、便として体外に排泄されていく。断食をすると、しばしば黒いタール様の便や褐色の便が排泄されることがあるのはそのためである。腸壁細胞も、新旧交代するため体内側から細胞新生が進み、内側から古く質の悪い細胞が剥離して排泄される。

細胞レベルでも細胞内や結合織に蓄積している老廃物が排泄され、静脈、リンパ管を介して排泄される。不要な物質が排除されると、細胞の代謝が高上し組織全体の機能が高まる。機能低下や変性した細胞は分解排泄され、良質な細胞が新生する。

こうして、短期間に体内の改善が行われる。内部環境が高上した状態で食生活を整えると、効果が早く高いレベルで現れる。手当法、健康法などを実践する場合も、その効果が短期間に高いレベルで得られる。

処理機能の対処レベルによる摂取の内容と量


排泄現象

不調和な生活をしていると血液中には、乳酸、尿素、尿酸、アンモニア、活性酸素などが停滞する。細胞の内外には、タンパク質や脂質の酸化物、尿酸、重金属などが蓄積する。腸内にはデヒドセコール酸、リトコール酸、インドール、スカトール、硫化水素、アンモニア、メタンなどが蓄積する。代謝が高まるとあらゆる老廃物は、一斉に排出が始まる。このとき細胞から排泄された老廃産物は、肝臓、腎臓、肺を通して、便、尿、呼気などとともに体外に排泄されていく。これが円滑に行われないと、皮膚、眼、鼻、耳、口、膣、など身体の様々な場所から排泄される。

皮膚から排泄されると、かゆみ、湿疹、吹き出物などで排泄される。眼からは眼やに、鼻からは、鼻水、鼻汁などで、耳からは耳垢や分泌物になって排泄される。口からは唾液とともに分泌され、のどからの痰とともに排泄される。膣からは、下り物となって排泄される。このようなときには、倦怠感、疲労感、発熱、下痢、便秘、むくみ、しびれ、吐き気、立ちくらみなど、慢性病の症状が現れることがある。

この現象を「瞑眩」「好転現象」などと、改善の過程でおこる望ましいことであるといわれているが、これは誤解である。本来の状態で身体がバランスよく改善されていく場合は、不快な反応はおこらないものである。

反応をおこさず、健全な体内浄化が行われるためには、肝臓、腎臓、副腎、腸が十分機能できる態勢を整えることが必要である。

これらの機能を高上させながら体内浄化を行うなら、不快な反応などに翻弄されず快適に体内環境を改善することができるのである。



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